2008年01月11日

青森家族殺害 逮捕された18歳少年に「心の闇」など存在しない

この世の中に「心の闇」なるものは存在しない。殺人犯を珍しがる風潮こそが、問題である。

青森家族殺害 刺した後放火? 長男「自分がやった」

 9日午後10時40分ごろ、青森県八戸市根城(ねじょう)のアパート2階の1室をほぼ全焼し、焼け跡から▽母(43)▽市立中3年の次男(15)▽同1年の長女(13)の母子3人の遺体が見つかった。いずれも刃物で切られたとみられる傷があり、県警八戸署は殺人事件と断定し捜査本部を設置した。無職の長男(18)の行方が一時分からず、10日午前6時5分ごろ、JR八戸駅で発見し、刃物を持っていたため銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した。長男は殺害も「自分がやった」と認め、殺人と放火の容疑でも追及している。

 調べでは、遺体は居間の布団1枚の上に川の字に並べられ、火災による損傷はほとんどなかった。3人とも普段着姿で、母の首と腹、子供2人の首に切り傷や刺し傷があり、母の腕には争って切られたとみられる傷があった。玄関の鍵は掛けられていた。同署は遺体の状況などから、3人が刃物で殺害された後に放火されたとみて調べている。

 一家は母子4人暮らしで、長男は出火直後から行方が分からなくなっていた。同署は緊急配備し、署員がアパートから西約2キロの八戸駅構内で職務質問すると、「近づくな」と叫んでサバイバルナイフ(刃渡り25センチ、全長48.5センチ)を振り回して逃げたため、署員数人が取り押さえた。上着の内側に刃渡り8〜13センチのナイフを6本隠し持っていた。長男はナイフ所持の理由について、あいまいな供述を続けているという。

 周辺の住人らによると、長男は学校へは行っておらず、自宅に引きこもりがちで、家族に暴力を振るうことがあったらしい。ナイフやエアガンを収集しており、数年前には室内に灯油をまいて立てこもり騒ぎを起こしたとの証言もある。

 火災は、9日午後10時40分ごろ、アパートから煙が出ているのに気づいた近所の住人が119番通報し、約40分後に火は消し止められた。1階に4世帯、2階に5世帯分の部屋があるが、ほかにけが人はいなかった。現場は八戸市役所の西約3キロの住宅街で、近くに幹線道路が走る。【長沢晴美、後藤豪】

(11日、毎日新聞)

八戸の3遺体:同級生ら、衝撃と悲しみ 「柔道頑張ってたのに」 /青森

 ◇次男・長女の中学、きょう全校集会

 なぜ殺されなければいけなかったのか――。八戸市根城のアパートが焼け、室内から母子3人の遺体が見つかった事件では、中学3年の次男(15)と1年の長女(13)が、長男(18)によって命を奪われたとみられる。次男と長女が通っていた八戸市立中学の関係者や同級生の間には、突然の凶行で衝撃と悲しみが広がった。【太田圭介、野宮珠里、矢澤秀範】

 中学は10日朝、校長らが会見し、生前の2人の学校生活を思い出して声を震わせた。2人はともに柔道部に所属。次男は昨年6月の市内の中学校が競う大会で、団体の部で主力として活躍した。長女も昨年11月の大会で負けた悔しさをバネに、練習に打ち込んでいたという。

 次男は3者面談で「建築関係の資格を取りたい」と将来の夢を話し、来春の公立高校進学に向けて、冬休み中の学習会にも休まず参加していた。火災があった9日も昼まで勉強会に参加していた。長女は学校の作文で「介護師になりたい」と書き、生徒会の活動にも積極的に参加するなど、まじめな生徒だったという。

 2人の同級生らもショックを隠せない。次男の後輩の男子生徒は「(次男は)明るくて笑顔がすてきだった。9日に学校に来ている姿を見かけたのに、今朝テレビで(事件を)知ってびっくりした」と話した。また、長女と同級生の男子生徒(13)も「柔道部で頑張っていたのに、こんなことになるなんて」と話した。

 学校側は、生徒に動揺が広がっているとして市教委にカウンセラーの派遣を要請し、今後生徒の心のケアに努める。11日には全校集会を開き、生徒に事件を報告する。

 ◇住民、長男の異常行動指摘

 一方、近所の住民の話を総合すると、銃刀法違反容疑で逮捕された長男はナイフやエアガンを集めたり、テレビゲームをしている次男の背中に突然エアガンを撃つなど異常な行動が目立ったという。

 次男の同級生の1人は「母と次男、長女は本当に仲がよく、みんな明るかった」と話す。だが、長男については「あまり人柄は良くなかった」と話す。この同級生は、「『朝起きたら長男に首にナイフを突きつけられた』という話を次男から聞いた」という。

 長男は中学生のころから自宅にひきこもっていたという。一家がよく訪れた近くの喫茶店の女性経営者(54)には「小説を書いている。一回読んでね」と話すなど、打ち解けた様子も見せていた。昨年10月には「小説を書いているので、パソコンかワープロが欲しい」と話していたという。

 女性は「そんな悪い子には見えなかった」と語る一方で、「次男と長女が兄を怒らせないように気遣っているようだった。いつかこんなことが起こるのではという思いもあった。もっと周囲の大人が(長男を)フォローしてあげていてもよかったのだろう」とも振り返った。

(11日、毎日新聞)

このブログは永田町の話題を重点的に取り上げるブログでありながら、時たま社会ニュースもご紹介する。
その中で取り上げることが断然に多いのは、少年少女が事件に巻き込まれるというニュースだ。
時にそれは「いじめ殺人」であったり、「小学生らの殺害」であったりするわけだが、今夜取り上げるのは、青森で起きた、18歳少年による家族3人の殺害・放火事件である。

昨夜(10日)の『FNN ニュースJAPAN』(フジテレビ)で箕輪幸人解説委員が指摘していた通り、私たちは、加害者青少年に対し「心の闇を抱えていたのだろう」などと、「心の闇」という言葉を安易に使用する傾向がある。
これらはすべて、殺人事件や重大事件を起こす青少年は、みな心に闇を抱いているという発想だ。
しかし、これは、加害者少年は我々には理解できないような特別な精神性(=「心の闇」)を抱いていたのだという考え方であり、要は、思考放棄である。

私は、これはおかしいと思う。
重大事件を引き起こす加害者青少年が持っているのは、「心の闇」などではない。そもそも、心に「光」も「闇」も存在しない。
そこに存在するのは、ただ一つの「心」である。「精神」である。加害者少年らは、けっして、一般人が理解できないような「心の闇」を抱いているわけではないのだ。
私に言わせれば、今日の社会では、重大事件を起こす青少年らは「普通の青少年」であり、逆に、何も事件を起こさない青少年らは「異常な青少年」である。
人を殺さなかったり、家族に暴力を振るわなかったり、商店街で刃物を持ち歩きながら暴走しないような少年らは、みな「異常な青少年」なのだ。21世紀の日本の現代社会では、彼らこそ、稀有な存在なのだ。

加害者が「心の闇」を抱えた特別な存在である――つまり、事件を引き起こすような人間は、平常の私たちの生活には関連し得ない人物だという考え方は、たしかに受け入れすい考え方だ。
しかし、そこで思考停止してしまっては、青少年らがどうして重大事件を引き起こすのかという問いに対して、本質的な答えを示すことはできないままである。

今回、青森で母ときょうだいを殺害した18歳の無職少年は、けっして「異常な少年」などではない。小学校の時から引きこもりを続け、弟が寝ている際に弟の首に刃物を当てるような人間は、今日の社会ではけっして「異常な人間」などではない。
ある年度の文部科学省の調査では、割合的にいえば、中学校の1クラスに最低1人は不登校生徒が存在するという。弟の首に刃物を当てる行為が当然の行為であるかどうかは一概には判断できないが、むしろ、彼のような人物こそが「正常な人間」なのだ。

人を殺すことは簡単だ。刃物が一本あればよい。
そして、「人を殺すという行為」を一時的にでさえ“問題のない行為”だと認識することができれば、合理的で理性的な精神状態の下、人を殺すことが出来るだろう。
18歳少年の精神状態を完全に把握することは、不可能だ。しかし、我々は「人を殺すという行為」をいけない行為だと認識している限りにおいて、正常な人間なのだと、自らを位置づけるのである。
必要となるのは、18歳少年が「心の闇」を抱いている特別な人間であったのだと妄想することなのではなく、自分自身や、自分に近い人間が、いつ重大事件を引き起こしてもおかしくないということを理解することだ。

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タグ:教育再生
posted by Author at 21:30| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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