<麻生首相>初の地方視察 浜松市で地元企業訪れる
麻生太郎首相は12日、浜松市で開かれた日本青年会議所(JC)の大会に出席するとともに、地元企業を視察した。首相の地方出張は就任後初めて。
11日夜に同市入りした首相は、自身が78年に第27代会頭を務めたJCの大会では「JCのメンバーの元気が出てこなければ、日本の元気が出ることはない」と後輩たちを激励。その後、市内のパン工場、精密加工会社の研削工場を視察し、記者団に「職人の集中力に感心した。あれが日本の中小企業を支えている」と語った。
(12日、毎日新聞)
<テロ指定解除>日本、交渉カード失う 米とのずれ浮き彫り
米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除は、日本の貴重な交渉カードを奪ったほか、対北朝鮮外交での日米間のずれを改めて示すことになった。政府内には「北朝鮮の最大の目的が達成されたことで拉致問題に応えるかもしれない」(外務省幹部)という楽観論もある。しかし、今のところ北朝鮮にその気配はなく、事態打開に向けた「次の一手」は見えない。【須藤孝】
「北朝鮮の非核化の検証を実質的にやれる枠組み作りが一番。それを取るために米国は指定解除を利用した。一つの方法だと思う」
麻生太郎首相は12日、視察先の浜松市で米国の対応に一定の理解を示した。そのうえで「拉致問題に関しては米国もきちんと対応している。(拉致問題を動かす)テコを失うなんてことは全くない」と述べた。
これに対し、訪米中の中川昭一財務・金融担当相は「同盟国である日本と事前に相談したうえでやったのかどうか」と指摘した。日本政府は核問題の進展に合わせて拉致問題を動かす戦略を追求してきた。その中で「指定解除カード」が日朝関係進展の大きなテコとなってきたことは否めない。それを失った今、中川氏ら対北朝鮮強硬派には米国への不信感が募っている。
首相は「米国の協力は得られる」「テコは他にもある」と強調したいとみられるが、政府が拉致問題の再調査の実行を呼びかけているのに対し、いまだに「北朝鮮はなしのつぶて」(外務省幹部)の状態。さらに、米国が日本に懸念が残る中で指定解除したことにより、北朝鮮が日本の足下を見透かして日朝交渉の設定自体に応じなくなる可能性もある。
「日米関係あるいは6カ国協議の中で、拉致問題もきちんと取り上げていく強い姿勢をこれからも持ちたい」
河村建夫官房長官が自ら言い聞かすように語ったことからも日本政府の苦悩がうかがえた。
(12日、毎日新聞)
11日午前、米国務省が北朝鮮の「テロ支援国家」指定解除を発表した。
北朝鮮が「テロ支援国家」の指定を解除されるのは、実にこれが約20年8か月ぶりで、大韓航空機爆破事件(1987年)の翌年1月以来だ。
今回の「指定解除」が、核問題と同時に北朝鮮による拉致問題を抱える日本の国益にとって、プラスに働くことはまったくと言っていいほどない。
しかし、ジョージ・W・ブッシュ米大統領が拉致問題解決に並々ならぬ熱意を抱いているのは紛れもない事実だし、日本にはこの他にも、拉致問題解決のための外交カードが存在する。
事態をあまりショッキングに、悲観的に捉えるのはよろしくないだろう。
とはいえ、「指定解除」が、日本の外交政策に与える影響を無視することもできない。
民主党など野党はことあるごとに「解散せよ」「総選挙せよ」とはやし立てているが、こんな時に解散・総選挙をするのは、常識的ではない。
その上、ただでさえ、1929年10月24日の「世界大恐慌」以来かといわれるほどの金融危機が国際市場を打撃している。
3週間前の麻生内閣組閣で、麻生太郎首相が中川昭一財務相を金融担当相と兼務させたのは、元企業経営者で「経済」を肌で知っている麻生氏ならではの上策であった。
しかし、麻生首相が当初予定していたのは、自民党総裁選直後の解散・総選挙だった。
ところが、総裁選で全国各地を街頭演説した麻生首相は、「総裁選のこの“盛り上がらなさ”では、早期の解散・総選挙で与党が勝利することはできない」と判断した。
そして、解散をせずまま月日が経っている。
「解散・総選挙がいつ行われるのか」については、ここ数日の講演で、自民党の古賀誠選対委員長と町村信孝前官房長官が自説を展開している。
首相、古賀氏、町村氏が…解散発言、相次ぐ
金融不安の拡大を受けて、衆院の解散・総選挙の時期が先送りされるとの見方が強まるなか9日、与野党から解散時期に関する発言が相次いだ。
麻生太郎首相は同日夜、解散の時期について「今の状況は少なくとも政局よりは政策。経済対策、景気対策ということになっている。それが世論だと思っている」と述べ、改めて景気対策を優先する考えを示した。
自民党の古賀誠選対委員長も同日夜に埼玉県草加市内で行った講演で、「米国発の世界金融危機を考えたとき第2次補正予算を真剣に考える必要があり、今のような不安な経済状況の中では到底、衆院選は戦えない」と述べ、早期解散に否定的な考えを示した。
その上で古賀氏は「少し時間をかけても政府・与党は国家、国民のために、その責任を果たしていることを天下に明らかにすることが大事だ」と述べた。
また、自民党町村派代表世話人の町村信孝前官房長官は9日の同派総会で、衆院選について「平成21年度予算を来年3月までに仕上げるのは必須条件だ。11月16日か23日の投開票を過ぎると、年内に予算編成し、来年3月に成立させることはできない」と述べたが、「16、23日(投開票の日程)がなければ、来年の4月とか(任期満了に近い)9月になる可能性がある」とも指摘した。
一方、民主党の山岡賢次国対委員長は9日夜に開かれた栃木県小山市の集会で「衆院選をやりたくないと言っているのは、麻生首相と自民党で選挙に負けるのではないかと思っている人だ。今月末の解散、11月4日公示、16日投開票と永田町全体が自民党も含めて向いている。麻生氏が1人で頑張っても、天下の大勢は覆せない」と述べ、早期の衆院解散に追い込む考えを重ねて強調した。
(10日、産経新聞)
目前に迫った衆院解散・総選挙を控え、自民党の各都道府県連も動き出している。
党京都府連会長である谷垣禎一前国交相が、元自民党議員の公認問題をめぐって興味深い発言をしているので、ご紹介したい。
京都4区は現職優先を重視 次期衆院選 自民府連・谷垣会長
自民党京都府連の谷垣禎一会長は11日、次期衆院選で衆院京都4区から立候補を予定している田中英夫元衆院議員が、復党と党公認を求めている問題について、「党本部が決めることだが、いくつかの原則があり、基本は今までやってきた処理の方針でないといけない」と述べ、公認は現職優先の党方針を重視する考えを明らかにした。
同日、京都市中京区であった報道各社のインタビューで述べた。谷垣会長は「4区の中で党の勢力が求心力を持って一つになっていないのは非常に憂慮している。バラバラでは民主に勝てない」との認識も示した。
(11日、京都新聞)
麻生首相の当初の目論見と異なって、衆院解散・総選挙がズルズルと先延ばしされているのは事実だ。
しかし、衆院解散は総理の特権事項。解散の時期は、党内外の情勢を見て、麻生首相自身が決断する問題である。
かつてない金融危機だからといって、それに怯む必要性はないが、日本の国益を考えた時、現時点が解散・総選挙にふさわしい時期だと捉えることには無理があるだろう。
麻生首相の現実的な「解散時期の判断」と、金融危機に対して「大局的な視点」からの行政運営を期待したい。

