2009年01月30日

町村派で“お家騒動”勃発? 「中川外し」の動き浮上

「政策の町村」が、今回の政局劇で勝利を勝ち取ることができるだろうか。

<中川秀直氏>除外論も 町村派、亀裂拡大も

 消費税増税問題で露呈した自民党最大派閥の町村派の亀裂がさらに拡大しそうな気配になっている。27日夜、東京都内で同派代表世話人の町村信孝前官房長官が町村派の当選1回の議員らと会談した際、町村氏や中川秀直元幹事長ら3人が務める同派の代表世話人について「派の代表が3人もいるのはわかりにくい」などの意見が続出。中川氏を代表世話人から外し、派閥の代表を町村氏で一本化すべきだとの意見が相次いだ。

 一方、麻生政権批判を強める中川氏は同日、朝日ニュースターの番組収録で、消費税増税問題を巡って森喜朗元首相(同派名誉会長)から新聞のインタビュー記事で「反乱だ」と批判されたことについて、「『反乱』という言葉自体が古い自民党の体質から出ているような気がする」と強い不快感を示した。

 中川氏は森内閣の官房長官を務めるなど、森氏と親密な関係だったが、最近は麻生政権に批判的な言動を繰り返す中川氏に森氏が不満を募らせ、関係が冷え込んでいる。【近藤大介】

(28日、毎日新聞)
<中川秀直氏>町村派代表世話人辞めない 「外し」をけん制

 自民党町村派代表世話人の中川秀直元幹事長は29日の派閥総会であいさつし、派閥の集団指導体制の見直し論について「09年度予算案成立に向けて結束しないといけない時に、麻生政権や党に迷惑をかける」と批判した。代表世話人を辞めない意向を強調し、派内の「中川外し」の動きをけん制した。

 町村派は中川氏のほか、町村信孝前官房長官と谷川秀善参院議員の3人が代表世話人を務める。しかし、消費税増税問題などで麻生太郎首相への批判を強める中川氏に対し、森喜朗、安倍晋三両元首相らが危機感を強め、町村氏に一本化する動きが強まっている。

 中川氏は「来るべき選挙のためにグループとしても結束すべき時だ」と強調。柴山昌彦外務政務官も「消費増税についての主張は麻生政権への反乱ではない」と同調した。【近藤大介】

(30日、毎日新聞)

「消費税」問題をめぐり、自民党の最大派閥・町村派で、町村信孝前官房長官と中川秀直元幹事長のあいだに亀裂が生じていることは、先日のエントリでもご紹介した。
町村氏と中川氏はともに町村派の会長級ポストである「代表世話人」で、ちなみに町村派にはもう一名、谷川秀善参院議員という代表世話人がいる。そのことについては、こちらのエントリに詳しく書いた。
町村派は、発足以来、この3名による“集団指導体制”を採用しているのだ。

27日夜、東京都内で、その「代表世話人」である町村氏が町村派の当選1回の議員らと会談した。
その際、町村氏と中川氏と谷川氏の3人が務める町村派の代表世話人について、「派の代表が3人もいるのは分かりにくい」などの意見が続出。
中川氏を代表世話人から外し、派閥の代表を町村氏で一本化すべきだとの意見(=集団指導体制見直し論)が相次いだのだ。

一方、麻生政権批判を強める中川氏は同日、CSテレビ番組の収録に参加。
消費税問題をめぐり、森喜朗元首相(町村派名誉会長)から「反乱だ」と批判されたことについて「『反乱』という言葉自体が古い自民党の体質から出ているような気がする」と、森氏を“逆批判”した。
中川氏は森内閣で官房長官を務めるなど、森氏とは大変親密な関係だった。
しかし、最近は麻生政権に批判的な言動を繰り返す中川氏に森氏が不満を募らせ、関係が冷え込んでいる。

28日夜、中川氏は、都内で山本一太参院議員ら町村派の若手・中堅議員と会談した。
中川氏は会合で「みんなで守ってきた派閥で、派内でもめている時ではない」と、集団指導体制見直し論をけん制した。
一方、町村氏も同夜、都内で町村派の鈴木政二参院国対委員長らと会談。派内のにらみ合いが続いている。

そして昨日(29日)、中川氏は派閥総会であいさつし、派閥の集団指導体制の見直し論について「2009年度予算案成立に向けて結束しないといけない時に、麻生政権や党に迷惑をかける」と批判した。
代表世話人を辞めない意向を強調し、派内の「中川外し」の動きをけん制した。
麻生政権批判をしているその口で、「麻生政権に迷惑をかけてはいけない」と発言するとは、中川氏も相当な肝っ玉の持ち主である。

この会合で、中川氏は「来るべき選挙のためにグループとしても結束すべき時だ」と強調。
町村派の柴山昌彦外務政務官も「消費増税についての主張は麻生政権への反乱ではない」と同調した。
なお、集団指導体制見直し論には、森氏のほか、安倍晋三元首相も賛同しているものとみられる。

このように、集団指導体制見直し論には中川氏が強く反発しているが、これはもちろん、将来の“発言力”を見越しての駆け引きである。
2007年秋、福田康夫内閣が発足し、町村氏は官房長官に任命されたが、このことにより町村氏は一時派閥を離れた。派閥を中川氏に“仮移譲”したのだ。
この時、中川氏は党幹事長の職を離れており、「内閣:町村、党(派閥):中川」ということで完全に棲み分けができたかのように見えた。

しかし、2008年秋、福田首相が突然の辞意表明。
福田氏が閣僚に自らが辞任する旨を伝えた際、官房長官である町村氏は、辞任をしないよう強く福田氏に迫ったという。
だが福田氏は「官房長官は首相の進退について、どうこう言える立場ではない」と町村氏の主張を却下した。小泉純一郎内閣で“歴代最長期間”の官房長官を務めた福田氏だけに、「官房長官のわきまえ」を心得ていたのだろう。

こうして、町村氏も中川氏も「役なし(役職なし)」となり、派閥の主導権争いを水面下で演じることになる。
先の「消費税」論議では、税制関連法案の付則に「2012年度からの消費税率引き上げ」を明記するかどうかで、両者の意見は衝突。賛成派の町村氏に対し、中川氏は若手・中堅議員まで交えて反対運動を展開した。
結局、付則は“玉虫色”の内容で賛成は、反対は双方に妥協する形でまとめられたが、議論の過程での町村、中川両氏の対立は激しかった。
今回の集団指導体制見直し論浮上からは、今年中に必ずある総選挙に控え、町村派の主導権を握りたい両者の思惑が伺える。おそらく中川氏は、将来の政界再編をも見据え、町村派を掌握する計算を立てているに違いない。

政策には強いが、政局劇を演じた経験の少ない町村氏。「仕掛け人」「黒幕」として政局操作を得意分野とする中川氏。
対照的に見えるこの2人。町村氏の最大の弱みは「人徳」、中川氏の最大の弱みは「スキャンダル」だ。
町村氏はたしかに“キナ臭い政局劇”とはあまり縁がない政治家だが、かといって中川流の“キナ臭き政局劇”が2009年の自民党に通用するか。
最終的には、町村氏が「中川外し」を実行できるか、それとも中川氏が麻生政権との距離を置きつつも「中川外し」の波から逃げ切るか。ここが勝負となる。

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posted by Author at 22:28| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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