2007年09月07日

「死刑制度」ノススメ

死刑制度を存置している国の国民として、責任を果たさねばなるまい。

美祢のPFI方式刑務所:「定員到達時に正念場」 鳩山法相が視察し感想 /山口

 鳩山邦夫法相は5日、民間の資金やノウハウを生かすPFI方式による全国初の刑務所「美祢社会復帰促進センター」(美祢市)を視察した。法相は「初犯で再犯の可能性が低い受刑者を集めていることは理解した」としながらも、ビジネスホテルを思わせる威容に「(東京の府中刑務所と比べ)余りの落差にがく然としている。刑務所に入ってもいいという人が出ては困る」と語った。

 鳩山法相は男子収容棟や女子の職業訓練棟、中央警備室などを視察。会見で、法相は「(運営は)非常にうまくいっているが、受刑者が定員に達した時に正念場を迎える」と述べた。また、同方式による刑務所建設の今後の見通しについて「府中刑務所級の(重犯の)受刑者を収容するとなると、さらなる工夫や努力が必要。それが真の意味での正念場」と語った。
 5日現在、同センターに収容されている受刑者は男女合わせて284人で、定員に対する収容率は28%。【住田里花】

(6日、毎日新聞)

やっぱり刑務所、×社会復帰促進センター

 鳩山邦夫法相は7日午前の記者会見で、 運営の大半を民間に委託する全国初の刑務所「美祢社会復帰促進センター」 (山口県美祢市)を視察したことに関連し 「社会復帰促進センターという名前はいかがなものか。刑務所の方がいい」と述べ、名称変更を検討する考えを示した。

 法相は「社会復帰促進の目的があるのは事実だが、 犯罪が確定した受刑者には懲らしめの意味がなければいけない」と強調した。

(7日、日刊スポーツ)

今回、鳩山邦夫法相が語った感想は、極めて自然なものだ思う。

加害者の「社会復帰」を促す環境を整備するのは結構なことだが、それは加害者が「償うべき罪」を償ってからの話だろう。
刑罰という視点が欠落したまま、単に加害者の「社会復帰」を訴えることは本末転倒であり、そんなものを国営する意義など微塵もない。

また、鳩山法相は先月31日(金)、法相が執行署名する「死刑制度」についても、次のように述べている。

鳩山法相:前法相の「私案」否定 外国人研修・技能実習、死刑執行

 鳩山邦夫法相は31日、報道各社の取材に応じ、海外からの単純労働者受け入れを容認する長勢甚遠前法相の「私案」に触れ「私は単純労働者を入れるという考えはとっていない」と、事実上否定する考えを示した。

 長勢前法相は5月、外国人研修生を「安価な労働力」に使っているとの批判が強い外国人研修・技能実習制度を見直した上で、一定の条件下で「短期外国人就労制度」を新たに創設するという私案を公表した。外国人の単純労働者を受け入れないという政府方針に沿わない内容で注目された。

 これに対し鳩山法相は「単純労働者を受け入れる時代の要請がそこまであるとは思えない。外国人犯罪の増加につながる恐れもある」と私案を疑問視した。

 一方、死刑制度について「どんな凶悪犯罪を犯しても自分が命を絶たれないというのでは犯罪の抑止効果に大きな疑問が出てくる。制度をなくすべきだという意見には理由がない」と述べた。

(1日、毎日新聞)

「死刑制度」については様々な議論があると思うが、現時点において、私は「死刑制度賛成・推進」の立場を取っている。
これは、日本が法治国家であることを尊重し、いわゆる“法の精神”を受け入れる意味合いからもそうなのだが、それとは異なる“制度そのものの機能性”という観点から考察してみた時にも、「死刑制度」は高い価値を有するものだと思う。

まず、一つ目に「生命倫理」の観点から、犯罪や殺人などの凶悪行為は、断じて容認されるべきものではないと考える。
江戸時代、日本には「仇討ち」制度があった。これを現代に復活させることは好ましいとは思えないが、心情的に、被害者が加害者への極刑を望む感情は理解できる。
もちろん、被害者の遺族すべてが加害者に対して極刑を望んでいるわけでもなく、遺族の方の中にも「死刑制度反対」を主張されていらっしゃる方もいる。
単なる「被害者遺族の気持ちを考えたことがあるのか」という理屈だけでは死刑制度を肯定できないのは、このためである。
事件の真相究明がなされた後、では、どのように加害者が罪を償うのが最善かということを考えた時、先述の思想から、犯罪を許さない国家を形成するための「死刑制度」執行は推進されるべきではないだろうか。

次に、深刻な状況下にある「国家財政面」を鑑み、長期間に渡り犯罪加害者をかくまう“刑務所”の維持費用や、受刑者への過剰な“生活保護”を削減し、最小限に抑える手段として、「死刑制度」は必要だと思う。
許されざる犯罪を犯した人間の一生を、どうして国家が保護しなければならないのか。
他者の生命とその周辺の者の平安を奪った人間の「衣食住」を、どうして“税金”でもって養わなければならないのか。
こういったあらゆる問題を解決するためにも、死刑制度の執行を推進する必要性はあろう。

鳩山法相が記事中で述べていたような「死刑制度の抑止力」については改めて書く必要もないと思うが、愛知県で起きた、先日の“磯谷利恵さん拉致・殺害事件”においては、加害者の一人が「死刑になりたくないから」と言って警察に出頭してきた。
つまり、「死刑の抑止力」の働く先は、犯罪が起こる前であることを年頭に考えるのがこれまでの一般意識であるが、実は、犯罪が起きた後にもこの「抑止力」は活きてくる。
もちろん、この「抑止力」が人間に対して犯罪を起こさないために働くことが重要であることは、言うまでもない。


ここまで「死刑制度」賛成派の立場から文章を書いてみたが、同時に、「死刑もまた殺人である」との指摘もあるのが現実だ。
そういった意見も考慮に含め、私は「出来れば使いたくないが、現時点において使わざるを得ないもの」という性格として、「死刑制度」というものを捉えている。
つまり、「死刑制度」には賛成だが、死刑など執行する必要がないような社会が築かれることがなおよい、という考え方である。

いわば、「死刑制度」がおかしいのではなく、それほどの犯罪を犯す人間がおかしいのだ。
その点を認識しておかなければ、「死刑制度」にまつわる論議は、いつまでも堂々巡りとなってしまうだろう。

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ラベル:安倍内閣
posted by Author at 23:33| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(5) | 日日雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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