2007年12月27日

「食品偽装」はノーベル平和賞モノ 〜タモリ牧師「盛り上がるな!」発言から振り返る2007年〜


我が崇拝するタモリさん司会の『笑っていいとも! 年忘れ特大号!』(フジテレビ、26日)を見た。

といっても、リアルタイムで見られたのは、午後11時台の「ものまね歌合戦」ぐらいだったのだが、オープニングの“タモリ牧師”による漫談(?)は予め録画予約していたので、見ることができた。

自身の登場に盛り上がる客席を前にして、タモリさんが叫んだ言葉は「盛り上がるなっ!!」。
この言葉を聞いて、私自身はっとさせられた。
思えば、近年の我が国の社会は、あらゆることに過剰に「盛り上が」り、騒いでいるのではないか。

今年一年を通じて最も世間を騒がせたニュースといえば、何になるだろう。
このブログで日頃取り上げている政治・政局ニュースを別にして考えると、「食品偽装問題」は、今年最大級のニュースのうちの一つであったと言えよう。
不二家に始まり、赤福、ミートホープ、船場吉兆、白い恋人、比内鶏などなど。
消費・賞味期限の虚偽記載、売れ残った商品の再使用など、「食の安全」を揺るがすニュースが相次いだ。

ありきたりな「ご意見発表会」は既存メディアのみなさんにお任せすることにして、このブログでは、少し違った見方をお示ししたい。

この際、厳密な賞味期限も消費期限も気にせず、生きていこうではないか。
そもそも、賞味期限が1日過ぎただけでまずくなるような食品など、もとよりまずい食品である。
美味しい鯛は腐っても美味しいのだし、賞味期限が過ぎた「白い恋人」は賞味期限が切れていても美味しいのだ。
不二家の「再使用」にしても、健康上の問題がほとんどないからこそ「再使用」できたのであるし、結果「おいしければ何でもいい」ではないか。

はたして、アフリカの貧しい発展途上の国に住む人々たちは、食品の賞味期限を気にして食事をしているだろうか。
原始時代、我が祖先たちは、マンモスの賞味期限を気にして食事をしていただろうか。
アフリカの最貧国の人々と原始人を一緒くたにするつもりはないが、日本においてもそもそも「おばあちゃんの代からのお漬物」に賞味期限表示などはなされていない。
賞味期限など本来あいまいなものにすぎないし、美味しいものは賞味期限が過ぎていても美味しいのだ。

それを、日本のメディアは「食品偽装!」「食品偽装!」と騒ぎ立てる。
ワイドショーでは「不二家」「赤福」は悪しき組織と断罪され、賞味期限を1時間でも過ぎた食品を売っていたスーパーは「悪徳商店」と報道される。
私に言わせれば、「豚肉」を「牛肉」と偽装して出荷する「ミートホープ」は、我々庶民に「牛肉コロッケを食べているという贅沢感」を感じさせてくれた、つまり、“優しい嘘”をついてくれたわけである。

言われてみなければ、誰も「牛肉コロッケ」の違いも「豚肉コロッケ」の違いも分かりゃしない。
それは、なぜか。それは、ミートホープの「豚肉コロッケ」が美味しかったからである。「ミートホープの豚肉コロッケ」が「牛肉コロッケ」と同レベルに美味しかったのは、紛れもない事実なのである。
「不二家」は、「白い恋人」は、「ミートホープ」は、私たちに“偽物が本物を上回る瞬間”、すなわち“幸福なドッキリ大作戦”を体験させてくれたのである。

私たちの舌は、“偽物”に騙された。
しかし、騙されていた瞬間、私たちは幸福だった。私たちの幸福指数は満腹だった。
そこにあるのは、「バレなければいい」という単純な論理ではない。「バレない」ための綿密な工作、そして努力が存在したからこそ、私たちの舌は騙された。

「ミートホープ」の偽装は、北海道の人々に笑顔をもたらしていた。
「不二家」の材料再使用は、多くの子供たちに喜びをもたらした。
「白い恋人」の偽装は、“北海道みやげ”という形で、日本国中の“働きマン”たちを笑顔にさせた。
「赤福」の偽装は、伝統と老舗を愛好する美食家の面々を、大いに楽しませた。

「儲かればいい」という考え方をしていたら、食品の偽装などできない。
食品を“もったいない”と思う気持ちこそが、食品会社の経営者たちに「偽装」の道を歩ませた。
そして、“もったいない”という気持ちこそ、日本人の大事な精神性であるということで、それを提唱したワンガリ・マータイさんは数年前、ノーベル平和賞を受賞した。

こういうことを考えると、食品偽装は、ある種「ノーベル平和賞モノ」だったのではないか。
ミートホープの田中社長が、もしかしたらノーベル平和賞を受賞していたのかもしれないのである。それを考えると、田中社長を「豚オヤジ」「ピッグ・ゴッド・ファーザー」とバカにすることなど、私にはできようはずもない。


神は“罪”を憎まず、その罪がバレる“愚かさ”を憎む――とは、立川談志師匠の言葉である。
どこの誰とは申さぬが、とある政党の議員のみなさんたちは、不倫をしてはバレ、不倫をしてはバレている。
まったくもって恥ずかしい。「バレる不倫をするな」とはよく言ったものである。

食品偽装を騒ぎ、賞味期限切れを騒ぎ、「食の安全」を騒ぐ。
彼らは、いつも騒いでいるだけだ。物事の本質を見究めようとはしない。
彼らはたしかに「ニュース屋」かもしれないが、けっして「ジャーナリスト」ではないのである。騒ぐだけ騒いで、事実の検証、その深層背景を見つめようとすらしない。
ステレオタイプ的に喧騒を演じてみるだけだ。そしてそのニュースを受けて、毎度おなじみコメンテーターが、ステレオタイプ的にありきたりな意見を述べてみるだけなのだ。

一人の力士の動向、一人の父親と三人の兄弟の動向も、考えてみれば騒ぐほどのことではなかった。中国の「石景山遊園地」はちょっと面白かったけど(――関係ない話だが、私は中国製の「ファービッシュ」という人工知能搭載型ペットを持っている。正規の「ファービー」とは違い、手が付いているのだが、きちんと日本語もしゃべる。ただし、キャバクラ嬢のような“少し品のない言葉”をしゃべるので、外からのお客様にはお披露目できないのが残念である)。


今年も一年が終わる。
本当にブログをご覧のみなさま、今年一年お疲れ様でございました。
新年1月1日は、テレビ東京『新春報道特別番組 ザ・決断!あの一瞬!』(午前11時30分〜)で“初笑い”ならぬ“初・知的好奇心体験”をしていただきたい。
それではみなさま、よいお年をお迎え下さいませ。


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2007年12月25日

「日本版NSC」設置断念に思う… まだまだ日本は「国防軽視」?

政権が変わり、政策が変わる。残念に思う点も少なくない。

<日本版NSC>政府が設置断念 提出法案も廃案へ

 政府は24日、首相官邸で安全保障会議を開き、官邸の司令塔機能強化を目指した国家安全保障会議(NSC)の設置を断念することを決めた。4月に国会に提出されたNSC設置法案は継続審議の手続きをとらず、廃案にする。福田康夫首相は会議で、官房長官、外相、防衛相がより緊密に政策調整を行うことで官邸の機能の強化を図るよう指示した。

 会議後、首相は記者団に「NSCのような機能が官邸にないわけではない。内閣危機管理監など今ある機能を強化するという考えもある」と語り、新たな組織は必要ないとの考えを示した。

 日本版NSCは、06年秋に安倍晋三前首相が就任した際に掲げた目玉公約。安保会議を改編し、首相を議長とする少人数の閣僚によるNSCを設置し、その下に専任スタッフからなる事務局を置く構想で、08年度予算編成でも概算要求されていた。

 しかし、安倍内閣で法案を作成した際、メンバーとなる閣僚の選定や首相補佐官(安全保障担当)の役割を巡って政府内の調整が難航。自民党内でも不要論が強く、法案了承手続きが紛糾した経緯があり、法案は国会で一度も審議されていない。福田首相も就任前から構想に慎重とみられていた。【古本陽荘】

(25日、毎日新聞)

難点が多々あることを承知の上で、私はかねてより「日本版NSC」が設置されることに期待を寄せていた。
ジャーナリストらが言うまでもなく、日本の政府に今、最も必要とされているのは高度なインテリジェンス能力である。

安全保障担当の首相補佐官を中心とした「日本版NSC」により、日本という国が今後歩んでいくべき安全保障体制のあり方、国際社会における日本の防衛力(軍事力)のあり方が真剣に討議されることは、21世紀の日本にとって必要なことだったと思う。

それが今回、福田康夫首相の“政治判断”によって、残念ながら「日本版NSC」の設置は断念されることになった。
従来からインテリジェンス政策を訴えてきた町村信孝官房長官としても、「日本版NSC」設置断念は、本意ではないだろう。

このニュースに合わせて、ということではないだろうが、今朝の毎日新聞朝刊の社説には「防衛省 損をしたのは一体だれか」という、古賀攻同紙論説委員による社説が掲載された。
大変的を射た社説だと思ったので、以下引用する。

社説:視点07・どげんかせんと 防衛省 論説委員・古賀攻
 ◇損をしたのは一体だれか


 防衛庁の省昇格構想は、池田内閣末期の1964年6月にさかのぼる。当時、政府は関係法案を閣議決定したものの、国会には提出せず、構想は長くお蔵入りとなってきた。

 以来43年。今年1月9日に、「庁」はようやく「省」になった。内閣府の外局という格下扱いに別れを告げ、一人前の役所に脱皮するはずだったが、防衛省は記念すべき1年目を自ら不祥事まみれにしてしまった。

 イージス艦のデータ流出。海自から米軍への「油転用疑惑」にかかわる給油量の隠ぺい。航海日誌の破棄。そして異例の越年捜査が続いている守屋武昌・前防衛事務次官の汚職は、自衛隊員27万人を擁する巨大組織に致命的な傷を負わせた。

 大臣もくるくる代わった。晴れて初代の防衛大臣に就任した久間章生氏は原爆投下への「しょうがない」発言でクビ。現在の石破茂防衛相は省発足後、早くも4人目である。

 上から下まで、その広がりと深さにおいて、防衛省は07年不祥事番付のチャンピオンと呼んでも過言ではないだろう。

 ただ、こんな状態を嘆いてばかりはいられない。

 防衛省は日本の安全保障をつかさどる組織だ。外部の脅威から国家、国民を守ることのみならず、自然災害時の緊急出動から、国際平和活動への取り組みまで、自衛隊の「力」なくしては対処できない。

 逆に言えば、防衛省・自衛隊の規律が緩み、腐敗が進行すれば、組織の力は低下し、その分だけ私たちの安全は脅かされる。毎年4兆8000億円もの税金をつぎ込んで、私たちは安全という国家サービスを受けているのであり、それが期待できるレベルに達しないと最終的に損をするのは国民なのだ。

 社会保障が年金や医療という形である程度実感できるのに対し、安全保障は目の前に危機がなければ、空気のようにとらえどころがない。このため、自衛隊を統制すべき国会にあって、利権に敏感な国防族はいても、安全保障に精通する専門的な議員はなかなか育たない。

 石破氏は自著「国防」で、政治家の実態として、農道を一本作るのにどれくらいの予算が必要かは知っていても、はるかに高価な武器については知らないのが当たり前になっている、と書いている。兵器オタクと揶揄(やゆ)されがちな石破氏の指摘だが、政治家が漫然と防衛予算を扱っていいはずがない。

 前次官の暴走を許した原因は、とどのつまり、政治家による統制力の乏しさに行き着く。

(25日、毎日新聞)

先日放送されていた、TBSテレビにおけるみのもんた氏司会の国会議員討論番組では、みの氏が「ミサイル実験をやる国防費があるなら、その分を社会保障にまわせ」といったような発言をしていた。
反面、昨日の『オジサンズイレブン』(日本テレビ)という番組では、元TBSアナウンサーの鈴木史朗氏が「『日本版NSC』の設置に期待していたが…」と述べていた。

社会保障も安全保障もどちらも大事であることは言うまでもないが、私は、まだまだ「国防軽視」の観点が、広い範囲の国民に根付いているような気がしてならない。
たしかに戦後は、けっして「軍縮」の時代ではなかった。そういうことでいえば、戦後日本は「軍拡」の時代であったともいえよう。

しかし、有事の事態を――首都直下型地震と同様に――、ほとんど「日常外の事態」だと特別視しているというのは、いかがなものだろう。
テロリズムが日本にやって来ないという保証など、どこにもない。
それどころか、経済大国でありアジア最大の先進国である日本が、テロリストたちの標的になっていることは、今や疑いようもないではないか。

「薬害C型肝炎患者、一律救済」という判断は、きっと福田首相でなければ決断されなかったことだろう。
今回は、福田康夫首相が「自民党総裁」という立法府の人間として、「議員立法」による肝炎患者救済を決断した。このこと自体に正面切って反論する人は、皆無に等しいのではないかと思う。

しかし、先日このブログで取り上げたように、安倍前政権での「公約」が現政権下で“立ち消え”になっていくのを目にすると、どうも「時代の後退のようなもの」を感じざるを得ない。
返す返すも、「日本版NSC」設置断念は残念である。


<追記>

ノンフィクション作家の塩田潮さんが『民主党の研究』(平凡社新書)という書籍を出版した。
田村重信さんの『民主党はなぜ、頼りないのか』(成甲書房)以来の本格的な“民主党研究”本である。
先週ぐらいには、ある雑誌で「民主党 衰退論」という特集が組まれていたが、やはり、正常な言論人としては、民主党の抱え持つ“不整合性”に触れずにはおけないということなのか。
これまで民主党を批判してきた人間の立場からすると、自分の意見が「多数意見」になることは、可愛がってきた教え子がテレビデビューして一躍大人気になるような、ある種の嬉しさと同時に、ある種の淋しさ、哀しさを感じる。


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2007年12月21日

上川陽子・少子化担当相、ダウン…

上川少子化相、体調不良で宮中午餐を欠席

 上川陽子少子化担当相(54)は21日、体調不良のため、閣議後の記者会見を取りやめ、皇居での閣僚宮中午餐(ごさん)を欠席した。上川氏周辺は「風邪による腹痛」と説明している。

 上川氏は同日午前の閣議の最中に体調不良を訴え、引き続き開かれた犯罪対策閣僚会議を前に退室。一度は会議に戻ったが、その後の日程をキャンセルし、東京・赤坂の衆院議員宿舎で休息を取っているという。

(21日、産経新聞)

上川陽子少子化担当相の所属する派閥は、自民党古賀派。
昨日の総会で、来年4月8日のパーティーで谷垣派と合流すること(=「中宏池会構想」実現)を決定した派閥だ。

「政治家」の「体調不調」ということでいえば、何と言っても今年9月の安倍晋三前首相辞任である。
その他にも、今年10月には高村正彦外相が、体調不良のために都内の病院に入院したりしている。

閣僚であることは、心身ともに相当にハードなことなのだろう。
数多く降りかかって来る災難。そして、途中で仕事を放棄できないという強圧的なプレッシャー。
――考えれば、私たち(?)一般国民も同様ではないか。
閣僚には閣僚の、サラリーマンにはサラリーマンの、役人には役人の苦難があり、どの苦難が「一番重い」「一番軽い」などと言えたものでもない。

年越しのその瞬間をインフルエンザや体調不良で迎えるのは、あまり喜ばしい事態ではないだろう。
体調管理に万全はない。人間、風邪を引くときは風邪を引くし、高熱を出すときは高熱を出す。「体調不良」は仕方のないことだ。

今年もあと1週間と数日で終わりを迎えるが、国会、特に参院は「正月返上」の日々を継続する。
体調不良に悩む人たちが、私の周囲で増えている。私はまったくもって健康体。なんだか寂しいような、でも、本来はありがたいような。

来週のテレビ東京・夕方ニュース番組『速ホゥ!』は、「壊」をテーマにスペシャル版を放送するという。
年が変わると、何かいいことが起こりそう。今年の嫌なことは全部、水に流せそう。
くれぐれもお体を「壊」さないよう、お気を付けて。

(いつにも増してつまらないエントリとなってしまって、申し訳ない…)

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2007年12月20日

久間元防衛相から守屋氏への“クリスマス・プレゼント”

クリスマスを前に、自民党の各派閥では総会が開かれ、久間元防衛相の口からは「皮肉」が飛び出した。

「この2人なら大丈夫?」久間氏、守屋氏に皮肉

 心臓疾患で療養していた久間章生元防衛相が20日、約1カ月半ぶりに所属する自民党津島派総会に出席した。

前防衛事務次官の守屋武昌容疑者が証人喚問で防衛専門商社『山田洋行』元専務の宮崎元伸容疑者との宴席に久間氏と額賀福志郎財務相と同席したと証言したことについて、久間氏は「守屋氏は4年半も次官をやっていて思いだすのは私たち2人だけなのか。この2人ならば名前を挙げても大丈夫だと思ったのだろうか」と皮肉った。

(20日、産経新聞)

きょう、心臓の手術を終え、自民党・久間章生元防衛相が永田町にカムバックした。
1か月半ぶりに出席した津島派の総会では、収賄事件で逮捕された守屋武昌前防衛事務次官を皮肉る形で、自身の“潔白”を主張した。
久間氏から守屋氏へ、「皮肉」というクリスマス・プレゼントが贈呈された。在任期間中は多大な接待を受けた守屋氏だが、このプレゼントはそんなに嬉しくないプレゼントだろうか。

さて、その久間氏の所属する津島派であるが、昨日、新たに島尻安伊子参院議員が入会した。
今年4月の参院沖縄補選で、野党系候補を破り、初当選を果たした女性である。

<自民党津島派>島尻安伊子氏が入会、計68人に

 自民党津島派は19日の運営幹事会で、4月の参院沖縄補選で当選した島尻安伊子氏の入会を了承した。

 同派所属議員は衆院46人、参院22人の計68人となった。

(20日、毎日新聞)

津島派のほかにも、今日は古賀派で総会が開かれ、「中宏池会」構想の実現への方針が確認された。
合流の時期などについては古賀誠会長(党選対委員長)に一任するということも決定されたが、今後、古賀派内で「親古賀」「反古賀」の色付けが明確になっていくことだろう。

古賀、谷垣両派が合流了承=4月8日に合同パーティー開催へ−自民

 自民党古賀派は20日昼の総会で谷垣派との合流方針を了承した。合流の時期など今後の運びについては古賀誠会長に一任した。

 来月15日の臨時国会閉幕直後にも谷垣禎一谷垣派会長と会談し、両派は合流で正式合意する見通しだ。

 来年4月8日に両派合同での政治資金集めパーティーを開催する方向で調整している。

(20日、時事通信)

いよいよ年の瀬を迎える永田町。
石原伸晃前政調会長は「正月返上で職務に当たる」と意気込んでいるが、その1月に福田康夫首相の「内閣改造」があるのか、ないのか。

私は、可能性は大いに残されていると思う。森喜朗元首相が指摘した通り、現内閣は、安倍晋三前内閣をほとんどそのまま踏襲したものであり、“福田さんの内閣”というものではない。
先日のTBSテレビ番組への出演でも、福田首相は、来年1月に内閣改造に踏み切ることについて、「前向き」とも取れるような、含みを残した発言をしている。

今年の1月、防衛庁から「省」に昇格した防衛省。
そこから生まれた巨大な収賄事件と、前事務次官への過大な接待の事実。
防衛相は久間氏→小池百合子氏→高村正彦氏(現外相)→石破茂氏と変化していった。

防衛相だけではない。
農林水産大臣も、松岡利勝氏の自殺に始まり、赤城徳彦氏の「ばんそうこう」騒動、遠藤武彦氏の「7日辞任」、若林正俊氏の「再々々登板」など、色々な人物が現れては、政局の舞台から去っていった。

そして、まさかの安倍晋三首相(当時)電撃辞任。
TBS『報道特集』などの取材に対し、病気の症状を克明に語りだした安倍前首相だが、国民・有権者の間の多くは、今なお“なぜ安倍さんは辞めたのか?”という問いに対する答えを見出せていない。

思えば今年も色々あった。
永田町の人物たちも、華麗で劇的なショーをめまぐるしく魅せてくれた。
それが国民にとって有益だったのか損益だったのかは、この際、問題ではない。
そこに残されたのは、謎と不気味と未知。
「ねじれ国会」が続く限り、「大連立」構想の噂も、解散総選挙の噂も消えはしない。

永田町ドラマは、来年以降もまだまだ続く。
もっとも、今年の“永田町劇場”は、まだ幕を閉じたわけではない。



<追記>

★NHK大河ドラマ 2009年『天地人』主演キャスト決定

 再来年(2009年)のNHK大河ドラマは、直江兼続を主人公とした『天地人』に決定しているが、今朝、この兼続役の主演キャストが内定した。
 なんと、今回兼続を演じることになったのは、俳優の妻夫木聡さん。映画『ウォーターボーイズ』でデビューし、三島由紀夫原作の映画『春の雪』でも、主人公・松枝清顕を好演した。

 後出しジャンケンになってしまって悪いが、私は5日前ぐらいから、兼続役は妻夫木くんになるのではないかと、勝手に予想していた。この度、私の予想が当たり、実に嬉しい限りであり、興奮を覚える。第2次安倍内閣の組閣人事は“17発1中”しかしなかった私だが、こういう勘が当たると、自分でもビックリしてしまう。

 来年の話をすると鬼が笑うという。再来年の話をしたら、誰が笑うのだろうか。
 ――再来年の話をする前に、年賀状の準備をしなくては。


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2007年12月15日

あの仕掛人が語る「大連立」構想の舞台裏


昨日(14日)の『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)で、「独占 仕掛人は語る 大連立は再び…」と題した独自ニュースが報じられ、先頃の“大連立構想”の舞台裏が明らかとなった。

今回、“大連立”の舞台裏を証言したのは、中曽根康弘元首相と、森喜朗元首相。
両者は、まだまだ“大連立”をあきらめていないようだ。

以下、昨日の放送分をノーカットで掲載する。



「独占 仕掛人は語る 大連立は再び…」

 動画はこちら

 先月2日の党首会談で、一気に浮上した大連立構想。そのなかで、政権内の閣僚の数を自民10、民主6、公明1とし、さらには小沢代表の副総理就任までもが話し合われた。

 仕掛け人は、読売新聞の渡辺恒雄氏。盟友・中曽根元総理とともに大連立を強く勧める人物だ。そして、福田総理と小沢代表の間でシナリオを描いたもうひとりの人物・森元総理。3氏はまだ大連立をあきらめてはいない。


森 元総理

 「自民党が出してくる法案は民主党が反対。民主党が出してくるのは自民党が反対。誰が困るんですか? そうでしょう、国民の生活が困るんでしょう。
 だからそういうことをやってちゃいかんのじゃないかと。何か知恵を出しなさいと。そういうことで福田さんと小沢さんが話したんでしょう。私は立派だと思いますよ。それを“密室”だとかなんだとかいうのはね、マスコミが言うんですよ、言いにくいけど。
 “できれば将来連立が出来ればいいね”と、そういう思いを両党首が持ちながら、政策協調をしていこう――ということだったんじゃないですか」


 しかし、小沢氏は民主党内の反対にあい、「大連立」は頓挫。世論の評判もかんばしくなかった。


森 元総理

 「幹事長を始めとして、側近も何もかも全部反対でしょ。かわいそうに。それでじゃあ小沢が“分かった”と。“じゃあ俺、辞める”と。そうしたら“辞めるな”でしょう?
 これはおかしな話。“じゃあ辞めない”というのも、これもまた滑稽な話。」


 89歳の長老・中曽根元総理も、また、ねじれ解消には大連立しかないと持論を吐く。


中曽根元総理

 「いやあ、私は思ってるよりは何にも知らないけどね。小沢君や福田君に対してね、直接話して工作するということをナベツネさんと相談してやったということはないんですよ。
 それ(大連立構想)は、ナベツネさん独自の考えでおやりになったことだと思います。」


記者

「――先生はそれを精神的に支えてたって感じですか?」


中曽根 元総理

 「いやあ、ナベツネさんとは、やっぱり“土俵に上げるような体系を作らなければ、この国は持たない”と。“あと6年間はねじれた状態が続くんだ”と。だから国が持たないんだと。だからそれを克服するだけの2大政党の体系を作っていくのは責任だと、ナベツネさんとは一致しておった。

 いずれにせよ、大連立やらそういう大協調関係が出来るというのは次の解散総選挙後だろうと、そう見ておる。じゃあ解散総選挙がいつかといわれたら、やっぱりこれは北海道のサミット後になるだろうと。だから1月解散とか、“4、5月解散”だとか色々言われているけれども、私は7月の北海道サミット以降だと。そういう風に見てますね」


 一方、森氏は選挙前でも「大連立」の動きが再始動する可能性に言及する。


森 元総理

 「総選挙? それは(いつになるか)分かりませんよ。(「大連立」協議は)選挙前しかもしれないし、選挙後かもしれないし。選挙はいつあるかっていわれたら、出来るだけ選挙はやるべきじゃないんですよ。
 衆議院の選挙やって何が変わるんですか? 何も変わらないんですよ」


記者

 「――どう打開しようかという局面打開への働きっていうのはこれから…」


森 元総理

 「そうですよねえ。それかもうガラガラポン(政界再編)でやるか、もう結構色んな動きあるんですよ。(ただし)みなさんご存知ないんで」


 先週、公の場で初めて大連立への関与を認めた渡辺恒雄氏は、さも、意味ありげな言葉を吐き出した。


渡辺恒雄 読売新聞 主筆

 「今後の展開の邪魔になるので今は書かないが、しかしいずれか、絶対に(手記で)書いてやろうと思ってる」



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2007年12月13日

自民党・山崎派に“プチバブル”到来!!

年末の派閥入り。さては、派閥会長からのお年玉が欲しいのかな?

自民党山崎派40人、麻生派18人に

 自民党山崎派の保岡興治事務総長は13日の総会で現在、無所属の坂本哲志衆院議員(熊本3区)が近く自民党入りし、同派入りすることを明らかにした。坂本氏の自民党入りが正式に決まれば、自民党は衆院で306人の勢力となる。石原伸晃前政調会長の派閥入会も正式に承認し、同派は衆院37人、参院3人の計40人となる。

 自民党麻生派は総会で、遠藤宣彦(比例九州)、永岡桂子(比例北関東)両衆院議員の入会を正式に了承した。これで同派は衆院15人、参院3人の計18人となった。

(13日、iza!)

師匠も走る12月。越年延長も決まったこの時期、自民党内では、ちょっとした“派閥バブル”が始まっている。

石原伸晃前政調会長の山崎派(近未来政治研究会)入りは前回ご紹介した通りだが、熊本3区・無所属の坂本哲志衆院議員の「自民党入り&山崎派入り」が内定した。
いわゆる“小泉チルドレン”の中にも、平将明衆院議員や篠田陽介衆院議員など、山崎派に所属する議員は結構多い。

山崎派には明確な“総裁候補”がいないから、会長である山崎拓前副総裁の求心力も、それほど強いということではない。
甘利明経産相は、山崎派に所属している身でありながら、山崎氏がリーダーシップを取ろうとすることに反発することがしばしばある。
小泉政権が終幕した際には、武部勤元幹事長はもともと在籍していた山崎派に復帰したが、幹事長時代は、山崎氏の主張に反発を示すことも多かった。
なんだかこういうことを書くと、山崎氏は自らの派閥の人間にすら“ナメられている”みたいだが、実態を言えば、「山崎派」という傘の下、在籍議員たちは安定した身分を保証されているのだと言えるだろう。

また、「次代の総裁候補」として将来を期待されている石原氏としては、自身の政策・主張が一番目立つ方法は何かということを考えてみた時、「山崎派入り」が最も効果があると判断したのではないだろうか。
つまり、「明確な総裁候補のいない」に加わることにより、自身の発言力をさらに増したいという判断だ。
もちろん、石原氏の主張が山崎派自体の主張に近いということを考慮の上での判断であることは言うまでもない。

麻生派(志帥会)のほうに入会することになった永岡桂子衆院議員というのは、2005年8月に自殺した永岡洋治衆院議員(当時)の奥様である。
この方もれっきとした“小泉チルドレン”で、稲田朋美衆院議員が会長を務める「伝統と創造の会」メンバーでもある。総務委員として、今年度のNHK予算委員会にも出席した。

――どうでもいいことだが、山崎拓氏の名前は「やまさき・たく」と読む。「やまざき」ではない。
以前、TBSのアナウンサーがニュース番組で「やまざき」「やまざき」と名前を読んでいたので、その時には注意のメールを送ってしまった。
そのメールにアナウンサーが目を通したかどうかは分からないが、その後、同じアナウンサーが「山崎拓」を「やまさき・たく」と読んでいたのを見た時には、少し嬉しかった。

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タグ:自民党
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2007年12月12日

古賀誠に嫌われてこそ、真の政治家

党の「公認」をもらえるかどうかなど、限りなくどうでもいいことだと思え!

自民党公認調整が本格化 杉村太蔵議員、公認なしでも北海道1区からの出馬を宣言

 自民党の公認調整が11日から本格化し、「小泉チルドレン」に逆風が吹いている。そんな中、自民党の杉村太蔵議員は11日、公認を得られなくても北海道1区から出馬すると宣言した。

 11日の衆議院本会議閉会後、腕を組みながら、ポツンと1人で歩く自民党の杉村太蔵議員の姿があった。

 注目の発言は、この直後に飛び出した。

 杉村議員は11日午後、「公認するかしないかっていうのは、党の判断ですよ。ただね、選挙に出馬するか、しないかっていうのは、わたしの判断ですよ。わたしは、次期総選挙は、誰が何と言おうと、必ず北海道1区から出馬します。公認したくなかったら...、しなきゃいいじゃないですか」と声を荒らげながら、公認を得られなくても、北海道1区から出馬すると宣言した。

 杉村議員は、この選挙区の公認を「YOSAKOIソーラン祭り」の創設者・長谷川 岳氏と争っている最中で、先週、選考委員による面接を受けたばかりだった。

 2日、面接を受けた杉村議員は「新党大地から出馬する、まったくそういうことは、100%ありません」と話し、一部で取りざたされた鈴木宗男代表の新党大地入りをきっぱりと否定した。

 面接の結果はまだ出ていないが、地元の選考委員の間では、ライバル・長谷川氏を推す声が多いと言われている。

 それを意識してか、11日、杉村議員は「わたしは現職ですよ。現職の強みというのは、財務大臣に会おうと思えば、会えるんです。内閣総理大臣にだって、4人、5人まとまっていけば、直接会って、地元の強い要望を伝えることができるんです」と、現職議員の強みを強調し、地元の反杉村グループに反発する姿勢を示した。

 郵政選挙から2年がたち、杉村議員をはじめ、逆風にさらされる「小泉チルドレン」たち。

 11日、自民党本部では、選挙対策委員会の会合が行われ、野田聖子議員と佐藤 ゆかり議員が公認を争っている岐阜1区などの公認調整の方針を決めた。

 自民党の菅対副委員長は「2人ともすでに支部長になっていますから。横一線という形で、勝てる候補者を選んでいきたい」と述べた。

 これまで、街頭で支部長ジャンパーを着て、自らが公認予定者と訴えてきた佐藤 ゆかり議員。

 佐藤議員は2006年12月、「野田聖子さんの場合には、選挙区がまだ決まっておりません。それが、比例代表なのか、どこかの小選挙区なのか、まったくわかりませんが」と話していた。

 しかし今回、党が2人を「横一線」とし、「勝てる候補を選ぶ」方針に転換したことで、そのアドバンテージはなくなったことになる。

 11日、佐藤議員を直撃すると、「原則はそういうことで決まったなら、そういうことなんじゃないかと思います。(勝てる候補というのがあるが?)次の衆議院選挙、やっぱり自民党が勝たなければいけないと思います」と語った。

 一方、野田議員は「委員会でお決めになることをすべて尊重して、自分は自分でしっかり頑張りたいと思います」と話した。

 また、11日に決めた方針では、比例単独候補を極力少なくするという。

 東京ブロックで、スーパーの店主から比例単独の27位で当選した安井 潤一郎議員は、「比例名簿の上位で選挙をさせていただきますと、わたしは言ってます。有権者の方たちが『安井、もう1回やれ』って、こういう声を上げていただけるかどうかっていうことにもかかわりますけどね」と話した。

 そんな中、片山 さつき議員は「(わたしは)公認と決まっているので、もめておりませんから。自分の以外のことにコメントする話じゃないんじゃないんですかね」と語った。

(11日、FNN-NEWS.COM)

杉村太蔵衆院議員は、実に正論を述べたと思う。
党の公認をもらえるかどうかなど、この国の未来を考えてみた時には、はてしなくどうでもよいことである。
仮に選対委員長の個人的好みで公認候補が決定されるのであれば、「公認候補になれるよう、気に入られようとする」のではなく「むしろ嫌われる」覚悟でこそ、真の政治家たるべき姿だ。

私は、「郵政造反組」に、憎しみにも似た強い怒りを抱き続いている。
私は断じて彼らを許さない。
一度は、時の自民党総裁・小泉純一郎に反発したのにもかかわらず、党執行部が変わるや否や、開き直りの復党。

戻るほうも戻るほうなら、戻したほうも戻したほうだ。
私は国民投票法の制定、教育基本法改正、防衛庁の省昇格などを成し遂げた点において、安倍晋三首相を高く評価しているが、「郵政造反組」を復党させたという点は、どの角度から見ても評価できない。

一度は党を裏切った人間が、我が物顔で復党をする。
「復党」という行為そのものが悪いと言うつもりはないが、郵政民営化に反対していた人間が「私が間違っていました(=郵政民営化賛成に転じます)」と言ったことを忘れるとは、恥知らずも甚だしい。

党の公認をもらえるかもらえないかなど、有権者にとっても、政治家自身にとってもどうでもいいことだ。
自民党の古賀誠選対委員長は「勝てる候補を擁立する」と話しているが、私はこの発現からして同調できない。
党は「勝てる候補」ではなく、「勝たせたい候補」を擁立するべきなのだ。

杉村氏は今年9月の自民党総裁選中、武部勤元幹事長らのグループを脱退したが(詳しくはこちら)、先日、武部氏は杉村氏を見かけると「おい!家出息子! 元気にやってるか?」と激励の声を掛けたという。
武部氏の“懐”の深さが伺えるエピソードだ。
昨日も、武部氏は「誰かが使い捨てにされることがあってはいけない。みんなが成り立つ調整をして初めて選挙戦を有利に展開できる」と語り、執行部にクギを刺した。
仮に“武部・小泉チルドレン新党”が結成された場合には、私は彼らの動きを支持したいと思う。

「郵政造反組」のみなさんには、どのツラ下げて復党したのか、改めて自問していただきたい。
「小泉チルドレン」のみなさんには、党の公認がもらえるかもなえないかなどという小事にとらわれるのは止めて、自らの信念だけを頼りに政治家人生をまい進していただきたい。



<追記>

★ 自民・石原前政調会長、山崎派入り
<自民>石原伸晃氏が山崎派入会を表明

 自民党の石原伸晃前政調会長は11日、山崎派会長の山崎拓前党副総裁が東京都内で開いたパーティーであいさつし、近く同派に入会する意向を表明。「衆参のねじれた政治体制の中で、私も意見を発する足場が欲しい」と述べた。

(12日、毎日新聞)


★ 「宙に浮いた年金」約4割が統合困難
 何事も100%を極めるということは難しい。
 年金制度が「自己申告制」の制度であるのは問題だが、これまでの社会保険庁の怠慢を考えると、この難局もうなずける。
 政府・与党には、「“有言実行”が出来ない」と言える潔さを持つことも、場合によっては大事だ。


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2007年12月09日

杉並区立和田中の「夜スペシャル」に深い心配

「教育格差」を広がらせるような行為を、公立学校が導入するとはいかがなものか。

<塾講師>公立中に招き夜間授業 東京・杉並

 リクルート出身の藤原和博氏が校長を務める東京都杉並区立和田中学校で、来年1月から、大手進学塾「サピックス」(中央区)の講師を招き、2年生を対象に夜間、学力向上に向けた授業をすることが分かった。保護者から授業料を集め希望する生徒を対象にするという。公立中の中で進学塾が定期的な授業をするのは極めて異例で、公立学校と塾のあり方をめぐり、波紋を広げそうだ。

 関係者によると、授業は「夜スペシャル」と名付け、保護者らで構成し、同中を地域ぐるみで支援する「和田中地域本部」が主催する形を取る。

 授業は国語と数学、英語の3教科で、月、水、金、土の週4日。平日は午後6時半〜同9時半。生徒は休憩を取りながら1日3コマを受講する。土曜日は午前9時〜正午で、英語のみという。平日コースと平日・土曜日コースの2コースを設け、入塾試験も実施する。生徒のレベルを見ながら授業を展開する。

 和田中では、これまでの暗記を重視した授業を疑問視し、物事に対する「論理的思考力」を鍛える方法を模索してきた。今回の試みもその一環で、サピックスの講師と同中の教諭とが連携し、思考力を鍛える教材を共同開発し、その教材を使いながら、サピックスの講師が授業をする。授業料はサピックスの料金の半額に設定し、保護者側が支払って生徒が受講するシステムになるという。

 1月から試行的に始め、4月から本格実施したいとしている。

 藤原校長は、03年4月に東京都の公立学校では初の民間出身校長として就任。授業の知識を世の中でどう生かすかを学ぶ「よのなか」科を導入するなど、先進的な取り組みで知られる。

 来年3月の退任が決まっており、後任は、教育関連会社「トップアスリート」社長の代田昭久さんが務めることになっている。【三木幸治】

 ▽教育評論家、尾木直樹さんの話 学校の塾化が進むだけで総合的な学力向上にはつながらず、やめた方がいい。塾は教え込むやり方で知識をつけるにはいいが、安全で安心な居場所を確保し、子どもが自ら学ぶように促す学校の役割とは異なる。子どもが先生を見る目も変わり、塾の講師を学校の先生より上に見てしまうだろう。

 ▽兵庫教育大学長で中央教育審議会副会長、梶田叡一さんの話 学校にいながら安い値段で塾の授業が受けられるのは、生徒の望む学習機会を提供するという観点から評価できる。日本人の多くは抵抗があるかもしれない。だがこれまでどちらかと言えば、陰の存在だった塾を白日の下にさらすことになる。その結果、学校と塾の指導方針が違って子どもが迷うといった弊害が少なくなり、きっちりとした学力形成につながる。

(9日、毎日新聞)

以前から、東京・杉並区立和田中学校の取り組みは気になっていた。
公立学校初となる民間人校長に藤原和博氏が就任し、「よのなか科」を始めるなど、急進的ともいえる和田中の動きを注視していた人は、私だけではないだろう。

TBSのドラマ『3年B組金八先生』でも、数年前に放送された第7シリーズで「民間人校長」の話題が取り上げられていたと思うが、今朝の毎日新聞の記事を読んで、私の“心配”はますます深まった。
なんと平日の平常授業後、すなわち“放課後”に、塾の講師を学校に招いて、希望する生徒を対象に午後9時30分まで特別授業(「夜スペシャル」)を行うという。
同様なことは土曜日の午前にも行われるそうで、しかも希望する生徒の保護者からはこの特別授業用に「別料金」を徴収するそうだ。

今朝の毎日新聞を読んで、単純な「疑問たち」が私に湧いた。

この特別授業には、経済的に余裕のある家庭の生徒しか参加することが出来ず、「経済格差」から生じる「教育格差」の問題が、さらに深まってしまうのではないか。

生徒の知識・教養レベルを向上させることは、“放課後”ではなく、平常時間内で取り組めるカリキュラムを組んで、平常時間内に実施すべきことではないのか。

午後9時30分まで特別授業を行うという、事実上の「9時間制」は、結果、生徒たちが“精神的ゆとり”をもって学習することを阻害してしまうのではないか。
それとも初めから、和田中学校としては、生徒たちの“精神的ゆとり”などどうでもいいと考えているのだろうか?

この特別授業の取り組みでは、単に塾の経営を公立学校が協力に援助する結果しか生み出さない。
つまり、「学校公認の塾」を新たに設置することは生徒たちにとって好ましいことなのかどうか。
学校側は「希望する生徒だけ参加すればいい」と言うだろうが、学校側が「教育格差」の深化を促進するような行為は、経済的に余裕のない家庭の生徒たちの学力に悪しき影響を及ぼす気がする。

「勉強時間量」が生徒たちの学力に多大な影響を与えることは、明らかである。勉強すればするだけ、子供たちの学力は向上するのだ。
藤原校長が、本当に子供たちの学力を向上させたいと思うのなら、平日6時間までの授業時間内で対応できるようなカリキュラムを作るべきであり、今回、公立学校が「教育格差」を押し広げるようなことを決定するとは、とても正気の沙汰とは思えない。

「教育」に市場原理は似合わない。
「教育格差」の拡大は、阻止されなければならない。
――これが私の結論であり、これからの次代を担う子供たちを考えるにあたっての、最大の心配の種である。

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タグ:教育再生
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2007年12月07日

「中宏池会」実現 “大義”なしでは困る

「リベラル議員」の集合体など、自民党を出て行ってから作ってくれ。

<旧宏池会>自民党の古賀、谷垣両派が来春めどに合流へ

 自民党旧宮沢派(宏池会)の流れをくむ古賀派(46人)と谷垣派(15人)が、来春をめどに合流する方向となった。両派会長の古賀誠選対委員長と谷垣禎一政調会長が年明けにも会談し合意する見通し。両派が合流すれば61人となり、党内第2派閥の津島派(67人)に迫る勢力になる。両派は加藤派時代の「加藤の乱」(00年)を境に分裂していたが、次期衆院選後をにらみ「リベラル勢力を結集したほうが得策」(古賀派幹部)との認識で一致した。両派とも慎重派を抱えており、合流の場合どれだけ離脱者が出るかも焦点となる。

 両派は5日夜、東京都内で幹部らが会合を開いた。谷垣氏は欠席したが、古賀氏は参加し、合流方針を確認した。会合後、古賀派幹部は合流時期について「2〜3月に合流すればいい」と語った。合流は、古賀派にとって有力な総裁候補がいない中、旧宏池会を再結集して発言力を高める狙いがある。一方、谷垣氏の次期総裁選出馬をにらむ谷垣派も、推薦人20人の確保と同時に谷垣氏への党内支持を広げる思惑がある。古賀派が「会長は古賀氏、総裁候補は予断を持たない」ことを提示し、谷垣派が反発する局面もあったが、次期衆院選をにらみ、谷垣派内にも派閥の勢力拡大を優先し「総裁候補は古賀、谷垣両氏の判断に委ねていい」(幹部)との認識が広がったようだ。

 両派は今年5月、谷垣派から古賀派に連携を提案。古賀派の太田誠一元総務庁長官と谷垣派の川崎二郎元厚生労働相の両会長代行が協議を重ねてきた。同じ旧宮沢派の流れをくむ麻生派も含めた再結集を図る「大宏池会」構想も検討されたが、福田政権発足に伴い、政権を支える古賀、谷垣派と、会長の麻生太郎前幹事長が政権と距離を置く麻生派の立場の違いが鮮明になった。

 ただ、会長職については、古賀、谷垣氏の調整に委ねられる形となっており、今後の火種となりそうだ。また、古賀派内には菅義偉前総務相ら先の総裁選で麻生氏を支持したグループもあり、合流で離脱者が出る可能性も指摘されている。【竹島一登、野口武則】

(7日、毎日新聞)

当ブログ恒例の「中宏池会」関連ニュース。
古賀派と谷垣派が合流した場合、その派閥をなんと呼称すればよいことになるのか分からないが、今日の記事では仮に「中宏池会」と呼んでみたいと思う。

「中宏池会」が実現すれば、津島派に次ぐ自民党内第3派閥の完成となる。
記事によれば、「中宏池会」の会長には古賀誠選対委員長が就任する算段となっているという。
「丹羽・古賀派」時代のような「古賀・谷垣」共同代表制は採用されなさそうだ。

新派閥では、おそらく古賀氏を会長、谷垣氏を会長代行といったようなポストに就かせるのだと思う。
古賀派からは太田誠一元総務庁長官、谷垣派からは川崎二郎素厚労相が「副会長」といったポストに任命されるのではなかろうか。
双方の派から、均等に役職者を出す――。まるで「新撰組」の初期のような様相である。

「中宏池会」実現を目前にして、私は改めて、古賀・谷垣両派の議員に問うてみたい。
何のための派閥合流なのか。何のための結集なのか。
もう「派閥政治」をやるような気力を、自民党という政党は持ち得ていない。そのことは、昨年(2006年)、安倍晋三氏が“雪崩れ的支持”を獲得して新総裁に選出されたことからも、明らかだ。
谷垣氏を「ポスト福田」にするという強い意気込みが各議員になければ、「中宏池会」なるものが誕生しても、それは単なる「有象無象の集合体」である。
何のために合流するのか。「リベラルな勢力を結集する」と息巻く議員もいるようだが、はたしてそれは「宏池会再建」となり得るのか。
それでは単なる「リベラル議員集合体」であり、とても「保守本流」とは言えないのではないか。

元防衛庁長官で、現在は自民党安全保障調査会長である中谷元氏が、『右でも左でもない政治―リベラルの旗』という単行本を発刊した。
「右でも左でもない」「リベラル」。
私は中谷氏を尊敬申し上げているし、中谷氏の主張にもうなずけるのだが、「リベラル」の名の下に議員が結集するというのでは、保守政党を標榜する自民党の所属議員らしからぬことではないか。

これはこの記事を書いている私にも当てはまることだが、自民党の議員たちは「保守」とか「リベラル」とかいう言葉を安易に使いすぎだ。
自民党は保守政党である。宏池会は「保守本流」である。
そのことを前提にした上での、「中宏池会構想」実現であって欲しい。
「日本を再生する」「信頼できる政治を構築する」――。そういった“大義”を持った上での、派閥合流をぜひ成してもらいたい。

客観的に見て、今、自民党は「崩壊前夜」である。
細川政権発足直前のような“ニオイ”が、永田町には充満している。
ここで足場を踏み外せば、自民党は「下野」しかねない。ここが最後のラスト・チャンスなのだ。ここで踏ん張れるかどうかなのだ。
「中宏池会」結成に携わる人には、「なんのための合流なのか」ということをしっかりと念頭に置いた上で、「中宏池会構想」を実現してもらいたい。




<追記>

昨日の『愛と青春のドラマスペシャル・姿三四郎』は、実に面白かった。
主演の加藤成亮さん(NEWS)の爽やかさには、惚れ惚れした。
ヒロイン役の本仮屋ユイカさんの演技にも、感動させられた。
その上、かたせ梨乃さん、中村梅雀さんといった豪華キャストがしっかりと脇を固めていて、素晴らしいドラマに仕上がっていたと思う。

さて、今晩9時からは『柔道ワールドグランプリ2007』(テレビ東京系列)が開幕する。
柔道に歴史あり、人間にドラマあり。
政治の世界にも清々しさが欲しい。青臭さや、正直さが欲しい。そういった人間を受け容れてこそ、この国は改正されていく。
「政権交代」も「二大政党制」も日本を刷新させてはくれない。日本を刷新できるのは、一人の人間の熱情のみなのだ。


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2007年12月06日

「教育再生会議」の現在(いま)

安倍政権は終わったが、「教育再生」は為されたのだろうか。

教育再生会議、骨抜き状態 福田政権後失速 「何も決まらない」委員ら怒り

 今月中の第3次報告とりまとめを目指す政府の教育再生会議が迷走している。議論が佳境を迎えているが、あまり成果はあがっておらず、「会議は結局何もやらない」と不満を爆発させる委員も出てきた。最大の目玉とされた「徳育」の教科化にも暗雲が垂れ込めており、安倍前政権の金看板だった教育再生への取り組みは福田政権への移行後、失速を余儀なくされているようだ。

 「これじゃあー、何も変わらないということですね」

 教育再生会議の委員である渡辺美樹ワタミ社長は3日、第3次報告の中間素案を項目ごとに議論した合同分科会で、「検討」「配慮」「留意」といった“役所用語”ばかりが飛び交う会議にさじを投げたかのように捨てぜりふを吐いた。「口には出さないが、何も決められない再生会議の現状に疑問を抱いている」と別の委員も打ち明ける。

 昨年10月、安倍晋三前首相が鳴り物入りで発足させた教育再生会議だが、議論は停滞気味だ。

 たとえば、道徳の時間にかわる「徳育」の教科化の議論は暗礁に乗り上げている。徳育については、これまで他の教科のような点数での評価にはなじまないとされていたものの、「記述式など他の評価の方式を検討する」という議論もあった。しかし、それもいつの間にか消えてしまい、3日の分科会後の記者会見では、池田守男座長代理は、徳育が教科化された際には「(生徒ごとに)評価はしないほうがいい」との見解を示した。これでは、教科化する意味がないとも言える。

 「生みの親」である安倍前首相が就任前から提唱していた、児童・生徒が自由に学校を選択し、その数に応じて学校に予算配分する「教育バウチャー制度」も骨抜きにされそうだ。3日の合同分科会では賛否両論が渦巻き、方向性を出すことはできなかった。

 6・3・3・4制の見直しについても議論が煮詰まらない。渡辺氏は分科会後、記者団に対して「抜本的に学制を見直すと言っておきながら、どうやってやるのか」と怒りをぶちまけた。

 議論が具体化しないのは委員同士の意見の食い違いが直接的な原因だが、福田首相の意欲を問題にする委員もいる。実際に、福田首相は再生会議が再スタートした10月23日の総会には出席したが、その後6回開かれた合同分科会には一度も顔を出していない。ある委員は「安倍さんが辞めたんだから。今この会議をやっているのはおかしい。もう終わっていい会議だ」と吐き捨てた。

(5日、産経新聞)

政治家になって以来、安倍晋三前首相が熱心に取り組んでいたテーマがある。
一つは「北朝鮮拉致被害者問題」。もう一つは、「教育再生」だ。
安倍氏は首相時代、「拉致問題担当首相補佐官」に中山恭子氏(現・自民党参院議員)、「教育再生担当首相補佐官」に山谷えり子参院議員を任命した。

「教育再生会議」は、安倍氏の「教育再生」の志を具現化するための首相諮問機関として、鳴り物入りで始動した。
しかし、今年7月の参院選で安倍自民党が大敗。さらには9月、安倍氏は電撃辞任したことによって、安倍氏もろとも「教育再生会議」はその“政治的使命”を終えた。
福田康夫首相は「教育再生会議」の存置を決定したものの、福田氏からは安倍氏のような「教育再生」に対する強い意気込みは感じられない。
よって、「教育再生会議」は現在、その存在理由を失っている。

私は、「教育再生会議」が設置されたことに半分期待、半分心配の念を抱いてきた。
「道徳」の教科化や、小学校から大学までの「6・3・3・4制」見直しなどについては、私は積極的に賛同する。
反面、「ゆとり教育」是正による詰め込み教育再始動や、「徴農制」導入、「教育バウチャー制」導入などの提言には強い不快感を感じてきた。

これでは「教育再生」ではなく、「教育の民営化」である。「小さな政府」作りを訴えることは結構なことだが、「小さな教育」が形成されてしまってはいけないのではないか。
そもそも「教育」こそ、政府がしっかりと取り組むべき課題ではないのか。それを完全競争市場に放り込むことで生まれるものは、はたして「再生」された教育なのだろうか。私は強い疑念を抱いている。

先日も、OECD加盟国において、日本の高校生の学力が低下したとの調査結果が発表されたが、私はこの調査結果を歓迎する。
この手の調査を米国で行うと、必ず米国は低位に位置する。しかしながら、米国からは多様な学者やアーティストが生まれているではないか。
第一、勉強は「やればやるだけできるようになる」ものであるし、懸念すべきは日本の調査結果が悪かったことではなく、青少年たちが「教育」「学ぶこと」を楽しめているか否かということだろう。

「勉強ができる人ランキング」「模範解答ができる人ランキング」などに意味はない。
真に大切なのは、自国を愛し、たしかな知性と胆力を持って、日本のこれからを明るいものへと切り拓いていこうとする心意気を、青少年たちに抱かせることではないだろうか。
そして、そういう日本国民を形成することこそが「教育再生」なのであり、「徴農制」や「教育バウチャー制」からは「教育再生」は為し得ないと思う。

――余談になるが、安倍氏といえば、総理在任中は「再チャレンジ」政策を訴えていた。
私はまさに「再チャレンジ」の好例を知っている。そして、それは安倍氏自らが行ったものだ。
どういうことかというと、安倍氏による山谷えり子氏の「再チャレンジ」化である。

産経グループの女性誌編集長出身の山谷氏は、もともとは民主党衆院議員だったが、2002年に保守新党(与党)の結成に参加。
2003年11月の総選挙では、東京4区から出馬したが、東京4区は山谷氏のもともとの地盤ではない。東京4区には、すでに中西一善衆院議員(当時)という自民党公認候補がおり、「1つの議席を争い与党候補同士が戦う」という奇妙な構図となった。
結果、山谷氏は落選。保守新党も、自民党に吸収される形で消滅した。
ところが、翌年(2004年)の参院選比例代表に、山谷氏は森派(現・町村派)系候補として出馬、当選した。
一時は「政界引退」に追い込まれた山谷氏だが、安倍氏によって首相補佐官にまで抜擢された。これを「再チャレンジ成功」といわずして、何と言おう。


余談が少し長くなってしまったが、安倍政権下だからこそ誕生した「教育再生会議」は、今や存在する理由を失っている。
「教育再生」の頓挫は、「戦後レジームからの脱却」の頓挫をも意味する。つまりこれで、日教組支配、左翼系教育は今後ともはびこり続けることになる。

今年の参院選を前に、安倍自民党は『あきれた教育現場の実態』という小さなパンフレットを作成したが、福田自民党において、それらはすべて過去の産物となってしまった。
私の口からは、「教育再生会議」の提言がすべて正しかったとは言えない。しかし、この国に「教育再生」が必要であることは、事実ではないだろうか。


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2007年12月04日

「温厚」「ネガキャンなし」…米大統領選、共和党“ハッカビー株”が急上昇中

米民主党ではヒラリーとオバマが首位争い。対する共和党は――?

<米大統領選>民主、共和とも激しいトップ争い アイオワ州

 【デモイン(米中西部アイオワ州)及川正也】08年米大統領選で民主、共和両党の指名候補獲得競争の火ぶたを切るアイオワ州党員集会(来年1月3日)まであと1カ月と迫り、挑戦者の民主党だけでなく共和党でも激しいトップ争いを展開している。1月の予備選・党員集会は従来のアイオワ、ニューハンプシャーの2州から7州に増え、各陣営の戦いぶりにも特徴がうかがえる。予備選の動向を占うアイオワ州の情勢を探った。

 「私は地方を重視する」。11月29日、アイオワ州デモインで民主党のエドワーズ元上院議員は訴えた。農業州のアイオワへの売り込みと同時に大都市ニューヨーク州選出のヒラリー・クリントン上院議員をけん制した発言とも受け取れた。

 民主、共和両党が拮抗(きっこう)し、「揺れる州」の代表とされたアイオワ州だが、最近は民主党が支持を拡大。州内では今年4月以降、大統領選関連で計約1500回の集会などが開かれたが、4分の3近くが民主党だ。

 エドワーズ氏は前回04年に出馬した際、同州で2位に食い込む健闘を見せ、根強い支持を誇る。今回も精力的に同州で活動を続けてきた。全米の支持率調査では首位を独走するクリントン氏だが、同州での最新世論調査ではクリントン氏27%、オバマ上院議員25%、エドワーズ氏24%とわずか3ポイントの範囲内で激戦を展開しており、予断を許さない情勢だ。

 対照的に共和党でアイオワ重視の有力候補はロムニー前マサチューセッツ州知事だけ。ライバルのジュリアーニ前ニューヨーク市長らは大きく後退しているが、伏兵のハッカビー前アーカンソー州知事が宗教右派の後押しで猛追している。

 ジュリアーニ氏とトンプソン元上院議員は資金の有効配分も考慮し、民主党寄りのアイオワ、ニューハンプシャー両州を捨てても、共和党の地盤である南部州での「一点突破」をテコに天王山となる2月5日のスーパーチューズデー勝利は可能とみている。

 ◇「アイオワ州は、敗者はだれかを決めてきた」

 米アイオワ大学で大統領選世論調査の責任者を務めるデビッド・レッドロースク准教授にアイオワ州の情勢を聞いた。

 −−多くの州の予備選繰り上げでアイオワ州の重要性は低下するか。

 民主党はアイオワ州を「決戦州」と位置付けているが、共和党はバラバラで戦術的違いが鮮明だ。アイオワ州の影響力は共和党内では制限されるだろう。ただ、アイオワ州はもともと勝者を決めるのではなく、敗者はだれかを決めてきた。

 −−民主党はクリントン、オバマ、エドワーズ3氏の激戦だが。

 オバマ氏は若者層から多くの支持を得ているが、この層は党員集会に参加しない傾向がある。オバマ氏が動員に失敗すればエドワーズ、クリントン両氏の一騎打ちとなるが、エドワーズ氏には党員集会への参加率が高い農村部での支持が高いという強みがある。

 −−共和党はハッカビー氏がロムニー氏を猛追している。

 ハッカビー氏の追い上げはロムニー氏にとって脅威だ。ロムニー氏は(保守層を取り込むため)中絶容認など過去の主張を「過ちだった」と認めているが、必ずしも奏功していない。ハッカビー氏はアイオワで勝つ可能性もあるが、全米的な支持に欠けるため、ここで負ければ「退場」となるだろう。【デモインで及川正也】

(1日、毎日新聞)

2008年米大統領選の共和党予備選挙で、マイク・ハッカビー前アーカンソー州知事が、支持率を大きく伸ばしている。
数週間前までには、まさかこれほど「ハッカビー株」が上がるとは思ってもみなかった。きっと、本人の心境もそうだろう。

ハッカービー氏はもともと、キリスト教牧師出身。
メディアからはこれまで「政治と宗教の関係性」について問われることが多かった。
アーカンソー州知事時代はだいぶ「太っていた」が、医師からの「このままでは糖尿病で早死にする」とのアドバイスを受け、なんと50kgの減量に成功。まるで米版岡田斗司夫だ。


同じく共和党予備選に出馬しているミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(モルモン教徒)は、
 「私は民間企業で働いた経験を持つが、ハッカビー氏はずっと政治家だった。彼は政治家しか経験がない」
とハッカビー氏を批判。

この批判に対し、ハッカビー氏は
 「少し前は、『牧師出身の州知事』ということで批判された。それに私は民間企業で働いた経験もある」
と、冷静に批判をかわした。


ほとんど他候補の「ネガティブ・キャンペーン」を行わず(ただし、モルモン教徒であるロムニー氏が大統領になることについては、キリスト教徒として抵抗感を抱いているらしいが)、温厚な語り口と、「私が熱心なキリスト教徒であるのは事実だが、キリスト教徒である人もない人も同様の人権を持っている」との発言に代表されるような“みんなwelcome”姿勢に、多くの米国民は「安心感」を感じているに違いない。
だからこそ、ハッカビー氏の名前が急浮上してきたのだろう。

ただ、ハッカビー氏は、「まったく」ネガティブ・キャンペーンをやらないわけではない。

「クリントン氏を火星に」とハッカビー前州知事

 (CNN) 28日夜に米フロリダ州セントピーターズバーグで行われた共和党の大統領選候補者らによる「ユーチューブ・ディベート」で、出席者の1人であるハッカビー前アーカンソー州知事は、民主党候補者の中で支持率トップのヒラリー・ロダム・クリントン上院議員を火星に派遣することを提案した。

 討論会で紹介された投稿ビデオで、コロラド州デンバー在住の男性は、2020年をめどに火星への有人飛行を実現する意思について各候補者に尋ねた。ハッカビー氏はこれを受けて、「もしかするとヒラリーが火星行きのロケット第1号に乗るかも知れない」と答え、客席を沸かせた。

 ハッカビー氏はそのうえで、米航空宇宙局(NASA)による宇宙での研究成果が医療技術の進歩などを後押しすると述べ、宇宙探査費用を上積みする必要性を指摘した。

 一方、「小さな政府」を公約に掲げるポール下院議員は、ハッカビー氏の意見に反対を表明。「実施の余裕がない事柄の1つ」だとして、火星への有人飛行を実現する意志がないことを明らかにした。

(11月29日、CNN.co.jp)

<08米大統領選挙>軽口で強硬路線にオブラート、共和党ハッカビー氏が急浮上

(前略)

 例えば銃支持派としては、ノーザンアイオワ(Northern Iowa University)大学で7日に開催された教育フォーラムで、会場内で携帯電話が鳴ると突然コメディアンのような語り口に変え、「ディック・チェイニー(Dick Cheney)が私を猟に連れて行きたがっているんだろう。私は一緒に行く気はないけれど」と述べ、チェイニー前副大統領が狩猟の最中、友人を誤射した事故を皮肉った。

 共和党のライバル候補たちが軽いイメージ作りを敬遠する中で、ハッカビー氏独自のこうした巧妙な軽口は、低姿勢で安心できる人物として受け入れられるために一役買っている。指名争い開始直後、ハッカビー氏は弱小候補だとみなされていたが、最近の予測調査では明らかに勢いをつけている。

 米政治専門サイトRealClearPolitics.comによる調査で、ハッカビー氏はアイオワ州の共和党指名予測で、29%を獲得したミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事に次いで15%を獲得し、2位という結果だった。

 米調査会社ラスムッセン(Rasmussen)が連日実施している全国追跡調査でも、ハッカビー氏は7日、共和党候補中、ルドルフ・ジュリアーニ(Rudolph Giuliani)前ニューヨーク市長、フレッド・トンプソン(Fred Thompson)元上院議員に次いで3位で、ジョン・マケイン(John McCain)上院議員とロムニー候補を抑えている。

 さらに、キリスト教福音派の有権者を対象にワシントンで実施した調査では、首位となったロムニー氏に2位のハッカビー氏が切迫した。

(後略)

(11月9日、AFPより抜粋)

たしかに1番目の記事はヒラリー・クリントン上院議員に対するネガティブ・キャンペーン(の一つ)だが、相手は民主党候補である。
共和党候補に対するバッシングは、2番目の記事で述べられているもの以外にはない。

もっとも、ハッカビー氏が「温厚で低姿勢」な姿勢を貫いているのは、彼の人柄によるものだけではない。
ハッカビー氏は、自身が大統領候補になれない場合に「副大統領候補」にしてもらうことをも視野に入れ、「共和党内に敵を作らない」姿勢を貫いているものと思われる。


一時は発生した「トンプソン・フィーバー」。
しかし、フレッド・トンプソン元上院議員が「ニクソン元大統領ほど(政策的・人格的に)しっかりしていない」ことに幻滅した共和党支持者が、今度は「ハッカビー・フィーバー」を起こしている。

また、ハッカビー氏は「人工妊娠中絶反対派」であることで、従来の共和党支持層である保守層からの支持も取り付けられている。
この点だけを見ても、保守層からしてみれば、ルディ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長よりは支持しやすい。

「モルモン教徒であるロムニー氏」。
「中絶と同性愛者に肯定的なジュリアーニ氏」。
「そんなに頼りがいがないことが明らかとなったトンプソン氏」。


これまでの共和党候補者には、皆、「致命的な欠点」があった。
それが、ハッカビー氏にはほとんど存在しない。
米国でキリスト教徒であることはさほど問題ではないし、第一、ハッカビー氏自身が「キリスト教徒も、非キリスト教徒も関係ない」と言っている。
もちろん、アーカンソー州知事時代に「増税政策」を行ったことや、「不法移民の大学生に奨学金を給付する政策」を可決させたりと、批判しようと思えば批判は出来る。しかし、批判をしたところで、ハッカビー氏は感情的な受け答えを返してはくれない。あくまで、「冷静」に、「低姿勢」に、批判者の批判をかわすのだ。これでは批判のしがいがない。

ハッカビー人気は一時の幻か。それとも、今後の大統領選の主軸となりうるのか。
いずれにせよ、共和党のほうの大統領候補レースも、面白さが一層増してきた。

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posted by Author at 18:58| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 2008米大統領選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月01日

そして今、“福田外交”が始まる。

「政治家・福田康夫のこれから」が、「日本の外交政策のこれから」を意味する。

<福田首相>外交分野で私的懇談会設置の方針固める

 福田康夫首相が、外交分野の有識者による私的懇談会を設置する方針を固めたことが明らかになった。首相は「平和を生み出す外交」を提唱しており、有識者との意見交換を通じて外交政策を具体化したい考えだ。年内にも予定する訪中や、来年7月の北海道洞爺湖サミットをにらんだ地球温暖化問題への対応なども議題になるとみられる。

 政府は近く設置を発表し、12月中に初会合を開く。メンバーは10人前後で、座長には五百旗頭(いおきべ)真防衛大学校長が就任する見通し。ほかに谷野作太郎元中国大使、岡本行夫元首相補佐官、白石隆政策研究大学院大教授、田中明彦東京大教授の就任が内定している。報告書は作らず、首相を中心とした議論に重点を置く。

 首相は就任後、五百旗頭氏らと私的に勉強会を重ねており、懇談会はそれを発展させる形。同様の私的懇談会としては小泉純一郎元首相時代の「対外関係タスクフォース」がある。【坂口裕彦】

(1日、毎日新聞)

小泉内閣にとっては「経済財政諮問会議」、安倍内閣にとっては「教育再生会議」が、それぞれ総理のキャラクターを強調させる諮問会議として機能した。
時の政権が福田内閣に代わっても、もちろん「経済財政諮問会議」も「教育再生会議」もその働きを持続させるが、福田康夫首相が兼ねてより提唱する“全方位外交”の実現に向けて、この度、外交分野に関わる私的諮問会議が設置される運びとなった。

昨年(2006年)の自民党総裁選前、まだ「福田氏が総裁選に出馬し、『安福戦争』が起こるのではないか?」と言われていた時期に、福田首相は米国に訪問するなどして、「議員外交」を展開していた。
先月の総理としての初訪米では、ブッシュ米大統領と1時間の会談を行い、更なる日米関係の強化を確認しあった。

とはいえ、福田氏は単に「強い日米関係を」と提唱する政治家ではない。
小泉内閣かで冷却関係に陥ったと言わざるを得ない“対アジア外交”について、福田首相はその改善に熱心な国会議員として知られた。
昨年には、福田首相は、父・赳夫元首相が提唱した「福田ドクトリン」について、「その政治的使命は終えた」と語ったが、これからは息子である自分が「新・福田ドクトリン」を打ち出そうと言う心持ちなのだろう。

総理就任以来、「冷静」「低姿勢」のポーズを取ってきた福田首相だが、ここ数日は、記者団に対して「イラ立ち」を見せる場面が目立つ。
もともと福田首相は“短気な人”として有名で、小泉内閣の官房長官を務めていた時代には、怒号を飛ばすようなことも少なくなかった。
福田首相が、ひいては福田内閣が、今後、どういう方向で日本の外交政策を引っ張っていくのか。

対米追従でもなく、米国無視でもなく。
政治家としての得意分野を「外交」とする福田首相の手腕が、今まさに問われようとしている。


<余談>

巨匠・黒澤明第一回監督作品として有名な「姿三四郎」が、実に29年ぶりに映像化される。
それが、「愛と青春のドラマスペシャル 『姿三四郎』」(テレビ東京)だ。来週6日(木)午後9時00分から、テレビ東京系列の6局で放送される。

主演は、「NEWS」メンバーの加藤成亮さん。今夏放送されていた連続ドラマ『パパとムスメの七日間』(TBSテレビ)では、主人公の“憧れの先輩”役を好演していた(――余談だが、このドラマのタイトルをもじって、私は「コイケとモリヤの11日間」というエントリを書いた)。

ドラマでは、“姿三四郎”という一人の青年を通して、当時の雰囲気をさわやかに魅せて行くとのこと。
ヒロインとの純粋で情感あふれる恋模様、次から次へ現れる宿敵との対決など、見所は盛りだくさんだ。

共演は他に、中越典子さん、要潤さん、風間俊介さん、本仮屋ユイカさん、小日向文世さん、かたせ梨乃さんなど。
水曜ミステリー9『信濃のコロンボ』シリーズでおなじみの中村梅雀さんも大変重要な役で出演なさっている。

悲痛な気持ちになるような殺人事件が多い今のような時代だからこそ、“覚悟”を持って生きることの大事さ、そしてそういうものを抱く人間の強さを、このドラマから感じ取ってもらいたいと思う。

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posted by Author at 21:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(3) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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