2008年11月29日

麻生首相を「広報面」で支える島村氏と「政策面」で支える谷垣氏

首相の「失言問題」を誰がどうバックアップするか――。麻生首相本人が動き出した。

<総裁特別補佐>島村元農相起用へ…麻生首相

 麻生太郎首相は28日、自民党のスポークスマンとして報道機関に対応する総裁特別補佐職を新設し、島村宜伸元農相を起用する人事を内定した。首相の発言に与党からも「説明不足」などと批判が出ていることを踏まえ、政権の広報機能を強化する。島村氏は広報活動全般の企画にも携わる予定。07年と今年の総裁選では麻生氏を支持していた。

(29日、毎日新聞)

麻生太郎首相(自民党総裁)の「総裁特別補佐」という役職が新設され、それに島村宜伸元農水相が就任することが、昨日(28日)、内定した。
島村氏は1976年の衆院選で初当選。東京16区選出で、麻生首相と同じ学習院大学の出身である。現在は衆院懲罰委員長を務める。
2005年8月の「郵政解散」時には、当時の小泉純一郎内閣で農水省を務めていたが、衆院解散への閣議署名を拒否し、辞表を提出。手続き上、小泉首相(当時)に「罷免」された。ちなみに、後任の農水相には一時的に小泉首相が兼任し、同月11日には、当時農水副大臣だった岩永峯一衆院議員が任命された。

2006年12月、亀井派の後継問題でなかなか後継体制が決まらなかったが、「伊吹文明会長―島村名誉会長」という体制で決着し、伊吹派となった。
2007年3月、伊吹派を退会。派内における伊吹会長との主導権争いが原因とみられる。
2007年総裁選(福田康夫氏が当選)、2008年総裁選では、無派閥議員として麻生氏を支持。推薦人に名を連ねる。
現在は「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」会長、中川昭一財務・金融相が会長を務める「真・保守政策研究会」議長を務めるなど、保守派・タカ派議員として知られている。

テレビ討論番組などへの出演も多く、分かりやすく明瞭な発言姿勢には定評がある。
麻生首相が会長を務める「為公会(麻生派)」のメンバーの中にも、中馬弘毅元行革担当相、鴻池祥肇元防災担当相などメディアへの出演機会が多い、「情報発信型」の議員はいる。
しかし、鴻池氏は麻生首相同様、自身の「発言問題」が議論を呼ぶこともしばしばあり、麻生首相としては、自身の発言の“回収役”としては、島村氏が適任であると考えたようだ。
前回のエントリでは、河村建夫官房長官が麻生首相の発言を補正する役割を担うと宣言した、と記述したが、麻生首相としては、補佐役が河村氏だけでは心もとないと考えたのだろう。
党執行部は「総裁の考えをより広く知ってもらい、国民の誤解を解いてほしい」としており、求心力低下が指摘される麻生首相の政権運営を、メディア対策を中心とした広報面で支える狙いがありそうだ。 

さて、今月26日、自民党では麻生首相肝いりのプロジェクトチーム(PT)の会合が、相次いで開かれた。
「道路特定財源の一般財源化に関するPT」の会合では、座長・谷垣禎一元財務相が「確保するものは確保しなければいけない。暫定税率も当面維持すべきだ」と述べ、暫定税率を3年程度維持する方針を改めて表明した。

ippanzaigenka_pt_20081126.jpg(C)毎日新聞
26日の「一般財源化PT」会合の模様

同じく自民党の「無駄遣い撲滅PT」(座長・園田博之政調会長代理)の幹部会では、来年度予算編成で一般歳出から数千億円の削減を目指すことを確認した。
党幹部は「選挙を控え、多くの議員が目の色を変えて予算獲得に動いている」と省庁や議員らの抵抗に頭を抱えている。
昨日(28日)には、国家公務員のレクリエーション経費の原則撤廃や、公益法人への支出の3割削減、防衛装備品調達の効率化などが盛り込まれた、行政の無駄削減対策案をまとめた。
数値目標の設定は見送られたが、数千億円のスリム化が可能とみられる。
園田氏は「(平成)21年度予算の重点化枠3,300億円は予算削減により確保したい」と語り、社会保障などへの活用を目的に、概算要求基準で設定された重点化枠に、無駄撲滅で浮いた予算を充てる考えを示した。

一方、自民党の「郵政事業に関する検討・検証PT」(座長・中谷元元防衛庁長官)も26日、初会合を開いた。
郵政民営化関連法には来年(2009年)3月をめどに民営化の進め方を見直す規定があり、各事業会社の経営やサービス状況などを精査し、来年1月に結論を出す。

来年に予想される次期衆院選を控えて、自民党内では、広報面・政策面双方で、議員らの動きが加速している。
島村氏が今後どこまでメディア対策などで露出が増えるか、あるいは影響力を持つかは未知数だが、今回の総裁特別補佐職新設からは、麻生首相が「一枚看板」ではなく、“TEAM麻生”の演出姿勢に舵を切ったかのようにもみえる。

麻生首相の「発言問題」をめぐっては、首相本人も苦労している面があり、島村氏が広報面でそれを支える形だ。
政策面においては、谷垣氏、園田氏、中谷氏といった「宏池会(古賀派)」のメンバーを座長に据えた党PTが麻生首相(総裁)を支える。
これらのPT座長人事からは、基本的には麻生首相の谷垣氏への信頼感が垣間見れる。園田氏も中谷氏ももともと旧谷垣派議員で、谷垣氏に非常に近い。麻生首相は、「宏池会」といっても、古賀誠選対委員長系の議員ではなく、谷垣氏系の議員を信頼していると言えそうだ。

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posted by Author at 20:49| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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