2009年01月30日

町村派で“お家騒動”勃発? 「中川外し」の動き浮上

「政策の町村」が、今回の政局劇で勝利を勝ち取ることができるだろうか。

<中川秀直氏>除外論も 町村派、亀裂拡大も

 消費税増税問題で露呈した自民党最大派閥の町村派の亀裂がさらに拡大しそうな気配になっている。27日夜、東京都内で同派代表世話人の町村信孝前官房長官が町村派の当選1回の議員らと会談した際、町村氏や中川秀直元幹事長ら3人が務める同派の代表世話人について「派の代表が3人もいるのはわかりにくい」などの意見が続出。中川氏を代表世話人から外し、派閥の代表を町村氏で一本化すべきだとの意見が相次いだ。

 一方、麻生政権批判を強める中川氏は同日、朝日ニュースターの番組収録で、消費税増税問題を巡って森喜朗元首相(同派名誉会長)から新聞のインタビュー記事で「反乱だ」と批判されたことについて、「『反乱』という言葉自体が古い自民党の体質から出ているような気がする」と強い不快感を示した。

 中川氏は森内閣の官房長官を務めるなど、森氏と親密な関係だったが、最近は麻生政権に批判的な言動を繰り返す中川氏に森氏が不満を募らせ、関係が冷え込んでいる。【近藤大介】

(28日、毎日新聞)
<中川秀直氏>町村派代表世話人辞めない 「外し」をけん制

 自民党町村派代表世話人の中川秀直元幹事長は29日の派閥総会であいさつし、派閥の集団指導体制の見直し論について「09年度予算案成立に向けて結束しないといけない時に、麻生政権や党に迷惑をかける」と批判した。代表世話人を辞めない意向を強調し、派内の「中川外し」の動きをけん制した。

 町村派は中川氏のほか、町村信孝前官房長官と谷川秀善参院議員の3人が代表世話人を務める。しかし、消費税増税問題などで麻生太郎首相への批判を強める中川氏に対し、森喜朗、安倍晋三両元首相らが危機感を強め、町村氏に一本化する動きが強まっている。

 中川氏は「来るべき選挙のためにグループとしても結束すべき時だ」と強調。柴山昌彦外務政務官も「消費増税についての主張は麻生政権への反乱ではない」と同調した。【近藤大介】

(30日、毎日新聞)

「消費税」問題をめぐり、自民党の最大派閥・町村派で、町村信孝前官房長官と中川秀直元幹事長のあいだに亀裂が生じていることは、先日のエントリでもご紹介した。
町村氏と中川氏はともに町村派の会長級ポストである「代表世話人」で、ちなみに町村派にはもう一名、谷川秀善参院議員という代表世話人がいる。そのことについては、こちらのエントリに詳しく書いた。
町村派は、発足以来、この3名による“集団指導体制”を採用しているのだ。

27日夜、東京都内で、その「代表世話人」である町村氏が町村派の当選1回の議員らと会談した。
その際、町村氏と中川氏と谷川氏の3人が務める町村派の代表世話人について、「派の代表が3人もいるのは分かりにくい」などの意見が続出。
中川氏を代表世話人から外し、派閥の代表を町村氏で一本化すべきだとの意見(=集団指導体制見直し論)が相次いだのだ。

一方、麻生政権批判を強める中川氏は同日、CSテレビ番組の収録に参加。
消費税問題をめぐり、森喜朗元首相(町村派名誉会長)から「反乱だ」と批判されたことについて「『反乱』という言葉自体が古い自民党の体質から出ているような気がする」と、森氏を“逆批判”した。
中川氏は森内閣で官房長官を務めるなど、森氏とは大変親密な関係だった。
しかし、最近は麻生政権に批判的な言動を繰り返す中川氏に森氏が不満を募らせ、関係が冷え込んでいる。

28日夜、中川氏は、都内で山本一太参院議員ら町村派の若手・中堅議員と会談した。
中川氏は会合で「みんなで守ってきた派閥で、派内でもめている時ではない」と、集団指導体制見直し論をけん制した。
一方、町村氏も同夜、都内で町村派の鈴木政二参院国対委員長らと会談。派内のにらみ合いが続いている。

そして昨日(29日)、中川氏は派閥総会であいさつし、派閥の集団指導体制の見直し論について「2009年度予算案成立に向けて結束しないといけない時に、麻生政権や党に迷惑をかける」と批判した。
代表世話人を辞めない意向を強調し、派内の「中川外し」の動きをけん制した。
麻生政権批判をしているその口で、「麻生政権に迷惑をかけてはいけない」と発言するとは、中川氏も相当な肝っ玉の持ち主である。

この会合で、中川氏は「来るべき選挙のためにグループとしても結束すべき時だ」と強調。
町村派の柴山昌彦外務政務官も「消費増税についての主張は麻生政権への反乱ではない」と同調した。
なお、集団指導体制見直し論には、森氏のほか、安倍晋三元首相も賛同しているものとみられる。

このように、集団指導体制見直し論には中川氏が強く反発しているが、これはもちろん、将来の“発言力”を見越しての駆け引きである。
2007年秋、福田康夫内閣が発足し、町村氏は官房長官に任命されたが、このことにより町村氏は一時派閥を離れた。派閥を中川氏に“仮移譲”したのだ。
この時、中川氏は党幹事長の職を離れており、「内閣:町村、党(派閥):中川」ということで完全に棲み分けができたかのように見えた。

しかし、2008年秋、福田首相が突然の辞意表明。
福田氏が閣僚に自らが辞任する旨を伝えた際、官房長官である町村氏は、辞任をしないよう強く福田氏に迫ったという。
だが福田氏は「官房長官は首相の進退について、どうこう言える立場ではない」と町村氏の主張を却下した。小泉純一郎内閣で“歴代最長期間”の官房長官を務めた福田氏だけに、「官房長官のわきまえ」を心得ていたのだろう。

こうして、町村氏も中川氏も「役なし(役職なし)」となり、派閥の主導権争いを水面下で演じることになる。
先の「消費税」論議では、税制関連法案の付則に「2012年度からの消費税率引き上げ」を明記するかどうかで、両者の意見は衝突。賛成派の町村氏に対し、中川氏は若手・中堅議員まで交えて反対運動を展開した。
結局、付則は“玉虫色”の内容で賛成は、反対は双方に妥協する形でまとめられたが、議論の過程での町村、中川両氏の対立は激しかった。
今回の集団指導体制見直し論浮上からは、今年中に必ずある総選挙に控え、町村派の主導権を握りたい両者の思惑が伺える。おそらく中川氏は、将来の政界再編をも見据え、町村派を掌握する計算を立てているに違いない。

政策には強いが、政局劇を演じた経験の少ない町村氏。「仕掛け人」「黒幕」として政局操作を得意分野とする中川氏。
対照的に見えるこの2人。町村氏の最大の弱みは「人徳」、中川氏の最大の弱みは「スキャンダル」だ。
町村氏はたしかに“キナ臭い政局劇”とはあまり縁がない政治家だが、かといって中川流の“キナ臭き政局劇”が2009年の自民党に通用するか。
最終的には、町村氏が「中川外し」を実行できるか、それとも中川氏が麻生政権との距離を置きつつも「中川外し」の波から逃げ切るか。ここが勝負となる。

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2009年01月27日

「定額給付金」は最強の景気対策だ! メディアと民主党にダマされることなかれ

「2兆円の使い途は他にある」。今日のエントリは、そう思うあなたにこそ読んでほしい。

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週内にも要綱通知、給付金で鳩山総務相 「邪悪」と民主批判も

 鳩山邦夫総務相は27日午前の記者会見で、定額給付金の実施要綱を自治体側に通知する時期について「30日までにできるようにしたい」と述べた。要綱は、給付金の事務を担う市区町村が具体的に準備作業を進める手続きなどを示しており、平成20年度第2次補正予算の成立後に正式に通知する段取りになっている。

 また鳩山氏は、給付金に反対する民主党の対応について「給付金のことをボロクソに言いながら、ホームレスの人たちにもきちんと配れというのは矛盾している。補正予算成立を遅らせれば、地方への通知も遅れる。国民のことを考えない邪悪な行動だ」と激しく非難した。

(27日、産経新聞)

きょう(27日)午後、両院協議会の意見がまとまらず、衆院の優越を明記した憲法の規定によって、衆院と参院で採決が異なる「平成20年度 第2次補正予算案」が成立した。
「2次補正」は総額75兆円規模の“景気対策3段ロケット”の第2段となる景気対策で、事業総額は約27兆円。
「100年に一度の大津波」と称される金融危機に対応するために絶対に不可欠なものであり、重要な施策が数多く盛り込まれている。今回は、その中で7点の主な施策をご紹介しよう。


・定額給付金
 (国民一人当たり1万2000円が支給される。65歳以上と18歳以下の方には2万円を支給)

・雇用創出事業など“緊急雇用対策”
 (ふるさと雇用再生特別交付金、緊急雇用創出事業臨時特例交付金など。雇用促進住宅への入居あっせん、被リストラ者の緊急雇用・居住の安定確保、職業訓練期間中の生活保障を月額12万円に)

・介護従事者の処遇改善と人材確保
 (介護保険料の激変緩和のため交付金支給。介護従事者の処遇改善、介護人材確保などの対策)

・救急医療など“医療対策”
 (救急医療の充実化、新型インフルエンザ対策、大学病院の機能充実)

・“妊婦検診”無料化の拡大
 (妊婦検診を14回まで無料化)

・中小企業の資金繰り対策
 (中小・小規模企業の緊急保証、セーフティネット貸付など資金繰り対策を拡充)

・地域活性化&生活対策臨時交付金
 (開かずの踏み切り対策、電線の地中化、過疎地域・離島などの自治体への特別支援)

・水環境対策
 (汚水処理に有効な浄化槽設置への国庫助成率拡充、自治体負担をほとんどゼロに)

・高速道路料金の大幅引き下げ
 (大都市を除きどこまで走っても上限1000円。平日は全車種を対象に3割引き、一部時間帯は半額)


――この中でも、特に注目を浴びているのが「定額給付金」だ。
これは、国民一人につき1万2000円(65歳以上と18歳以下は2万円)を支給する特別給付金で、家計の消費増大による経済効果が期待される。
当たり前のことを書くようだが、不景気が叫ばれる時にこそ、実体経済における消費が拡大しないとならない。
不景気を回復するためには、国民一人ひとりが消費を増大させることが不可欠なのだ。
物価高騰のあおりを受ける家計の生活を支援するとともに、冷え込んだ個人消費を喚起することが「定額給付金」政策の狙いだ。

財源については、赤字国債は一切発行せず、平成20年度予算で「財政投融資特別会計」(いわゆる“埋蔵金”)の準備金を取り崩した9.8兆円の中から一般会計に移して活用する。
支給方法は、自治体によって対応が異なる場合もあるが、世帯主が役所に行って免許証等を提示。その後、口座に振り込まれる方法で進んでいる。
ホームレスや「ネットカフェ難民」など、“本当に困っている人”に対しても正確に給付がなされるよう、施策を講じている。


しかし、「景気を回復するためにお金を使おう!」というこの痛快な理論は、どうやら日頃から麻生太郎政権を批判している方たちの脳みそには理解されにくいようだ。
「定額給付金に何の意味があるのか」「定額給付金の支給額2兆円を、他の使い途に回せ」などの意見に加え、さらには「カネをもらっても使わない」などというイチャモンまで出る始末である。

「定額給付金」には、@会計の生活支援とA個人消費の喚起という2大目的があることは、数行前で述べた通りだ。
「2兆円を他のもの、例えば雇用対策や福祉政策の財源に回せ」という意見もある。たしかに、医療政策や福祉政策は重要だ。だからこそ、政府・与党は約27兆円規模に及ぶ「2次補正」で、緊急雇用対策や医療対策、妊婦検診無料化などの施策を講じている。
「定額給付金」に使う2兆円は、「定額給付金」用の2兆円にすぎない。その他の約25兆円で、雇用対策、医療政策、福祉政策、中小企業対策などの重要課題をきっちりとカバーしているのだ。
「2兆円を他の使い途に回せ」という意見を主張なさる方は、政府の景気対策が総額75兆円規模のものであるということをご存知でないのだろうか。それなのに批判するのだとすれば、それは、そもそも批判する対象がナニモノだか把握していないということである。そんな方々に「2次補正」を批判する資格などない。

経済の専門家も、今回の「定額給付金」政策については非常に大きな理解を示している。

 OECD(経済協力開発機構)経済局シニアエコノミスト、ランダル・ジョーンズ氏
「(日本の定額給付金は)恐らく即効性がある最も有効な措置である」
「多くの国が利下げを行い、信用収縮が起きている中では金融政策がインパクトを与えることは困難だ。危機を脱出する上で財政刺激策が最も適切な方法である」
「財政刺激策は目標が明確で一時的かつ、時宜を得た措置であるべきだ」
「家計部門への直接給付が最も効果を発揮する」

(2008年11月、テレビ記者会見にて)

 専修大学教授(アメリカ政治学)、藤本一美氏
「私が住んでいた米ネブラスカ州でも給付金を配ったが、高額所得者が少なく歓迎する声がほとんどだった」
「日本でも雇用を打ち切られた人や低所得者は生活費が必要で、一日も早く実施すべきだ。寒い時に温かいものが買える」
「所得制限を設けると給付時期が遅れるので、全世帯に配ればいい」

(1月27日付、毎日新聞朝刊にて)

 ワクワク経済研究所LLP代表、保田隆明氏
「不景気時に政府が財政出動や減税により景気を刺激するのは経済学の基本」
「定額給付金は個人の消費欲を喚起し、景気にプラスの影響を与えるもので、さほど問題のある政策ではない」
「不景気時には減税策を採るのが王道。国民にお金を配るという政策は、減税以外での消費刺激策となりうる」
(各メディアの報道姿勢に疑問を呈した上で)「このような非常時には、政府支出も増加させるし、消費の刺激策(減税か給付金)をも導入して、考え付くかぎりのことはすべてやる必要があるはずだ」
(1月22日付、ダイアモンド社ビジネス情報サイトにて、コラム「『定額給付金』懐疑報道に感じる違和感」より)

お金は使うだけで意味がある。使う意味が分からなくても、使ったら確実に意味を見出す。
例えば、東京・秋葉原をよく訪れるアニメ好きの人が、アニメイト秋葉原店で、コトブキヤから発売されたフィギュアを買う。
そうすると、アニメイトのアルバイトの人に時給が支払われる。アルバイトの人はバイト代で『マクロスF』のDVDを買うことができる。
アニメイトの店長も収益を得る。そうすると、店長の妻や娘も、先月と変わらず家族3人で生活することができる。週末に家族揃ってデパートに行ったり、ファミレスで食事をしたりすることができる。
もちろん、コトブキヤのフィギュア・クリエーターも収益を得る。入社1年目の男性も、とりあえず今月の家賃を支払うことができる。自分の趣味にお金を使うこともできる。

あなたが使う1万2000円は、十数人、何十人もの人の生活を支えている。もしかしたら何百、何千という人たちもの生活を支えている。1万2000円は少ないように見えるかもしれないが、実は多くて、多くの人に笑顔をもたらす1万2000円なのだ。
しかも素晴らしいことに、あなた自身も笑顔になれる。自分も嬉しくて、他人も嬉しくて。これが即時実現できる政策がどうして「愚策」で、多くの人を笑顔にするような政策が景気対策にならないはずがあるだろう。


「世論調査では、定額給付金に反対している人が多い」という声もある。だから「定額給付金」政策は実施すべきでないという意見だ。
たしかに反対論は根強く存在するが、今月13日付の産経新聞によれば、「実際に給付金が決まれば『給付金を受け取る』と答えた人は84.8%」に達しているという。
「反対」「反対」と表向きでは言っておきながら、結局もらいたいというのが大多数の反対派の心の内のようである。

これは私からの提案なのだが、総額75兆円規模の景気対策があり、その中には雇用対策や医療政策、福祉政策などが含まれていることを把握した上で、それでもなお「他に使い途がある」と主張する人は、とりあえず1万2000円を受け取るというのはどうだろう。
とりあえず1万2000円を受け取って、それを「年越し派遣村」やらNPO法人やらに寄付する。あるいは民主党に寄付してもいいかもしれない。
「他に使い途がある」と主張する人は、1万2000円を受け取った上で「他の使い途」に寄付すればよいではないか。なんとも単純な話である。


――さて今回、特筆しておきたいのは民主党の「審議引き延ばし」作戦だ。
参院では修正案を提出して採決に応じておきながら、なぜか両院協議会で採決拒否。結局、「2次補正」の成立は1日遅れることになった。
この「1日遅れ」が、一体どれほど多くの自治体職員に迷惑をかけることになるだろうか。とどのつまり、民主党は自治体職員の苦労など知ったこっちゃないのだ。

そして何より、景気対策はスピードが肝心なのである。
「今日ようやく2次補正予算案成立か。給付金の支給はいつになることやら」とお嘆きの方もいるかと思うが、これは100%野党の責任だ。断言する。野党が同法案に賛成であれば、「定額給付金」の支給は数か月は早く実施されていただろう。その“数か月”のあいだに、どれだけ多くのホームレス、派遣難民、ネットカフェ難民が苦労をすると思うのか。彼ら彼女らに何度「死にたい」と思わせることだろうか。

結局、民主党は国民の生活などまったく考えていないのである。自分たちの目先の選挙のことしか考えていない。だから、「定額給付金」の政策面を批判することなく、ただただ「反対!」「他に使い途がある」などと叫んでいるのだ。すべてはパフォーマンス、国民の人気取り行動なのである。

もっとも、国民はそんな馬鹿げたパフォーマンスに騙されるほど愚かではない。民主党の最大の“誤算”はこの点にあるだろう。民主党は、国民など簡単に騙すことができると考えている。
だから、この程度の小手先のパフォーマンスをしているのだ。国民を二重に馬鹿にしているといえよう。
民主党議員は、国民を騙そうとするべきではないし、騙そうとするならばもう少し上手い“騙し方”を考えたほうがよさそうだ。


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2009年01月23日

自民各派事務総長が会談 麻生首相・河村官房長官に「注文」

「消費税」付則明記が閣議決定。民主党には新たな不祥事が発覚――。

自民党 消費増税了承…確執深まる町村派

jimin_machimura_20090123.jpg(C)毎日新聞
(上)真ん中は南野知恵子元法相

 自民党財務金融部会が22日、09年度税制改正関連法案を了承したことで党内の「消費税政局」はひとまず回避されたが、その調整の過程で最大派閥・町村派の確執が改めて浮き彫りになった。中川秀直元幹事長が最後まで「11年度の消費税増税」に難色を示した結果、麻生政権を支える森喜朗元首相、町村信孝前官房長官との関係は完全に冷え込んだ。町村派は今後、分裂含みの運営が続くことになる。【高山祐、近藤大介】

 消費税問題の決着を受けた22日の町村派総会で、代表世話人の中川氏は「しっかりと議論してよかった。本当に全党一丸となっていける」と強調。続いてあいさつした同じく代表世話人の町村氏も「戦線が統一できて非常によかった」と応じ、「協調体制」を演出した。しかし、同派最高顧問の森氏は最後まで姿を見せず、派内の溝の深さは隠しようもなかった。

 町村氏と中川氏は、これまでも何度か総会でさや当てを演じてきた。町村派は、両氏に谷川秀善参院議員を加えた代表世話人3人による集団指導体制で、互いの主導権争いも背景にあった。

 税制関連法案の付則問題が浮上すると、派閥の分裂を危惧(きぐ)した安倍晋三元首相が、両氏に妥協を持ちかけた。21日夜には河村建夫官房長官を通じて中川氏を説得。中川氏もぎりぎりで「(法律の実施時期を分ける)2段階方式なら構わない」と軟化した。

 しかし、派内での中川氏の孤立化は徐々に進んでいる。民主党の中堅・若手と連携した「新党構想」を描くなど、中川氏は政界再編志向が強い。昨年9月の自民党総裁選では、小池百合子元防衛相を担ぎ出した。派閥の分裂につながりかねない中川氏の行動に森氏が激怒し、以後は事実上、没交渉状態だ。

 中川氏は今年、「新しい旗の下で再結集する」と発言し、麻生政権と距離を置く姿勢を鮮明にした。消費税問題もその一環だが、森氏は周辺に「新しい旗を立てること自体が政権の足を引っ張る。派閥代表としてすべき行為ではない」と語り、不快感を隠さない。

 こうした派内の状況に、中山泰秀衆院議員は22日、記者団に「とにかくケンカをやめてほしい。有権者は若手に文句を言う。我々が困る」と嘆いた。

(23日、毎日新聞)

昨日(22日)夜、麻生太郎内閣の河村建夫官房長官と自民党各派閥の事務総長が都内の日本料理店に集まり、会談した。
会談には、町村派の中山成彬前国交相、津島派の船田元副会長、古賀派の逢沢一郎衆院議員、伊吹派の谷津義男元農水相らが出席。

出席者からは「(河村氏は)麻生太郎首相の女房役として、自民党のほか公明党、野党も含め根回しをしなければいけない」「7月にイタリアで行われるサミット(主要国首脳会議)も麻生首相に出席してもらう」「麻生首相は衆院解散を考えず、腰を落ち着けて頑張ってほしい」などの意見が出た。
これを受けた河村氏は、2009年度税制改正関連法案の付則に「消費税増税時期」を明記するかどうかの問題の決着を踏まえ、「消費税の問題も解決した。これからは反転攻勢でしっかりやっていく」と強調した。

一夜明けてきょう(23日)午後、政府は臨時閣議を開き、消費税を含む税制抜本改革の道筋を付則に盛り込んだ同法案を決定した。
付則は消費税率の引き上げ時期を「2011年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記する一方、具体的な引き上げ時期は別法案で定めることを想定した「2段階方式」を採用した。
引き上げ時期決定の際には「景気回復の状況、国際経済の動向等を見極める」との条件を付けるとともに、「当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行う」と政府の歳出削減努力も明文化した。


――さて、“政権準備政党”を自称する最大野党・民主党の石井一副代表による参院予算委員会での「漢字テスト」流質問に、批判の声が高まっている。
この件については、後日改めてエントリを書くことをお約束する。

さらに、きょう、民主党にはもう一つのスキャンダルが発生した。

民主党の山岡賢次国対委員長が、2001年の栃木県真岡市長選において、福田武隼市長に自らの秘書を派遣。福田市長は2001年から2003年に渡って、選挙で秘書の派遣を受けた報酬名目で計405万円を山岡氏に提供していたのだ。
23日に記者会見を開いた福田市長は「選挙で支援を受けた見返りと認識していた」と事実関係を認めている。
民主党幹部に不透明な資金が流入していたという今回のニュースは、政治倫理に非常に大きな影響を及ぼす可能性があり、動向が注目される。今後このブログでさらに詳細に取り上げることになりそうだ。
つくづくも、ハマコー氏による「小沢、山岡が馬鹿だから民主党の若手は馬鹿になっていく」という発言がまざまざと思い出される。


<追記>

きょうの臨時閣議で、麻生内閣は、平成21年度からガソリン税など「道路特定財源」と呼ばれる税金の使途を道路整備に限定せず、自由に使えるよう一般財源化するための改正法案を決定した。
これは、谷垣禎一元財務相が座長を務める自民党「道路特定財源の一般財源化に関するプロジェクトチーム」が昨年(2008年)12月にまとめた座長試案をもとに決定されたもので、今国会に提出される方針だ。
金子一義国交相は、閣議後の記者会見で「日本の行政システムの大きな変革だ。今後は毎年の予算で対応することになるが、より厳しい物差しを持って道路整備を進めていきたい」と述べた。
道路特定財源を有効に活用するために、与党・政府一丸となって改革を断行してほしいと思う。

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2009年01月22日

町村派“分裂”の危機は防げるか 中川氏がホコを収める

自民党部会で了承された「引き上げ方針」明記。しかし、依然党内には反対論が根強い。

<消費税>自民「2段階方式」了承 引き上げ時期めぐり

 政府は22日午前、消費税を含む税制抜本改革の道筋を付則に盛り込んだ09年度税制改正関連法案を自民党財務金融部会に提示し、了承された。同党内で意見対立が続いていた消費税率の引き上げ時期について、付則は「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記する一方で、具体的な施行期日などを法制化する際には「景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極める」と留保した「2段階方式」の内容。政府は23日に閣議決定する方針だ。【高山祐】

 麻生太郎首相は国会答弁などで景気回復を前提に11年度から消費税率引き上げを目指す考えを示したが、自民党内では次期衆院選をにらみ反対論が噴出していた。2段階方式には、首相の方針が必ずしも「11年度から消費税増税」ではないことを明確にする狙いがある。「当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行う」との案文も盛り込んだ。

 一方で、具体的な施行期日を別の法律で定めるかどうかは明示せず、景気回復などの条件を満たせば11年度から増税できる余地も残した。

 部会ではなお反対意見も出たが、保利耕輔政調会長が「十分に議論した結果だ」と理解を求め、最終的に了承された。

 消費税増税慎重派の中川秀直元幹事長は部会後、記者団に「付則は増税法案ではなく、訓示規定に過ぎない。断固反対ではない」と述べ、法案を容認する考えを示した。山本一太参院議員も「行財政改革の推移をきっちり見たい。その前提で賛成する」と語った。

 決定的な党内対立は回避されることになったが、政府の中期プログラムが「消費税を含む税制抜本改革を11年より実施」と規定したのに比べ、付則では実施時期があいまいになった。これについて、河村建夫官房長官は記者会見で「あらゆる条件が整った段階で消費税導入(増税)をお願いするとの基本的な考え方は変わっていない」と述べ、「後退」との見方を否定した。

 税制関連法案が23日に閣議決定される見通しとなったことで、首相の施政方針演説など政府4演説が26日に行える環境が整った。与党は2段階方式で事態が沈静化したのをてこに、08年度第2次補正予算案の参院採決前に09年度予算案を衆院で「並行審議」する姿勢を示し、野党側を揺さぶる構えだ。

(22日、毎日新聞)

税制改正関連法案への「消費税率の引き上げ時期」明記をめぐり、自民党内が真っ二つに割れている問題。
きのう(21日)午前、自民党本部で党税制調査会が開かれ、津島雄二会長ら幹部が消費税問題について協議した。
会合は、2011年度までに増税に必要な法案を用意した上で、実際の税率引き上げ時期は景気回復の状況などを見極めて別の法案で定める「2段階方式」とすることで一致した。
この方針を同法案の付則に盛り込むため、保利耕輔政調会長が政府と文案調整に入る。23日までに党内で法案の内容を詰め、閣議決定を目指す。

会合終了後、津島氏は記者団に対し「2011年度までに準備のための立法措置をとると。準備のためのね」と語った。
党側は、同法案の付則には「2011年度」という言葉を残すものの、「2011年より実施」という表現から一歩後退することで収集を図りたいと考えた。

そしてきょう(22日)午前、自民党は財務金融部会と政調審議会を相次いで開き、法案の付則に消費税率引き上げ時期を明記した同法案を了承した。
焦点の増税時期については、明示にこだわる麻生太郎首相と反対派の双方が歩み寄り、「消費税を含む税制抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講じる」との表現に落ち着いた。
政府は、23日の党総務会で自民党の了承手続きが終わるのを待って、同日中に同法案を閣議決定する方針だ。

きょうの部会には、“反対派”の中核である中川秀直元幹事長らも出席し、「景気対策に万全を期さないと、増税すべきではない」と注文をつけたが、強い反対論は出なかった。
中川氏は会合終了後、記者団に「留保条件付きで賛成する」と述べ、公務員制度改革など行政改革に積極的に取り組むことなどを条件に、法案採決では造反せず、賛成する考えを示した。中川氏に同調してきた塩崎恭久元官房長官も「付則は実質的に2段階論になり、(2011年度増税の)懸念はかなり払拭された」と語った。
中川、塩崎両氏らが“ホコ”を収めたことで、関連法案の採決で大量の造反者が出る可能性は低くなったとみられる。

きょう午前の記者会見で、河村建夫官房長官は方針が党財務金融部会で了承されたことを受け「条件が整った段階で消費税増税をお願いする考え方は変わっていない。党内で十分議論して決めたことだから、麻生首相は満足している」と述べた。
同時に「結果としてよかった。首相が責任ある財政運営をする姿勢を打ち出し、将来の安心につながる方向に持っていかなければならない。説明責任をしっかり果たしたい」と強調した。

この問題をめぐって、自民党の最大派閥である町村派は、幹部間による衝突が隠せないでいる。
15日の派閥会合で、中川秀直元幹事長は「清和政策研究会(町村派)は政策委員会のレベルではございますけれども、増税の前にやるべきことがあると一つの考え方を提示を致しております」と語り、引き上げ時期明記に反対する姿勢を強調した。
中川氏の発言に対し、この会合で町村信孝前官房長官は「消費税を含む税制抜本改革の話。これをやるとまた『町村はナントカ』『あの退屈』とかなんとか面白おかしくね、書かれちゃいますから」と応酬。
自民党最大派閥の幹部が対立し、“派閥分裂”の可能性もくすぶっている。

きのう(21日)、後見人である森喜朗元首相(町村派最高顧問)は都内で開かれた内外ニュースの講演会に出席し、「派閥の意向に反した人は結構いますよ。そこで派閥に籍を置いたまま造反をする。けじめのつかない連中が本当に多いですね」と発言。“造反”議員をけん制した。
はたして引き上げ時期明記の問題は、自民党最大派閥を分裂させる事態にまで発展するのか――。党内を二分する議論なだけに、町村派内は独特の緊張感に包まれている。
しかし、かつての離合集散を知らない若手議員からは「どうせ(派閥)分裂はないよ」との楽観論が出ているのも事実だ。
中川氏らが採決賛成の意向を表明したことで、党内の混乱は一旦収束へ向かいそうだが、若手議員を中心に“反対派”の動向がなお注目される。


<追記>

バラク・オバマ米大統領誕生、ジョージ・W・ブッシュ前大統領離任、民主党・石井一副代表の参院予算委員会での質問に抗議の声が殺到している件など、色々と触れたい話題はあるが、時間の都合上きょうはここまで。
オバマ新大統領について私は一貫して批判してきたが、今は素直に就任にお喜び申し上げる。過大な期待を背負っての船出となるが、米国再建のために邁進してもらいたい。
ブッシュ前大統領には深い感謝の意を込めて、「ありがとうブッシュ さようならブッシュ」の言葉を送りたいと思う。本当にお疲れ様であった。
石井氏の質問の件は、後日改めて、当ブログでの「石井一研究」シリーズの一環として取り上げたいと思う。

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2009年01月20日

次の選挙を意識して…!? 「消費税」明記をめぐり自民党内真っ二つ

蒸し返された「消費税論議」。今国会最大の政局となるか――。

<読む政治>「消費税」蒸し返す自民

jimin_20090119.jpg(C)毎日新聞

◇国の将来より目先の選挙

 政府・与党でいったん決着をつけたはずの「消費税増税」問題を、自民党が蒸し返している。09年度税制改正法案の付則に、昨年12月24日に閣議決定された「中期プログラム」の内容を盛り込むかどうかの攻防だ。

 定額給付金の是非が問われた国会の第1関門を「造反2人」でしのいだ直後にもかかわらず、麻生太郎首相に近い自民党幹部は警戒感を募らせていた。

 「この問題は党を割るよ。麻生政権で最大の党内政局だ」

 第2次補正予算案が衆院を通過した翌14日、党本部で開催された政調全体会議で増税路線への反発が一挙に噴き出したためだ。

 「消費税は行政改革や公務員改革とセットで論ずるべきだ」(塩崎恭久元官房長官)▽「党内で平場の議論がなされていない」(世耕弘成元首相補佐官)

 以前から増税に慎重な「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は「(税率を引き上げたら)景気は二番底、三番底に落ちていく」と執拗(しつよう)に反対論を繰り返した。

 税財政改革の道筋を示す「中期プログラム」には、景気回復を前提として「消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施」と書かれている。法案の付則に明記することも閣議決定済みだ。

 ところが、「年末だったのでちゃんと読んでいなかった」(中堅議員)という単純な理由に加え、次期衆院選への不安感が増税反対の大合唱を生んだ。従来と異なるのは、一部に「離党してほしいのは、麻生首相の方だ」などと麻生降ろしの機運が芽生えたことだ。

 中川氏は全体会議後の14日午後、自民党議員のパーティーでのろしを上げた。「これからは消費増税が政局、政策の焦点になる」

◇付則修正で妥協探る

 自民党内で消費税が蒸し返されそうな兆候はすでにあった。

 今月4日の年頭記者会見で麻生首相が「景気回復の後に増税をお願いする」と、消費税問題を次期衆院選の争点に掲げる意向を示したところ、6日には山本一太参院議員ら中堅・若手7人が消費増税に反対する勉強会を発足させた。

 8日午前の衆院予算委員会では、中川氏に担がれて昨年9月の党総裁選に出た小池百合子氏がさらりと首相を皮肉った。「(景気回復に向けて)みんなで頑張っていこうという時に『あちらにもうオオカミ(消費増税)が控えていますよ』というのはどうかな」

 自民党国対幹部は小池氏の質問を聞いて、「キナ臭さ」を感じ取ったという。

 14日の政調全体会議を起点に、麻生首相も火消しに乗り出した。15日朝には町村信孝前官房長官ら主な派閥領袖に電話を入れ、「昨年末の閣議決定の線で頼みます」と協力を依頼した。麻生派座長の中馬弘毅氏も首相の意向で各派閥を回った。

 しかし、党内の不満は収まらない。15日に町村派が開いた消費税の勉強会でも、付則への明記に理解を示す意見は皆無だった。町村氏は直後の派閥総会で「総理がぶれたとなると政治的なマイナス効果もある」と収拾を促したが、派閥の代表世話人の一人である谷川秀善氏は「選挙にマイナスになるようなことは知らん顔するようなことでないと。勝ってなんぼやから」と露骨に注文をつけた。

 最大派閥の町村派が反麻生の発火点になったら困る。そう考えて動き出したのは、麻生氏と盟友関係にある安倍晋三元首相だ。

 15日の派閥総会後、安倍氏は中川氏や町村氏らに対し「消費税を政局にする余裕はない」と付則の文案修正を持ちかけた。中川氏が「11年度までに(増税)準備のための法整備を行う」とする案を示すと、安倍氏は首相に電話をかけ、「この案なら町村派は大丈夫です。塩崎氏まで責任は持てる」と説明した。

 塩崎氏に近い茂木敏充前行革担当相らも15日に修正案をまとめ、町村氏や津島雄二党税調会長らは18日、妥協案を探った。ただし、中期プログラムの作成を主導してきた与謝野馨経済財政担当相の周辺は「11年度の消費税(増税)をいじったらおしまいだ」と態度を硬化させている。

◇新たな造反、促す民主

 持続可能な社会保障制度を構築するのに、もはや消費税論議は避けられない。しかし、急激な景気の悪化と迫りくる衆院選への不安が、自民党議員を浮足立たせる。国の将来よりも、まずは自分の選挙という感覚だ。

 17日夜、東京都内の公民館。地元商店主らを集めた新年会で、自民党の若手議員が「国民に痛みを強いるのなら、政治家や行政も血を流さなければいけない。首相はあまりに説明不足だ」と訴えると「よしっ」「そうだ」と声が飛んだ。

 「支持率2割の政権がやることか」。公然化する自民党内の首相批判を尻目に、民主党は新たな造反誘引策の検討を始めた。付則に増税時期が明記された場合、付則を削除する修正案を出し、踏み絵を迫る作戦だ。

 民主党の国対幹部がつぶやいた。「消費税での自民党の分裂は、給付金の比じゃない」

(19日、毎日新聞)

きょう(20日)午前、参院予算委員会には麻生太郎首相と全閣僚が出席し、平成20年度第2次補正予算案をめぐる2日目の質疑を行った。
21年度税制改正法案に、消費税増税の時期を明記するかについて、麻生首相は「付則の中にそういった前提、道筋を書かせていただきたいと思っております」と述べ、明記に理解を求めた。
その上で「景気が急激に回復することも悪くなる可能性もある。景気が回復したときにきちんと対応できるように、あらかじめ準備しておく必要がある」と強調した。
消費税率引き上げを次期総選挙のマニフェストに盛り込むかに関しては「消費税の必要性は訴えていかなければならない」と強調。これに対し、公明党の斉藤鉄夫環境相は「今の経済状況で増税は国民の理解を得られない」と述べるにとどめた。

きょう、自民党本部では政調全体会議が開かれ、消費税率の引き上げ時期を予算関連法案の付則に明示すべきかどうかの議論が行われた。
先週2回開かれたこの会合だが、自民党内の意見は真っ二つ、意見はまとまらず、今回3度目の会合を迎えた。

“反対派”である柴山昌彦衆院議員は「誤解を招くような表現では、少なくとも我々としては賛成できない」と述べ、水野賢一衆院議員も「含みを残すべきではないという風に思います」と記者に語った。
党内から“増税論議”をめぐって造反者が出るかについては「造反ということですか? なかなか非常に面白くなってくるんじゃないんですか。うーん」と話した。
前掲の毎日新聞記事にも登場した“反対派”のドン、中川秀直元幹事長は「全自民党議員が皆一致していけるような方向に持っていってもらいたい」、山本一太参院議員は「2011年から引き上げるかのようなニュアンスを発信することは、日本経済に対して、大変負のアナウンスメント効果がある」とそれぞれ述べた。

対して、“賛成派”の後藤田正純衆院議員は、町村派(旧森派)所属の中川氏から反対意見が出ていることを念頭に「森派の方々が(首相を)ずーっとやってきた。じゃあ、その8年間何やってたんですか?と。(明記がなければ)政治家が何もしないっていうのと一緒なんですよ。野党からすると本当に手を叩いて喜ぶような話ですから」と語った。
丸山和也参院議員も「(財政を)きちんと立て直さないでね、その都度その時々いくらいい政策を言ってもダメだと。ここでうやむやな形で明記しないんなら、私は離党をしますよ、と(言った)」と明記の必要性を強調した。

過去2回同様、きょうの政調全体会合でも「反対」の声が根強かったが、これからは党内の各部会にて詳細を議論し合うことになる。
執行部では、税制調査会の幹部を中心に法案の付則に書き込む文章を修正する作業を進めており、それを基に、今週中に党としての結論をまとめたい考えだ。
細田博之幹事長は「そういうものをまとめていくのが自民党の伝統ですから、あまり心配はしておりませんけれども」と、あくまで楽観的である。

しかし、今回の党内における混乱を招いているのは、一般の議員が方針を決める論議に参加できる場が少ないためでもある。
塩崎恭久元官房長官も「党内民主主義が、少しおかしくなっていないか」と述べており、議論の進行の仕方をめぐっても今後問題が生じてくる可能性は高い。
また、党内各派閥の領袖による会合が開かれているが、これは、決まった結論に反発して法案の採決で“造反”したりする議員が出ないよう、引き締めを図る狙いがあるようだ。

麻生首相の姿勢は「景気回復をした後に、2011年度からの増税を国民のみなさんにお願いする」というもので、これ自体は終始一貫ぶれていない。また、予算関連法案の補足に引き上げ時期を明記することについても、姿勢はぶれていない。
しかし、定額給付金騒動から引き続く「麻生批判」と絡めて、中川氏らが“反対”意見を強く打ち出し、これが党内の過半数の議員から賛同を得ているというのが現状だ。
麻生首相が打ち出した「増税ビジョン」に関して、各国会議員が地元後援会などの支持者から「これでは次の選挙は戦えないよ」との言葉を浴びせられているという現実も手伝って、各議員は「増税の“ぞ”の字」すら、次の選挙までは口に出せないと考えているのだろう。
党総裁の意見に物申すことが悪いことだとは思わないが、中川氏らには麻生首相を支えるつもりが最初からない。――このことが今回、如実に露呈している。

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2009年01月09日

シーファー駐日大使が北朝鮮拉致を“最後”の非難

去る者も、来る者も。日本をかじった白人たちがこれからどう動くか。

シーファー駐日米大使が1月に退任 約4年の大使生活を振り返り拉致問題について語る

 動画はこちら

 オバマ次期大統領の就任にともない、トーマス・シーファー駐日アメリカ大使が1月に退任する。9日、シーファー大使がFNNの単独インタビューに応じ、およそ4年の大使生活を振り返った。

 シーファー大使は2006年3月、自ら希望して横田 滋・早紀江さん夫妻と、めぐみさんの拉致現場を視察した。

 4年の大使生活で最も印象的なことは?

 「新潟に行ったことです。めぐみさんやご両親が歩いたであろう道を歩きました。拉致問題について、なぜ日本人がこれほど感情移入し、重要視しているか理解できました。このことは一生忘れません」

 「北朝鮮は、国にとって最良の策は、13歳の子どもを拉致することだと決めたのです。そのような国が存在する世界を放っておけません」

 シーファー大使は8日、横田 早紀江さんら拉致被害者の家族へ最後のあいさつをした。

 「きのうホテルで横田夫人や拉致家族に会うことができました。この問題について、もっと進展させられなくてとても残念に思うと伝えることができました」

 横田夫妻と会うようオバマ次期大統領に伝えますか?

 「伝えます。彼にとってもそうすることがいいと思います」

 今後も拉致問題の解決に協力すると述べたシーファー大使。

 安藤優子キャスターが「個人的には、拉致はテロ以外の何ものでもないと思います」と話したのに対し、シーファー大使も「そうです、わたしもそう思います」と話した。

(9日、FNN-NEWS.COM)

米国のバラク・オバマ次期大統領は、次の駐日大使に、ビル・クリントン前政権で国防次官補を務めたハーバード大学教授、ジョセフ・ナイ氏(71)を起用することが有力となった。
これは、日米関係筋が昨日(8日)明らかにしたもので、ナイ氏は日米同盟重視の知日派として知られている。

ナイ氏は、国際政治学者として活動し、軍事力を重視するジョージ・W・ブッシュ政権を批判するなどしている。文化や政策などの「ソフトパワー」を活用した外交を提唱している人物だ。
国防次官補時代には、東アジアの米軍10万人体制堅持をうたった「ナイ・イニシアチブ」をまとめた。
その後も、知日派のリチャード・アーミテージ元国務副長官(共和党)らと超党派で対日対策を研究。その成果は、2000年と2007年に「アーミテージ・レポート」として発表された。

2000年の「アーミテージ・レポート」では、在日米軍の沖縄の負担軽減の必要性を指摘した。
2007年版では、中国、インドの台頭を背景に日米の緊密な協力関係を構築することが重要だと強調。日米中、日米印の安定した3国関係の枠組みを軸に、安全保障環境を整えるよう、日米両政府に促した。

一方、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議を主導してきたクリストファー・ヒル国務次官補の後任には、ナイ氏の下で国防副次官補を務めたカート・キャンベル氏の起用が有力視されている。
キャンベル氏も、ナイ氏同様、知日派として知られている。


さて、きょう(9日)の毎日新聞朝刊には、経済部・福本容子記者のコラムが掲載されてきた。
「100年に1度の大津波」(アラン・グリーンスパン前FRB議長)と形容される今度の国際的な金融危機について、勇気を与えるメッセージが執筆されている。
私も福本女史と同感だ。以前にも1、2度、福本女史の文章をこのブログで紹介したことがあったかと思うが、私の意見は福本女史の主張と重なることが多い。

発信箱:狼なんか怖くない=福本容子

 ウォルト・ディズニーが短編アニメ「3匹の子ぶた」を発表したのは1933年、31歳の時だった。大ヒットし、アカデミー賞も取った。

 歌がよかった。子ぶたたちが劇中で歌う「狼(おおかみ)なんか怖くない」である。当時、アメリカの家はどこも恐慌という狼に襲われかけていた。でも、レンガで丈夫な家を造った1匹のように、懸命に働き知恵を使えば、狼にも勝てる。というわけで、大恐慌と闘う国民歌になった。

 時代が時代だから、ディズニーと、兄で共同創業者のロイは、お金で相当苦労した。ある時、ミッキーマウスのキャラクター使用権を、子供用メモ帳向けに300ドルで売る。味をしめ、ディズニー・グッズ販売という一大ビジネスを築いた。3年かけて史上初の長編アニメ「白雪姫」にも挑み、大成功させた。ディズニー兄弟はまさに狼を撃退した賢い子ぶただったのだ。

 経済が厳しい時に芽生えた企業が大きく育つ例は少なくない。あのマイクロソフトが誕生したのも第1次石油危機後の不況下だった。大企業が才能を囲い込めない時だから、自由な発想がチャンスをつかむ。若い人たちは、この際自分でビジネスを始めてみては。企業に雇われなければおしまい、ではない。

 社会全体の応援が大切だ。英サッチャー政権は80年代、不況で失業した人が事業を起こせるよう、資金やノウハウで積極支援した。結果、絶頂期には年4万5000の事業が生まれた。

 成功する者はほんの一握りだろう。けれど、起業精神をよしとする風土は一度根付くと簡単には消えない。背中をちょっと押してあげれば狼に勝てる子ぶた予備軍がそこにいる。(経済部)

(9日、毎日新聞)



<追記>

遅ればせながら、新春のお慶びを申し上げます。
一度更新を休むと、休み癖がついてしまうのがどうもいけない。
時々でもよいから更新を続けていきたいものだ。
本年もどうぞよろしく。


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posted by Author at 21:37| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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