2005年11月30日

耐震データ偽造問題の“優先順位”

ここ最近ブログの更新を怠っている間に、世間では様々な事件が起きた。
「広島小1殺害事件」では、容疑者のペルー人男性が逮捕されたことで、事件そのものは一応、解決の方向へ向かっているが、
「マンション耐震データ偽造問題」は、マンション住民の不安は増えるばかりで、当事者の建築主、検査機関らはというと責任のなすり合いをするばかりで、
ますます問題は深まり、不動産・建築業界への不信感も根強いものとなってしまった。
29日には国会で参考人質疑がなされたが、結局、「欠席」の姉歯建築士を避難しておけばとりあえず済むような形になってしまったことは非常に残念だ。
連日テレビに出演しているヒューザーの小嶋進社長についても、自身が迎えている局面を把握しているのかどうか疑問だ。
現在のヒューザーに住民保障を出来るほどの金が用意できるとは考えられなく、住民にとっても後に「帰るべき家(マンション)」が保障されていない。
「だれが最も悪い」とか「もともとは誰が悪い」などといった議論は暇になったらやればいいことで、
今、最も求められているのは、マンション住民が安心できる状況(住民保障)をつくりだすことであることは明白だ。
彼ら“当事者”たちは、何をしたいのか。そして、それは可能なのか。
それが見えないから、住民は安心できないし、責任を持つ者が誰なのかについても見えてこない。
もちろん、今回の「責任」は特定の個人だけにあるというのではなく、全体的に負う必要性のあるものであると考えられるが。
28日の『FNN ニュースJAPAN(フジテレビ)で、キャスターの松本方哉は(個人的な見解だろうと思われる)コメントを挟んだ。

 まぁ、それにしましても、今回聞かれます「道義的責任を負う」とは、
  まぁ、人として踏み行うべき正しい道を歩むことを意味します。
  問題の住民などへの買い戻し案などは、人の世では「責任逃れ」というのではないでしょうか。

松本キャスターらしい皮肉めいた言い方ではあるが、しかし、このまとまったコメントが実際のところ、最も歯切れのよいものであるに違いない。
ヒューザーの社長を「悪」としたところで、正直、展望的な意味は無いし、そんなネチネチしたことはやっててもしょうがない。
物事には優先順位があって、今は、その優先順位に則って事を運ぶべきなのであるが、
当のヒューザーや検査機関らに、そのことを運ぶだけの財力もなければ、心意気本気もない――というのが、どうやら現状のようである。
posted by Author at 16:46| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月03日

2005 永田町 秋の大臣コレクション

今さら感が漂うが、第3次小泉改造内閣(先月31日認証)について、ちょいと書かしてもらう。
「地味目」なメンバーで「転任」も多い今回の内閣、「ノーサプライズ内閣」とも言われるが、
私は、この内閣に「手ごろでがっちり」内閣とネーミングしたい。
「手ごろ」というのは、小泉首相にとって手ごろ、すなわち“イエスマン”揃いであるという事で、
「がっちり」というのは(見る人によって変わるが)俗に「実力者」「党幹部級」の人達を据えているという事である。
それでは、早速各省・各大臣についての記述を進めようと思う。


○総理 小泉純一郎(63)
  悲願の郵政民営化が実現、残り1年の任期期間中の仕事に対する意欲が失せてきたとも捉えられるが、
  外政、内政問わず多くの問題のある現在、独裁的ではない、強靭なリーダーシップが求められる。

○総務、郵政民営化 竹中平蔵(54)  慶応大教授から民間人として小泉内閣へ。経済的知識をもとに、自らの持論を展開、国中に実施していく姿勢が小泉首相と合った。
  現在は参議院議員。総務省という幅広い業務をカバーする仕事で、どれだけ存在感を示せるか。

○法務 杉浦正健(71)
  官房副長官から法相に“昇格”。小泉内閣メールマガジン編集長も務めた。
  しかし、就任早々「死刑執行にサインしない」と発言、いきなり省内外から非難の声。初入閣で、どれだけ円滑に仕事ができるか問われる。

○外務 麻生太郎(65)
  総務相からの転任。小泉首相の靖国参拝に肯定的など、中国への強硬路線で知られるが、それが外交上マイナスにならないかどうか。
  経済政策に特出した才能を見せるが、実力未知数の「外務」で、どれだけ外政問題を解決できるのだろうか。

○財務 谷垣禎一(60)
  最近、ポスト小泉を意識した発言が目立つ。政府系金融機関の統廃合(合理化)、税制改革など様々な問題を、引き続き抱える。
  サイクリングが趣味、という数少ない政治家。ポスト小泉を目指すのであれば、小泉路線の継承とともに、逆に小泉首相のとの違いをアピールしなければならない。

○文部科学 小坂憲次(59)
  日本航空サラリーマン時代にコンピューターと出会い、以来、情報通信の分野での専門家としても知られる。
  対人地雷や「食育」などの政策に強く取り組む一方、様々な部分で崩壊化している教育問題にどう取り組むか、大臣としての威厳が問われる。

○厚生労働 川崎二郎(57)
  衆議院議院運営委員長として、通常国会と特別国会の2つの国会にて“仕切り役”に。郵政民営化法案成立に向けての努力が買われての入閣と見られる。
  ただし、会見で「私は厚生労働の専門家ではない」と発言するなど、いささか厚生労働相として頼りないスタートに。

○農水 中川昭一(52)
  経済産業相からの転任だが、実は根っからの「農水族」。農水政務次官、農相なども過去に歴任しており、まさに得意分野。
  また最近は、拉致議連会長なども務めており、北朝鮮問題にも力を注いでいる。「第2の“ポスト小泉”グループ」の一人ともいわれる。

○経済産業 二階俊博(66)
  小沢一郎の側近として行動を共にしたが、自由党分裂時に袂を分かち、保守党を創立、以来与党に残る。
  保守新党の選挙惨敗により、扇千景(現参議院議長)などを引き連れて「二階グループ」として自民党復党。今選挙での総務局長としての人材発掘が評価された。

○国土交通 北側一雄(52)
  JR福知山線事故や、羽田空港管制塔ミス事件などの危機が相次いだが、いち早く現地入りするなど対応の早さに省内外から高評価を得る。
  唯一の「公明党枠」で、党からも重要人物として目されており、まだ年齢も若いことから大臣任期終了後の党での動きが注目される。

○環境、沖縄・北方 小池百合子(53)
  今選挙で「刺客」第1号として、マスコミに注目された。「クールビズ」などの政策を打ち出し、経済効果を出すなど、環境相としての手腕も実証済み。
  かつては、日本テレビ、テレビ東京などの番組でキャスターとしても活躍。“女性キャスター”の草分け的存在でもあるだけに、口は達者。

○官房 安部晋三(51)
  世論調査などでもポスト小泉としての人気が高い。官房副長官は務めたものの、大臣としてはこれが初入閣。
  各省庁と首相官邸を結ぶ役割として、いかにその存在感を埋没させることなく、職務を果たせるかどうか。記者会見などでの今後の発言も注目される。

○国家公安、防災 沓掛哲男(76)
  建設省出身だけに、公共事業の専門家として活動を展開。最近は参議院自民党の政審会長を務めた。
  官僚時代のように、家にまで資料を持ち込むほどの勉強家だそうだが、ほとんど未知の分野で、危機管理体制を整えることができるのか。

○防衛 額賀福志郎(61)
  2度目の防衛庁長官としての登板。普天間基地移転など、急速な課題として問われる米軍再編問題で、いきなりその実力が試される。
  組閣前は、小泉首相に防衛政策を必死にPR。それが効いての入閣だが、不祥事によって辞任した前回の汚名返上となるか。

○金融、経済財政 与謝野馨(67)
  今選挙で、党政調会長として、初めて海江田万里(民主)に勝利。無派閥の政策通のイメージが、小泉首相に好感触であると見られる。
  郵政民営化や財政再建の調整役としても活躍、金融相としても各方面のへの目配り・気配りの調整役を担うこととなる。

○規制改革、行革 中馬弘毅(69)
  当選9回目、待望初入閣。同じ派閥の麻生太郎などに先を越されて、今までは大臣候補にこそ挙がりはすれ、入閣出来なかった。
  大阪の有力政治家として知られ、大阪府知事選でも名前が挙がった。外交上ではハト派として、アジア・アフリカ問題研究会幹事長も務める。

○科学技術、食品安全 松田岩夫(68)
  今選挙では、党岐阜県連が野田聖子を支援する中、党本部後任である佐藤ゆかりをいち早く支援。
  佐藤は小選挙区で勝利こそ出来なかったものの、票の獲得に貢献したとして「論功行賞」入閣と見られる。

○少子化・男女共同参画 猪口邦子(53)
  初当選で初入閣だが、各省のあまり物を集めた「庶務相」の感が否めないポストを、いかに専門的に臨むことが出来るか。
  小泉首相直々にオファーを受けて出馬したが、前軍縮会議大使であったことも含めると、「ほぼ民間人」としての入閣だとも言えそうだ。


どの省庁でも、待ったなしの「痛みを伴う改革」が要求されている現在、
この18閣僚(総理・官房長官を除いて16閣僚)が一体どれほどの成果を上げることが出来るか。
国民に「改革断行」の気運を高めると共に、それぞれの実務が十分機能できるかどうか。そこに、今回の「手ごろでがっちり」内閣の命運があると思う。
posted by Author at 09:47| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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