2006年12月22日

主のいない派閥

本間正明政府税調会長が辞任するなど、安倍政権は、どうも順風満帆ではない。
これは、小泉政権時代に比べ、スキャンダルに強い官邸が構築できていないことを表しているのだろう。
小泉政権時代の飯島勲前首相秘書官のように、スキャンダル対策(というよりは、あらかじめスキャンダルが起きないようにする対策)が成されていないのではないか。
それは、安倍政権が組閣された数日後に、松岡利勝農林水産大臣に政治献金スキャンダルが沸いてきたことからも明らかだ。
その際、「安倍首相は登用する大臣を“一人で決めた”と言っていたが、ダーティーな噂のある松岡氏を農水大臣にしたところを見ると、それは本当かもしれない」と言った評論家がいたが、まさしくそのような事なのだろう。
このような事態を導いたものは、安倍氏の“取り巻きの悪さ”といえるかもしれないし、安倍氏の“人を見る目の無さ”とも、ダメな人たちを呼び寄せてしまうオーラ”ともいえるかもしれない。
至極失礼な話だが。

とはいえ、この政権のあり方が、小泉純一郎氏が首相になる前の「本来の自民党政権のあり方」だともいえよう。
野田聖子元郵政相らが自民党に復党したのも、言ってみれば、わずか1年数ヶ月前に戻った程度のことだ。
「11名復党で、古い自民党に戻った」と言う人もいるが、もとより、自民党は「新しい自民党」などにはなっていなかったのだから、その心配は無用だろう。
単に、2005年9月の総選挙で、大量の「新しい人たち」が自民党に加わってきただけで、自民党そのものが新しくなったわけではなかったということが、はからずも、“復党問題”で明らかになってしまった。
ただ、ここ最近までは、小泉前首相が「自民党は変わった」と言うから、わざわざ「そんなこともないんだけど」と言う議員がいなかった、というだけだろう。
小泉首相の退任により、「新しい自民党」を演じる必要のなくなった自民党では、復党問題は着々と進み、総選挙で初当選した「新しい人たち」は浮いた存在となった。

その「新しい人たち」、いわゆる“小泉チルドレン”たちが20日、自民党内で新グループを結成した。
武部自民党前幹事長 新グループ「新しい風」を発足
 自民党の武部勤前幹事長は20日、当選1、2回の衆院議員ら24人を集めた新グループ「改革フォーラム・新しい風」を発足させた。武部氏が会長に就任し、所属メンバーの選挙対策や党への政策提言などを行う。
 メンバーは昨年の郵政選挙で造反組への「刺客」として出馬、当選した佐藤ゆかり氏ら無派閥議員が中心で、「無派閥新人の党内基盤を強めるための新派閥」との見方も出ている。ただ、武部氏は記者会見で「派閥ではない」と明言し、自身も所属する山崎派から離脱しない考えを強調した。
 武部氏によると、新グループの目的は小泉改革の継承と新人議員の選挙対策で、林幹雄氏(当選5回、山崎派)、渡辺博道氏(当選4回、津島派)ら中堅議員も派閥横断でアドバイザー役として参加する。武部氏は発足式で「昨年の衆院選で『自民党は変わった』という評価を得たが、昨今、『本当に大丈夫なのか』という懸念がある。改革推進力になるという気持ちで力を合わせる議員集団だ」と新グループをアピールした。
 佐藤氏は発足式後、記者団に「党では一般的な選挙指導を受ける場はあるが、(新グループでは)個別に選挙指導をしていただけると思う」と新グループへの期待感を語った。【米村耕一】
(2006年12月21日、毎日新聞)

グループ名の「新しい風」は、自民党・二階グループ(二階俊博会長)とかぶっているのだが、ともかく、武部氏を中心とした小泉チルドレンたちのグループが結成された。
佐藤氏に加え、杉村太蔵、小野次郎両衆院議員ら約20人が参加し、武部氏は「将来の横綱、大関を育てる『相撲部屋』を作りたい」と強調している。
「将来的に『武部派』をつくるつもりではないか」という声が党内から出ているというが、もうすでにこれが事実上の“武部派”あるいは“武部グループ”だともいえるだろう。
ただ、このグループのメンバーの中心は、あくまで“小泉チルドレン”であり、“親”は小泉前首相だ。
武部氏にとってもも、小泉氏が“兄貴分”的存在であり、それは武部氏自身「小泉首相の偉大なるイエスマン」という言葉で表している。
つまり、これは「主のいない派閥」だといえるだろう。
会社でいえば、社長(小泉氏)がおらずに、部長(武部氏)がトップを務める会社だといえる。

もちろん、こういったグループを作る必要性というものも、確かに存在する。
先般、佐藤、片山さつき両衆院議員が、無断で委員会採決を欠席したのが問題となった。
もちろん、両議員および事務所のミスであり、問題となるのも当然のことだが、両議員が“派閥に属していなかったから”採決に関する情報が伝達されなかった、という面も否定できない。
派閥が弱体化し、その存在意義が問われる中で、この「新しい風」はどういう位置付けを担っていくのか。
「大宏池会」構想が、古賀誠元幹事長(池田勇人元首相を偲ぶパーティーを開催)や、麻生太郎外相(河野派を“麻生派”に衣替え)ら、それぞれの思惑によって現実味を帯びてくる中、この“主のいない派閥”の今後が気になるところだ。
posted by Author at 16:27| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月08日

「3度目の訪朝」 小泉流サプライズ再び!?

「『民営化に反対』とは一言も言っていない」などとご丁寧にも仰った後、郵政造反組11人が自民党に復党した。
今後の焦点は、@造反組と新人議員の選挙区調整 A落選組の復党・参院選出馬問題 となりそうだ。

安倍政権の支持率低下にも、多少影響を与えているといわれるが、そう考えるのは政治や政局のことばかり考えているメディアのみなさんだからこその発想だろう。
安倍政権支持率低下の最大の理由は、「安倍晋三首相に魅力を感じない」人が増えたからだろう。特別面白いことをするでもなし。特別印象深いことをやるでもなし。
かつてない強大なインパクトを持っていたことは誰もが認めるであろう、小泉純一郎前首相の後を継いだのだから、前首相との対比で、「顔の見えない、地味な印象」は仕方ないかもしれない。

今回は、その小泉前首相が、首相を退任してもなお「サプライズ」をやってくれるかもしれない、という話だ。

今月6日の夜、都内で小泉前首相と山崎拓前副総裁が“極秘”の会談を行った。

山崎前副総裁、「小泉氏が3回目の訪朝に意欲」との情報について「肯定したと思う」

自民党の小泉前首相に、山崎前副総裁が3度目の北朝鮮訪問を持ちかけたとされる動きが波紋を呼んでいる。
6日夜、都内で行われた「盟友」の山崎前副総裁との2人だけの会談で、小泉前首相から、「自分がもう一度、北朝鮮を訪問してもいい」という発言が出たとされ、3回目の北朝鮮訪問へ意欲を示したのか、7日は2人の動向に注目が集まった。
記者の質問に対し、小泉前首相は「(山崎)拓さんに聞いてください」とはぐらかした。
一方、その直前、山崎前副総裁は「『一肌脱いだらどうか』と、私の口から申し上げた。小泉前総理は、傾聴されたと私は思っております」と述べた。
「3回目の訪朝」情報は勇み足だったのか、そんな空気が流れ始めた中、午後5時すぎになって、山崎前副総裁は「もう一度、最初からピョンヤン宣言にしたがいまして、6カ国協議を通じて、核開発を阻止し、かつミサイルの凍結もやるということを前提にですね。日朝国交正常化をやりたいということを、彼(小泉前首相)は申しました」と発言した。
さらに3回目の北朝鮮訪問についても、山崎前副総裁は「小泉元総理もですね、そういうことが可能であればということで、この話は志向したと。要するに肯定したと思う」と述べた。
安倍政権の強硬路線で、日朝の水面下の窓口が機能しない中、今回の小泉前首相の発言が、北朝鮮に一定のメッセージを伝える効果は持つとの指摘もある。
今後、この2人はどう動き出すのか、注目される。
(FNN-NEWS.com)


首相退任後、あらゆるメディア出演を拒んでいる小泉前首相と、“「非安倍」勢力の顔”的存在である山崎氏の会談――というだけで、十分興味深いものだが、その会談内容たるや、実に衝撃的な内容だ。

「小泉、再々訪朝」

表舞台からすっかり身を引き、一時はイタリア移住か?などとも噂された小泉前首相が、3度目の訪朝を行ってもいい、と言ったという。
現実味の無いような話に感じるが、小泉・山崎会談が行われ、「訪朝してもいい」発言が飛び出たとあれば、「3度目の訪朝」も、あながちありえなくもないのではないかと思える。

それにしても、小泉前首相はいまだに、私たちを「サプライズ」してくれるようだ。
この言動が、安倍政権が支持率を低下させている中で、どういった意味合いを持つのかは明らかではないが、皮肉なことか、ますます安倍首相を「地味に、地味に」させているのだけは間違いなさそうだ。
posted by Author at 14:01| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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