2007年09月03日

“ミスター臨時農水相”若林正俊氏は「いい人」

3か月もしないうちに、3度目の農水相就任を決めた。

遠藤農相辞任 後任に前環境相の若林正俊参院議員

 遠藤農相の辞任を受け、安倍晋三首相は後任の農相に若林正俊前環境相(73)を充てることを決めた。若林氏は首相との会談後、記者団に「(首相から)補助金、交付金の執行で適正化が行われるよう厳正に指導してほしいと指示があった」と語った。また、記者団から「政治とカネ」に絡む問題がないかを問われると「自分で気づかないことがあるかもしれないが、批判があれば謙虚に受け止め説明を果たしたい」と述べた。
 首相が若林氏を後任農相に起用したのは、世論受けする人気や知名度より、地味でも手堅い人材を起用する必要があるとの判断から。松岡利勝、赤城徳彦両元農相の問題が参院選惨敗の主因となったのに加え、内閣改造からわずか1週間でまたも農相が引責辞任に追い込まれるという異常事態に、首相はこれまで以上に「守りの姿勢」を取らざるを得なかった。
 首相の意向を受けて後任の選考に当たったのは、麻生太郎自民党幹事長と与謝野馨官房長官という党と内閣の要だった。両氏は2日中に遠藤氏辞任の流れを作り、後任の人選に着手した。
 後任として党内から名が挙がっていたのは、島村宜伸元農相、武部勤元幹事長、中川昭一前政調会長らいずれも農相経験のあるベテラン。ただ、いずれも個性が強く、政権の危機管理が問われる状況下では「両刃の剣」になりかねないタイプとの指摘もあり、農水官僚出身で、赤城氏辞任後は農相を兼務していた若林氏の「再登板」が無難との判断に落ち着いたとみられる。

 ▽若林 正俊氏(わかばやし・まさとし)環境相、自民党参院政審会長、東京大。参院長野選挙区、当選2回。衆院当選3回。73歳。町村派。

(3日、毎日新聞)

「遠藤武彦農水相辞任」について、1時間ほどかけてエントリを書いていたのだが、つい先程、あやまってその全ての文章を消去してしまった。
こんなことはかれこれ何百回と経験しているので「あやまって消さないように」といつも気をつけているのだが、気をつけるあまりこういうことをしてしまうので、何ともみっともない。

自分自身としても、それなりに分かりやすく情報をまとめた文章が書けたと思っていたので、本当に残念である。
あやまって文章を消してしまった時の心臓の動きについて書いてもしょうがないので、もうヤケクソに、若林正俊新農水相に関することを書きたい(“ヤケクソ”などと書いては、若林氏に失礼か)。

若林氏は、松岡利勝元農水相の自殺直後、赤城徳彦前農水相の“事実上の更迭”直後に続き、今回が3度目の農水相就任となる。
これほどまでの短期間の内に1人の人間が農水相に3度も就任したというのは、農林大臣、水産大臣時代も含めて、日本政治史上、おそらく初めてのことだろう。

若林氏は農林省出身の元閣僚であり、衆院で3回、参院で2回当選している。
先日の参院自民党人事刷新では、舛添要一厚労相の後任として、新しい政審会長に就任した。
落ち着いたやさしい語り口と、官僚上がりのその勤勉さから、自民党内でも好評価を受けている政治家の一人だ。
その反面、「押しの弱い性格」などという指摘も聞かれるが、甘利明経産相のナルシシストぶりと比較してみた時、私は若林氏の性格が優しすぎる面というのは、だいぶマシなものだと思う。

また、若林氏は、マスコミに対しても実に“丁寧”な応対ぶりである。
昨年9月の前内閣入閣直前、“参院枠”として入閣が確実視されていた若林氏は、新幹線の駅の改札口付近の人ゴミの中でも、記者に対して斜めに振り返り、インタビューに応答した。
たしか「まだ(入閣は)わからない」などという、聞く方としては聞いてもあまり嬉しくない回答だったと思うが、そうやってノーコメントで無視してもいいような質問に、丁寧かつ真摯に対応するというのは、若林氏の人柄の良さを実によく表しているではないか。

環境相時代の閣議後の会見にしても、ずっと聞いていると“子守唄”に聞こえてきてしまうような、しかし、ガヤガヤうるさい声を聞くこともしばしばの永田町においては、実に心休まるお話しぶりだった。
先月27日(月)の離任会見においても、「(農水相として)リリーフピッチャーとしての役割は果たせたと思う」と語り、最後まで温厚そうな人柄を感じさせてくれた。

若林氏のホームページをのぞいてみると、「政策・理念」のページに「パソコンに向かい情報収集するワカちゃん」の写真が掲載されている(注:「ワカちゃん」とは若林氏のことらしい)。
「ワカちゃん」などと聞くと、意外とかわいいイメージを持ってしまう。言われてみれば、若林氏はドラえもんに見えないこともない。また、アンパンマンの要素もあるといえよう。

総じて言うと、安倍政権にとって「遠藤農水相辞任」は決して好ましいことではないが、個人的には若林氏の入閣を嬉しく思う。
安倍晋三首相は、SMAPメンバーの中で言えば「草g(なぎ)剛氏」のような“いい人”であり、若林氏もイメージで言えば「草g氏」タイプかもしれない。
ただし、若林氏の場合、稲垣吾郎氏のようなちょっとした天然ぶりも持っているので、そこら辺が「不祥事」としてではなく「キャラクターの良さ」として出てくればいいとも思うのだが、残念ながら根っからの「地味系」政治家なのでそれは無理かもしれない。
でも、それはそれで若林氏っぽくていい。
「鳴かぬなら鳴くまで待とう、ホトトギス」。こういう人材を「押しの弱い性格」などと一刀両断してしまってよいものだろうか。

とにかく、安倍首相にとって、若林氏がこの国に政治家として存在したことは一つの幸運であり(仮に若林氏がいなかったら、農水相後任人事はかなり難航していただろう)、彼こそ“ミスター臨時農水相代理”の称号にふさわしい方だろう。
「そんな称号いらない」だなんておっしゃらないで、若林さん。じゃなくて、「ワカちゃん」。いつまで続くか分からない、いばらの道の遠足を頑張ってくださいね。

・・・なぜか、「AERA」みたいな文章になってしまった。目がショボショボする。水分が欲しい。

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posted by Author at 21:42| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
情けないねぇ。あれだけ組閣前に異例の大臣関連問題が有り、参議院惨敗を喫したはずなのに、自ら問題を抱えた人間が何故大臣を引き受けるのでしょう?安倍総理の任命責任もさることながら、受諾責任も必要です。
自ら問題が有り、大臣要請を受ける人間が多いとゆう事は、今の議員達自身が問題を問題と思えない頭脳になってしまってるか、バレなきゃいいやって感じなのでしょうかね。こんな人間に教育問題、少年犯罪の問題を片付ける能力も資格も無いのでは…
会社で不正をやって問題になれば、当然首になるし、2度と会社に戻る事出来ないのだから、議員もそうすれば不正をしないようになるんじゃないかな?処分が甘いのわかって犯罪者になる少年と変わらないのが、国家を動かしてるなんてね…
話は変わり舛添大臣がテレビ番組内で、今までダラダラ遅かったムコ多糖症の新薬の認可をひと月後の10月頭迄にする事を明言し、厚労省職員に指示した事をテレビで話しました。なかなかやるなぁと感じる反面、一般市民があれだけ訴え続けても、認可されずにきたのに、大臣が変わればこんなに変わるんですよ?今までの大臣は何してたの?厚労省職員も命に触れる仕事だってわかってるの?と疑問が残ったね…
Posted by えいけつ at 2007年09月04日 10:46
えいけつさん、コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、「身体検査」なる言葉が公然と語られたおそらく初めての組閣だったというのに、それなのに、早速このような展開になるとは、私たちも驚き呆れてしまいますが、本当にびっくりしているのは、実は安倍首相本人かもしれません。
舛添氏が厚労相に付いたことで、一般国民の目線からの政治が行われるのならば、それはよいことだと思います。
ざっと見た感じ、各メディアも“第2の東国原”みたいな感じで舛添氏を取り上げていますね。
メディアに形作られる世論というのは情けない感じがしますが、現在のメディアの状況を見てみると、必ずしも安倍政権は再生不可ではないかもしれません。しっかりとした地道な政治運営を行い、成果を上げていくことこそが何より求められます。
私はもうここまで来たら、“公務員改革”を安倍政権の改革の本丸にしてしまって良いような気がします。首相本人は「憲法改正」を何としても行いたいのでしょうが、その道筋を作っただけ(国民投票法の成立)でも、十分な功績だと本人には言ってあげたいです。
もっとも、ご本人は父から託された使命感みたいなものがあって身体を縛られているのでしょうから、言うだけムダかもしれませんが。
Posted by mityosi at 2007年09月04日 18:15
舛添大臣も、ムコ多糖症薬認可に対する世論が、市民運動的に盛り上がりを見せ始めてきたので、早急に手を打ち、最悪衆議院解散総選挙を見据えて、与党内に舛添有りをメディアに伝えさせて、第二の小泉純一郎を狙い、日本の政治の改革を舛添流で行いたいと構想してるのでは?
その為の手腕アピール第一弾だったのでは?
と深読みしたのは僕だけでしょうかね(^-^)
Posted by えいけつ at 2007年09月05日 05:33
えいけつさん、コメントありがとうございます。
なるほど、そういう読みも出来ますね〜。
今後、自民党が危うい状態に陥れば陥るほど、自民党総裁になる人の選択肢というのは多くなっていくと思います。
そうすると、“舛添総裁”というのも考えられますね。
自民党議員にとって、自民党が与党であり続けることが何よりも大事なことなので、“舛添総裁”で政権与党であることを維持できるということになれば、議員はそういう選択をするかもしれません。
自民党が野党に転落した1993年、自民党総裁は河野洋平氏でした。これは“総理=総裁”ではなかった当時だからできた人事で、仮に自民党が与党であり続けたのなら、河野氏は総裁に就任できなかったという面は否めません。
舛添氏、小池百合子氏など、国民の人気を集められそうな人を担ぐことで、自民党そのものが延命措置を図ろうとしてくる時が来るかもしれません。
Posted by mityosi at 2007年09月05日 17:22
万一、舛添さんや小池百合子さんが総裁になり、お飾り将軍がまかり通るなら、室町幕府の末期に起こった戦国乱世の最後の足利将軍義昭的ポストになり、実権も無く旨味も無い総裁職になり、自民党を壊す政治家が現れるのかな?
Posted by えいけつ at 2007年09月06日 00:18
えいけつさん、コメントありがとうございます。
とりあえず、私は「郵政落選組復党問題」の推移を見て、はたして自民党がこの先どういう道を歩もうとしているのかを判断したいと思います。
現時点での勝手な妄想ですが、場合によっては、「安倍首相が自民党を野党にする」シチュエーションが生まれてくるのではないか?と思います。
この収拾がつかない政府・自民党の崩壊ぶりは、細川政権誕生直前のときと似ているような気がするのです。
そういう観点から見た「小沢一郎研究」というのをこのブログで書いてみることも、それはそれで自分自身、楽しめるかもしれません。
Posted by mityosi at 2007年09月06日 20:47
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