2006年08月31日

9月20日まで寝苦しい人々

“ポスト小泉”最有力の安倍晋三官房長官は、30日昼、久々に森派の懇談会に出席した。
この日、安倍氏は初めて「幹部席」に座った。
挨拶では「多くの国民から期待をいただき、これに勝る光栄はない。ご期待を真正面からしっかりと受け止めて9月1日に決意を表明したい」(毎日新聞より)と、1日に立候補する表明することを、再度、表明した。

この日は懇談会前と午後に、歴代の総理を訪ねた。
歴代の総理といっても、森喜朗、中曽根康弘、海部俊樹の3人だが、森氏との会談ではかつて清和会の会長だった安倍晋太郎元外相の写真の前で言葉を交わすなど、森氏らしいパフォーマンスがとられた。
中曽根氏との会談では憲法改正をこの時期から明言していることを評価され、海部氏との会談では激励された。
総理就任後の挨拶かのようにも映る。

この日は、石原伸晃前国土交通相や塩崎恭久副外相ら自民党中堅衆院議員11人が「安倍晋三さんを支える会」を発足させた。石原氏は「私たちは勝手連」だと表現する。

夜には、丹羽・古賀派が幹部会を開き、総裁選での安倍氏支持を確認した。

9月1日の広島での出馬表明を前に、いよいよ動きが本格化してきたといえる。
森派の懇談会では、「親福田」衛藤征一郎衆院議員が幹部席にいる森氏に話をしているものの冷たく対応され、それを横目に隣で安倍氏が黙々と昼食をとっている姿が印象的だった。

ここ最近、安倍氏には、有無を言わせない権力者としての威厳が備わってきたように感じる。
一国の首相たらん人物がそうなることはむしろ相応しいことだが、どうしても安倍氏の背後には「キングメーカー」森氏の姿が見え隠れしてしまう。
そして、その影を何とか振り切りたい安倍氏の心情も見えてくる。もう構わないで欲しいというのが率直な心境だろう。

きのう、安倍選対の副本部長にも就いた町村信孝前外相は、テレビのインタビューで「私は“どんでん返し”が起きることを本気で心配している」と話した。
どんでん返しが起きたとしても、残る候補は麻生太郎か谷垣禎一かしかいない。あとは推薦人が集まらない。
「安倍氏の支持率が下がることはあっても、麻生・谷垣両氏の支持率が上がることはない」。私はこういう言い方が出来ると思う。

小泉純一郎首相による、戦後3番目に期間の長い5年半もの長期政権が終わる。
これまで「冷や飯」を食わされた人たちにとっては「現場復帰」のチャンスだ。
と同時に、そういう人たちが現れるということは、これまで優遇されてきた方々にとってはおちおちしていられない事態だ。いつ自分の座っていた椅子を奪われてしまうか分からない。

消化試合とも言われる9月20日の総裁選。
注目は、安倍氏の得票数や内閣・党三役人事、郵政造反組への対応や“ポスト安倍”に移っているとも言われる。
前回触れたように、連立を組む公明党との関係も、今のところは“安倍人気”で隠れているが、政策的に微妙だ。

それぞれの思惑が多量に、かつ複雑に交錯して、安倍氏はともかく、総裁選に絡む者誰にとっても寝苦しい残暑が続く。
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2006年08月26日

うまくやるのか? うまくやられるのか? それが問題だ −公明党の場合−

自民党総裁選に関する話がここの所続いているので、閑話休題、今回は共同通信が25日19時にupした記事から話を進めたい。

公明幹事長に北側氏内定 冬柴氏は入閣候補

 公明党は25日、冬柴鉄三幹事長(70)が退き、後任に北側一雄国土交通相(53)を起用する人事を内定した。冬柴氏は、9月の自民党総裁選後の次期首相による内閣改造で入閣候補とする。支持母体である創価学会幹部との非公式協議で決めた。
 神崎武法代表(63)の後任には太田昭宏幹事長代行(60)の就任が既に固まっており、9月30日の党大会で「太田−北側」体制が正式に発足、来年の統一地方選と参院選に向け党勢拡大を図る。
 北側氏は創価大1期生で弁護士出身。1990年、衆院旧大阪5区から初当選。政調会長を経て2004年から国土交通相を務めている。創価学会内では「耐震強度偽装事件や、相次いだ豪雨災害などに適切に対処した。度胸もあるし弁も立つ」(幹部)と期待が大きく、将来の党代表候補の一人とみられている。


「自民党をぶっ壊す」のキャッチフレーズで総理の座に就いた小泉純一郎首相。
それまでの党と内閣の関係のあり方、抵抗勢力排除の政治運営、新しい人材の大量獲得など、小泉首相が既存の自民党を変革させたことは疑いようのない事実である。
ただし、「官から民へ」は良いのだが、公共事業を一斉に切り捨てたり、いわゆる第一次産業を経済基盤とした地方の活力を衰退させてしまったり、経済格差・教育格差の問題が新たに浮上してくるなど、「弊害」のようなものが見えてきてしまっているのも事実だ。

これらの問題はポスト小泉の課題となるわけだが、「壊された」自民党にとって最も大事な課題となるなのは、「小泉純一郎が首相でなくなったときに、自民党は現在の形態を維持できるだろうか」ということだ。

つまり、選挙である。

小泉首相は党内に「抵抗勢力」を位置づけ、それに徹底抗戦することによって、それまでの常識から考えれば「異常」ともいえる形で、5年半に渡り、強いリーダーシップを行使してきた。
これが出来たのは、ひとえに「小泉さんが首相だったから」である。このやり方は他の誰にも出来ない。小泉首相のパーソナリティーによるところが大きいものだ。

過去、小泉首相(総裁)のもとで行なわれた選挙では、明確に「敵」を描くほど小泉首相の訴えたいことを打ち出すことが出来て、一法案に賛成か否かを問うという異例な05年9月の総選挙では、歴史的な大勝を得た。

こういう“大統領型”ともいえる政治運営、選挙のやり方、そういったものが安倍晋三氏が大本命といわれる「ポスト小泉」に出来るかといわれれば、私は出来ないと思う。
それは、いくら安倍氏に権力者としての威厳が備えられていたとしても不可能な話だ。

自民党の意義は、ひとつに与党であることである。これは、当の自民党自身が良く分かっている。
与党であるためには、選挙に勝たなければならない。衆参両院で過半数以上の議席を獲得できていなければならない。

しかし、ポスト小泉のもとでの自民党が単独で過半数以上の議席を獲得するのは不可能とも言える話だ。
現実的なことで言えば、民主党の小沢一郎代表と「激突」したときに勝てるかどうか? 「自民、民主。どちらが政権与党に相応しい?」と問われたとき、有権者に「自民」と言ってもらえるかどうか。
きれいな形ではないが事実上の二大政党制のようなものが確立した現代日本において、「選挙」というものは、突き詰めればそこである。

そこで、ようやく本題である。
小泉改革によって地方農村部などでの票田を失ってしまった、失いつつある自民党の、現在の最大の「票田」は、公明党・創価学会である。
これは、ポスト小泉にむしろ当てはめることが出来る。無党派層の吸収が、明らかに、小泉首相時代よりも下回るからだ。

連立関係を組む公明党は、少なくとも今のところは「裏切らない」パートナー。しかも、支持母体である創価学会からの集団的な支援を受けることも出来る。
まさに、自民党にとってはおいしい存在である。

その公明党の体制が変わる。
これは、小泉首相の退任に伴う政権交代に合わせてのものでもあるし、神崎武法代表の体調面からによるものでもある。
次期首相と目される安倍氏は、当初、公明党側に対し、創価学会側から人気の高い浜四津敏子代表代行を代表に昇格するよう要請していた。
しかし、これを浜四津氏が辞退したため、ある意味消去法的とも言える形で太田氏の代表就任が決まったのだ。
とはいえ、太田氏もかねてより「公明党のプリンス」とされ、「ポスト神崎」とされていた人物である。来るべく時がして来たという印象だ。

保守色の濃くなることが予想される安倍政権との関係で、どこまで自公の連携を図れるか。いきなり「太田代表」は難しい課題を突きつけられる。

今回の人事刷新は、98年に再結成した公明党にとっては、かつてないほどの変化を迫られるものだ。
すでに現在、創価学会幹部からは「何で選挙の時、あんな奴(自民党議員のこと)応援せねばならんのだ」という声も漏れているという。
自公がかつて「宗教」に関する問題で闘いを繰り広げたこと。このことが今なお、特に公明・創価側に禍根を残しているようだ。

公明党が安倍氏とうまくやれるかどうか?
それとも、安倍氏が公明党とうまくやれるかどうか?
「もとより埋まるはずのない溝」が、見え隠れする。




<追記>(2006.09.19)

18日(祝・月)、公明党の石田幸四郎元委員長が死去した。細川内閣に尽力し、かつての公明党を支えた人物だ。
公明党の新体制移行の中で、何か時代の流れ、象徴的なものを感じる。
これで、公明党にとっての一つの時代が終わったといえるだろう。
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2006年08月17日

派閥によって作られた「安倍氏一強」

それにしても、面白みに欠ける。
9月に控える自民党総裁選の話だ。
すでに結果は決まっている。
安倍晋三官房長官が当選することは、99.9%間違いないといって良いだろう。

なぜ、今回の総裁選は告示前のこの時期にして、“安倍氏当確”なのか。
それには、「安倍氏の強さ」という説明よりは、「他候補の弱さ」「体制を維持したい派閥の目論見」という説明のほうがしっくりくるかもしれない。

まず、その前に、今回の総裁選には誰が出るのか?
現在、総裁選に名乗りを挙げている、もしくは名乗りを挙げると思われているのは、以下の5人だ。
・安倍晋三
・谷垣禎一
・麻生太郎
・鳩山邦夫
・河野太郎

この中で、出馬可能となる条件の推薦人20人を確保出来るのは、安倍氏、谷垣氏、麻生氏といったところだろう。鳩山氏、河野氏は出馬が非常に厳しい状況だ。
とすれば、この3者による“三つ巴”ということになる。
自民党員ならびに自民党所属国会議員は、この3人の中から1人を選ぶ。

『「安倍氏が強い」というよりは「他候補が弱い」』と先述したが、もちろん例外もある。
自身の出馬時に、安倍氏の選挙演説を受けた新人議員、特に無派閥のいわゆる小泉チルドレンたちにとって、安倍氏は政策的に支持できるし、兄貴分的存在といっては単純だが、「強い」存在である。これは、積極的支持だといえる(山本一太参院議員といったような“熱狂的”な積極的支持者もいる)。
また、森派所属議員についても、森派所属の安倍氏の当選を阻む理由は特別見当たらず、山本拓参院議員のようなかつての“福田氏支持”の森派議員も安倍氏の支持に回る。これは、積極的とはいえないかもしれないが、消極的な支持というわけでもない。

ただ、他の党内ベテラン勢、すでに色のついた派閥に属する人々においては、当初、「安倍総裁」実現に反発する声が強かった。
派閥型の党内運営を批判してきた小泉首相の後継者とも言われる安倍氏を政策的に支持できないということでもあったが、実際の所は、世代交代ということへの恐怖心が強かったのだと思う。
だから、安倍氏支持を鮮明に打ち出したりはしなかった。というより、党内での安倍氏支持の流れが停滞するよう導こうとしたのである。
そのために、福田康夫元官房長官という駒が用いられた。

この総裁選で、一つの大きなターニングポイントといえるのは、7月にあった「福田氏の不出馬宣言」だろう。
これにより、それまで「安福」対決、やもすれば「安倍支持派vs非安倍派」という大きな党内構図になるかもしれないという評論家連の憶測が見事に消え去り、くっきりと、明確に「安倍氏ゴールイン」の流れが描かれたのだ。

とすると、残る“ポスト小泉”候補の谷垣、麻生両氏では安倍氏に勝てないだろう。これは安倍氏ぶっちぎり当選になる。そうなったとき、安倍氏支持派でなければ、冷や飯を食わされる羽目になる――。そう感じた派閥が、それまで安倍氏とは一定の距離を置いていたのが、安倍氏支持に流れた。

その流れを主導する立場に立ったのが、伊吹派である。それまで態度が不明確だった伊吹派が安倍氏支持を強く打ち出したことで、他の派閥もこれに追随。

将来における有力な総裁候補である額賀福志郎防衛庁長官を抱える津島派も、橋本派時代に「小泉vs橋本(龍太郎元首相・故人)」の総裁選を体験し「冷や飯」を食わされたという過去の“トラウマ”もあって、安倍氏支持に回った。

靖国神社の「分祀」論を打ち出すなど、まさしく「非安倍」だと思われた古賀誠元幹事長率いる、丹羽・古賀派。
結局、福田氏を神輿に担げず、自身の出馬までほのめかすほど安倍陣営との距離を置き続けた山崎拓前副総裁率いる、山崎派。
安倍氏支持に回るとは思えなかったこの2派閥も、事実上、安倍氏支持で固まった。

アジア外交政策面での違いも感じられる二階俊博経済産業相率いる二階派も、派での安倍氏支持を決定した。

こうして、安倍氏支持の流れは形作られた。まさしく雪崩式に、それまでの経緯を無視したかのようにいとも簡単に作られたわけだが、だからといって、簡単にこれが解かれるわけではない。
谷垣氏、麻生氏という他の候補が今から安倍氏を上回る支持を獲得するとは考えにくい。
ここで読み取れるのは、安倍氏支持の流れというのは、「安倍氏を総理にしよう」というニューリーダーを望む議員たちの動きではなく、「党内で反主流派とはなりたくない」という守旧型ともいえる派閥の動きであるということだ。
もちろん、中には「安倍氏を総理に」と奔走している無派閥の議員や森派の議員などもいる。
ただ、それらよりも、「安倍で行くしかない。安倍でまとまるしかない」という議員のほうが圧倒的に多いというのが現状である。

派閥の意義を壊した小泉純一郎首相。
その小泉首相の“意中の人”とされる安倍氏。
安倍氏が、派閥の体制維持を望む力によって支持を得る。そうして、次の総理総裁になっていく。なんとも皮肉めいた話ではないか。
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2006年08月15日

誰もが追悼できる施設が必要

終戦記念日のきょう午前、小泉純一郎首相が靖国神社を参拝した。
私は、首相とはいえ信教の自由が保証されている限り、宗教法人靖国神社への参拝は問題ないと考えている。
靖国参拝が、安倍晋三官房長官の言っていたような「首相の責務」だとは思わないが、本人の意思がある場合、参拝を止められるものは何もないと思う。だから、大体騒ぐような話ではない。

ただ問題なのは、日本国の主な戦没者追悼施設が、宗教法人である「靖国神社」のみしか存在しないということであり、これは考えなければならないことだと思う。
昨年の暮れにも書いたが、天皇陛下も、首相も、外国からの要人も、そして、いかなる宗教に属する、または属さない国民も問題なく参拝できるという無宗教の追悼施設を作る必要があるのだ。

それは靖国神社に代わるものとはなり得ない。「靖国で会おう」と散っていった兵士がいたことを忘れてはならない。

だから、戦没者追悼施設が「靖国神社」「国立無宗教追悼施設」の2つ、並存することになるが、「靖国神社」のみしかないという現状に比べた場合と、そういう「並存」の場合とどちらが良いかということを考えた時、私はこれは問題にはならないと思う。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑を拡充し、追悼施設を建設するべきという考え方もある。これも、国立無宗教追悼施設建設と同じ発想だと思う。

自民党の古賀誠元幹事長(日本遺族会会長)は「分祀」論を提案。
“ポスト小泉”候補の麻生太郎外相も、総裁選に向け、靖国神社の「非宗教法人化」政策を発表したが、いずれにせよ、宗教法人である靖国神社自身しか自主的に決定できぬことであり、政治の世界からの靖国神社への“働きかけ”は政教分離の原則に反するものである。

靖国神社の現在のスタンスから考えて、「分祀」「非宗教法人化」も実現するとは考えにくい。
だから、私は、国立無宗教追悼施設建設派なのだ。漢字12文字。

本論として、「9月自民党総裁選における派閥の現状」と「安倍氏支持への雪崩現象」を書こうと思ったが、長くなりすぎそうなので、本日はここらで失礼したい。
posted by Author at 19:20| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日日雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月03日

亀田興毅は勝ったのか? 負けたのか?

私、疑惑、感じます。
プロボクシングWBAライトフライ級王座決定戦で、亀田興毅選手が判定勝ちした。



<亀田興毅>フアン・ランダエタに判定勝ち 世界王者に

 世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座決定戦が2日、横浜市の横浜アリーナで行われ、同級2位、亀田興毅(19)=協栄=が、同級1位のフアン・ランダエタ(27)=ベネズエラ=に2―1の判定で勝ち、世界初挑戦でタイトル獲得に成功した。
 亀田は一回にダウンを奪われ、中盤盛り返したものの、終盤は足がもつれて押し込まれる苦しい展開。しかし微妙な判定で制した。
 19歳8カ月での王座奪取は、井岡弘樹(グリーンツダ)の18歳9カ月(ミニマム級)、ファイティング原田(笹崎)の19歳6カ月(フライ級)に次ぐ年少記録。日本選手として史上3人目の10代世界王者となる。
 亀田は大阪市出身。11歳から父史郎トレーナー(41)の指導でボクシングを始めた。03年12月にプロデビューし、12連勝で頂点に立った。【来住哲司】
 ◇世界王者は6人に
 亀田の王座獲得で、国内の現役世界王者はWBCミニマム級のイーグル京和(角海老宝石)、WBAミニマム級の新井田豊(横浜光)、WBAスーパーフライ級の名城信男(六島)、WBC同級の徳山昌守(金沢)、WBCバンタム級の長谷川穂積(千里馬神戸)と合わせ、史上最多タイの6人に戻った。
 ○…ミニマム級に続く2階級制覇を逃したランダエタは「3ポイントは自分が勝っていた。WBAに抗議するつもりはないが、結果は受け入れられない」と判定に不満をぶつけた。一回にダウンを奪った場面を振り返り、「あそこで倒せると思った。もう一押ししようと思ったらゴングが鳴ってしまった」。亀田の印象については「すごく弱いボクサー。それは皆さんも試合を見て分かったでしょう」と皮肉たっぷりに評し、「彼が望むならまた日本で試合をしたい」と再戦を希望していた。
 ▽原田政彦(ファイティング原田)・日本ボクシング協会長 (判定が場内に告げられる前に会場を去り)きょうは何も言うことはないよ。
 ▽WBAミドル級元王者の竹原慎二さん 一回にダウンしたが、最後まで前に出てよく盛り返した。見栄えは悪いけれどいいパンチ、重いパンチが入っていた。課題は自分の距離感を持つこと。この間合いならパンチをもらわない、ここならもらうと。(今のままでは)正直すぎる。
 ▽WBAスーパーフェザー・ライト級元王者の畑山隆則さん いい試合だった。(亀田興は)よくやった。世界戦なんだからこんなのは苦戦のうちに入らない。
 ▽WBC・WBAミニマム級元王者の大橋秀行さん 体も鋼ならハートも鋼だった。今までに経験がない上に減量もきつく、十一回とかは限界を越えていたと思うが、ハートでよくやった。
 ▽WBAスーパーフライ級元王者の鬼塚勝也さん 序盤の差を引き寄せた(亀田興にとっては)意味のある判定勝ちだった。今までのレベルでいけるだろうと思ったろうが、何とか持ちこたえた。世界は今までの相手とは本当に違うということが分かったのではないか。
 ▽WBCバンタム級元王者・薬師寺保栄さん 自分の戦った経験から、亀田が4〜5ポイント負けていたと思う。亀田には「よう頑張ったな」と言えるかもしれないが「絶対勝ちだったな」とは言えないなあ。リングサイドで見ていた知り合いからも「この判定、どうなの」という電話ももらった。判定がクリーンなら、こんな問い合わせはない。今後悪い意味でボクシング界に影響する。
 ▽かつてミニマム、ライトフライの2階級制覇を達成した井岡弘樹さん 亀田が苦戦していたように見えたが……。判定のことはよく分からない。



この結果を受けて、以上引用した毎日新聞(8月3日付朝刊)の記事に掲載されている以外に、様々な人物から、試合を見ての感想が出ているので、以下、同じく毎日新聞の記事から紹介したい。

 ◇ガッツ石松さん「まいったね。なんで」

 テレビで観戦した元WBCライト級チャンピオンのガッツ石松さんは開口一番に「まいったね。なんでこの人が勝ちなの」と判定に不満を示した。ガッツさんの判定では、ランダエタが7ポイントもリードしていたという。

 そのうえでガッツさんは「亀田兄弟は人気があるかもしれないけど、この試合で勝てるのなら、ボクシング界は何をやっているのかと思われる。日本人は立っていれば、チャンピオンになれるの? 全世界のボクシング関係者に見せて、判定してもらえばいい」と首をかしげた。さらに「日本のボクシングはタレント養成所ではない。これがまかり通るなら、僕はボクシング関係の肩書は何もいらない」と怒っていた。

 漫画家のやくみつるさんも「非常に不愉快なものを見た。実況も最後の方は負けモードだったし、こういう判定になるとは。判定後の(亀田選手の)態度も疑問。あの場では勝者の振る舞いをしないと格好がつかないところもあるだろうが、大口をたたける試合内容ではなかった。態度を改めるべきではないか」と厳しく指摘した。

 一方、元WBAジュニアミドル級王者、輪島功一さんは「亀田選手は前半、悪かったが、中盤から盛り返してがんがんに攻めて最後までよく頑張った。引き分けかなとも思ったが、勝ちに値する戦いぶりだった。(苦戦の理由は)今までやってきた相手とあまりにも差がありすぎ、(戦い方を)考えていなかったこと。これからは世界王者。どんな相手ともやらないといけないのだから、よく考えて戦わないと」と一定の評価を与えた。(毎日新聞)


また、1日に放送された朝日放送「ムーブ!」では、コメンテーターの勝谷誠彦氏
「TBSは語るに落ちたな。(亀田の)敗戦を 想定してないとはどういことや、勝負事で」
「ええかげんにせえよ。こいつは国辱や」
「よその国から来てもらった対戦相手に失礼なこと言いやがって」
「TBSがどこまで深入りするつもりか、俺は注目してるからな」と立て続けに批判した。

ボクシングの山本"KID"徳郁選手も、自身のブログで
「俺が亀田だったら相手にベルトその場で渡す」
「俺だったら恥ずかしくてリングから立ち去る」と書いている(現在はその記事が削除)。

生中継したTBSには「番組開始から試合までが長い」「判定に納得がいかない」といった電話が2日午後7時30分から3日午前9時までに計3万7225件、同様の電子メールも3655件送られたという。

試合を見た人、そのほとんどは、「どうして亀田は勝ったのか」と思ったはずだ。
私自身、その結果にも驚いたが、同時に、試合前までTBS系の番組で放送された亀田を賞賛する内容の番組や特集を見て、驚いた。
先述の勝谷氏の言う通り、TBSは「亀田が勝つ」ことを前提として、「亀田選手の親子愛」とかなんとかのVTRを流しているように感じられた。
まるで、亀田が勝利するという結果を事前に知っているようですらあった。それは、どの情報番組を見ても明らかであった。

不思議なことに、私は、亀田選手本人への怒りはあまり湧き上がってこない。
自分が一番分かっているであろうに、この異様なキャラクターを演じきらなければ、多くの自分に関連する人々が社会的にも経済的にも崩れ落ちてしまうという悲惨な境遇にあることに、深い哀れみを感じずにはいられない。

事実、昨夜あたりから亀田選手は多数の情報番組に「生出演」しているが、どの番組にしても、その亀田選手を前にして「疑惑の」「厳しい意見も聞かれますが」という前置きをしないでは触れられない状態となっている。
まるでアメリカにおけるマイケル・ムーアみたいな扱われ方で、疑惑のイメージが付きまとう点では、そして、それを報じることなしでは番組として成り立たないということになっている点では、亀田選手は、勝ったのか、それとも負けたのか分からない。
確かに、試合では勝っている。しかし、個人の扱われ方としては負けているとも見れる。

情報番組における白いんげん豆ダイエットに関する放送で、総務省から厳重注意を受けたTBS。次回、このような社会的混乱を生じさせる事態を起こした場合、「放送電波停止」も有り得る、との厳重注意だった。
その後、TBSは「JNNイブニングニュース」内で、731部隊を扱った特集VTRにおいて意図的ともとれるような形で、部隊とは関連ない安倍晋三官房長官の写真を写した。
今回の「疑惑の亀田関連放送」も、なんとなく納得がいってしまう。だってTBSだからね、と。

筑紫哲也氏の言ったことが正しければ、TBSは一度死んだはずである。
つまり、今は“ゾンビ状態”だといえる。
早く成仏させてあげないといけないと思うのは、私だけだろうか。
いっそのこと「楽天放送」になっておけば良かったのではないかと思うのは、私だけだろうか。
「腑に落ちない会場、疑惑の判定」といったテイストで報道するテレ朝「スーパーモーニング」。「勝ちは勝ちだもんね〜。やったね!亀田」という感じでのTBS「きょう発!プラス」の締め方。
今回の件についてテレ朝を褒め称えるほどではないが、いずれにせよ、TBSは格好悪い。
posted by Author at 13:24| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(0) | 亀田3兄弟/朝青龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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