2007年09月02日

トンプソン人気に“厚み”を持たせているもの

共和党のアイデンティティは、「同性愛」反対のはずだったが…。

<米共和党上院議員>男子トイレでわいせつ行為 辞職へ

 【ワシントン和田浩明】男子トイレでわいせつな行為を行ったと認めた米北西部アイダホ州選出のラリー・クレイグ共和党上院議員(62)が1日に辞職を発表するとAP通信が8月31日報じた。後任はオター同州知事(共和党)が地元の同党関係者を任命する見込みで、野党民主党が51議席と小差で過半数を占める連邦上院(100議席)の勢力図は変化しないと予想されている。
 議員は6月、中西部ミネソタ州ミネアポリスの空港内トイレで、男性おとり捜査官に性的な接触を図った容疑などで逮捕され、8月に有罪を認めて減軽を受け入れる司法取引に応じていた。事件発覚後、「悪いことは何もしていない。有罪を認めたのは間違い」と主張したが、辞職圧力が高まっていた。
 議員は08年大統領選への立候補を表明しているロムニー前マサチューセッツ州知事のアイダホ州選対委員長だったが、今回の事件が発覚し辞任した。保守的な姿勢で知られ、同性婚にも反対している。

(1日、毎日新聞)

ラリー・クレイグ上院議員は、1日(日本時間2日未明)、地元・アイダホ州ボイシで、9月末をもって議員を辞職すると正式表明した。
クレイグ議員は1990年に初当選し、2006年には“同性婚”禁止法案に賛成を投じている共和党の典型的な“保守派”議員だ。
地元の有権者からも人気が高いそうで、それだけに今回のスキャンダルは多くの地元の人々に衝撃を与えている。

来年(2008年)には、米大統領選、議会選が予定されているが、昨年(2006年)の中間選挙で敗北を喫した共和党にとって、今回のスキャンダルが党の存在をさらに貶めるものとなってしまったことは否定しようがない。
ただでさえ共和党からの大統領が出るかどうかすら危うい状態の中、従来の支持基盤である“保守派”有権者・団体にとっても、今回のニュースは共和党不信を招いていると言えよう。

「共和党と同性愛」ということでいえば、昨年の同じような時期にも騒動があった。
中間選挙を控えた昨年、共和党所属のマーク・フォーリー下院議員がボランティアの少年にいかがわしい電子メールを送ったスキャンダルが発覚。
フォーリー議員は中間選挙に出馬する予定だったが、このスキャンダルの影響で急きょ出馬を取りやめ、代わりとなる共和党候補を立てたが、結局その候補も落選した。

来年の大統領選を控え、共和党を支持する保守派が期待を寄せているのが、フレッド・トンプソン元上院議員の出馬だ。
トンプソン元議員は『レッド・オクトーバー』や『ダイ・ハード2』などの映画にも出演した俳優で、まさに“Country”などの単語が似合うような、アメリカの保守らしい政治家である。
トンプソン元議員は出馬の意向をすでに表明しているが、正式な出馬表明はまだしていない。
自身の出演映画にあやかって“October”=“10月”にも正式出馬表明するのではないかと噂する向きもあるが、ギリギリまで引っ張って引っ張ってという選挙戦術でカリスマ性を高めようと躍起なのがトンプソン元議員の現状だ。

共和党の有力な大統領候補といえば、他にはルドルフ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事などがいる。
ジュリアーニ氏は同性婚にも人工妊娠中絶にも「賛成」の立場を取っていて、そこら辺が従来の“保守系”共和党支持者には気に食わない。
その不満を吸い込みたいとしているのがロムニー氏で、もともとは同性婚や人工妊娠中絶に賛成の立場とされていたが、大統領選に向けて保守票を取り込みたいとの思惑から「反対」の立場に方針転換した。
政局が政治家の政策そのものを変更させてしまう。なにもこれは日本だけの話ではないようだ。
ちなみに保守系の共和党支持者が、ロムニー氏本人の意向に反して、同氏支持にイマイチ流れないのは、彼がモルモン教徒だからである。

アメリカらしい保守の政治家であり、ロナルド・レーガン元大統領を彷彿とさせる俳優出身政治家であるという“積極的選択”。
他の共和党候補には「同性婚賛成」「モルモン教徒」という欠点があるが、トンプソンにはそれがない。そういう“消極的選択”が、上記の“積極的選択”と相まって、トンプソン人気を厚みのあるものにしている。

同性婚や人工妊娠中絶の話をするとまた長くなってしまうので、今日はこの辺で失礼したいが、いずれにせよ、民主党の主要候補が立候補をすでに表明し、共和党各候補の政策の骨格が見えている現状において、米大統領選をめぐるニュースは“トンプソン待ち”の状態にあるといえそうだ。

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posted by Author at 20:13| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008米大統領選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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