<公選法違反>小沢・民主党代表の政策秘書が関与の疑い
7月の参院選比例代表で当選した民主党の青木愛氏(42)陣営による公職選挙法違反事件で、報酬の支払いを約束し選挙運動用ポスターを張った看板を立てさせたとして、利害誘導容疑で千葉県警に逮捕された千葉市稲毛区小仲台1、印刷会社社長、島正彦容疑者(50)の行動に、小沢一郎・民主党代表の政策秘書(45)がかかわった疑いがあることが分かった。県警は秘書が同容疑の共犯にあたる可能性もあるとみて、慎重に捜査を進めている。
調べでは、秘書は公示前、選挙会議に出席し、島容疑者とも電話などで頻繁にやりとりしていた。このため、県警は島容疑者の行動にどこまでかかわったかによっては公選法違反の共犯に当たるとみて調べている。
県警はこれまで、公示日前日の7月11日に同県酒々井町東酒々井3、看板会社社長、鷲尾練太郎容疑者(38)に選挙用ポスターの看板を道路脇に立てる選挙運動の見返りに1本500円の報酬の支払いを約束したとして島容疑者を逮捕。鷲尾容疑者はこれを引き受けた疑いで逮捕された。
公選法は、車の運転など単純労務に対し、運動員への報酬の支払いを認めている。しかし、同県警は今回の看板設置は単純労務ではなく、無償で行われるべき選挙運動にあたると判断した。【山本太一】
(30日、毎日新聞)
<選挙違反>小沢民主に難題 臨時国会で自民反撃も
7月の参院選で比例代表で当選した民主党の青木愛氏陣営による選挙違反事件で、小沢一郎同党代表の政策秘書が関与した疑いが浮上したことで、臨時国会で政府・与党への攻勢を強めたい同党はいらざる難題を抱えることになった。党内には「自民党はなりふり構わず攻撃してくる」との懸念が広がっている。
小沢事務所は30日、「秘書から選挙違反に当たる活動はしていないと報告を受けている」とコメント。青木氏の事務所も事件について「指摘されているような違法行為ではない」とのコメントを発表し、事態の沈静化に努めた。鳩山由紀夫幹事長は記者団に「真実が明らかになった段階で判断したい。今は捜査の段階だから見守る」と静観する考えを示した。
ただ、党内には「事件の展開次第では小沢氏の政治責任にも発展しかねない」(ベテラン衆院議員)との厳しい見方もある。小沢氏は通常国会で自身の資金管理団体による約10億円の不動産所有の問題が指摘されており、政府・与党にこの問題をむし返される可能性があるからだ。若手参院議員は「青木氏がどうというより、小沢氏の秘書ということがニュースとなる」と話し、参院選大勝を導いた党の看板に傷が付くことに懸念を示した。【平元英治】
(31日、毎日新聞)
衆参両院で219名の議員を抱える政党の現役党首秘書が立件されるような事態は、前代未聞である。
各議員の秘書が公選法に違反した例はごまんとあるが、「現役党首の秘書が立件される」という今回の事態は、おそらく、日本の政治史上初めてのことではないだろうか。
7月の参院選で民主党は、参院における“与党”となり、単なる批判政党ではいけない、文字通り責任ある立場となった。
ご存知の通り、民主党は党内で“ネクスト・キャビネット”=“次の内閣”なるものを組織していて、いつでも政権交代可能であると主張している。
“ネクスト総理”とされているのは、他ならぬ小沢一郎代表であるが、その政策秘書が選挙違反に関わっていたかもしれないとなると、事は重大だ。
仮に、衆院での“与党”である自民党の総裁・安倍晋三首相の政策秘書が起訴されるようなケースを想像してみてほしい。いかに今回の疑惑が深刻なものであるか、お分かりいただけるはずだ。
今回、選挙違反が発覚した青木愛参院議員陣営であるが、選挙中にも多くの有権者から「青木氏陣営は選挙違反をしているのではないか」との指摘の声が上がっていた。
明らかに法定限度を超えた量のポスター掲示。
「○○氏、来る!!」などのキャッチコピーが並んだ法定掲示期限の過ぎているポスターの掲示等々、青木氏陣営は露骨な“選挙違反”戦術を仕掛けていたのだ。
今回問題となっているのは、「青木氏陣営が選挙違反をしていたか否か」ではない。
その問題はすでに片付いたことで、今回問題となっているのは「小沢氏の政策秘書が、青木氏陣営の選挙違反を誘導していたのではないか」ということなのである。
2005年の「郵政総選挙」で落選した青木氏は、選挙直後に小沢氏の秘書となっている。
まさに小沢氏陣営の“内側”に在籍していたのであり、今回の参院選に出馬するという段階になっても、小沢氏陣営から選挙における“指導”を受けていたのではないかということは、想像に難くない。
つまり、小沢氏陣営と青木氏陣営が密接に関係していてもおかしくはないということだ。
民主党はきょう、前原誠司前代表を新しい副代表にするなどといった「人事刷新」を行った。
前回の小沢氏の「副代表就任要請」は断った前原氏が、どうして今回の要請は受諾したのかについては、ご本人から国民に向けてしっかりと説明していただかないと困るのだが、正直、前原氏が小沢氏にひざまずくような今回の人事には、あきれている人も多いのではないか。
話が少し横道にずれてしまったが、政策秘書が立件されるかされないかという“政治的に不安定”な状態にある小沢氏の傘下に、民主党の次代を担うような議員が入ることは、はたして何を意味するのだろう。
民主党の立党者でもある鳩山邦夫法相は、今朝の閣議後の会見で、
「民主党結党者の1人として(最近の同党の不祥事は)非常に残念に思う。自民党も反省しないといけない点は多くあるが、政党の成熟度が民主党の大課題だ」
と、民主党の“甘い”危機管理体制を皮肉っている。
ここから先は、副島隆彦氏の「アポロは月に行っていなかっただろう論」程度の陰謀論なのだが、もしかしたら、安倍首相は「小沢氏の政策秘書が立件されるかもしれない」という今回の事態を把握した上で、改造内閣の組閣を行ったのではないか。
27日(月)の内閣改造で、「選挙違反」などについて総合的に取り締まる立場となる「国家公安委員長」には泉信也参院議員(二階グループ)が就任した。
泉氏は、2000年の自由党分裂時まで、二階俊博総務会長の側近として、小沢氏と行動をともにしてきた人物だ。二階氏同様、当然、小沢氏の“裏”の顔も熟知している。
小沢氏秘書による「選挙違反指導」疑惑を周知の上で、安倍首相が国家公安委員長に泉氏を充てたのであれば、入閣が確実視されていた矢野哲朗参院議員が今回入閣できなかったのも説明がいく。
というのは、「参院自民党から2人が入閣する」というのが組閣における暗黙のルールであり、今回の内閣改造では、「参院枠1人目」が舛添要一氏(厚労相に就任)だったに違いないからだ。
さて「2人目」をどうするかという時に、小沢氏秘書の今回の「疑惑」を見越した上で、安倍首相が「2人目」に泉氏を持ってきたということも、考えようによっては納得のいくものではないか。
陰謀論もどきはここまでとして、焦点は立件が実際になされるかどうかだ。
検察側は鋭意捜査中といったところだろうが、報道がなされた以上は立件したいと考えていることだろう。
やはり民主党は“トロイカ体制”がある限り、腐敗の道をたどるばかりである。
民主党が“トロイカ体制”から脱却し、「小・菅・鳩」の“魔のトライアングル”が打ち崩された時、民主党は初めて“政権担当能力”を手にするに違いない。

