2007年09月15日

麻生・福田両陣営「選対本部長」人事を分析

邦夫が支える太郎。聖子が支える康夫。

自民総裁選:福田氏「全力で…」、麻生氏「自分の手で…」

 安倍晋三首相の退陣に伴う自民党総裁選は15日午前、立候補を受け付け、福田康夫元官房長官(71)=町村派▽麻生太郎幹事長(66)=麻生派=の2氏が届け出、一騎打ちの選挙戦が始まった。福田氏は麻生派を除く8派の支持を固めるなど国会議員票で大きくリードしており、優位は動かない情勢だ。両氏とも小泉内閣以来の構造改革路線の修正を掲げ、参院の与野党勢力逆転で党が危機的状況に陥る中、党立て直しに向けた政策や構想を競い合う。新総裁は23日に選出される。

 福田氏は午前10時半から党本部で記者会見。「責任を持ち難局に立ち向かう」と決意表明。「全員で全力をあげる方向で人事をするのは当然だ」と述べ、首相就任の際は挙党態勢の布陣で臨む意向を示した。麻生氏との違いについて「同じ自民党だから、そんなに違いはない」と語り、「政策の中身、好き嫌いなどいろんな判断基準がある」と述べた。経済・財政運営では小泉内閣から続く構造改革路線の軌道修正を訴える方針。外交面では中国・韓国が反発する首相の靖国神社参拝について行わない考えも表明するなど、アジア重視で独自性をアピールしたい考えだ。

 一方、麻生幹事長は15日朝、決起大会で「改革に伴う痛みに手当てが必要なのは当然だ。地方の声を真摯(しんし)に受け止めなければならない。小さな政府でも、強く、ぬくもりのある政府を作り上げる」とあいさつし、改革路線を継続しながらも、地方や弱者に配慮した政策を進める考えを表明。「地方票を一票でも多くいただき、自民党再生の足がかりを築く」と地方票重視を強調した。「情熱と気迫、経験」をアピールしつつ、8派の支持を得た福田陣営を「談合」と批判することで、支持を訴える。決起大会には、同党の国会議員29人(うち麻生派15人)が出席した。

 党総裁選挙管理委員会は15日午前11時から党本部で立候補を受け付け、両陣営の代理人が20人の推薦人名簿を添えて届け出た。23日の投開票は党大会に代わる両院議員総会で行われ、国会議員387人(衆院304人、参院83人)に各1票、都道府県連に各3票(合計141票)の合計528票で争う。新総裁の任期は安倍首相の残任期間の09年9月まで。

 福田氏は町村派だけでなく津島派、古賀派など8派の支持を得て優位な情勢。ただ、麻生氏推薦人に伊吹派など他派議員が名を連ねたことから、引き締めを求める声も陣営から出そうだ。また、37都道府県連が党員投票による予備選を実施して投票先を決める考えで、地方票で麻生氏がどれだけ劣勢を挽回(ばんかい)できるかが焦点だ。【川上克己、竹島一登】

(15日、毎日新聞)

今回の自民党総裁選は急きょ実施されることになったものであり、臨時国会開会中でもある今、「政治的空白」を作ってはならないということでタイトな日程で組まれた“スピード総裁選”だと形容できるだろう。
そんな中、自民党の34都道府県連は「党員投票」を実施して、持ち票である“3票”の投票先を決定する姿勢だ。


きょう、総裁選に向けての選挙対策本部を設置した、麻生・福田両陣営。
麻生陣営の選対本部長には鳩山邦夫法相(津島派)、福田陣営の選対本部長には橋本聖子参院議員(町村派)がそれぞれ就任した。

鳩山法相は去年の総裁選時にも、麻生陣営選対本部長として、麻生氏を支えた。
今月5日には、実兄・由紀夫民主党幹事長と共同で記者会見し、政治リーダー育成機関「友愛塾」を来年4月に立ち上げると発表した。
党派の異なる兄弟がタッグを組むことには、「政界再編をにらんでの動きか」との憶測も聞かれるが、鳩山兄弟は「もっと大きなスケールの話。祖父・一郎元首相の“友愛”精神を広めたい」と、これを否定している。
邦夫氏は、今度の総裁選で福田氏が派閥からの支援を取り付けていることについて、福田氏のやり方は「派閥主導の旧来的自民党手法だ」と批判している。

橋本氏は昨年6月、日本スケート連盟の会長に就任した3男3女の母(実子3人)。
出産のための休暇を数日取っただけで、国会にカムバックしてくるという、並の男もビックリの、かなり“タフ”な女性政治家だ。
福田陣営の選対本部長には、党の重鎮・中山太郎衆院議員(無派閥)が就任するとの話もあったが、「若くてハツラツとしたイメージがよい」(町村派議員)ということで、橋本氏が職に就くこととなった。
橋本氏が選対本部長に就くというのには、小泉純一郎前首相のような「わかりやすいパフォーマンス」的手法が使われたことが伺える。

鳩山法相が麻生陣営の選対本部長に就任したことには「鳩山氏の義理堅さ」を感じ、橋本氏が福田陣営の選対本部長に就任したことには「小泉流サプライズ人事」を感じる。


さて、麻生氏と福田氏の政策的違いを比較すると、以下のように分類できるだろう。

<麻生>
  外交:日米関係重視
  経済:小泉路線の転換?

<福田>
  外交:全方位外交
  経済:小泉路線+地方に配慮

このように一応分類は出来ても、両者に決定的な違いを感じられないのが現状だ。
「日米関係」は外交を考える上において機軸ではあるが、当然「アジア外交」を考える視点も必要。
参院選での惨敗を受け、小泉改革の方向性については正しさを感じていても、「影」の部分を修正する考え方も求められている。

両者の違いがあまり鮮明に映えないのは、麻生氏が「ハト派」(旧河野派)の中にあって「タカ派」的であり、福田氏が「タカ派」(旧福田派)の中にあって「ハト派」的であるからかもしれない。


とりあえず選対本部長も決まり、23日(日)の投開票日に向け“ガチンコ勝負”となった自民党総裁選。
自民党は、平日は候補者の街頭演説を行わないことを決めるなど、出来るだけこの総裁選から派手な演出を削ぎたい意向だ。

私個人的には、額賀福志郎財務相も、小池百合子前防衛相も立候補して、色んな候補が色んな意見をディスカッションし合う「総裁選」が好ましかったように思う。
多種多様な候補が議論を戦わせることでこそ、「自民党の底力」は発揮されるだろうと感じるからだ。

しかしながら、今回が「急」な総裁選であることを考えれば、立候補者が複数名になっただけでもよかったと考えることも出来る。
現状では福田氏が圧倒的に優勢だが、34の都道府県連での「党員投票」の結果によっては、議員票の動向も左右されるかもしれない。

ちょうど一週間後、はたして新総裁に選出されるのはどちらなのか。
所信表明演説の翌々日に総理が辞意を表明する今日び、「政界の一寸先は闇」との常套句が、不思議なリアリティを醸し出している。

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posted by Author at 20:01| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ポスト安倍スペシャル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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