2008年11月28日

浮き足立つ自民党内… “派閥幹部 VS 若手・中堅議員”の図式も

麻生首相流のリーダーシップと国民対話を実現することで、初めて小沢氏の格上になれる。

<自民党>各派閥から苦言・注文相次ぐ 首相の求心力に陰り

 27日の自民党の各派閥の会合で、幹部らから麻生太郎首相に対する苦言や注文が相次いだ。次期衆院選への影響を懸念する中堅・若手議員も首相を公然と批判。政府・与党は同日、今国会の延長を決めたものの、首相の求心力の陰りで先行きは不透明感を増しており、自民党内は浮足立った落ち着かない状況が続いている。【中田卓二】

 「国民目線とずれないこと、決められた法律を守りながらぶれないことが大事だ」

 中川秀直元幹事長は町村派の会合で強調した。首相が郵政株式売却凍結に言及し、党内で郵政民営化見直しの機運が高まったことへのけん制だった。

 伊吹文明元幹事長は伊吹派会合で「政策の良しあしより、二転三転しないことだ」と、定額給付金などをめぐる首相のぶれを批判。高村正彦前外相も高村派会合で「首相が先頭に立って国民に説明しないと、今の逆風は乗り切れない」と首相に奮起を促した。

 政策以上に党内の懸念材料になっているのが首相の発言。27日も相次ぐ医療関係の失言が問題視された。

 山崎拓前副総裁は山崎派の会合で「沈黙は金。放言でメッキのたぐいがはがれないように、いろんなことは言わずに頑張ってほしい」と皮肉をたっぷり交えながら指摘。町村信孝前官房長官も27日夜のBS11デジタルの報道番組「インサイドアウト」に出演し、「首相の一言は重い。関係省庁、閣僚、官邸スタッフで方向感覚をそろえたうえで、首相がモノを言った方がいい」と論評した。

 とはいえ、安倍晋三元首相と福田康夫前首相が相次いで1年で退陣しただけに、当面は首相を支えていくべきだというのが党内の共通認識。これが「首相に正しいことを言い、どんどん突き上げないと、自民党に未来はない」(山本一太参院議員)などと、中堅・若手議員を勢いづかせる要因にもなっている。

(28日、毎日新聞)

河村官房長官 首相の放言問題「釈明や説明は私が…」

t_kawamura_20081128.jpg(C)毎日新聞

 「本意を理解していただく努力は私がしないといけない」−−。河村建夫官房長官は27日の記者会見で、麻生太郎首相の放言が相次いでいることに関し、女房役の官房長官として「釈明」に努めていく姿勢を示した。

 首相が20日の経済財政諮問会議で、高齢者医療費の増大は患者に責任があると受け取れる発言をしたことに関する質問が続出。河村氏は「健康は自分で努力する部分もある。そういうことも大事と言った」などと説明に追われた。

 その一方で「できるだけ釈明や説明をしなくて済むにこしたことはないが、首相はああいう性格。いろんな発言はこれからもあるだろう」と語った。【坂口裕彦】

(28日、毎日新聞)

昨日(27日)、自民党の各派閥は会合を開き、派閥幹部らからは麻生太郎首相(自民党総裁)への意見・注文の声が相次いだ。
安倍晋三元首相―福田康夫前首相と、2代連続で任期途中で辞任する首相を送り出した党内としては、党内一丸となり麻生首相を支える姿勢で基本的に一致している。
しかし、来るべき総選挙への影響を懸念する中堅・若手議員が、首相を公然と批判。
それに対し、派閥幹部が“圧力”をかけるような発言をするなど、党内の様子は浮き足立ったものとなっている。

党内最大派閥・町村派の会合で、中川秀直元幹事長は「国民目線とずれないこと、決められた法律を守りながらぶれないことが大事だ」と語り、麻生首相が郵政株式売却凍結に言及し、郵政民営化見直し議論を加速させていることを暗に批判した。
伊吹派の会合で、伊吹文明元幹事長は「政策の良し悪しより、二転三転しないことだ」と、定額給付金などをめぐる麻生内閣の“迷走”を批判。
高村派の会合では、高村正彦前外相も「首相が先頭に立って国民に説明しないと、今の逆風は乗り切れない」と、麻生首相に奮起を促した。

政策以上に党内の懸念材料になっているのが「麻生首相の発言」。
この日も、相次ぐ医療関係の“失言”が問題視された。

山崎派会合で、山崎拓前副総裁は「沈黙は金。放言でメッキの類(たぐい)がはがれないように、色んなことは言わずに頑張ってほしい」と皮肉たっぷりに発言。
町村派会長である町村信孝前官房長官も、この日夜のBS11デジタルの報道番組『インサイドアウト』に出演し、「首相の一言は重い。関係省庁、閣僚、官邸スタッフで方向感覚を揃えた上で、首相がモノを言った方がいい」と論評した。

麻生首相の「2次補正予算案」への対応や、定額給付金の動きを批判しているのが、党内の若手・中堅議員だ。
渡辺喜美元行改担当相ら中堅・若手グループが政府・与党の方針に反対して、2008年度第2次補正予算案の今国会提出を求めている。
山本一太参院議員も「首相に正しいことを言い、どんどん突き上げないと、自民党に未来はない」と発言するなど、非常に勢い付いている模様だ。

こうした若手・中堅の動きに対して、自民党各派の総会では批判的な意見が相次いだ。
伊吹派の伊吹元幹事長は、民主党が「2次補正予算案」関連法案の審議を引き延ばせば、これが廃案に追い込まれる可能性があるとして、「民主党は(成立を)約束していないから危ない」と指摘。
会合の出席者からは「(渡辺喜美氏らは)そういうことも知らずにやっ
ているのか」
と非難の声が上がった。
また、山崎派の山崎前副総裁は「党で決定したことには従うべきだ」と自制を要求。
二階派の泉信也事務総長(参院議員、元国家公安委員長)は「余計なさざ波を立てないように…」と注意喚起した。

麻生首相の発言問題について、麻生内閣における首相の“女房役”からは「バックアップ宣言」が飛び出た。
河村建夫官房長官は、昨日(27日)の記者会見で「本意を理解していただく努力は私がしないといけない」と語り、麻生首相の放言が相次いでいることに関し、女房役の官房長官として「釈明」に努めていく姿勢を示した。

その一方で、「できるだけ釈明や説明をしなくて済むにこしたことはないが、(麻生)首相はああいう性格。色んな発言はこれからもあるだろう」と未来の困難を予測した。

町村派に所属する河村氏は、官房長官就任会見で自分でも語ったように、ある意味“超地味系議員”。
党・内閣における麻生首相の「一枚看板」ぶりを演出するための引き立て役として任命された格好だが、河村氏が官房長官に就任した背景には、森喜朗元首相(町村派名誉会長)による、麻生首相への働きかけがあった。

もともと河村氏は根っからの「文教族」。文科相時代には、俳優の柳楽優弥さんが映画『誰も知らない』で国際映画賞を受賞した際に、柳楽さんと会談し、柳楽さんから「優しそうな印象」だと言われたこともあった。
「文教族」のドンである森元首相と結び付きがある河村氏を、森元首相が、同じく「文教族」である麻生首相に官房長官候補として推薦した。

麻生首相の姿勢や発言をめぐり、揺れる政府・党内。
基本的に麻生首相を支持する姿勢で党内が一致していることに変わりはないが、若手・中堅議員からは麻生首相に反発する声が出ており、派閥幹部はそうした意見を抑えることができていないのが現状だ。
安倍元首相は派閥幹部にとって「遠い」人物で、福田前首相は若手・中堅議員にとって「遠い」人物であった傾向がある。
これと比較して麻生首相は、これまで「一匹狼」的に永田町を生きてきた。麻生派議員以外にとってはなじみの薄い存在だ。

小泉純一郎元首相も同じように「一匹狼」的に生きてきた政治家だったが、小泉元首相と麻生首相とを比較した際、ブレーンのメディアとの関係の違いなども挙げられるが、明らかに違うのは世論との密着度だ。
麻生首相は「リーダーシップ」を標榜する政治家でありながら、肝心のそれを発揮できていない。小沢民主党との対決姿勢の提示も今ひとつだ。
“異端のお坊ちゃま”として60年以上生きてきた麻生首相に、小泉的なリーダー像を求めるのには無理がある。かといって、安倍元首相が一時模索していた「調整型」の首相を演じるのも無理だろう。

麻生首相が個人のキャラクターを最大限に発揮するためには、「ねじれ国会」現象を上手く利用して、小沢民主党との対決姿勢を極めて明瞭に、鮮明にすることだ。
民主党・小沢一郎代表への“闘争心”をむき出しにし、「麻生か小沢か」という選択肢を国民世論に提示することだ。
しかし、小沢代表へのネガティブ・キャンペーンだけでは麻生首相に勝ち目はない。麻生首相が自身の発言により留意する必要もあるが、それ以上に、「この人になら日本を引っ張っていく力がある」という点を演出する必要性がある。

麻生首相の記者を小馬鹿にしたような態度(ふざけた質問をする記者も悪い)が一般的に受け入れられるものなのかどうかはよく分からないが、麻生首相のキャラクターを国民に認知してもらうためには、腹を割った麻生首相と国民の直接対話が必要だろう。
首相官邸ホームページ・メールマガジンの「太郎ちゃんねる」などもそのための有効な手段の一つだろうが、やはり限界がある。既存メディアに「パフォーマンスだ」と馬鹿にされてでも、一貫して、中長期的な国民との直接対話型の機会を設けるべきだ。
まずは、麻生首相が米大統領風にカメラ目線で語りかける「テレビ演説」を行ってはいかがだろうか。「私は、誰かさんとは違って逃げない」ということ(※)を国民に真摯に伝えてほしいのだ。

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posted by Author at 21:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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