2009年11月28日

知能に障害を持つ人物に、総理の職は務まるのか?

鳩山総理、過去に「サラリーマンの平均年収は1,000万円くらいですか?」と発言していた

 庶民の経済感覚が分かっている政治家としてマスコミに持ち上げられている民主党の鳩山由紀夫内閣総理大臣だが、やはり正体はただのボンボンだったようだ。

 11月27日付けのTBSラジオ『アクセス』の番組内にて、元日刊ゲンダイニュース編集部長の二木啓孝氏が、鳩山総理が過去に「サラリーマンの平均年収は1,000万円くらいですか?」と発言していたと明かしたのだ。

 原文は以下の通り。

 【まあまあ、いいや、言っちゃおう。昔ね、鳩山さんとね、鳩山さんと取材の後の雑談で、当時私日刊ゲンダイにいたから、「サラリーマン相当痛んでますよ」と。「ここに関するサラリーマンへのメッセージを、出さないと自民党をひっくり返す力になりませんよ」って話をした時に、鳩山さん「そうですか。そんなに給料減ってるんですか。今サラリーマン平均1000万ぐらいですか?」って言ったから、鳩山さんに、「それ、それ絶対外に言わないほうが良いですよ」って言ったことがあったんだけど(笑)】

 すばらしい庶民感覚の持ち主だ。サラリーマンの平均年収は男性で約550万、女性で約280万、平均すると約440万ほどしかない。なお、サラリーマンの平均年収は一番高い年代でも約670万ほど。“そんなに給料が減って1,000万”とはどこのサラリーマンなのだろうか?

 麻生太郎元総理が「カップラーメン400円」発言で叩かれていたが、これが事実なら鳩山総理の金銭感覚の方が狂っている。母親から9億円振り込まれても気づかない総理だから、1,000万、2,000万ぐらいのはした金ではしょうがないのかもしれないが……。

 それにしても許せないのは日刊ゲンダイだ。ゲンダイはこの事実を知っておきながら麻生元総理を批判していたことになる。ゲンダイの言葉を借りて締めくくろう。鳩山総理がいくら、居酒屋やモスバーガーで庶民派をアピールしようが、この程度の生活認識しかないのである。こんな男が首相なんて、それこそ鳩山が好きな友愛の世界である。
(28日、デジタルマガジン)

鳩山由紀夫首相をめぐっては、お母さまからの「ナゾの巨額献金」の存在が明らかになるなど、不透明なカネの流れに批判の声が高まっている。
そんな中での、鳩山首相の「サラリーマンの平均年収は1000万円」発言。

鳩山総理は「日本は日本人だけのものじゃない」「国というものがなんだかよく分からない」などと“宇宙人”的なコメントばかりを繰り返しているが、今回の発言を聞くと、どうやら鳩山首相は精神病院に入院すべきレベルまで来ていることが分かる。

ここ数週間の鳩山首相の発言を聞くだけでも、鳩山首相の知能に障害があることは明らかであり、鳩山首相には今すぐにでも精神科への通院を実施してほしい。
知能に障害がある人物が内閣総理大臣を務めてはいけないという規則はないので、法律的な問題はないのかもしれない。

しかし、今回のような発言をする総理であるならば、「最低賃金、時給1000円」というマニフェストの根拠をどこに持っていたのだろうか。
鳩山首相は、目に力がなく、常にキョドっているので、情緒不安定であると断言できる。
やはり、知能に障害がある人物に総理大臣を務めるのは厳しいのではないかと思うのだが、どうだろうか。
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2009年09月29日

谷垣氏が新しい自民党の「顔」に!

総裁就任を心よりお祝いしたい。

<自民総裁>自転車好き9台所有、蕎麦通の顔も…谷垣禎一氏

20090206_s_tanigaki.jpg(C)AP

 自民党新総裁に28日、選出された谷垣禎一氏は、池田勇人、大平正芳、宮沢喜一氏ら歴代首相を数多く輩出した名門派閥宏池会(古賀派)の代表世話人を務めてきた。財務相、国土交通相、党政調会長など要職を歴任した政策通として知られる。温厚な性格の一方で、言葉に内面から絞り出す迫力がないとの評もあり、「麻垣康三」と呼ばれながらも、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の前元首相の後じんを拝したのも事実だ。

 夜会合は原則1件しか入れず、帰宅も早いマイペース型。趣味はロードレースの出場経験もある自転車で、自宅に9台を所有する。「日本の蕎麦(そば)を愛好する会代表世話人」「名誉ソムリエ」の肩書もある。【田所柳子】

(9月28日、毎日新聞)

「保守本流のプリンス」と称される谷垣禎一元財務相が、新たな自民党の総裁に決まった。
自民党再生のために、良質な保守政治の再生のために、全力で職務に当たってほしい。期待している。
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2009年09月06日

政権交代はしたけれど… 「鳩山政権」の「小沢」に注意だ!

政治は誰のためにあるのか――。新政権の動きに警戒していかねばならぬ。

自民・谷垣氏、総裁選出馬に含み

 自民党古賀派の谷垣禎一・元財務相は4日、同派会長の古賀誠選挙対策本部長代理と派閥事務所で会談し、総裁選の対応を協議した。

 この中で、谷垣氏は「私は世代交代した方がいいという考えだが、いろいろよく考えてみる」と述べ、自らの出馬に含みを持たせた。

 会談では、古賀氏が総裁選を派閥主導で行うことは避けるべきだとの考えを示し、谷垣氏もこれに同調した。会談後、古賀氏は記者団に「それぞれの役割をしっかり果たしていくことをまず第一に考え、谷垣氏も(総裁選対応を)非常に慎重に考えることになるのではないか」と語った。

 谷垣氏には、同派議員を中心に出馬待望論が出ている。

(5日、読売新聞)

ここのところ、まったくと言っていいほどブログの更新ができず、数少ないとは思うが読者のみなさまには申し訳ない。
私がブログの更新を怠っている間に、日本の政治史には大変大きな出来事が起こった。

「政権交代」である。

先月(8月)30日に投開票された第45回衆院総選挙の結果、自民党は16年ぶりに野党の座に転落し、民主党が308議席を獲得。単独過半数の座を射止めた。自民・公明連立は終わりの時を迎えたのである。
私のこのブログでは、自民党内で巻き起こる政局、民主党の抱える不安点などを通して、日本の現代政治を俯瞰してきた。その中で、今回の選挙結果が「55年体制」「93年体制(細川護熙政権発足時)」に続く「09年体制」として、日本政治史の記録に残る大きなポイントだということは間違いない。

自民・公明両党は野党となり、民主・社民・国民新各党はこれから与党となるわけだが、そうした中で私はいかなる軸を持ってこのブログを続けていくべきか。
私が過去にこのブログで民主党批判を繰り返してきたからといって、これからもこのブログが、「与党・民主党」批判に満ち溢れるブログになるということはない。かといって、「与党・民主党」に迎合するような文章を書くつもりもない。

いま、「鳩山政権」の組閣人事をめぐってのニュースが日に日に報道され始めてきているが、そうした中で強く感じるのは、やはり「小沢一郎」という政治家の存在感である。
かつて民主党・鳩山由紀夫代表が小沢氏と手を結ぶ前に言っていた言葉に、「永田町から“小沢的”なるものを抹殺しなければならない」という言葉がある(弟の邦夫氏談)。

私も、当時の由紀夫氏の気持ちと同じである。永田町に「小沢菌」なるものがある限り、日本の政治構造は腐敗の一途をたどることとなる。
小沢氏にとって、政治とは国民を守るもの、救済し支えるものではなく、あくまで自分自身の権力闘争ゲームなのだ。小沢氏が意地になって「政権交代」を唱えていたのは、国家国民のことを思ってのことではない。あくまで自分自身の道楽を成就させたいからである。

はたして、このままで民主党を中心とした「鳩山政権」は、待ったなしの危機的な日本政治を建て直してくれるのだろうか。この国を良い方向へ再構築してくれるのだろうか。
私は、このままでは、小沢氏による「二重権力構造」が堂々とはびこることとなり、国民の暮らしは、ひとりの政治家を中心とした権力闘争に利用されるにすぎなくなると思っている。このままでは危ないのだ。

自民党があまりにも不甲斐ないから、今回の選挙で有権者は「一度やらしてみよう」と民主党に票を投じた。民主党の政策に矛盾点があることも、有権者は知っている。その上で、自民党が本気を出す政党になるためにも、有権者は民主党に票を投じたのである。
今回の選挙をきっかけに、日本に米英両国のような「二大政党制」が訪れたのであれば、私はそれも悪いことではないと思う。もちろん、二大政党制にも問題点はあるから、第三党や第四党の存在意義も重要になってくる。それを踏まえた上で、私は「二大政党制」も悪いものではないと考える。

しかし、二大政党制が実現したというのであれば、大事になるのは、片方が政権を担う与党となった時に、もう片方が、いかに未来に対してビジョンある政策を打ち出す政党になることができるかということだ。
国民一人ひとりが「私は民主党」「私は自民党」と支持政党を抱くことができてこその二大政党制でもあると思う。「どちらも大嫌いだ」という無党派層が大多数を占めるような状況では、それは真の二大政党制の到来とはいえないだろう。

これからのこのブログでは、私がかねてより取り上げてきた「自民党」「自民党宏池会(保守本流)」をめぐる動きを引き続き取り上げつつ、新たに発足する「鳩山政権」の対応に是々非々で向き合っていこうと思う。このブログが、みなさんが民主党と自民党、はたしてどちらの政党がより政権政党にふさわしいかを考えるためのヒントとなれば、と考えている。
「自民党」関連でいえば、まずは、18日告示の自民党総裁選をめぐる動きだ。現時点で、有力者の名前もちらほら挙がってきている。「野党・自民党」の総裁の誕生は、河野洋平氏就任時以来、これで二人目だ。さて、「新生自民党」はどの総裁でスタートするか――。まずはそれを観察していきたい。
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2009年07月21日

津島雄二会長“政界引退”表明! 後継会長は額賀氏しかいない!?

温存しすぎて、「あの人は今」みたいな状態になっても困り者だ。

津島雄二衆院議員 政界引退へ、後継候補触れず 会見で

20090719_y_tsushima.jpg(C)毎日新聞

 自民党津島派会長で党税制調査会長の津島雄二衆院議員(79)=青森1区=が19日、青森市の事務所で記者会見し、次期衆院選には立候補せず政界から引退することを明らかにした。派閥会長の後継者については「お任せする」と述べた。同党の派閥会長が後継者のはっきりしないまま政界を引退するのは異例。津島派は田中派、竹下派の流れをくむ名門派閥でもあり、自民党の派閥弱体化を象徴する引退といえそうだ。

 津島氏は旧大蔵省出身で、76年に初当選し11期目。厚相を2回務め、橋本龍太郎元首相が日本歯科医師連盟からの1億円ヤミ献金事件で旧橋本派会長を辞任後、05年11月に派閥会長を引き継いだ。

 津島氏は高齢多選批判に自民党への逆風も加わり、次期衆院選で苦戦が予想されていた。会見では「新しい若い人が素直な目で次の時代を開いていく政治をする必要性を強く感じた」と引退理由を説明。青森1区の後継候補については「私の政治哲学を理解する人に引き継いでほしい」と述べた。津島派の船田元事務総長は「寝耳に水で戸惑いを隠せない」とコメント。「(次の次の衆院選で自民党の)世襲制限が始まる前に長男に譲ろうと考えたのでは」(同派幹部)との指摘もある。【後藤豪、山田夢留】

(20日、毎日新聞)

19日、自民党・津島派の津島雄二会長(党税制調査会長)が青森市内で記者会見し、次期衆院選への不出馬を表明、今期限りで政界を引退することを表明した。
津島氏は衆院当選11回の自民党“長老”議員で、大蔵省出身ということもあり財政・税制政策に精通している。かつては宏池会(現古賀派)に所属していたが、厚相を務めた後、1994年に離党、翌年復党。

2005年に発覚した旧橋本派(平成研)での日本歯科医師連盟献金事件を受け、故・橋本龍太郎元首相から派閥会長の座を引き継いだ。“外様(宏池会)”出身である上に“出戻り組(復党組)”である人物が、党内最有力派閥のトップに就任したことは、当時話題を呼んだ。
ひょうひょうとしたキャラクターの持ち主で、政策通であり、また人当たりもよいことから津島氏の悪口を言う議員はあまりいない。しかし、浜田幸一元衆院議員からは「コオロギ」と呼ばれたことがある。

もともと「政局に強い」人物ではなかったが、ソフトでクリーンなイメージから後継会長に選出された。“平成研のニュー・リーダー”である額賀福志郎元財務相が新会長に就任する案も浮上したが、派内で総裁候補として温存するために、結局、その話はお流れになっている。
途中、党内最大派閥の座を町村派(清和会)に譲り渡すなどしたが、党内第二派閥として平成研の存在感を示した。

この時期の政界引退表明について、津島氏は「結論は18日、私1人で出した。相談はしていない。私より政治経験が長い人は党全体でもそうはいないから、相談できる立場じゃない」と語っている。
現在は党内最大派閥ではないとしても、田中角栄内閣発足以来、小泉純一郎元総理の登場まで「自民党の表看板」であり続けた平成研の現職会長が、突然不出馬を表明するとあって、党内の一部には混乱が広がっている。

麻生太郎政権の支持率下落に歯止めがかからない中、「政界引退」を表明するとは、いささか失礼だが“自己保身ゆえの逃亡”のようにも見受けられる。
とはいえ、年齢面などを考慮すると「政界引退」は理解できない話ではない。たとえ麻生政権の支持率が低くなくても、津島氏は政界引退を表明した可能性が高い。
小選挙区の公認候補者については、急きょ公募で選出するという。この公募には、もちろん津島氏の子息も応募可能である。
派閥の後任会長については、額賀氏を軸に今後調整がなされるというが、なにぶん「寝耳に水」(船田元事務総長)な話であったため、選出までに混乱が生じる可能性がありそうだ。

自民党の下野の危機が非常に高まる中で、“総裁候補の温存”を主張するのも虚しい話なのだから、額賀氏は積極的に後継会長に立候補すべきだろう。
額賀氏というのは少し悲しいエピソードをお持ちのお方で、いつも総裁選に出ようとすると「待った」がかかる。青木幹夫前参院議員会長らが額賀氏を寵愛するばかりのことなのだが、額賀氏は“温存”続きをみると、もはやチャンスの芽をもぎ取られているようなものだ。今こそ、「額賀派」を立ち上げて、現在話題に上る党議員たちとは別の側面から自民党の再興に挑むべきだ。
党内第三派閥である古賀派も、先日辞意を表明した古賀誠選対委員長に代わり、同派代表世話人である谷垣禎一元財務相が“派閥の顔”へと変貌する必要がある。ニュー・リーダーを使う時は今しかない。

最大派閥の町村派は、主流派である町村信孝前官房長官と、亜流である
中川秀直元幹事長が水面下で対立する構図が続いていたが、もはや町村派で中川氏が“総裁候補”に祭り立てあげられる可能性は一切ない。
先日の「両院議員総会署名騒動」で、中川氏は党内における“キナ臭さ”ををより一層強いものとしたからだ。そもそも中川氏は今後、自民党自体と距離を置いて活動していくだろう。はたしてその際、同じく町村派の小池百合子元防衛相はどのような動きをみせるか。要注目である。



――さて、インターネット上の自民党広報チャンネルで、こんなコマーシャル動画を見つけた。これがなかなか面白い。
しかし、このような攻撃性の高いコマーシャルを政権与党が野党に対して制作するのをみると、「自民党もここまで来たか」と感じざるを得ない。



他にも、YouTubeには各政党が専門チャンネルを持っている。
実績を長めに堅苦しく伝える公明党、未だに小沢一郎前代表を前面に掲げる民主党、専門チャンネルすら持っていない日本共産党、手ぶれホームビデオカメラ映像中心の社民党――などなど、各政党のカラーが動画チャンネルにも表れていて面白い。

来る総選挙のテーマが何かといわれれば、表テーマは「政権選択」なのかもしれないが、本当は「政権選択」をする前にやっておかなければならないことがある。
それを“裏テーマ”と呼ぶのであれば、それは一つひとつの細かい政策課題である。これを自前で調べ、各政党のマニフェストを比較検討することは地味な作業だ。しかし、それはさりとて難しい作業ではない。
たしかに、コマーシャルや議員のテレビ出演の印象で「支持する政党」を決定してしまうのは楽だ。直感で判断できる。しかし、もっと大事なのは“第一印象”の向こう側なのであって、我々はマニフェストを読む必要がある。

実績について、これらは本当に正しい政治対応だったのか。政策について、はたして書かれていることは実現可能か。
マニフェストを比較検討するという、一見面倒くさいことをしなければ、二大政党制など“飽きたから政権変えちゃいましょうゲーム”以外の何者でもなくなってしまう。
大事なのは、政治家の言葉の“裏”であり、マニフェストの“裏”なのだ。「後悔した」と思った時には既に時遅し、日本の未来は再構築不可能になっていた――なんてことがないように、せめて各政党の主張のエッセンスだけは調べてみるようにしませんか。

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公明党

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2009年07月19日

「故人献金」と「外交安保」 不安要素あふれる民主党

ちょっとした気分転換のつもりで、現在の民主党に政権交代させるのは危険すぎる。

麻生首相:21日午後に衆院解散 自民両院総会は開かず

 麻生太郎首相は16日、21日午後に衆院を解散する意向を固めた。同日午前、自民党所属国会議員による議員懇談会を開き、東京都議選など地方選での敗北を総括した上で、衆院選に臨む自らの方針を表明する。自民党の中川秀直元幹事長らは、解散前の両院議員総会の開催を求めてきたが、麻生首相は予定通り、「8月30日投開票」の日程で衆院選を断行する。

 政府高官は16日夜、両院議員総会の代わりに非公式な議員懇談会を21日に開くことを明らかにした上で「麻生首相が党所属議員に対し、都議選などの敗北を総括し、衆院選に向けて党内が一致協力し、全力を挙げるよう呼び掛ける」との見通しを明らかにした。

 自民党執行部も、両院総会を開催して中川氏ら「反麻生」勢から首相批判が相次ぐと、党のイメージダウンにつながると判断。総裁選前倒しの動議など不測の事態を招きかねない総会開催は見送る方針を固めた。中川氏らは16日、両院総会開催を求め、党所属国会議員133人分の名簿を提出。同日午後には一部を差し替え、計135人に達したと発表した。だが党執行部は各議員の意思を確認しており、若林正俊両院議員総会長は「(総会開催に必要な128人を)割るかもしれない」と述べた。

 中川氏らはなおも両院総会開催を求めているが、名簿に名前を連ねた津島派の佐田玄一郎元行政改革担当相や三原朝彦衆院議員は、署名を取り下げる意向を示している。

 自民党の菅義偉選対副委員長は16日、都内で記者団に対し、東京都議選の自民大敗を踏まえ「都議は『もういいかげんに、党内で一致結束してくれ』と言っている。選挙を預かるものとして、配慮しなければだめだ」と指摘した。

 自民党町村派の町村信孝前官房長官は16日夜、都内の会合であいさつし、中川氏らの動きについて「麻生首相を支えながら、一致結束して厳しい選挙を勝ち抜くことが必要な時に、ばらけたことを国民に見せようという動きは残念至極だ」と批判した。

(17日、毎日新聞)

久しく更新が怠り、このブログにおける記事の書き方も半ば忘れてしまった。
しかし、その間にも国内外を問わず、政治ニュースとして多くの話題が振り撒かれた。
時系列順に、民主党・小沢一郎代表辞任、同党・鳩山由紀夫代表就任、鳩山邦夫前法相辞任、埼玉県知事選、自民党・古賀誠選対委員長から宮崎県・東国原英夫知事への衆院選出馬打診、東京都議選、麻生太郎首相「解散予告」、古賀氏辞意表明、自民党両院議員総会の開催をめぐる騒動――などである。

麻生政権が支持率を低下させ、世論の自民党への不信が絶対的なものとなり、相対的に民主党が支持を獲得している。そのことは、東京都議選の結果をみても明らかだ。
もはや「次の政権」は民主党政権になるものだとのムードが世間全体に広まり、常識化している。8月30日(日)の投開票が確実視される総選挙(衆院選)を控え、この文章を書いている現在、「次の政権の座」に最も近い政党は民主党である。1993年以来16年ぶりとなる「非自民政権」が誕生しつつある。

過去、民主党の問題点などをこのブログでも指摘してきた私としては、今なお「民主党政権」には重大な問題点が存在すると指摘せざるを得ない。
民主党はいつまでたっても結党時、あるいは旧自由党との合併時と比較して成長していない。それどころか、小沢前代表(現在は代表代行)の「西松献金」問題、鳩山代表の個人献金偽装問題など“政治とカネ”をめぐる問題点ばかりを露呈している。

また、マスメディアでは自民党内の混迷ぶりばかりが伝えられ、結果、民主党が次期政権の担い手にふさわしいとされるが、肝心の「マニフェスト」については、そのほとんどが本当に実現可能かなど検証されていない。
「政策よりも政局」を伝えるほうがたやすいので、それも一面では仕方のないことなのかもしれないが、ここまでくるとニュース・バリューの選別(どのニュースを重点的に取り上げるか)を超越していると感じざるを得ない。民主党の広報チャンネルと化したごときだ。



鳩山代表の個人献金偽装問題については、「故人」献金問題とも称されている。
これは、鳩山代表の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」が政治資金収支報告書に、すでに亡くなっている人を個人献金者として記載していたという問題だ。18日、同様の事例が、鳩山代表の政党支部「民主党北海道第9区総支部」でも見つかった。

鳩山献金偽装で政倫審…民主欠席、うやむやに?

 衆院政治倫理審査会(政倫審)は17日午前、鳩山民主党代表の資金管理団体の個人献金偽装問題について、審査の開始を与党の賛成で議決した。

 民主党委員は欠席した。与党側は鳩山氏本人の弁明を求めたが、政倫審の出席に強制力はない。民主党は国会で審議拒否に入っており、鳩山氏も応じない姿勢のため、審査は行えずに終了する見通しだ。

 審査会は、与党委員の申し立てで開かれた。自民党の小此木八郎衆院議員は申し立ての趣旨説明で、「疑惑がある以上、鳩山氏本人が政治資金の実態を正確に把握し、政倫審において速やか、かつ明確に弁明すべきだ」と述べた。

 審査会が議員本人からの申し出によらず、政倫審委員の申し立てで開かれたのは初めて。公明党の漆原良夫国会対策委員長も17日、記者団に「鳩山代表自ら積極的に国民の前で説明する必要がある」と指摘した。

(17日、読売新聞)

鳩山代表の政党支部も「故人献金」16万円

 民主党代表の鳩山由紀夫氏が代表を務める「民主党北海道第9区総支部」が、2001年の政治資金収支報告書に、既に亡くなっていた男性から16万8000円の寄付を受けたと記載した疑いがあることがわかった。

 鳩山代表の資金管理団体「友愛政経懇話会」でも、「故人献金」などの虚偽記載が既に判明している。

 北海道公報などによると、同総支部が01年に受けた5万円以上の個人献金は18人で計506万円。この中に、登別市議ら6人の名前で各16万8000円を寄付したとする記載があったが、うち1人は、00年3月に亡くなった元市議の名前になっていた。

 元市議の妻は「生前は寄付をしていたと聞いていたが、亡くなった翌年になぜ寄付の記載があるのかわからない」と話している。同総支部の現在の会計責任者は「古いことなので確認のしようがなく、コメントできない」としている。

(18日、読売新聞)

虚偽献金、知らぬはずない=「兄は黒いハト」−鳩山前総務相

 自民党の鳩山邦夫前総務相は18日、三重県鈴鹿市で講演し、兄の鳩山由紀夫民主党代表の虚偽献金問題について「(兄は)黒いハトと言われる理由がある。うそで固められた政治資金収支報告書を作っておきながら、秘書がやったと言って責任転嫁する。兄と秘書は仲が良くて一体で、知らないというのは通用しない」と述べた。

 鳩山氏は津市での講演でも「黒いハトは死んだ人から政治献金をもらう器用さを持ってる。本当はもっと(実態を)知っているが、兄弟愛が少し残っているのでこれ以上は言えない」と語った。

(19日、時事通信)

当初は「単なる誤記載」で逃げ切れると思っていたようだが、嘘を正当化するためにまた嘘をつけば、余計嘘はバレやすくなるものである。
ここにきて民主党は「衆院政治倫理審査会への欠席」という最終手段に打って出た。まともに本当のことを話せないから、政倫審自体に出席しない。やはり、これでは民主党は政権政党になり得る資格がないと感じる。



次に、民主党が主張する「マニフェスト」についてだが、過去にもこのブログにおいて、民主党が“財源を無視した美辞麗句”ばかりを主張していることに変化はない。
同時に、民主党が政権政党の座に近づくとして、今後、日本国民の命をも巻き込む問題として浮上するのが「外交・安全保障」政策である。
党内の意見を統一できないゆえに、その場その場で場当たり的な策を講じる姿勢をみると、非常に大きな不安感を抱いてしまう。
例えば、日米安保に賛成の立場の人々には「これから米国と深い連携を取ります」と謳い、反対の人々には「これからは米国と距離を置きます」と述べる。

選択の手引:’09衆院選 民主、海賊法案反対の裏で… 船員組合に成立示唆

 海上自衛隊を東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策に派遣する海賊対処法。自衛隊派遣に慎重姿勢だった民主党は4月21日、与党に自衛隊派遣を条件付きで容認する修正案を示した。だが細かい点で与党との修正協議は折り合わず、最終的に決裂。政府案は6月19日、衆院で与党の3分の2以上の賛成で可決され、民主党は反対に回った。

 民主党修正案の主な柱の一つは、自衛官に「首相主導の海賊対処本部(新設)」の身分も持たせて派遣するというものだった。

 自衛隊派遣に難色を示しながら事実上容認する、不可解な修正案が生み出されたのは、党の支持母体である連合の傘下組合「全日本海員組合」(組合員2万5000人)の要求を踏まえてのことだ。

 「党幹部が『憲法の範囲で、自衛隊が海賊を取り締まるのはやむを得ない』と言っている」。商業用船舶の船員で構成される同組合の藤沢洋二組合長は4月中旬、民主党関係者から告げられた。

 同組合は海賊対策で船員の人命保護を優先し、与野党に自衛隊派遣を認める法制定を求めていた。藤沢組合長は、「我々は有力な産業別労働団体。発言力がある」と胸を張った。

    ◇

 政府案に反対しながら、水面下では支持母体の要求であいまいな修正案を提出した民主党。民主党の外交安保はどこへ向かうのか。<9面に「民主政権」研究 外交・安保編>

(18日、毎日新聞)

民主党は、はたして外交・安保問題をどのように捉えているのか。外交・安保政策を真剣に考えているのか。党としてまとめられている政策にも疑問点は多く、矛盾を多く抱える内容ばかりだ(詳しくは、毎日新聞の特集を)。
このような政党に不信感を感じるのは当然のことだ。民主党は日に日に、旧新進党のような雑多性を際立たせている。

民主党が次期政権を担う資格を持つかどうかは、来る総選挙で国民一人ひとりが判断することだが、その際、何度も言うようだが重要なのは「政策の中身」であって「イメージ」ではない。
「もう自民党政治には飽きた」「日本が変化してほしい」という理由だけで、政権政党の座を野党に移すことが正しいのかどうか。
「一度やらせてみて、ダメならまた政権政党を変えればいい」という声も、ずっと前からよく聞く。はたして今、日本にそれだけの余裕はあるだろうか。与党と民主党のマニフェストを比較した上で、その結論を出してほしい。

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2009年03月04日

このタイミングに小沢代表秘書が逮捕された本当の理由

「金丸金脈」を受け継いだ小沢氏。ついに小沢氏側が西松建設に献金を請求した事実も明らかに。

小沢氏秘書逮捕 金丸氏から託された縁

20090304_ozawa_01.jpg(C)産経新聞

 民主党代表の小沢一郎氏と、準大手ゼネコン「西松建設」(東京)の癒着が3日、浮き彫りになった。西松と政界との関係をたどると、小沢一郎氏が“後継者”とされた自民党元副総裁の故金丸信氏との付き合いが原点とされる。政界再編の度にキーマンとされてきた“豪腕・小沢”側がなぜ西松側から長年にわたって巨額の献金を受けてきたのか。東京地検特捜部は今後、実態解明を進めていくもようだ。

 西松建設の2つの政治団体は、平成16〜18年の3年間で、与野党の国会議員19人の政治団体などに対して献金を行っている。

 小沢氏以外の議員に対する主な献金は、自民党の尾身幸次元財務相の資金管理団体「幸政会」に対し400万円、自民党の森喜朗元首相の同「春風会」に対し300万円、民主党の山岡賢次国対委員長の同「賢友会」などだった。

 こうした中で、小沢氏は資金管理団体「陸山会」が1400万円、代表を務める政党支部「民主党岩手県第4区総支部」が1000万円と突出していた。

 ある検察幹部は「ほかの議員は、パーティー券の購入が主だったり、献金時期が盆暮れに集中するなど儀礼的な傾向が強い。小沢氏の長年にわたる献金は、金額や献金時期においても際立っている」と小沢氏側の立件の意義を話す。

 西松建設と小沢氏の親密な関係が始まった背景には、小沢氏の“後見人”とされた自民党元副総裁の故金丸信氏の存在があった。「竹下派七奉行」の中でも小沢氏を特に重用した金丸氏が47歳の若さで小沢氏を自民党幹事長に推したエピソードはよく知られる。

 金丸氏の次男が、昭和40年代後半から西松の社長だった杉本三吾氏の娘と結婚しており、当時の状況を知る同社関係者は、「金丸氏から西松を託されたのが小沢氏だった」と話す。

 金丸氏一辺倒だった西松の“政界人脈”は、同氏の平成4年の政界引退とともに、小沢氏支援へと傾倒していった。西松元社員は「東北では小沢さんが建設に強く、何でも指導力を発揮するので、小沢さんの力を借りたいという動きはあった」と語る。また別の社員は「スーパーゼネコンが仕切っていた談合が6年前ごろからなくなり、業界内の付き合いで与えられる仕事がなくなった。その結果、小沢さんに頼る傾向が強くなった」と明かす。

 西松側は、違法献金が問題にならないよう、献金の原資を社員にいったん会費の形で負担させた後、会社側が全額負担するなど巧妙な手口を使っていた。

 社内では、献金システムを発案したとされる前社長の国沢幹雄容疑者ら一部の幹部以外、使途先などは一切明らかにされず、トップシークレットだったという。会費を払ったことがある西松社員は「上司に頼まれて、断れなかった。何のために使うのか、説明されなかった」。別の社員は「将来の出世に影響すると思い、妻と2人分を支払った。支給総額が10万円ほど多かったが、総額しか書かれておらず、本当に上乗せされていたのか分からない」としている。

 一方、こうした「賞与上乗せ」のほか、社員の名前を使って献金する「名義貸し」のパターンがあったことも新たに分かった。名義貸しに加担した社員は「上司に『名前を借りるよ』といわれ、後日、政治家の事務所から領収書が送られてきた」という。

 複数の同社関係者は「政治献金をコントロールしていたのは国沢容疑者だった」と証言している。

(4日、産経新聞)

きょう(4日)午前9時前、民主党の小沢一郎代表は民主党本部に入り、役員会を開いた後に記者会見を開いた。
会見で小沢氏は「今回の検察の強制捜査は、従来からのやり方を超えた異常な手法。政治的にも法律的にも不公正な国家権力、検察権力の行使だ」と述べ、公設第一秘書の逮捕は、政府・与党から検察権力に圧力をかけたものであるとの主張を繰り返した。
また、自身の代表続投を明言し、国民などへの謝罪の気持ちについて問われると、「今、お詫びをするという意味においては理由は見当たらない」と謝罪を拒否した。

小沢氏の会見を受け、民主党の渡部恒三最高顧問は「俺は、同じ党の同志として、彼の今日の記者会見の発言を信じる」と述べた。
鳩山由紀夫幹事長は「むしろ検察側に、この根拠を国民にしっかりと示す、むしろ彼らの方に説明責任があると、そのように感じます」と話した。
しかし、党内のある議員からは「検察は他に裏の情報があるのかな」「これ以上、何も出て来なければいいけど」といった声が聞かれた。

一方、自民党議員らからは、小沢氏の姿勢に疑問を投げかける発言が相次いだ。
自民党の町村信孝前官房長官は、民主党幹部らが「国策捜査」などと反発していることについて「許しがたい。民主党が政権を取ったら、どんどん国策捜査をやると逆に言っているようなものだ」と批判した。 
中川秀直元幹事長は「ただ、捜査当局への批判と否定だけですからね。やっぱりあの会見だけでは疑問が残りますね」と述べた。
片山さつき衆院議員は「民主党の若い方たちは、それでいいんですかね。他党のことですから私どもが申し上げることではないけど」とコメント。
大島理森国対委員長は「(与党の陰謀や国策捜査ではないかという声もあるが?)全くそういうことはありません。日本の司法・立法・行政の中での確立した中で、そういうことができるものではございません」と語った。

民主党と同じ野党からも、厳しい声が相次いでいる。
共産党の志位和夫委員長は「国策捜査というふうに民主党側から声が上がっていますけども、そういう根拠は示されていないと思います。根拠なくそういう責任を他に転嫁するのは、公党のなすべきことではないと思う」と述べた。
社民党の福島瑞穂党首からも「普通、巨額の金を、というか献金してくれる相手について、通常は私たちの普通でしたら、確認するとか、どういう人かなと思うのではないかと思いますが、これはもう捜査に委ねられているところですから」との意見が出た。

解散・総選挙が取り沙汰される時期に、検察当局が野党の大物政治家の関係者を逮捕することは、普通はない。そのようなことをした場合、「政府・与党による国策捜査ではないか」との“陰謀説”が立ってしまうからだ。逮捕や強制捜査は選挙後に行われるのが通常である。
しかし、検察側はあえてこのタイミングを選び、小沢氏の公設第一秘書を逮捕した。それはなぜか。大きく分けて2つの理由があると思う。

一つは、逮捕された小沢氏秘書・大久保隆規容疑者に問われている一部の容疑が、今月末に時効を迎えるからだ。献金額の多さなどから、検察は小沢氏の事件を特捜部として見過ごせない悪質な事件だと判断したのだろう。特捜部の覚悟を感じる。
もう一つは、大久保容疑者が最近、憔悴(しょうすい)しているとの情報を特捜部が掴んだためである。先月(2月)24日には、長野県の村井 仁知事の元秘書・右近謙一参事が自殺した。この元秘書は、西松建設の裏金問題で特捜部から事情聴取を受けていた人物である。事件の“最重要人物”の自殺を防ぐ面からも、検察はあえてこの時期に動いたものとみられる。

検察側が逮捕に踏み切った背景には、検察側の「絶対の自信」がある。
関係者の話によると、逮捕された大久保容疑者は、問題の政治団体から献金を受ける際、請求書を政治団体に対してではなく、西松建設に対して送っていたという。これは、大久保容疑者が、西松建設からの違法献金だったことを認識していたことになる。
大久保容疑者が西松建設側に政治献金を依頼した上で、献金先の団体についても西松建設の本社と直接連絡を取り合って決めていた疑いがあることも分かっている。
また、西松建設の関係者が、特捜部の事情聴取に対して「西松建設は、他の社に比べて、公共工事の受注で東北地方が弱かった。東北地方に影響力を持つ小沢代表の力に期待し、献金を続けた」という趣旨の話をしているという。
特捜部は、献金の見返りに何らかの便宜供与がなかったかなどについても、慎重に調べる方針だ。

上記に掲げた産経新聞の記事を読んでもらえば分かる通り、小沢氏は故・金丸信元自民党副総裁に寵愛された政治家である。
西松建設は、金丸氏の政界引退後、「西松建設と金丸氏のつながり」を「西松建設と小沢氏のつながり」へとスライドした。小沢氏は、そっくりそのまま“金丸金脈”を継承したのである。今回浮上した、10年間で総額1億8000万円に及ぶ脱法献金は、“金丸仕込み”の献金ルートなのだ。

大久保容疑者から西松建設に対しての「献金依頼」の存在や、西松建設幹部による供述などからも、大久保容疑者が違法性を認識して犯行を行った可能性は極めて高い。
この期に及んで「陰謀・国策捜査だ」などと主張するのは、論理展開としてあまりにも無理があるし、完全な言い逃れである。それを小沢代表以下、民主党の幹部が総じて行っているのだから性質(たち)が悪い。
聞いた話によると、“陰謀”ありきでコメンテーターが議論を展開しているワイドショーなどもあるようだ。元首相ではないが、怒りを通り越してあきれてしまう。“陰謀説”は、政府・与党ならびに検察に対する誹謗中傷以外のなにものでもなく、検察を愚弄するのもいい加減にしてほしい。

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2009年03月03日

小沢代表秘書逮捕! 「陰謀説」「行方不明」の民主党に政権を担う資格なし

都合の悪い事実から逃亡する民主党代表。「陰謀」などという言葉を軽く使う民主党幹部。

西松建設献金で小沢氏公設第一秘書を逮捕 政治資金規正法違反

20090303_ozawa_01.jpg(C)産経新聞

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京)が、政治団体をトンネルにして政界へ事実上の企業献金を続けていたとされる問題で、東京地検特捜部は3日、政治資金規正法違反容疑で、小沢一郎民主党代表の政治団体「陸山会(りくざんかい)」を家宅捜索。小沢代表の公設第一秘書、大久保隆規容疑者や、西松建設前社長の国沢幹雄容疑者ら計3人の逮捕状を取り、2人を逮捕した。

 調べによると、大久保容疑者らは、西松建設のOBが代表を務める2つの団体から計約2100万円を受けていたが、この団体はダミーで、大久保容疑者らはこれが禁止されている企業献金に当たることを認識していた疑いがもたれている。

 西松建設をめぐっては、同社が海外で作った裏金を無届けのまま国内に持ち込んだとして元副社長の藤巻恵次容疑者らが特捜部に外為法違反容疑で逮捕されている。約10億円に上る裏金については、国沢幹雄社長が黙認していた疑いが浮上しているほか、特捜部は一連の家宅捜索で、この裏金を含め不明朗な資金の流れが政治献金などにあてられた疑いがあると見て全容解明を進めていた。

(3日、産経新聞)

小沢氏秘書逮捕 「陸山会」捜索 警察官も出動

20090303_ozawa_02.jpg(C)産経新聞

 民主党・小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」の事務所がある東京・赤坂のマンションには、午後5時15分ごろから2回に渡り、東京地検の係員ら計15人が捜索に入り、資料などを押収した。

 マンションは赤坂の裏通りに位置し、人通りの比較的少ない閑静な一角。住宅のほか、有名人の事務所としても利用されているという。

 50人近い報道陣が建物前に詰めかけ、警視庁赤坂署の警察官が交通整理に出動。騒然とした空気に包まれた。

 マンション内で事務所を構える50歳代の女性は「普段は静かな建物。小沢さんに関連する事務所があることすら知らなかった」と驚いた様子で話した。

 近くで勤務する会社員の男性(64)は「建物前に黒塗りの車が止まっているのを見たことがある。民主も勢いよく自民を叩いていたが、結局は同じということか」と憤りを口にした。

(3日、産経新聞)

緊迫の小沢氏事務所 女性「何もわかりません」

20090303_ozawa_03.jpg(C)産経新聞

 東京・永田町の議員会館内にある小沢一郎氏の事務室前には、午後3時すぎに報道陣が一斉に詰めかけた。

 「小沢一郎」のネームプレートがかかる同館6階の605号室。出入りの多い他の議員事務室に比べて関係者の出入りはほとんどなく、ドアは固く閉じられたまま。部屋の中からは電話に対応する人の声がかすかに聞こえる程度だ。

 午後5時すぎ、事務室から出てきた事務員とみられる女性は、小沢氏の所在などを問う報道陣に「何もわかりません」と言って足早に去っていった。

 午後6時すぎには女性が事務室に入室したが、報道陣から「秘書の方ですか」と聞かれても無言のままだった。

(3日、産経新聞)

民主党・小沢一郎代表の政治団体「陸山会」が、西松建設から違法献金を受けていた疑いが強まり、きょう(3日)、東京地検特捜部は政治資金規正法違反容疑で小沢氏の公設第一秘書らを逮捕した。
調べなどによると、西松建設OBが代表を務める「新政治問題研究会」など2団体の会費は、一部社員が現金で支払い、後で会社が賞与に上乗せする形で補てんする仕組みだった。
このため、2団体からの与野党議員や首長に対する献金は実質的には西松建設による「脱法献金」だったと指摘されていた。「社員→政治団体→陸山会」の形だと称しておきながら、実際は「会社→陸山会」だったのである。特捜部は、複数の与野党議員の中でも小沢氏側の受領額が最も多いことなどから、突出して悪質と判断した模様だ。
西松建設側から「陸山会」に渡った金額の総額は10年間で総額約2億円とされる。

民主党本部では当初、今後の国会対応などを協議するために午後2時半から小沢氏ら党三役による幹部会が開かれる予定だった。小沢氏は午後、民主党本部に姿を見せ、執行部のメンバーを前に「まったく問題ない」と述べたという。
小沢氏は午後3時すぎに党本部に姿を見せ、大勢の報道陣を一瞥して、いつも通りの様子で役員室に入って行った。
幹部会後の囲み取材で、鳩山由紀夫幹事長は「小沢代表から『全く心配いりません』という話でありました。すべて自分のお金の出し入れ、すべて明らかにしている方ですから『全く問題はない』と、ご本人がそう申していました」と述べた。
小沢氏はこのように疑惑を完全に否定。鳩山幹事長もまた、「政権与党の陰謀の感じもするので、断固戦いたい」などと“陰謀説”まで主張してみせた。
午後4時すぎ、小沢氏は記者に無言で党本部を後にした。現在は“行方不明”だという。今回の事態に民主党内には大きな動揺が走り、現実味を帯びる政権交代に影響が出ることも予想される。



「小沢氏公設第一秘書逮捕」を受けて、与野党の反応は以下の通り。


(民主党)

小沢氏の側近である民主党・山岡賢次国対委員長は「仕組まれた陰謀ですよ。そういう、手段を選ばず選挙に勝ちたいと、党が生き残りたいと。ここまでくると、こういうことをやるようでは、末期症状だと思います」と、鳩山氏同様、まさかの“陰謀説”を主張している。
民主党の輿石東参院議員会長は、「別に問題ないでしょう」とアッケラカンに話した。専門用語でいうところの「危機認識の欠如」が露呈されている。
ある民主党幹部は、「選挙には影響が出る。特捜部はやりすぎとの批判を受けるんじゃないか」と述べている。
また別の民主党議員からは、「官邸がやったに違いない。あとで国策捜査とわかったら、大変なことになるぞ」と強気の発言も飛び出している。
参議院民主党の幹部は「家宅捜索が行われたら、ただでは済まない。そのタイミングで解散を打たれたら万事休すだ」と述べるなど、民主党内には動揺が広がっている。


(自民党)

自民党の細田博之幹事長は「事実は司直の手で今後明らかになる。小沢事務所に強制捜査が入ったということは、(東京地検に)ある程度の心証があると思うが、コメントは控えたいと思います」と、現時点でのコメントは差し控えつつも、東京地検には「心証」があるのではないかとの見方を示した。
加藤紘一元幹事長(無派閥)は「やっぱり(影響は)大きいと思いますよ。いずれにしても、これでまた政治に対する信頼が、ぐらつきますね」と述べた。
平沢勝栄衆院議員(山崎派)は「私は、(小沢氏は)説明された方がいいと思いますけどね。与党が例えば『敵失』を喜ぶとかいうことは、万が一にもあってはならないと思いますよ」と話した。
自民党の若手議員も、今回の逮捕についてコメントしている。
柴山昌彦衆院議員(町村派)は「政権を担おうとする政党の代表であるわけですから、しっかりと国民に対して納得のできるような形で、説明責任を果たしてもらうしかないと思っています。解散の時期が左右されるということは、十分あり得ると思います」との見解を示した。
水野賢一衆院議員(無派閥)は「今、民主党代表だというだけじゃなくて、場合によって、総選挙後に内閣総理大臣になるかもしれないという政治状況の中で、当然、その人が疑惑に対して説明責任を果たさなきゃいけないというのは当然だと思います」と話した。
自民党内からは「小沢氏は代表を辞任するしかないんじゃないか。小沢氏が代表を辞任して、代表選挙になったところで解散するのも手だ」といった話も出ている。


(公明党)

公明党の北側一雄幹事長は「事実関係について、まずはきちんと説明していただくこと。説明責任を果たしていただくということが大事」と話した。



現時点では、小沢氏の公設第一秘書が実際に違法行為をしたかどうかは断定できないし、逮捕された秘書は犯行を否認している。
しかし、今回、改めて明らかになったのは、小沢氏が“ネクスト総理”の器を持つ政治家ではないということと、民主党に政権を任せることなどできないということだ。

小沢氏は、きょう(3日)午後4時すぎに民主党本部を出たあと、行方がわからない状況となっている。小沢氏は党本部を出る際、記者団の質問には何も答えず、警護官に守られるようにして出て行ったという。
政府・与党に少しでも疑惑が生じた際には、説明責任を果たすべきだとの声の前に「まずは辞任だ!」などと声高に叫ぶ民主党だが、自分のところの代表は、都合の悪い事実から“逃亡”している。「ネクスト総理が行方不明」などということであれば、それこそ国内外に大きな悪影響が出ることすら分かっていないのか。
あえて付記すれば、小沢氏は自分に都合が悪くなると、すぐに姿を隠す政治家である。自民党離党の際もそうだった。“逃亡”“行方不明”は、小沢氏の十八番なのである。

「逮捕は政府による陰謀だ」などと主張し、なぜか逮捕者を出した小沢氏を擁護してい民主党幹部も、異常だ。鳩山幹事長、山岡国対委員長はいとも簡単に“陰謀”などという言葉を使った。
政府の陰謀により検察が動き、逮捕者を捏造するなど、あまりにもあきれた話であり、こんなことを「政権準備政党」(自称)の幹部が述べるとは、日本の政治の成熟度が疑われる。私見を述べれば、鳩山氏と山岡氏に国会議員を続行する資格はなく、即刻、中学生にでも議席を譲るべきではないだろうか。

“ネクスト総理”の公設第一秘書が逮捕され、事実関係が明らかにならないうちから小沢氏を擁護し、政府による「陰謀説」まで主張している民主党。
もしこれが“陰謀”だとしたなら、小沢氏批判を展開せず、事実を冷静に見守る姿勢を示している、麻生内閣の河村健夫官房長官や自民党の細田博之幹事長は何なのだろう。与党幹部の反応を見た上で、「これは陰謀だ」などと声高に叫ぶ鳩山氏や山岡氏は、政治家というより人間として問題があるのではないか。

民主党内の一部の“良識ある”議員からは、「小沢代表は辞任すべきだ」との声も出ている。何しろ、党代表の公設第一秘書が逮捕されたのだ。この代表を総理にするために数年間働いてきたのが、「こんな人物に総理を任せられるか」というムードになってきた。国民の怒りも相当強いのではないか。
事実関係は、今後、司法が明らかにしてくれると確信しているが、小沢氏に“ネクスト総理”になる資格はないこと、そして民主党に政権政党に資格がないことは、現時点で間違いなく断言できる。

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2009年02月22日

谷垣元財務相が代表質問 党内からは「谷垣首相」期待の声も

“ポスト麻生”をめぐり、谷垣グループの議員たちも遅れを取らないよう必死だ。

<川崎二郎元厚労相>「谷垣首相」に期待感示す

20090206_s_tanigaki.jpg(C)ロイター

 「谷垣禎一元国土交通相には選挙より、自民党総裁選を頭の中においてもらわなければいけない」−−自民党の川崎二郎元厚生労働相は20日夜、東京都内で開いた自身のパーティーで講演し、「ポスト麻生」をにらみ、同じ古賀派に所属する谷垣氏に総裁選出馬への準備を始めるよう促した。谷垣氏は06年総裁選に出馬し、安倍晋三元首相に敗れている。

 川崎氏は自民党内で麻生政権への不信感が強まっていることを指摘。「なるべく早く、その日が来ることを期待したい」と、「谷垣首相」への期待感を示した。【三沢耕平】

(21日、毎日新聞)

16日、自民党の古賀誠選対委員長は名古屋市内で開かれたパーティーであいさつし、郵政民営化などに関連して麻生太郎首相を批判した小泉純一郎元首相について「『真っ正面から鉄砲を撃った』と煽る人がいたが、まるで至近距離から鉄砲を撃ったようなものだ」と強い口調で批判した。
同席した谷垣禎一元財務相(前党政調会長)も「麻生首相の下で結束すべきで、小泉元首相といえども発言には注意してもらいたい」と述べた。
平成20年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算で12.7%減になったことに関しては、谷垣氏は「非常に深刻な数字」と話した。

20日午後の衆院予算委員会では、代表質問に立った谷垣氏から、麻生首相に対して苦言が呈された。
谷垣氏は「内閣の中にも若干、気の緩みがあるのではないか、こう思われることがございましたし、また、政権を支えて頑張らなくてはならない与党の中にも、若干、不協和音があるのが現状であります」と述べた。
これに対し、麻生首相は「まずは景気回復。私どもは、この一点に絞って今後、懸命に努力をしていかなければならない」と応じた。
この日の予算委員会では、谷垣氏が「麻生総理のふるまいは、100年後であろうと、必ずあの時、日本の政治がどうだったのかと。一番問われるのは総理ご本人だと思います」と強調する場面もみられた。

そんな中、旧谷垣派(現古賀派)幹部であり谷垣氏の側近である川崎二郎元厚労相が、20日夜開いた自身のパーティーで「谷垣首相」への期待感を示した。
谷垣氏は2006年総裁選に出馬したが、この時は安倍晋三元首相に破れた。このときの推薦人は、園田博之政調会長代理や後藤田正純衆院議員など、現在、与謝野馨財務・金融担当・経財担当相の支持層と一致している。
2006年総裁選で谷垣氏が政権公約として強調したのは、次の3点に絞られる。
・財政再建
・対アジア外交活性化
・“絆”あふれる地域コミュニティの復活


次の総裁選がいつ行われるかは分からないが、“ポスト麻生”をめぐって党内ではすでに何人かの議員の名前が挙がっており、谷垣氏もこの中に含まれる。
ちなみに、他に名前が挙がっていて、かつ有力視されている“ポスト麻生候補”候補は、与謝野氏、石原伸晃元政調会長、小池百合子元防衛相など。中川秀直元幹事長も、出馬に含みを持たせた発言をしている。
私個人としては、野田聖子消費者相の閣議後会見をいつも面白いと思っているので、これを今後もう少し見てみたいなとは思っている。野田氏のことを、私はかつてこのブログで厳しく非難したが、現時点では“野田アレルギー”は皆無だ。

早くも、“ポスト麻生”をめぐって錯綜を始めた自民党内の動き。
そんな中、昨日(20日)行われた谷垣氏による代表質問は、「コップの中の争いごと」をしている場合ではないという危機意識を強調したものだったといえよう。
自民党は一度支えると決めた総理のことでゴタゴタしている時ではないし、小泉元首相の“欠席”発言などという次元の低いものに影響を受けている場合でもない。
選挙に向けたパフォーマンスや政局劇なんかいらないのであって、もっと“当たり前”の政治を実現してほしい、というのが国民の共通意識ではないか。

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2009年02月14日

“小泉発言”に永田町が衝撃 …しかしすべてはシナリオ通り?

小泉元首相の発言に、あれほど森元首相が不快感を示している理由とは?

<小泉発言>古賀誠氏が批判 山崎拓氏は「大勢に影響せず」

 自民党の古賀誠選対委員長は14日、小泉純一郎元首相が定額給付金の財源を確保する08年度第2次補正予算関連法案の衆院再可決に疑問を示したことについて「再可決は党の機関決定を経ている。首相まで経験した方が、政権の足を引っ張る印象を与えるのは慎むべきだ」と批判した。福岡市内で開かれた党福岡県連大会後、記者団の質問に答えた。

 一方、小泉政権当時、党幹事長を務めた自民党の山崎拓前副総裁は、県連大会のあいさつで「郵政民営化という政治課題について、小泉氏の信念を述べたもので、政権批判ではない」と指摘。記者団には「小泉氏本人の採決反対は100%ない。消極的な欠席はあり得るが、大勢に影響しない」と述べ、造反の動きは広がらないとの見方を示した。【田所柳子】

(14日、毎日新聞)

<小泉発言>町村信孝氏も批判 「場違いなタイミング」

 自民党町村派会長の町村信孝前官房長官は14日、北海道江別市で記者団に対し、小泉純一郎元首相の発言について「国会情勢が分かっていないから、場違いなタイミングで発言してしまったのではないか」と批判した。これに先立つ会合では「小泉さんが言ったからといって以前賛成したものに反対する議員はいない。方々手を打っている」と述べ、再可決の際に与党からの造反はほとんどないとの見方を示した。【鈴木勝一】

(14日、毎日新聞)

12日、自民党本部で「郵政民営化を堅持し推進する集い」が開かれ、小泉純一郎元首相や武部勤元幹事長、中川秀直元幹事長、小池百合子元防衛相らが出席した。
この会合で小泉氏は、麻生太郎首相の“郵政民営化見直し”発言について「怒るというよりも笑っちゃうぐらい、もう、ただただあきれている」と厳しく麻生政権を批判した。
定額給付金についても「私は本当にこの法案(補正予算関連法案)が(衆院の)3分の2を使ってでも成立させねばならない法案だとは思っていないんです」と、事実上反対する姿勢を打ち出した。
首相のリーダーシップについては「政治で力を得るには信頼だ。特に首相、首相の発言に信頼がなければ戦えない」と発言した。

この衝撃の“小泉発言”を受け、麻生内閣の河村建夫官房長官は「厳しいお灸を据えられた」「しつけをするとき、殺す気で殴る親はいない」と述べ、小泉氏の首相批判は「親心」との見方を披露。「拳々服膺(ふくよう)しながら難局を乗り切るのが首相の使命だ」と語った。
二階俊博経産相は「群を抜いて存在感と影響力を持つ政治家だ。小泉氏の言うことには慎重に、謙虚に耳を傾ける態度が必要だ」と述べた。
定額給付金に関する小泉発言に対して、麻生首相に近い中川昭一財務相は「一旦(小泉氏も)賛成し、党で決定したものを、今頃反対だと、首相までされた方が言うのは理解に苦しむ」と批判。
野田聖子消費者行政担当相も「最初の採決の時に言ってほしかった」と苦言を呈し、金子一義国交相も「一歩踏み込み過ぎた」と強調した。 

私個人の意見としては、このブログなどで「定額給付金は最大の景気対策だ」などと持ち上げた手前、中川財務相や野田消費者相の発言に賛同する。
中川秀直氏が言うように、政権に注文をつけたり意見を申したりするのは、なんら悪いことではない。なんら悪いことではないが、それは政策決定の過程における話であって、一度、党で決定されたものを「私は本来はこの法案に反対だった」などと言うのは、筋の違う話だろう。

“小泉発言”は、小泉氏による公の場で初めての「@麻生政権批判」と「A定額給付金批判」があったという意味で二重の衝撃を持つものだが、今回の“小泉発言”の引き金を抜いたのは、麻生首相自身である。
麻生首相は、衆院予算委員会で、郵政民営化における郵政公社の4分社化について「私はもともと小泉内閣において郵政民営化に賛成ではありませんでしたので」などと発言した。
小泉氏にとって、郵政民営化は自身の人生における最重要課題である。議員初当選以来、全神経を「郵政民営化」の5文字に注いできたといっても過言ではない。

その郵政民営化に茶々をつけられたというのは、小泉氏にとって気分のよい話ではなかっただろう。
麻生発言は、小泉氏の一番触れてはいけない部分に触れてしまったといえる。TBSの記者などは「麻生発言は、龍の尾ならぬ“小泉ライオンの尻尾”を踏んでしまった」と話している。
小泉氏による定額給付金批判発言についても、これは「麻生憎し」の延長線上に過ぎず、麻生政権に対する「批判のための批判」である。この点、小泉氏は民主党と同等であるといえよう。

ただ、もちろん留意しておきたいのは、政治家の言葉には必ず裏の意味があるということである。
ましてや小泉氏は、2001年党総裁選で「自民党をぶっ壊す」と公言し、下馬評を覆して総裁の座を獲得した人物だ。
2005年には「郵政民営化」というワン・テーマのみで、史上稀にみる選挙戦術を駆使し、「郵政総選挙」にて自民党を大勝に導いた。
小泉氏の発言やパフォーマンスは「ワンフレーズ・ポリティクス」などと揶揄されたが、小泉氏が戦後第3位の長期に渡り、総理の座を維持し続けたのは、ひとえに小泉氏の“発言力”があったからだ。
小泉改革に批判をする方々も、小泉氏が言葉を巧みに使い分けすることのできる政治家であることに異論はないだろう。

今回の“小泉発言”は、実は麻生首相との裏のつながりがあった上での、シナリオ通りの発言だという推測もできる。小泉氏があえて麻生首相の敵役となり、自民党内での攻防をそのまま衆院選に持ち込もうというシナリオだ。
これは前回衆院選(2005年)と同じパターンで、この時は党内の郵政民営化推進派(「刺客」)と反対派(「抵抗勢力」)の争いを前面に押し出すことによって、民主党など他の野党の存在感を埋没させた。
民主党は“蚊帳の外”に追いやられ、自民党による自民党のための総選挙が展開された。「自民党をぶっ壊す」と公約した小泉氏は、実は自民党の救世主だったのである。

もちろん過度な妄想は厳禁だが、“小泉発言”の背景にこうした思惑が隠れているとしてもおかしくはない。むしろ、当選回数12回のベテラン議員が、自身の感情の赴くままにだけ発言していると考えるほうがおかしいだろう。
“小泉発言”を受けての古賀誠選対委員長、山崎拓前副総裁の反応も、すべて想定の範囲内である。
ただし、麻生首相に近い森喜朗元首相が、今回の“小泉発言”に不快感を表明しているのは、ただの演技だけではなく、自身を抜きにして「小泉―麻生」間で党内政局が運営されていること――すなわち、党内“キング・メーカー”の座が自身から小泉氏に勝手に移ろうとしていることに対する怒りがあるからかもしれない。

きょう(14日)午前、その小泉氏は成田発の日航機でモスクワに向け出発した。これは、顧問を務める民間シンクタンク「国際公共政策研究センター」による派遣だ。
ロシア政府やシンクタンク、現地企業関係者らと日露関係をめぐり非公式に意見交換し、20日に帰国する予定である。
「立つライオン後を濁す」の形で日本から去り、さらに次期衆院選では政界から去る小泉氏だが、まだまだ小泉氏による「自民党演出」はありそうだ。小泉氏と麻生首相のダブル主演による“小泉劇場”が再び幕開けするかもしれない。

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2009年02月08日

第一目的は「中川外し」 町村派“お家騒動”の裏側が明らかに

森氏にとって町村氏は一つのカードにすぎず、町村氏を会長にする積極的理由はなかった。

自民町村派 勝者なき抗争 集団指導体制解消

20090207__group_of_machimura.jpg(C)毎日新聞

 自民党町村派内の対立は、町村信孝前官房長官や中川秀直元幹事長らによる集団指導体制を見直し、町村氏の会長昇格で決着した。森、小泉、安倍、福田と4代続けて首相を輩出し、衆参議員89人を擁する最大派閥の揺らぎ。その背景を検証する。【犬飼直幸、高山祐、近藤大介】

【関連記事】自民党:町村氏派閥会長に復帰…中堅・若手の反発根深く

 「いずれ中川は再び動き出すぞ。今やっておいた方がいい」

 今月2日夜、東京・赤坂のホテル。町村派最高顧問の森喜朗元首相は、町村氏と同派相談役の安倍晋三元首相に、派閥人事の見直しを迫った。混乱を懸念する町村氏らは当初、慎重だった。安倍氏は「中堅・若手には、衆院選まで体制を変えない方がいいとの空気が強い」と伝えたが、森氏は自らの派閥退会まで持ち出し、人事断行の決意を示した。森氏は翌3日に福田康夫前首相、4日には町村、中川両氏とともに代表世話人を務める谷川秀善参院議員らと相次いで会談。主要幹部に根回ししたうえで、森氏は中川氏にも会談を申し入れたが、中川氏は応じなかった。派閥総会が開かれた5日、町村氏は総会前に森氏に電話し「中川氏と会ってから人事案を示した方がいい」と再考を促したが、森氏は「あいつは面会を拒否した。今日の総会で言う」と押し切った。

   ■  ■

 森氏と中川氏の間にすき間風が吹き始めたのは昨年夏。中川氏が衆院選後の政界再編をにらみ、「派中派」の動きを強めたことがきっかけだった。経済成長と財政再建を優先する「上げ潮路線」の勉強会を、中川氏は派内に発足させた。

 森氏の「あまり派手にやらない方がいい」との忠告に、中川氏は打ち明けた。

 「民主党の前原誠司前代表や野田佳彦元国対委員長らと話はついている。上げ潮路線の政策なら、彼らとブリッジ(橋)を架ける新党を作れる」

 選挙結果次第では自民党を割り、新党結成に動くのでは−−。中川氏が漏らした新党構想に、森氏は警戒感を強めた。

 昨年9月の自民党総裁選で、中川氏は小池百合子元防衛相を擁立し、麻生太郎首相支持の森氏との対立は決定的となった。総裁選後、派閥事務所で向き合った中川氏と森氏との間で、こんなやりとりがあった。

 中川氏「一つの会社(派閥)に、3人社長がいるのはおかしいとみんな言っています」

 森氏「誰が言ってるんだ。名前を挙げろ」

 町村派から中川派への代替わりを画策した中川氏の言葉を逆手に取り、森氏は実は昨年末、中川氏を派の顧問に格下げする人事案を作成していた。安倍氏が難色を示したため見送られたが、今年に入り、中川氏が消費税増税問題で麻生政権への批判を強めると、森氏は周囲に「あの時にやっておけばよかった」と悔いを漏らした。

   ■  ■

 派閥総会を翌日に控えた今月4日、町村派の中山泰秀衆院議員から電話で「森さんと会って、手打ちした方がいい」と説得を受けた中川氏は「政策の話をしているだけで、悪いことはしていない」と拒否。森氏も、自重を促す自民党の青木幹雄前参院議員会長(津島派)に「あなたの言うことでも、それだけは聞けない」と断った。

 5日の町村派総会。マイクを握り、中川氏を糾弾する森氏の隣で、中川氏は厳しい表情で黙り込んだ。代表世話人にはとどまったものの降格人事により、中川氏の影響力低下は避けられない。中川氏が連携相手と見た民主党幹部は今、「私は政権交代論者で、政界再編論者ではない」(野田氏)、「全く事実無根」(前原氏)と距離を置く。

 安倍氏は6日、首相官邸を訪ね、麻生首相に町村派の新体制を報告した。かねて最大派閥の政権支援に期待してきた首相は「落ち着いて良かった」と笑顔を見せた。ただ、総会では中堅・若手から異論が相次ぎ、派に君臨してきた森氏の求心力低下も印象づける。2時間以上の総会で、町村氏を評価する意見は出なかった。勝者なき派内抗争。最大派閥の揺らぎは続く。

(7日、毎日新聞)

きょう(7日)の毎日新聞に、自民党・町村派で「町村信孝会長」体制が復帰したことについて、その内幕が書かれている。
上に掲げた記事がそれだが、森喜朗元首相が「町村会長」復帰と「中川外し」に固執したこと、安倍晋三元首相が派閥分裂に危機意識を抱いていること、そして中川秀直元幹事長が派内の若手・中堅から支持を得ている一方、民主党の「政界再編」論者からは距離を置かれていること、などが読み取れる。

通常は1時間程度で終了する町村派の総会だが、今回の総会は2時間以上を要した。
町村氏が森氏の「中川外し」を傍目から静観し続け(町村氏としてはそうする以外になかったのかもしれないが)、森氏も「中川外し」のために町村氏というカードを使用した。
そこに、町村氏が会長になるための積極的理由はなく、あくまでも森氏は「中川外し」をしたかっただけという印象を強く受ける。
なお、あえて言うまでもないが、谷川秀善参院議員が町村派の代表世話人であるのは、町村派トップ人事が政局的な意味合いを持つのを薄めるためである。俗な言い方をすれば「名誉職」ということだ。

昨日(6日)の『NEWS23』では、後藤謙次キャスターが「もともと、町村派の体制を整えることは、麻生首相が森氏に依頼した。しかし、逆に森氏がやりすぎてゴタゴタが生じてしまっては、麻生首相としては“ありがた迷惑”な話だろう」と解説していた。


さて国会は、麻生太郎首相の「郵政民営化には賛成ではなかった」発言で紛糾している。
麻生首相は、郵政民営化に伴う日本郵政グループの4分社化体制の見直しに言及した。現在「郵政民営化に反対」であるというわけではない。
自民党内では民営化推進派が反発する一方、慎重派は勢いづいている。

6日夜、麻生首相は首相官邸で記者団に、4分社化見直しについて「利用している人の利便性、経営の効率性の二つを考える。当然のことだ」と述べ、分社のあり方を含めて議論していくべきだとの考えを改めて示した。
政府では郵政民営化委員会が見直し議論の作業を進めており、自民党もプロジェクトチーム(中谷元座長)を設置して検討。政府と自民党の見直し議論自体は、3月末に決着が出る。

党関係者によると、5日、小泉純一郎元首相は町村派議員に電話し、「麻生氏は郵政民営化に反対していなかった。反対なら(小泉内閣で)総務相をやっているわけがない」と語ったという。
「郵政総選挙」(2005年)当時、幹事長だった武部勤党改革実行本部長も「(麻生首相の発言は)非常に不見識と言わざるを得ない」と指摘した。
「郵政総選挙」で初当選した“小泉チルドレン”らで作る「国民視点の政策を実現する会」が6日に開いた会合では、「首相は慎重に発言してほしい」などの声が相次いだ。
これに対し、民営化慎重派からは「党のPT(プロジェクトチーム)で4分社化も含めてもう一度、議論すべきではないか」との意見が出ている。


――6日、ロイター電子版に「インタビュー:G7で保護主義防止にメッセージを=谷垣元財務相」という谷垣禎一元財務相(元政調会長)へのインタビュー記事が掲載された。こちらは明日以降、詳述したい。
なお、TBS報道番組の行方についても、三雲孝江キャスターの気になる動向についても、今後エントリを書くつもりなので、お楽しみに。


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2009年02月05日

町村派「町村会長」で再始動  古賀派・麻生派は10年ぶりの急接近

自民党内3つの派閥で起きた、「2つの気になる動き」。特に中川氏の行動には要注目だ。

会長に町村氏=中川秀氏は代表世話人続投−自民・町村派

 自民党町村派は5日の総会で、3人の代表世話人による集団指導体制を改め、町村信孝前官房長官を会長に充てることを決めた。最高顧問の森喜朗元首相が提案し、了承された。中川秀直元幹事長、谷川秀善参院議員は代表世話人を続投する。最大派閥(89人)の同派は今後、町村氏を中心に運営され、麻生政権を引き続き支えていくことになる。

 総会では、森氏が「3人代表制は見直したい」と町村氏の会長昇格を提案。一部の中堅・若手から「もっと意見を聞いて決めるべきだ」といった声も上がったが、最終的には拍手で了承された。これを受け、町村氏は「微力だが全力を尽くして頑張る」とあいさつした。 

(5日、時事通信)

きょう(5日)、自民党の各派閥は総会を開いた。
最大派閥・町村派の総会では、最高顧問である森喜朗元首相が3人いる代表世話人の中で、町村信孝前官房長官を「会長」に復帰させるよう提案した。
森氏は「3人の代表世話人という体制はおかしいと考えてきた。町村派なのだから『町村会長』にすべきだ」と発言。
中川秀直元幹事長と谷川秀善参院議員の2人は代表世話人を続投するが、今回「会長」職が新設されることで、中川氏と谷川氏は事実上の“降格”を余儀なくされることとなる。

会合では、この提案に賛成する意見も出される一方で、「衆院選を控えてコップの中の争いをしている場合ではない」という意見や「所属議員の意見も聞かずに、一方的な話であり、オープンな場で時間をかけて議論すべきだ」という意見など、体制の見直しに反対する意見が多く出された。
しかし、派閥事務総長の中山成彬前国交相が「きょうの会合で結論を出したいので、森氏の提案を了承すべきだ」と賛同を求める。
さらに、森氏が「提案した代わりに派閥を離れたいと思う」と述べ、派閥離脱も辞さない構えを見せたことで、最終的に「町村会長」体制が了承された。

もともと町村氏は派閥会長だったが、2007年秋、福田康夫内閣で町村氏が官房長官に就任したことにより、会長職をなくした。
そして中川氏と谷川氏の2人を新たに加えた形で「代表世話人」ポストを設け、集団指導体制を採用していた。
森氏と中川氏はかつて“親子関係”と評されるほど密接な関係にあったが、昨年(2008年)秋の自民党総裁選で、森氏が麻生太郎首相を支持したのに対し、中川氏は小池百合子元防衛相を総裁候補に擁立。以来、すきま風が吹いていた。
2人の関係を決定的に悪化させたのは、先の「消費税率引き上げ時期」明記問題である。中川氏が麻生首相の案を批判したことに、森氏や安倍晋三元首相(町村派相談役)らが反発。
2日夜には、森氏、安倍氏、町村氏の3人が会談し、集団指導体制を見直す方向で協議を行っていた。

新たに派閥会長に就任した町村氏は「中川先生も谷川先生にも頑張って頂かなきゃなりませんし、全員野球でやっていこうと」とその決意を述べた。
今回の「町村会長」誕生は、町村派内における幹部間の衝突が表面化した結果のもので、森氏らは一度は“お流れ”になりつつあった「中川外し」に成功したといえる。
とはいえ、現在は事態を静観している中川氏が、今後どのような動きを見せていくか。このまま黙っているとは思えない。「政界再編」を主張する中川氏が、若手・中堅議員を引き連れて派閥を離脱し、町村派が分裂するというシナリオも予想される。

<古賀派>麻生派の幹部と会合開く

 自民党旧宮沢派(宏池会)の流れをくむ古賀、麻生両派の幹部が4日夜、東京都内の中華料理店で会合を開いた。河野洋平衆院議長の在職最長記録の祝い名目で古賀派が呼びかけた。古賀派内には両派の合流を模索する動きもあり、将来の「大宏池会構想」に向けた布石との見方も出ている。しかし、一方で同派内には麻生政権に批判的な議員も少なくなく、合流実現には時間がかかりそうだ。

 会合には、古賀派の古賀誠選対委員長、谷垣禎一元財務相、麻生派の中馬弘毅元行革担当相、鈴木恒夫前文部科学相ら20人が参加した。【田所柳子】

(5日、毎日新聞)

一方、別の派閥でも気になる動きがあった。
昨日(4日)夜、「総裁派閥」である麻生派の幹部と、党内第3派閥である古賀派の幹部が都内の中華料理店で会合を開いたのだ。
古賀派と麻生派は、もともとは旧宮沢派としてまとまっていたが、旧宮沢派の後継と目された加藤紘一元幹事長をめぐる確執により、麻生派(当時:河野派)は旧宮沢派を離脱。古賀派と麻生派の幹部が会合を開くのは、派閥離脱後初めてで、実に約10年ぶりのことである。
今回の会合が「河野洋平衆院議長の在任最長記録を祝う」という名目で開かれたものだが、人事をめぐり混乱する最大派閥・町村派を横目に、党内政局のキャスチングボートを握ろうという古賀派の思惑が伺える。

会合には河野氏のほか、古賀派から古賀誠選対委員長、丹羽雄也元総務会長、谷垣禎一元政調会長らが出席。
会合後、河野氏は「とても楽しく良い時を過ごしました」と述べ、谷垣氏も「恩しゅうを離れて十数年の時間も経ちましたし、そういう意味では懐かしい顔ぶれ」と笑顔混じりに記者団に語った。
現在の古賀派は、昨年、旧古賀派と旧谷垣派が合流したことにより発足。旧宮沢派(宏池会)は旧古賀派、旧谷垣派、旧河野派(現麻生派)の3つに分裂したが、このうちの2つの派閥が合流したということで、旧古賀派と旧谷垣派の合併は「中宏池会」構想と呼ばれた。
仮に古賀派と麻生派との合流が実現すれば、「大宏池会」構想が実現することとなり、党内第2派閥、80人の大所帯となる。

昨年11月には、古賀派総会で古賀氏が「いっそのこと、為公会(麻生派)と一緒になって、大宏池会になっておけばよかったと思わないでもございませんが――」と語るなど、麻生首相の求心力低下を背景に、「大宏池会」実現化の動きが本格化している。
しかし、今日の麻生派総会で、麻生派の中馬弘毅座長「どこかの派閥と連携したり、一部の派閥と何かコトを起こすようなことは一切致しません」と発言し、古賀派との合流を完全否定した。古賀派内にも麻生派との合流に消極的な意見があり、合流に向けた道のりは未だ険しい。

森―小泉―安倍―福田と4代連続で町村派が「総裁派閥」の座を独占する中、森政権から安倍政権に至るまで“冷や飯”を食らい続けてきた古賀派。
「町村会長」体制で再スタートすることになった町村派は、一致結束して党内最大派閥であり続けられるのか。それとも、派閥分裂の危機は現実のものとなってしまうのか。
結党以来「保守本流」とされてきたが21世紀に入って一度も「総裁派閥」の座を獲得することができないでいる古賀派は、今後の党内政局にどのような影響を及ぼしてくるのか。
これら派閥の動きを、単なる「コップの中の争いごと」と見過ごすことはできない。総選挙後の「政界再編」にも影響を与える可能性が高い。

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2009年02月03日

尾辻質問から考える… 自民党は「野党」になっても魅力を持てるか

日本医師会向けのパフォーマンスという面はある。しかし、この質問から考えさせられる点は多い。

自民・尾辻氏 「下野覚悟で!」首相に迫る

jimin_otsuji_20090130.jpg(C)毎日新聞

 「経営者の視点で改革が進められ、多くの人を失業に追い込んだ。(政府の)規制改革会議は責任をとらなければならない」。30日の参院代表質問で、自民党の尾辻秀久参院議員会長が、野党のような辛口の政府批判を連発し、構造改革路線と明確に決別するよう麻生太郎首相に迫った。

 尾辻氏は規制改革会議と経済財政諮問会議の廃止を迫った後、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制する政府方針も攻撃。「『できません』と素直に言えばいいのに、つじつま合わせで訳が分からないことを言っている」と切って捨て、「乾いたタオルを絞っても、もう水は出ない」と撤回を呼びかけた。

 さらに「野に下るのは恥ずかしくない。恥ずべきは政権にあらんとして、いたずらに迎合すること。毅然(きぜん)と進む首相にご一緒します」と、首相に「下野の覚悟」まで説いた。

 だが首相は「諮問会議などは政策の調査、審議で大きな貢献をしてきた」などとそっけない答弁に終始した。

 質問後、尾辻氏は記者団に「もう少し正面から答えてほしかった」と表情はさえなかった。【野口武則】

(1月31日、毎日新聞)

先月(1月)30日の参院本会議で、麻生太郎首相の施政方針演説に対する自民党・尾辻秀久参院議員会長の代表質問が行われた。
尾辻氏は、「政府の経済財政諮問会議が唱えてきた市場原理主義は間違いだった。規制改革会議も、多くの人を失業に追い込んだ。両会議を廃止すべきだ」と述べ、構造改革路線の全否定を求めた。
「首相! 野に下ることは恥ずかしいことではない」と下野のすすめまで説いたため、野党席からは喝采が起きた。

閣僚席で尾辻氏の代表質問を聞いていた麻生首相は、困惑顔を隠すことができなかった。
「今後とも経済財政諮問会議などでわが国が直面する課題の克服に向け精力的に審議する。内閣の最終的な政策決定は閣議で行う」と回答するのが精一杯だった。
本会議後、民主党の簗瀬進参院国対委員長は「尾辻氏は大変果敢だ。自民党は完全に自己分裂状況に陥った」と絶賛。国民新党の亀井久興幹事長も「自民党内でもそういう考えの人がだんだん増えている」などとべた褒めした。

一方、自民党内からは反発の声が上がった。
安部晋三元首相は講演で「小泉以前に戻そうとする動きは阻止しなければならない」と強調。
山本一太参院議員も「構造改革路線を全部ひっくり返すのは乱暴だ」などと述べた。

尾辻氏は1940年、鹿児島県生まれ。
一度は防衛大学校に入学するが、母の死去により家族を支えるため大学を中退し、仕事を始める。その後、改めて東京大学に入学するが、在学中に海外を放浪し、結局こちらも中退する。
帰国後はルポライターとして活動し、著作が第1回大宅賞にノミネートされたこともあった。
1979年、鹿児島県議会議員選挙に当選。1986年、旧鹿児島1区から衆院選に出馬するが、落選。1989年の参院選比例代表で初当選した。

2004年、第2次小泉純一郎内閣で厚労相に任命され、がん対策に力を入れる。在任中の2005年に「がん対策情報センター」予算の骨格が決まった。
2005年、参院予算院長に就任。2007年の参院選で自民党が敗北したことを受け、青木幹夫参院議員会長(当時)が責任を取り役職を辞任。後任の参院議員会長に就任する。
自民党「患者中心のがん医療を推進する議員の会」会長を務め、2006年に成立したがん対策基本法の制定に尽力した。
昨年(2008年)1月には、がん闘病の末、2007年12月に死去した民主党の山本孝史参院議員の追悼演説を、参院本会議で涙ながらに行う。山本氏は民主党における同法の推進役だった。
現在は、超党派の議員立法に関わることが多い。
医療・福祉関連の政策立案能力、嘘をつかない性格や人柄は高い評価を受けているが、お世辞にも「政局に強い」政治家とは言いがたく、参院議員会長に尾辻氏が就任しても、参院自民党の影響力はさらに低下するだけだ、との意見も存在した。

――尾辻氏が30日に行った代表演説は、内容、口調ともにさながら野党議員による代表質問のようであった。
実は、麻生首相と尾辻氏のあいだには、過去にも一度“いさかい”があった。
昨年11月に麻生首相が講演で「医師は社会的常識が欠落している人が多い」と発言、物議を醸したが、この直後の自民党会議で尾辻氏は「医師会の推薦はいらないっていうんだな」と同僚議員を恫喝したのだ。
その後麻生首相は謝罪したが、自民党の支持団体・日本医師会と自民党の関係はさらに悪化した。
「厚労族」であり、日本医師会に近い尾辻氏としては、今回の代表質問で麻生首相に対して厳しい物言いをすることで、日本医師会に向けてパフォーマンスをする狙いがあったといえよう。

しかし、尾辻氏が指摘した点は、実はとても大事な点でもある。「政権政党」の座を保持し続けるがために存在する、今日の自民党の在り方に疑問符を呈したからだ。
自民党が政権政党であること、すなわち与党であることに最重要の意義を求めてきたことは、過去にこのブログでも多く言及してきた。
「55年体制」で生まれた自民党が結党直後、最大に担った使命は日本を反共化することであったが、米ソ冷戦の終結により「反共化」という最大の使命が持つ意味合いは薄くなる。そして、1993年の非自民政権誕生により、「55年体制」は事実上崩壊。
今日における自民党政権の最大の使命は、与党であり続けることであり、「政権を獲って何をするか」という本来の目的性は失われつつあると言わざるを得ない。「政権与党になる」という手段が目的と化しているのだ。

私個人の意見としては、民主党に政権を担わせたい気持ちは微塵たりともない。「一度、民主党に政権を担わせてみたら」という思考停止に陥った考え方をすることもできない。
しかし、現状を客観的に分析すれば、自民党が野党に転落し、民主党政権が誕生する可能性は極めて高い。民主党に政権の座が回ることは避けられない事態といえよう。

だからこそ、自民党にとって今大事なのは政権を死守することではなく、「自民党らしさ」を打ち出すことなのではないか。民主党には打ち出すことが不可能なような「自民党らしさ」を打ち出すことで、ネガティブに政権政党の座にしがみつくのではなく、ポジティブに政権政党の座を狙いに行くことが大事なのではないか。
それは旧来の懐古的な自民党像を打ち崩し、21世紀型の若いエネルギーあふれる自民党像を創り出すことにもつながる。日本の政治に新風を巻き起こすためには、自民党が一度下野することは決してムダなことではない。それだけのリスクを負うだけの価値はあるはずだ。

日本の政治システムが「内閣」「与党」「野党」などと簡単に分類できないのは、一つに自民党の持つ特性ゆえである。党内派閥間の争いによる「擬似政権交代」。「族議員」による政官連動。そして、これらの要素により続いた「1と2分の1政党制」。
1993年の細川護煕政権誕生は、自民党にとって、政権与党の座に安住し続けた“ツケ”を払わせられたかのように思えた。2009年、「ねじれ国会」の下で迎える総選挙を控え、自民党は再びこの“ツケ”を払わされようとしている。

2005年の「郵政総選挙」で自民党は新たに生まれ変わったわけではなかった――。こう考える有権者たちによる“反乱”が、積極的ではないにせよ民主党政権誕生へ歴史のコマを進めている。
自民党は今度こそ本当に生まれ変わらなければならない。「派閥」「族議員」などのシステムは必ずしも善悪の基準で判断できるものではなく、よい面もあれば悪い面もある。
しかし、いかにせよ旧来の在り方は21世紀には通用しないことはたしかだ。自民党は野党に転落してでも、訴えたい何かを持つことができるか。「野党・自民党」としての魅力を発揮することができるか。
自民党も民主党も、国会で「政治ごっこ」をやっている場合ではない。


<リンク>
尾辻氏の代表質問全文(2009年1月30日) その1 その2
尾辻氏による山本氏への追悼演説
追悼演説動画 前半 後半

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2009年01月30日

町村派で“お家騒動”勃発? 「中川外し」の動き浮上

「政策の町村」が、今回の政局劇で勝利を勝ち取ることができるだろうか。

<中川秀直氏>除外論も 町村派、亀裂拡大も

 消費税増税問題で露呈した自民党最大派閥の町村派の亀裂がさらに拡大しそうな気配になっている。27日夜、東京都内で同派代表世話人の町村信孝前官房長官が町村派の当選1回の議員らと会談した際、町村氏や中川秀直元幹事長ら3人が務める同派の代表世話人について「派の代表が3人もいるのはわかりにくい」などの意見が続出。中川氏を代表世話人から外し、派閥の代表を町村氏で一本化すべきだとの意見が相次いだ。

 一方、麻生政権批判を強める中川氏は同日、朝日ニュースターの番組収録で、消費税増税問題を巡って森喜朗元首相(同派名誉会長)から新聞のインタビュー記事で「反乱だ」と批判されたことについて、「『反乱』という言葉自体が古い自民党の体質から出ているような気がする」と強い不快感を示した。

 中川氏は森内閣の官房長官を務めるなど、森氏と親密な関係だったが、最近は麻生政権に批判的な言動を繰り返す中川氏に森氏が不満を募らせ、関係が冷え込んでいる。【近藤大介】

(28日、毎日新聞)
<中川秀直氏>町村派代表世話人辞めない 「外し」をけん制

 自民党町村派代表世話人の中川秀直元幹事長は29日の派閥総会であいさつし、派閥の集団指導体制の見直し論について「09年度予算案成立に向けて結束しないといけない時に、麻生政権や党に迷惑をかける」と批判した。代表世話人を辞めない意向を強調し、派内の「中川外し」の動きをけん制した。

 町村派は中川氏のほか、町村信孝前官房長官と谷川秀善参院議員の3人が代表世話人を務める。しかし、消費税増税問題などで麻生太郎首相への批判を強める中川氏に対し、森喜朗、安倍晋三両元首相らが危機感を強め、町村氏に一本化する動きが強まっている。

 中川氏は「来るべき選挙のためにグループとしても結束すべき時だ」と強調。柴山昌彦外務政務官も「消費増税についての主張は麻生政権への反乱ではない」と同調した。【近藤大介】

(30日、毎日新聞)

「消費税」問題をめぐり、自民党の最大派閥・町村派で、町村信孝前官房長官と中川秀直元幹事長のあいだに亀裂が生じていることは、先日のエントリでもご紹介した。
町村氏と中川氏はともに町村派の会長級ポストである「代表世話人」で、ちなみに町村派にはもう一名、谷川秀善参院議員という代表世話人がいる。そのことについては、こちらのエントリに詳しく書いた。
町村派は、発足以来、この3名による“集団指導体制”を採用しているのだ。

27日夜、東京都内で、その「代表世話人」である町村氏が町村派の当選1回の議員らと会談した。
その際、町村氏と中川氏と谷川氏の3人が務める町村派の代表世話人について、「派の代表が3人もいるのは分かりにくい」などの意見が続出。
中川氏を代表世話人から外し、派閥の代表を町村氏で一本化すべきだとの意見(=集団指導体制見直し論)が相次いだのだ。

一方、麻生政権批判を強める中川氏は同日、CSテレビ番組の収録に参加。
消費税問題をめぐり、森喜朗元首相(町村派名誉会長)から「反乱だ」と批判されたことについて「『反乱』という言葉自体が古い自民党の体質から出ているような気がする」と、森氏を“逆批判”した。
中川氏は森内閣で官房長官を務めるなど、森氏とは大変親密な関係だった。
しかし、最近は麻生政権に批判的な言動を繰り返す中川氏に森氏が不満を募らせ、関係が冷え込んでいる。

28日夜、中川氏は、都内で山本一太参院議員ら町村派の若手・中堅議員と会談した。
中川氏は会合で「みんなで守ってきた派閥で、派内でもめている時ではない」と、集団指導体制見直し論をけん制した。
一方、町村氏も同夜、都内で町村派の鈴木政二参院国対委員長らと会談。派内のにらみ合いが続いている。

そして昨日(29日)、中川氏は派閥総会であいさつし、派閥の集団指導体制の見直し論について「2009年度予算案成立に向けて結束しないといけない時に、麻生政権や党に迷惑をかける」と批判した。
代表世話人を辞めない意向を強調し、派内の「中川外し」の動きをけん制した。
麻生政権批判をしているその口で、「麻生政権に迷惑をかけてはいけない」と発言するとは、中川氏も相当な肝っ玉の持ち主である。

この会合で、中川氏は「来るべき選挙のためにグループとしても結束すべき時だ」と強調。
町村派の柴山昌彦外務政務官も「消費増税についての主張は麻生政権への反乱ではない」と同調した。
なお、集団指導体制見直し論には、森氏のほか、安倍晋三元首相も賛同しているものとみられる。

このように、集団指導体制見直し論には中川氏が強く反発しているが、これはもちろん、将来の“発言力”を見越しての駆け引きである。
2007年秋、福田康夫内閣が発足し、町村氏は官房長官に任命されたが、このことにより町村氏は一時派閥を離れた。派閥を中川氏に“仮移譲”したのだ。
この時、中川氏は党幹事長の職を離れており、「内閣:町村、党(派閥):中川」ということで完全に棲み分けができたかのように見えた。

しかし、2008年秋、福田首相が突然の辞意表明。
福田氏が閣僚に自らが辞任する旨を伝えた際、官房長官である町村氏は、辞任をしないよう強く福田氏に迫ったという。
だが福田氏は「官房長官は首相の進退について、どうこう言える立場ではない」と町村氏の主張を却下した。小泉純一郎内閣で“歴代最長期間”の官房長官を務めた福田氏だけに、「官房長官のわきまえ」を心得ていたのだろう。

こうして、町村氏も中川氏も「役なし(役職なし)」となり、派閥の主導権争いを水面下で演じることになる。
先の「消費税」論議では、税制関連法案の付則に「2012年度からの消費税率引き上げ」を明記するかどうかで、両者の意見は衝突。賛成派の町村氏に対し、中川氏は若手・中堅議員まで交えて反対運動を展開した。
結局、付則は“玉虫色”の内容で賛成は、反対は双方に妥協する形でまとめられたが、議論の過程での町村、中川両氏の対立は激しかった。
今回の集団指導体制見直し論浮上からは、今年中に必ずある総選挙に控え、町村派の主導権を握りたい両者の思惑が伺える。おそらく中川氏は、将来の政界再編をも見据え、町村派を掌握する計算を立てているに違いない。

政策には強いが、政局劇を演じた経験の少ない町村氏。「仕掛け人」「黒幕」として政局操作を得意分野とする中川氏。
対照的に見えるこの2人。町村氏の最大の弱みは「人徳」、中川氏の最大の弱みは「スキャンダル」だ。
町村氏はたしかに“キナ臭い政局劇”とはあまり縁がない政治家だが、かといって中川流の“キナ臭き政局劇”が2009年の自民党に通用するか。
最終的には、町村氏が「中川外し」を実行できるか、それとも中川氏が麻生政権との距離を置きつつも「中川外し」の波から逃げ切るか。ここが勝負となる。

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2009年01月27日

「定額給付金」は最強の景気対策だ! メディアと民主党にダマされることなかれ

「2兆円の使い途は他にある」。今日のエントリは、そう思うあなたにこそ読んでほしい。

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週内にも要綱通知、給付金で鳩山総務相 「邪悪」と民主批判も

 鳩山邦夫総務相は27日午前の記者会見で、定額給付金の実施要綱を自治体側に通知する時期について「30日までにできるようにしたい」と述べた。要綱は、給付金の事務を担う市区町村が具体的に準備作業を進める手続きなどを示しており、平成20年度第2次補正予算の成立後に正式に通知する段取りになっている。

 また鳩山氏は、給付金に反対する民主党の対応について「給付金のことをボロクソに言いながら、ホームレスの人たちにもきちんと配れというのは矛盾している。補正予算成立を遅らせれば、地方への通知も遅れる。国民のことを考えない邪悪な行動だ」と激しく非難した。

(27日、産経新聞)

きょう(27日)午後、両院協議会の意見がまとまらず、衆院の優越を明記した憲法の規定によって、衆院と参院で採決が異なる「平成20年度 第2次補正予算案」が成立した。
「2次補正」は総額75兆円規模の“景気対策3段ロケット”の第2段となる景気対策で、事業総額は約27兆円。
「100年に一度の大津波」と称される金融危機に対応するために絶対に不可欠なものであり、重要な施策が数多く盛り込まれている。今回は、その中で7点の主な施策をご紹介しよう。


・定額給付金
 (国民一人当たり1万2000円が支給される。65歳以上と18歳以下の方には2万円を支給)

・雇用創出事業など“緊急雇用対策”
 (ふるさと雇用再生特別交付金、緊急雇用創出事業臨時特例交付金など。雇用促進住宅への入居あっせん、被リストラ者の緊急雇用・居住の安定確保、職業訓練期間中の生活保障を月額12万円に)

・介護従事者の処遇改善と人材確保
 (介護保険料の激変緩和のため交付金支給。介護従事者の処遇改善、介護人材確保などの対策)

・救急医療など“医療対策”
 (救急医療の充実化、新型インフルエンザ対策、大学病院の機能充実)

・“妊婦検診”無料化の拡大
 (妊婦検診を14回まで無料化)

・中小企業の資金繰り対策
 (中小・小規模企業の緊急保証、セーフティネット貸付など資金繰り対策を拡充)

・地域活性化&生活対策臨時交付金
 (開かずの踏み切り対策、電線の地中化、過疎地域・離島などの自治体への特別支援)

・水環境対策
 (汚水処理に有効な浄化槽設置への国庫助成率拡充、自治体負担をほとんどゼロに)

・高速道路料金の大幅引き下げ
 (大都市を除きどこまで走っても上限1000円。平日は全車種を対象に3割引き、一部時間帯は半額)


――この中でも、特に注目を浴びているのが「定額給付金」だ。
これは、国民一人につき1万2000円(65歳以上と18歳以下は2万円)を支給する特別給付金で、家計の消費増大による経済効果が期待される。
当たり前のことを書くようだが、不景気が叫ばれる時にこそ、実体経済における消費が拡大しないとならない。
不景気を回復するためには、国民一人ひとりが消費を増大させることが不可欠なのだ。
物価高騰のあおりを受ける家計の生活を支援するとともに、冷え込んだ個人消費を喚起することが「定額給付金」政策の狙いだ。

財源については、赤字国債は一切発行せず、平成20年度予算で「財政投融資特別会計」(いわゆる“埋蔵金”)の準備金を取り崩した9.8兆円の中から一般会計に移して活用する。
支給方法は、自治体によって対応が異なる場合もあるが、世帯主が役所に行って免許証等を提示。その後、口座に振り込まれる方法で進んでいる。
ホームレスや「ネットカフェ難民」など、“本当に困っている人”に対しても正確に給付がなされるよう、施策を講じている。


しかし、「景気を回復するためにお金を使おう!」というこの痛快な理論は、どうやら日頃から麻生太郎政権を批判している方たちの脳みそには理解されにくいようだ。
「定額給付金に何の意味があるのか」「定額給付金の支給額2兆円を、他の使い途に回せ」などの意見に加え、さらには「カネをもらっても使わない」などというイチャモンまで出る始末である。

「定額給付金」には、@会計の生活支援とA個人消費の喚起という2大目的があることは、数行前で述べた通りだ。
「2兆円を他のもの、例えば雇用対策や福祉政策の財源に回せ」という意見もある。たしかに、医療政策や福祉政策は重要だ。だからこそ、政府・与党は約27兆円規模に及ぶ「2次補正」で、緊急雇用対策や医療対策、妊婦検診無料化などの施策を講じている。
「定額給付金」に使う2兆円は、「定額給付金」用の2兆円にすぎない。その他の約25兆円で、雇用対策、医療政策、福祉政策、中小企業対策などの重要課題をきっちりとカバーしているのだ。
「2兆円を他の使い途に回せ」という意見を主張なさる方は、政府の景気対策が総額75兆円規模のものであるということをご存知でないのだろうか。それなのに批判するのだとすれば、それは、そもそも批判する対象がナニモノだか把握していないということである。そんな方々に「2次補正」を批判する資格などない。

経済の専門家も、今回の「定額給付金」政策については非常に大きな理解を示している。

 OECD(経済協力開発機構)経済局シニアエコノミスト、ランダル・ジョーンズ氏
「(日本の定額給付金は)恐らく即効性がある最も有効な措置である」
「多くの国が利下げを行い、信用収縮が起きている中では金融政策がインパクトを与えることは困難だ。危機を脱出する上で財政刺激策が最も適切な方法である」
「財政刺激策は目標が明確で一時的かつ、時宜を得た措置であるべきだ」
「家計部門への直接給付が最も効果を発揮する」

(2008年11月、テレビ記者会見にて)

 専修大学教授(アメリカ政治学)、藤本一美氏
「私が住んでいた米ネブラスカ州でも給付金を配ったが、高額所得者が少なく歓迎する声がほとんどだった」
「日本でも雇用を打ち切られた人や低所得者は生活費が必要で、一日も早く実施すべきだ。寒い時に温かいものが買える」
「所得制限を設けると給付時期が遅れるので、全世帯に配ればいい」

(1月27日付、毎日新聞朝刊にて)

 ワクワク経済研究所LLP代表、保田隆明氏
「不景気時に政府が財政出動や減税により景気を刺激するのは経済学の基本」
「定額給付金は個人の消費欲を喚起し、景気にプラスの影響を与えるもので、さほど問題のある政策ではない」
「不景気時には減税策を採るのが王道。国民にお金を配るという政策は、減税以外での消費刺激策となりうる」
(各メディアの報道姿勢に疑問を呈した上で)「このような非常時には、政府支出も増加させるし、消費の刺激策(減税か給付金)をも導入して、考え付くかぎりのことはすべてやる必要があるはずだ」
(1月22日付、ダイアモンド社ビジネス情報サイトにて、コラム「『定額給付金』懐疑報道に感じる違和感」より)

お金は使うだけで意味がある。使う意味が分からなくても、使ったら確実に意味を見出す。
例えば、東京・秋葉原をよく訪れるアニメ好きの人が、アニメイト秋葉原店で、コトブキヤから発売されたフィギュアを買う。
そうすると、アニメイトのアルバイトの人に時給が支払われる。アルバイトの人はバイト代で『マクロスF』のDVDを買うことができる。
アニメイトの店長も収益を得る。そうすると、店長の妻や娘も、先月と変わらず家族3人で生活することができる。週末に家族揃ってデパートに行ったり、ファミレスで食事をしたりすることができる。
もちろん、コトブキヤのフィギュア・クリエーターも収益を得る。入社1年目の男性も、とりあえず今月の家賃を支払うことができる。自分の趣味にお金を使うこともできる。

あなたが使う1万2000円は、十数人、何十人もの人の生活を支えている。もしかしたら何百、何千という人たちもの生活を支えている。1万2000円は少ないように見えるかもしれないが、実は多くて、多くの人に笑顔をもたらす1万2000円なのだ。
しかも素晴らしいことに、あなた自身も笑顔になれる。自分も嬉しくて、他人も嬉しくて。これが即時実現できる政策がどうして「愚策」で、多くの人を笑顔にするような政策が景気対策にならないはずがあるだろう。


「世論調査では、定額給付金に反対している人が多い」という声もある。だから「定額給付金」政策は実施すべきでないという意見だ。
たしかに反対論は根強く存在するが、今月13日付の産経新聞によれば、「実際に給付金が決まれば『給付金を受け取る』と答えた人は84.8%」に達しているという。
「反対」「反対」と表向きでは言っておきながら、結局もらいたいというのが大多数の反対派の心の内のようである。

これは私からの提案なのだが、総額75兆円規模の景気対策があり、その中には雇用対策や医療政策、福祉政策などが含まれていることを把握した上で、それでもなお「他に使い途がある」と主張する人は、とりあえず1万2000円を受け取るというのはどうだろう。
とりあえず1万2000円を受け取って、それを「年越し派遣村」やらNPO法人やらに寄付する。あるいは民主党に寄付してもいいかもしれない。
「他に使い途がある」と主張する人は、1万2000円を受け取った上で「他の使い途」に寄付すればよいではないか。なんとも単純な話である。


――さて今回、特筆しておきたいのは民主党の「審議引き延ばし」作戦だ。
参院では修正案を提出して採決に応じておきながら、なぜか両院協議会で採決拒否。結局、「2次補正」の成立は1日遅れることになった。
この「1日遅れ」が、一体どれほど多くの自治体職員に迷惑をかけることになるだろうか。とどのつまり、民主党は自治体職員の苦労など知ったこっちゃないのだ。

そして何より、景気対策はスピードが肝心なのである。
「今日ようやく2次補正予算案成立か。給付金の支給はいつになることやら」とお嘆きの方もいるかと思うが、これは100%野党の責任だ。断言する。野党が同法案に賛成であれば、「定額給付金」の支給は数か月は早く実施されていただろう。その“数か月”のあいだに、どれだけ多くのホームレス、派遣難民、ネットカフェ難民が苦労をすると思うのか。彼ら彼女らに何度「死にたい」と思わせることだろうか。

結局、民主党は国民の生活などまったく考えていないのである。自分たちの目先の選挙のことしか考えていない。だから、「定額給付金」の政策面を批判することなく、ただただ「反対!」「他に使い途がある」などと叫んでいるのだ。すべてはパフォーマンス、国民の人気取り行動なのである。

もっとも、国民はそんな馬鹿げたパフォーマンスに騙されるほど愚かではない。民主党の最大の“誤算”はこの点にあるだろう。民主党は、国民など簡単に騙すことができると考えている。
だから、この程度の小手先のパフォーマンスをしているのだ。国民を二重に馬鹿にしているといえよう。
民主党議員は、国民を騙そうとするべきではないし、騙そうとするならばもう少し上手い“騙し方”を考えたほうがよさそうだ。


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2009年01月23日

自民各派事務総長が会談 麻生首相・河村官房長官に「注文」

「消費税」付則明記が閣議決定。民主党には新たな不祥事が発覚――。

自民党 消費増税了承…確執深まる町村派

jimin_machimura_20090123.jpg(C)毎日新聞
(上)真ん中は南野知恵子元法相

 自民党財務金融部会が22日、09年度税制改正関連法案を了承したことで党内の「消費税政局」はひとまず回避されたが、その調整の過程で最大派閥・町村派の確執が改めて浮き彫りになった。中川秀直元幹事長が最後まで「11年度の消費税増税」に難色を示した結果、麻生政権を支える森喜朗元首相、町村信孝前官房長官との関係は完全に冷え込んだ。町村派は今後、分裂含みの運営が続くことになる。【高山祐、近藤大介】

 消費税問題の決着を受けた22日の町村派総会で、代表世話人の中川氏は「しっかりと議論してよかった。本当に全党一丸となっていける」と強調。続いてあいさつした同じく代表世話人の町村氏も「戦線が統一できて非常によかった」と応じ、「協調体制」を演出した。しかし、同派最高顧問の森氏は最後まで姿を見せず、派内の溝の深さは隠しようもなかった。

 町村氏と中川氏は、これまでも何度か総会でさや当てを演じてきた。町村派は、両氏に谷川秀善参院議員を加えた代表世話人3人による集団指導体制で、互いの主導権争いも背景にあった。

 税制関連法案の付則問題が浮上すると、派閥の分裂を危惧(きぐ)した安倍晋三元首相が、両氏に妥協を持ちかけた。21日夜には河村建夫官房長官を通じて中川氏を説得。中川氏もぎりぎりで「(法律の実施時期を分ける)2段階方式なら構わない」と軟化した。

 しかし、派内での中川氏の孤立化は徐々に進んでいる。民主党の中堅・若手と連携した「新党構想」を描くなど、中川氏は政界再編志向が強い。昨年9月の自民党総裁選では、小池百合子元防衛相を担ぎ出した。派閥の分裂につながりかねない中川氏の行動に森氏が激怒し、以後は事実上、没交渉状態だ。

 中川氏は今年、「新しい旗の下で再結集する」と発言し、麻生政権と距離を置く姿勢を鮮明にした。消費税問題もその一環だが、森氏は周辺に「新しい旗を立てること自体が政権の足を引っ張る。派閥代表としてすべき行為ではない」と語り、不快感を隠さない。

 こうした派内の状況に、中山泰秀衆院議員は22日、記者団に「とにかくケンカをやめてほしい。有権者は若手に文句を言う。我々が困る」と嘆いた。

(23日、毎日新聞)

昨日(22日)夜、麻生太郎内閣の河村建夫官房長官と自民党各派閥の事務総長が都内の日本料理店に集まり、会談した。
会談には、町村派の中山成彬前国交相、津島派の船田元副会長、古賀派の逢沢一郎衆院議員、伊吹派の谷津義男元農水相らが出席。

出席者からは「(河村氏は)麻生太郎首相の女房役として、自民党のほか公明党、野党も含め根回しをしなければいけない」「7月にイタリアで行われるサミット(主要国首脳会議)も麻生首相に出席してもらう」「麻生首相は衆院解散を考えず、腰を落ち着けて頑張ってほしい」などの意見が出た。
これを受けた河村氏は、2009年度税制改正関連法案の付則に「消費税増税時期」を明記するかどうかの問題の決着を踏まえ、「消費税の問題も解決した。これからは反転攻勢でしっかりやっていく」と強調した。

一夜明けてきょう(23日)午後、政府は臨時閣議を開き、消費税を含む税制抜本改革の道筋を付則に盛り込んだ同法案を決定した。
付則は消費税率の引き上げ時期を「2011年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記する一方、具体的な引き上げ時期は別法案で定めることを想定した「2段階方式」を採用した。
引き上げ時期決定の際には「景気回復の状況、国際経済の動向等を見極める」との条件を付けるとともに、「当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行う」と政府の歳出削減努力も明文化した。


――さて、“政権準備政党”を自称する最大野党・民主党の石井一副代表による参院予算委員会での「漢字テスト」流質問に、批判の声が高まっている。
この件については、後日改めてエントリを書くことをお約束する。

さらに、きょう、民主党にはもう一つのスキャンダルが発生した。

民主党の山岡賢次国対委員長が、2001年の栃木県真岡市長選において、福田武隼市長に自らの秘書を派遣。福田市長は2001年から2003年に渡って、選挙で秘書の派遣を受けた報酬名目で計405万円を山岡氏に提供していたのだ。
23日に記者会見を開いた福田市長は「選挙で支援を受けた見返りと認識していた」と事実関係を認めている。
民主党幹部に不透明な資金が流入していたという今回のニュースは、政治倫理に非常に大きな影響を及ぼす可能性があり、動向が注目される。今後このブログでさらに詳細に取り上げることになりそうだ。
つくづくも、ハマコー氏による「小沢、山岡が馬鹿だから民主党の若手は馬鹿になっていく」という発言がまざまざと思い出される。


<追記>

きょうの臨時閣議で、麻生内閣は、平成21年度からガソリン税など「道路特定財源」と呼ばれる税金の使途を道路整備に限定せず、自由に使えるよう一般財源化するための改正法案を決定した。
これは、谷垣禎一元財務相が座長を務める自民党「道路特定財源の一般財源化に関するプロジェクトチーム」が昨年(2008年)12月にまとめた座長試案をもとに決定されたもので、今国会に提出される方針だ。
金子一義国交相は、閣議後の記者会見で「日本の行政システムの大きな変革だ。今後は毎年の予算で対応することになるが、より厳しい物差しを持って道路整備を進めていきたい」と述べた。
道路特定財源を有効に活用するために、与党・政府一丸となって改革を断行してほしいと思う。

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2009年01月22日

町村派“分裂”の危機は防げるか 中川氏がホコを収める

自民党部会で了承された「引き上げ方針」明記。しかし、依然党内には反対論が根強い。

<消費税>自民「2段階方式」了承 引き上げ時期めぐり

 政府は22日午前、消費税を含む税制抜本改革の道筋を付則に盛り込んだ09年度税制改正関連法案を自民党財務金融部会に提示し、了承された。同党内で意見対立が続いていた消費税率の引き上げ時期について、付則は「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と明記する一方で、具体的な施行期日などを法制化する際には「景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極める」と留保した「2段階方式」の内容。政府は23日に閣議決定する方針だ。【高山祐】

 麻生太郎首相は国会答弁などで景気回復を前提に11年度から消費税率引き上げを目指す考えを示したが、自民党内では次期衆院選をにらみ反対論が噴出していた。2段階方式には、首相の方針が必ずしも「11年度から消費税増税」ではないことを明確にする狙いがある。「当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行う」との案文も盛り込んだ。

 一方で、具体的な施行期日を別の法律で定めるかどうかは明示せず、景気回復などの条件を満たせば11年度から増税できる余地も残した。

 部会ではなお反対意見も出たが、保利耕輔政調会長が「十分に議論した結果だ」と理解を求め、最終的に了承された。

 消費税増税慎重派の中川秀直元幹事長は部会後、記者団に「付則は増税法案ではなく、訓示規定に過ぎない。断固反対ではない」と述べ、法案を容認する考えを示した。山本一太参院議員も「行財政改革の推移をきっちり見たい。その前提で賛成する」と語った。

 決定的な党内対立は回避されることになったが、政府の中期プログラムが「消費税を含む税制抜本改革を11年より実施」と規定したのに比べ、付則では実施時期があいまいになった。これについて、河村建夫官房長官は記者会見で「あらゆる条件が整った段階で消費税導入(増税)をお願いするとの基本的な考え方は変わっていない」と述べ、「後退」との見方を否定した。

 税制関連法案が23日に閣議決定される見通しとなったことで、首相の施政方針演説など政府4演説が26日に行える環境が整った。与党は2段階方式で事態が沈静化したのをてこに、08年度第2次補正予算案の参院採決前に09年度予算案を衆院で「並行審議」する姿勢を示し、野党側を揺さぶる構えだ。

(22日、毎日新聞)

税制改正関連法案への「消費税率の引き上げ時期」明記をめぐり、自民党内が真っ二つに割れている問題。
きのう(21日)午前、自民党本部で党税制調査会が開かれ、津島雄二会長ら幹部が消費税問題について協議した。
会合は、2011年度までに増税に必要な法案を用意した上で、実際の税率引き上げ時期は景気回復の状況などを見極めて別の法案で定める「2段階方式」とすることで一致した。
この方針を同法案の付則に盛り込むため、保利耕輔政調会長が政府と文案調整に入る。23日までに党内で法案の内容を詰め、閣議決定を目指す。

会合終了後、津島氏は記者団に対し「2011年度までに準備のための立法措置をとると。準備のためのね」と語った。
党側は、同法案の付則には「2011年度」という言葉を残すものの、「2011年より実施」という表現から一歩後退することで収集を図りたいと考えた。

そしてきょう(22日)午前、自民党は財務金融部会と政調審議会を相次いで開き、法案の付則に消費税率引き上げ時期を明記した同法案を了承した。
焦点の増税時期については、明示にこだわる麻生太郎首相と反対派の双方が歩み寄り、「消費税を含む税制抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講じる」との表現に落ち着いた。
政府は、23日の党総務会で自民党の了承手続きが終わるのを待って、同日中に同法案を閣議決定する方針だ。

きょうの部会には、“反対派”の中核である中川秀直元幹事長らも出席し、「景気対策に万全を期さないと、増税すべきではない」と注文をつけたが、強い反対論は出なかった。
中川氏は会合終了後、記者団に「留保条件付きで賛成する」と述べ、公務員制度改革など行政改革に積極的に取り組むことなどを条件に、法案採決では造反せず、賛成する考えを示した。中川氏に同調してきた塩崎恭久元官房長官も「付則は実質的に2段階論になり、(2011年度増税の)懸念はかなり払拭された」と語った。
中川、塩崎両氏らが“ホコ”を収めたことで、関連法案の採決で大量の造反者が出る可能性は低くなったとみられる。

きょう午前の記者会見で、河村建夫官房長官は方針が党財務金融部会で了承されたことを受け「条件が整った段階で消費税増税をお願いする考え方は変わっていない。党内で十分議論して決めたことだから、麻生首相は満足している」と述べた。
同時に「結果としてよかった。首相が責任ある財政運営をする姿勢を打ち出し、将来の安心につながる方向に持っていかなければならない。説明責任をしっかり果たしたい」と強調した。

この問題をめぐって、自民党の最大派閥である町村派は、幹部間による衝突が隠せないでいる。
15日の派閥会合で、中川秀直元幹事長は「清和政策研究会(町村派)は政策委員会のレベルではございますけれども、増税の前にやるべきことがあると一つの考え方を提示を致しております」と語り、引き上げ時期明記に反対する姿勢を強調した。
中川氏の発言に対し、この会合で町村信孝前官房長官は「消費税を含む税制抜本改革の話。これをやるとまた『町村はナントカ』『あの退屈』とかなんとか面白おかしくね、書かれちゃいますから」と応酬。
自民党最大派閥の幹部が対立し、“派閥分裂”の可能性もくすぶっている。

きのう(21日)、後見人である森喜朗元首相(町村派最高顧問)は都内で開かれた内外ニュースの講演会に出席し、「派閥の意向に反した人は結構いますよ。そこで派閥に籍を置いたまま造反をする。けじめのつかない連中が本当に多いですね」と発言。“造反”議員をけん制した。
はたして引き上げ時期明記の問題は、自民党最大派閥を分裂させる事態にまで発展するのか――。党内を二分する議論なだけに、町村派内は独特の緊張感に包まれている。
しかし、かつての離合集散を知らない若手議員からは「どうせ(派閥)分裂はないよ」との楽観論が出ているのも事実だ。
中川氏らが採決賛成の意向を表明したことで、党内の混乱は一旦収束へ向かいそうだが、若手議員を中心に“反対派”の動向がなお注目される。


<追記>

バラク・オバマ米大統領誕生、ジョージ・W・ブッシュ前大統領離任、民主党・石井一副代表の参院予算委員会での質問に抗議の声が殺到している件など、色々と触れたい話題はあるが、時間の都合上きょうはここまで。
オバマ新大統領について私は一貫して批判してきたが、今は素直に就任にお喜び申し上げる。過大な期待を背負っての船出となるが、米国再建のために邁進してもらいたい。
ブッシュ前大統領には深い感謝の意を込めて、「ありがとうブッシュ さようならブッシュ」の言葉を送りたいと思う。本当にお疲れ様であった。
石井氏の質問の件は、後日改めて、当ブログでの「石井一研究」シリーズの一環として取り上げたいと思う。

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2009年01月20日

次の選挙を意識して…!? 「消費税」明記をめぐり自民党内真っ二つ

蒸し返された「消費税論議」。今国会最大の政局となるか――。

<読む政治>「消費税」蒸し返す自民

jimin_20090119.jpg(C)毎日新聞

◇国の将来より目先の選挙

 政府・与党でいったん決着をつけたはずの「消費税増税」問題を、自民党が蒸し返している。09年度税制改正法案の付則に、昨年12月24日に閣議決定された「中期プログラム」の内容を盛り込むかどうかの攻防だ。

 定額給付金の是非が問われた国会の第1関門を「造反2人」でしのいだ直後にもかかわらず、麻生太郎首相に近い自民党幹部は警戒感を募らせていた。

 「この問題は党を割るよ。麻生政権で最大の党内政局だ」

 第2次補正予算案が衆院を通過した翌14日、党本部で開催された政調全体会議で増税路線への反発が一挙に噴き出したためだ。

 「消費税は行政改革や公務員改革とセットで論ずるべきだ」(塩崎恭久元官房長官)▽「党内で平場の議論がなされていない」(世耕弘成元首相補佐官)

 以前から増税に慎重な「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は「(税率を引き上げたら)景気は二番底、三番底に落ちていく」と執拗(しつよう)に反対論を繰り返した。

 税財政改革の道筋を示す「中期プログラム」には、景気回復を前提として「消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施」と書かれている。法案の付則に明記することも閣議決定済みだ。

 ところが、「年末だったのでちゃんと読んでいなかった」(中堅議員)という単純な理由に加え、次期衆院選への不安感が増税反対の大合唱を生んだ。従来と異なるのは、一部に「離党してほしいのは、麻生首相の方だ」などと麻生降ろしの機運が芽生えたことだ。

 中川氏は全体会議後の14日午後、自民党議員のパーティーでのろしを上げた。「これからは消費増税が政局、政策の焦点になる」

◇付則修正で妥協探る

 自民党内で消費税が蒸し返されそうな兆候はすでにあった。

 今月4日の年頭記者会見で麻生首相が「景気回復の後に増税をお願いする」と、消費税問題を次期衆院選の争点に掲げる意向を示したところ、6日には山本一太参院議員ら中堅・若手7人が消費増税に反対する勉強会を発足させた。

 8日午前の衆院予算委員会では、中川氏に担がれて昨年9月の党総裁選に出た小池百合子氏がさらりと首相を皮肉った。「(景気回復に向けて)みんなで頑張っていこうという時に『あちらにもうオオカミ(消費増税)が控えていますよ』というのはどうかな」

 自民党国対幹部は小池氏の質問を聞いて、「キナ臭さ」を感じ取ったという。

 14日の政調全体会議を起点に、麻生首相も火消しに乗り出した。15日朝には町村信孝前官房長官ら主な派閥領袖に電話を入れ、「昨年末の閣議決定の線で頼みます」と協力を依頼した。麻生派座長の中馬弘毅氏も首相の意向で各派閥を回った。

 しかし、党内の不満は収まらない。15日に町村派が開いた消費税の勉強会でも、付則への明記に理解を示す意見は皆無だった。町村氏は直後の派閥総会で「総理がぶれたとなると政治的なマイナス効果もある」と収拾を促したが、派閥の代表世話人の一人である谷川秀善氏は「選挙にマイナスになるようなことは知らん顔するようなことでないと。勝ってなんぼやから」と露骨に注文をつけた。

 最大派閥の町村派が反麻生の発火点になったら困る。そう考えて動き出したのは、麻生氏と盟友関係にある安倍晋三元首相だ。

 15日の派閥総会後、安倍氏は中川氏や町村氏らに対し「消費税を政局にする余裕はない」と付則の文案修正を持ちかけた。中川氏が「11年度までに(増税)準備のための法整備を行う」とする案を示すと、安倍氏は首相に電話をかけ、「この案なら町村派は大丈夫です。塩崎氏まで責任は持てる」と説明した。

 塩崎氏に近い茂木敏充前行革担当相らも15日に修正案をまとめ、町村氏や津島雄二党税調会長らは18日、妥協案を探った。ただし、中期プログラムの作成を主導してきた与謝野馨経済財政担当相の周辺は「11年度の消費税(増税)をいじったらおしまいだ」と態度を硬化させている。

◇新たな造反、促す民主

 持続可能な社会保障制度を構築するのに、もはや消費税論議は避けられない。しかし、急激な景気の悪化と迫りくる衆院選への不安が、自民党議員を浮足立たせる。国の将来よりも、まずは自分の選挙という感覚だ。

 17日夜、東京都内の公民館。地元商店主らを集めた新年会で、自民党の若手議員が「国民に痛みを強いるのなら、政治家や行政も血を流さなければいけない。首相はあまりに説明不足だ」と訴えると「よしっ」「そうだ」と声が飛んだ。

 「支持率2割の政権がやることか」。公然化する自民党内の首相批判を尻目に、民主党は新たな造反誘引策の検討を始めた。付則に増税時期が明記された場合、付則を削除する修正案を出し、踏み絵を迫る作戦だ。

 民主党の国対幹部がつぶやいた。「消費税での自民党の分裂は、給付金の比じゃない」

(19日、毎日新聞)

きょう(20日)午前、参院予算委員会には麻生太郎首相と全閣僚が出席し、平成20年度第2次補正予算案をめぐる2日目の質疑を行った。
21年度税制改正法案に、消費税増税の時期を明記するかについて、麻生首相は「付則の中にそういった前提、道筋を書かせていただきたいと思っております」と述べ、明記に理解を求めた。
その上で「景気が急激に回復することも悪くなる可能性もある。景気が回復したときにきちんと対応できるように、あらかじめ準備しておく必要がある」と強調した。
消費税率引き上げを次期総選挙のマニフェストに盛り込むかに関しては「消費税の必要性は訴えていかなければならない」と強調。これに対し、公明党の斉藤鉄夫環境相は「今の経済状況で増税は国民の理解を得られない」と述べるにとどめた。

きょう、自民党本部では政調全体会議が開かれ、消費税率の引き上げ時期を予算関連法案の付則に明示すべきかどうかの議論が行われた。
先週2回開かれたこの会合だが、自民党内の意見は真っ二つ、意見はまとまらず、今回3度目の会合を迎えた。

“反対派”である柴山昌彦衆院議員は「誤解を招くような表現では、少なくとも我々としては賛成できない」と述べ、水野賢一衆院議員も「含みを残すべきではないという風に思います」と記者に語った。
党内から“増税論議”をめぐって造反者が出るかについては「造反ということですか? なかなか非常に面白くなってくるんじゃないんですか。うーん」と話した。
前掲の毎日新聞記事にも登場した“反対派”のドン、中川秀直元幹事長は「全自民党議員が皆一致していけるような方向に持っていってもらいたい」、山本一太参院議員は「2011年から引き上げるかのようなニュアンスを発信することは、日本経済に対して、大変負のアナウンスメント効果がある」とそれぞれ述べた。

対して、“賛成派”の後藤田正純衆院議員は、町村派(旧森派)所属の中川氏から反対意見が出ていることを念頭に「森派の方々が(首相を)ずーっとやってきた。じゃあ、その8年間何やってたんですか?と。(明記がなければ)政治家が何もしないっていうのと一緒なんですよ。野党からすると本当に手を叩いて喜ぶような話ですから」と語った。
丸山和也参院議員も「(財政を)きちんと立て直さないでね、その都度その時々いくらいい政策を言ってもダメだと。ここでうやむやな形で明記しないんなら、私は離党をしますよ、と(言った)」と明記の必要性を強調した。

過去2回同様、きょうの政調全体会合でも「反対」の声が根強かったが、これからは党内の各部会にて詳細を議論し合うことになる。
執行部では、税制調査会の幹部を中心に法案の付則に書き込む文章を修正する作業を進めており、それを基に、今週中に党としての結論をまとめたい考えだ。
細田博之幹事長は「そういうものをまとめていくのが自民党の伝統ですから、あまり心配はしておりませんけれども」と、あくまで楽観的である。

しかし、今回の党内における混乱を招いているのは、一般の議員が方針を決める論議に参加できる場が少ないためでもある。
塩崎恭久元官房長官も「党内民主主義が、少しおかしくなっていないか」と述べており、議論の進行の仕方をめぐっても今後問題が生じてくる可能性は高い。
また、党内各派閥の領袖による会合が開かれているが、これは、決まった結論に反発して法案の採決で“造反”したりする議員が出ないよう、引き締めを図る狙いがあるようだ。

麻生首相の姿勢は「景気回復をした後に、2011年度からの増税を国民のみなさんにお願いする」というもので、これ自体は終始一貫ぶれていない。また、予算関連法案の補足に引き上げ時期を明記することについても、姿勢はぶれていない。
しかし、定額給付金騒動から引き続く「麻生批判」と絡めて、中川氏らが“反対”意見を強く打ち出し、これが党内の過半数の議員から賛同を得ているというのが現状だ。
麻生首相が打ち出した「増税ビジョン」に関して、各国会議員が地元後援会などの支持者から「これでは次の選挙は戦えないよ」との言葉を浴びせられているという現実も手伝って、各議員は「増税の“ぞ”の字」すら、次の選挙までは口に出せないと考えているのだろう。
党総裁の意見に物申すことが悪いことだとは思わないが、中川氏らには麻生首相を支えるつもりが最初からない。――このことが今回、如実に露呈している。

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2009年01月09日

シーファー駐日大使が北朝鮮拉致を“最後”の非難

去る者も、来る者も。日本をかじった白人たちがこれからどう動くか。

シーファー駐日米大使が1月に退任 約4年の大使生活を振り返り拉致問題について語る

 動画はこちら

 オバマ次期大統領の就任にともない、トーマス・シーファー駐日アメリカ大使が1月に退任する。9日、シーファー大使がFNNの単独インタビューに応じ、およそ4年の大使生活を振り返った。

 シーファー大使は2006年3月、自ら希望して横田 滋・早紀江さん夫妻と、めぐみさんの拉致現場を視察した。

 4年の大使生活で最も印象的なことは?

 「新潟に行ったことです。めぐみさんやご両親が歩いたであろう道を歩きました。拉致問題について、なぜ日本人がこれほど感情移入し、重要視しているか理解できました。このことは一生忘れません」

 「北朝鮮は、国にとって最良の策は、13歳の子どもを拉致することだと決めたのです。そのような国が存在する世界を放っておけません」

 シーファー大使は8日、横田 早紀江さんら拉致被害者の家族へ最後のあいさつをした。

 「きのうホテルで横田夫人や拉致家族に会うことができました。この問題について、もっと進展させられなくてとても残念に思うと伝えることができました」

 横田夫妻と会うようオバマ次期大統領に伝えますか?

 「伝えます。彼にとってもそうすることがいいと思います」

 今後も拉致問題の解決に協力すると述べたシーファー大使。

 安藤優子キャスターが「個人的には、拉致はテロ以外の何ものでもないと思います」と話したのに対し、シーファー大使も「そうです、わたしもそう思います」と話した。

(9日、FNN-NEWS.COM)

米国のバラク・オバマ次期大統領は、次の駐日大使に、ビル・クリントン前政権で国防次官補を務めたハーバード大学教授、ジョセフ・ナイ氏(71)を起用することが有力となった。
これは、日米関係筋が昨日(8日)明らかにしたもので、ナイ氏は日米同盟重視の知日派として知られている。

ナイ氏は、国際政治学者として活動し、軍事力を重視するジョージ・W・ブッシュ政権を批判するなどしている。文化や政策などの「ソフトパワー」を活用した外交を提唱している人物だ。
国防次官補時代には、東アジアの米軍10万人体制堅持をうたった「ナイ・イニシアチブ」をまとめた。
その後も、知日派のリチャード・アーミテージ元国務副長官(共和党)らと超党派で対日対策を研究。その成果は、2000年と2007年に「アーミテージ・レポート」として発表された。

2000年の「アーミテージ・レポート」では、在日米軍の沖縄の負担軽減の必要性を指摘した。
2007年版では、中国、インドの台頭を背景に日米の緊密な協力関係を構築することが重要だと強調。日米中、日米印の安定した3国関係の枠組みを軸に、安全保障環境を整えるよう、日米両政府に促した。

一方、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議を主導してきたクリストファー・ヒル国務次官補の後任には、ナイ氏の下で国防副次官補を務めたカート・キャンベル氏の起用が有力視されている。
キャンベル氏も、ナイ氏同様、知日派として知られている。


さて、きょう(9日)の毎日新聞朝刊には、経済部・福本容子記者のコラムが掲載されてきた。
「100年に1度の大津波」(アラン・グリーンスパン前FRB議長)と形容される今度の国際的な金融危機について、勇気を与えるメッセージが執筆されている。
私も福本女史と同感だ。以前にも1、2度、福本女史の文章をこのブログで紹介したことがあったかと思うが、私の意見は福本女史の主張と重なることが多い。

発信箱:狼なんか怖くない=福本容子

 ウォルト・ディズニーが短編アニメ「3匹の子ぶた」を発表したのは1933年、31歳の時だった。大ヒットし、アカデミー賞も取った。

 歌がよかった。子ぶたたちが劇中で歌う「狼(おおかみ)なんか怖くない」である。当時、アメリカの家はどこも恐慌という狼に襲われかけていた。でも、レンガで丈夫な家を造った1匹のように、懸命に働き知恵を使えば、狼にも勝てる。というわけで、大恐慌と闘う国民歌になった。

 時代が時代だから、ディズニーと、兄で共同創業者のロイは、お金で相当苦労した。ある時、ミッキーマウスのキャラクター使用権を、子供用メモ帳向けに300ドルで売る。味をしめ、ディズニー・グッズ販売という一大ビジネスを築いた。3年かけて史上初の長編アニメ「白雪姫」にも挑み、大成功させた。ディズニー兄弟はまさに狼を撃退した賢い子ぶただったのだ。

 経済が厳しい時に芽生えた企業が大きく育つ例は少なくない。あのマイクロソフトが誕生したのも第1次石油危機後の不況下だった。大企業が才能を囲い込めない時だから、自由な発想がチャンスをつかむ。若い人たちは、この際自分でビジネスを始めてみては。企業に雇われなければおしまい、ではない。

 社会全体の応援が大切だ。英サッチャー政権は80年代、不況で失業した人が事業を起こせるよう、資金やノウハウで積極支援した。結果、絶頂期には年4万5000の事業が生まれた。

 成功する者はほんの一握りだろう。けれど、起業精神をよしとする風土は一度根付くと簡単には消えない。背中をちょっと押してあげれば狼に勝てる子ぶた予備軍がそこにいる。(経済部)

(9日、毎日新聞)



<追記>

遅ればせながら、新春のお慶びを申し上げます。
一度更新を休むと、休み癖がついてしまうのがどうもいけない。
時々でもよいから更新を続けていきたいものだ。
本年もどうぞよろしく。


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2008年12月17日

自民7派閥会長が一挙集結 古賀選対委員長からは“波紋”発言も…

前代未聞の「派閥トップ会談」。麻生政権は、否、自民党は危機的状況を迎えている。

首相は与党の意見尊重を=自民各派会長

 自民党各派の会長は15日夜、都内のホテルで会談し、麻生政権を支えるとともに、来年1月5日召集の通常国会で、2008年度第2次補正予算案と09年度予算案の成立に全力を挙げる考えで一致した。同時に、麻生太郎首相に対して、政策決定や国会運営などで与党の意見を尊重するよう求めていく方針も確認した。

(16日、時事通信)

昨日(15日)夜、自民党の麻生派を除く7つの派閥の領袖が集まり、都内のホテルで会談した。
内閣支持率が低下している麻生太郎政権を、党内が結束して支えていく必要があることを確認した。
この会合は、津島派会長の津島雄二税調会長の呼びかけで実現したもので、町村派代表世話人・町村信孝前官房長官、古賀派会長・古賀誠選対委員長、山崎派会長・山崎拓前副総裁、伊吹派会長・伊吹文明元幹事長、二階派会長・二階俊博経産相、高村派会長・高村正彦元外相の各派トップが出席した。

会合では、麻生内閣の支持率が大幅に下がったことなどを受け、「苦しい時期だからこそ、党内が結束して麻生政権を支えることが重要だ」という認識で一致した。
会合後、記者に囲まれた津島氏は「色々な議論が党内外で行われておりますけれども、我々としては、すべての議論を党内できちっと出していただいて、活発な議論をやり、その中から正しい方向、よい政策というのを打ち出していく」と述べた。
また出席者からは、「党内で議論した結果は、麻生首相にも真剣に耳を傾けてもらうことが必要だ」などの注文も出たという。
解散・総選挙の時期については、2009(平成21)年度予算案成立まで見送るべきとの考えで一致した。

「すべての議論を党内で――」という津島氏の発言は、渡辺喜美元行革担当相ら若手・中堅議員や、社会保障の勉強会を立ち上げた中川秀直元幹事長らを念頭に置いたものだ。
「党の内外で様々な議論がされているが、すべての議論は党内できちんと行うべきだ」という意味合いである。
公明党の浜四津敏子代表代行も、16日、福岡市で講演し、「厳しい時にこそ総理を支えるべき自民党から、すわ新党かと思わせる動き発言あり、混乱に拍車かけている」「総理を支え、心を一つにして目標に向かうことが勝利の方程式だ」と述べ、自民党内から湧き上がる批判に釘を刺した。

この会合とは別に開かれた、同夜の古賀氏と各派閥の事務総長の会合では、古賀氏から、党内に“波紋”が広がる発言が飛び出た。
「自民党は自民党で比例代表で票を出さなければならないし、公明党もそれは同じで、どの選挙区でも一律に『比例は公明』と呼びかける選挙はできない」と述べ、公明党との協力のあり方も含めて選挙戦術を見直すべきだとの考えを示したのだ。
古賀氏は16日、国会内で記者団に対し、この発言について「衆議院の比例代表の180議席は、自民党も頑張って獲得しなければならないし、公明党もしっかりと頑張ることが大事だ。お互いに議席を残さなければならない」と説明した。
比例代表での票の獲得に向けて、自民・公明それぞれの党が努力すべきだという考えを示したということになる。

これについて自民党の細田博之幹事長は、記者会見で「個人の感想を言ったにすぎず、党として方針を決めたということはない。比例代表について、『自民党ではないB党に』という選挙運動が適当ではないという問題意識を言ったものだと思う。まだ、問題提起の段階だ」と語った。
一方、公明党の太田昭宏代表は、記者会見で「古賀氏がどのような発言をしたのか承知していない。ただ、自民・公明両党の選挙協力は、それぞれの地域での選挙協力の積み重ねを踏まえて自民党の県連と公明党の県本部の協議の内容を尊重することが決められている。両党の信頼関係は出来上がっており、選挙協力はかなり成熟した段階だ」と発言した。

この古賀氏の発言に関し、麻生首相は夕方のぶら下がりで「古賀氏がどのような気持ちで言ったのか真意を図りかねるし、発言を聞いていないので答えられない」と述べた。
その上で、麻生首相は「公明党との間できちんと連携をとって連立与党として選挙に臨みたい。それが基本だ」と語り、次の総選挙でも、公明党との間で選挙協力を行う方針に変わりはないことを示した。
古賀氏のこの発言は、公明党に対してのけん制というよりは、公明党の支援なしでは当選ができない自民党若手・中堅議員に対するけん制と捉えるべきだろう。
古賀氏には、「麻生批判」は公明党との選挙協力見直しにつながると若手・中堅を半ば“脅迫”し、党内で広がる「麻生批判」に歯止めをかけたい思惑があるとみられる。

さて、昨日の7派閥会長の会合では、今後、同様の会合を定期的に開催することでも意見が一致した。
派閥のトップが一挙に集結したということは、それだけ麻生政権を支えるべき党内が瓦解しているという危機感の表れでもあるし、小泉純一郎政権以降、自民党の派閥そのものの力が低下したことを如実に表しているものでもある。
古賀氏の発言で、自民・公明両党内には少なからず波紋が広がったようであるが、現在の自民党にとって公明党・創価学会は一番の支持基盤であり、これなしでは当選できない議員が大半だと言っていい。
「公明党の集票力に一回ハマるとやばい」(自民党議員)という声もあり、自民党にとって公明党というカードは、もはや切りたくても切れない性質のものだ。古賀氏の発言は、公明党に対してではなく、自民党の若手・中堅に向けての“引き締め”とも“警告”ともいえる。

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2008年12月12日

次期首相に、“ミスター自民党”こと中山太郎議員が内定!?

2つの勢力が拮抗する自民党内。自民党の“長老”は、この動きをどうみる。

kenpo_taro_nakayama.jpg(C)自民党

「後ろから鉄砲玉撃つな」 “反麻生”の動き叱責 自民派閥総会

 自民党各派は11日、派閥総会を開き、幹部らが中堅・若手を中心とした議連や勉強会など「反麻生」の動きを批判する声を相次いであげた。この日は首相と距離を置く中川秀直元幹事長が勉強会を旗揚げしているだけに党内の亀裂が決定的になりかねず、派閥領袖が沈静化を図った格好だ。

 「後ろから鉄砲玉を撃つことは絶対あってはならない。それが一番、支持率を下げるんだ。選対委員長として恥ずかしい」

 古賀派会長の古賀誠選対委員長は派閥総会でマイクを握ると、塩崎恭久元官房長官の方に向き直り、すごんでみせた。塩崎氏は渡辺喜美元行革担当相らと「速やかな政策実現を求める有志議員の会」を結成し、麻生太郎首相に批判的な姿勢をとってきた。

 谷垣禎一元財務相も「古賀氏の言う通りだ。団結していきたい」と応じた。同派議員からも「ガタガタしていては『自民党弱し』という雰囲気が出てくる。意見を自由に言うのはいいが時期がある」と批判の声が続いた。青くなった塩崎氏は総会後、古賀氏に面会を求め「政策提言をやっている。説明不足だった」と釈明した。

 また、伊吹派総会でも伊吹文明元幹事長が、「ああだ、こうだと家の中のことを外で言いふらして、自分だけいい子になろうというのは政治家として感心しない」と痛烈に批判した。津島派総会では津島雄二元厚相が「日ごろ結束していること、心を合わせていることが大事だ」と派内の結束を呼びかけた。

(11日、産経新聞)

中川秀氏の孤立化画策 勉強会、安倍氏ら出席し牽制

 反麻生勢力のリーダー的な存在である自民党の中川秀直元幹事長が11日、新たな議員連盟「生活安心保障勉強会」を旗揚げした。麻生太郎首相と距離を置く小池百合子元防衛相や渡辺喜美元行革担当相らがずらりと並んだが、首相に近い安倍晋三元首相や菅義偉選対副委員長らも出席し、「反麻生」的な言動に目を光らせる奇妙な展開に…。町村派では「中川包囲網」がジワジワ進んでおり、会合は逆に中川氏の孤立化を浮き立たせる結果となった。(石橋文登、加納宏幸)

 ■準備会合に57人

 「一部の早とちり報道でこの会合が政局グループと伝えられたが、まったく純粋な勉強会なのでご安心いただきたい」

 党本部で開かれた準備会合には57人が出席した。会長に就任した中川氏は冒頭にマイクを握ったが、威勢のいい「中川節」は不発に終わった。

 横に座った安倍氏は「いま政府与党は厳しい状況にある。ここで一致結束して麻生政権を支えていきたい」とあいさつ。その後も安倍、菅両氏はにらみを利かせ、出席者の発言は純粋な政策論ばかりで過激な言動は影を潜めた。

 議連の活動目標は「安心基盤口座」の導入だ。社会保障制度や税制を「個人勘定」に統合し、安倍政権が導入を決めた「社会保障カード」を発展させるという構想だ。民主党も「年金手帳」導入を主張しており、与野党の接点を探りたいとの思惑もある。

 だが、この議連発足が浮上したのは、自民党内で首相批判が吹き荒れた11月下旬。「中川氏が反麻生でいよいよ決起する」とのうわさは一気に広がった。

 ■町村派が包囲網

 「議連に反麻生勢力が結集したら町村派が分断しかねない」。そう懸念した安倍氏と町村信孝前官房長官は先手を打った。

 安倍氏は21日の衆院本会議で森喜朗元首相に「このままでは町村派が反主流とみられてしまう」と町村派幹部会の招集を求めた。25日昼の幹部会では、町村氏が「速やかな政策実現を求める有志議員の会」を痛烈に批判し、安倍、森両氏も合いの手を打った。暗に黒幕として中川氏を指弾したのは明白であり、中川氏は「おれはあの議連とは関係ない!」と釈明に追われた。

 安倍、町村、森の3氏が共闘態勢をとったことで、中川氏は窮地に追い込まれた。このまま反麻生で突っ走れば、町村派を追われかねないからだ。

 ■議連を骨抜きに

 中川氏は5日の議連発足を11日に延期。安倍、菅両氏らに自ら電話し、議連への加入を求めた。反主流色を薄めようと考えたようだが、安倍氏らはこれを逆手に取り議連の骨抜きに動いた。裏では森氏が町村派若手を「麻生さんが大変なときにバカな行動をするな! 中川を総裁にする気か」と電話で説教した。

 この企ては奏功し、議連は純粋な勉強会と化した。議連終了後、安倍氏は勝ち誇ったように語った。「政局がらみの議連では全くない。中川さんが参加しているから、そういううわさになってしまうのでしょうが、そういう思惑で参加した人はいません…」。首相−幹事長と二人三脚で政権を運営した友情関係はもはやかけらも見えなかった。

 一方、中川氏は11日夕、都内のホテルで開いた自らのセミナーでこう語った。

 「麻生内閣は支持率にとらわれず思い切った政策を打ち出すべきだ。いまは倒閣の時ではない。麻生首相に最も距離のある私がいうのだから間違いない」

 事実上の休眠宣言といえる。ただ、派閥レベルでの締め付けに若手には不満が渦巻いており、次なる政変の潮目が近づけば、中川氏が改革の旗手として再び動き出すことは間違いない。

                  ◇

 11日の自民党「生活安心保障勉強会」設立準備会合の出席者は次の通り(敬称略、カッコ数字は当選回数)。

 【衆院】伊藤公介(9)、中川秀直(9)、衛藤征士郎(8)、石原伸晃(6)、小坂憲次(6)、安倍晋三(5)、伊藤達也(5)、鴨下一郎(5)、小池百合子(5)、桜田義孝(4)、塩崎恭久(4)、下村博文(4)、菅義偉(4)、竹本直一(4)、谷畑孝(4)、水野賢一(4)、山口泰明(4)、渡辺喜美(4)、江崎洋一郎(3)、高木毅(3)、中野正志(3)、馳浩(3)、平井卓也(3)、三ツ林隆志(3)、大前繁雄(2)、奥野信亮(2)、加藤勝信(2)、柴山昌彦(2)、菅原一秀(2)、鈴木淳司(2)、中山泰秀(2)、並木正芳(2)、西村康稔(2)、早川忠孝(2)、山際大志郎(2)、上野賢一郎(1)、小野次郎(1)、片山さつき(1)、木原誠二(1)、佐藤ゆかり(1)、清水鴻一郎(1)、清水清一朗(1)、杉田元司(1)、関芳弘(1)、徳田毅(1)、広津素子(1)、藤田幹雄(1)、松本文明(1)、安井潤一郎(1)、山内康一(1)【参院】世耕弘成(3)、山本一太(3)、田村耕太郎(2)、若林正俊(2)、秋元司(1)、中川雅治(1)、丸川珠代(1)

(12日、産経新聞)

現在、自民党内では「麻生支持派」と「反麻生派」が拮抗する緊密な状況が続いている。
「麻生支持派」に名を連ねるのは、各派閥の領袖に加え、前回(2008年9月)の党総裁選で麻生太郎首相を支持した安倍晋三元首相、菅義偉選対副委員長らだ。
対する「反麻生派」の代表格なのが、連日メディアに顔を出す渡辺喜美元行革担当相のほか、塩崎恭久元官房長官などである。

昨日(11日)開催された各派閥の総会では、古賀派では古賀誠選対委員長や谷垣禎一元財務相、伊吹派では伊吹文明元幹事長らが「反麻生派」を批判する発言を行った。
同日夜には、都内の料亭に各派の事務総長が集まり、町村派からは中山成前国交相、津島派からは額賀福志郎元財務相が出席。各派共に結束して麻生政権を支えることで一致した。
出席者からは、渡辺氏らの行動について「一番愚かだ。自分だけがパフォーマンスで(選挙で)生き残ろうというのでなく、どうやって民主党に勝てるか考えるのが重要だ」「党内でガヤガヤやっている場合ではない」などの批判が相次いだ。

さて、今日もう一つご紹介するのは、野党幹部による「次の総理」をめぐる話し合いが行われたというニュースだ。
<小沢代表>選挙管理内閣は自民長老を首相に

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(左)ベルギー訪問時の中山太郎衆院議員

 民主党の小沢一郎代表は11日、社民党の福島瑞穂党首ら幹部、民主党参院幹部と東京都内で会談した。席上、小沢氏は「麻生政権は長くはもたない」との認識を示した上で、麻生太郎首相の退陣後に衆院選を実施するための与野党参加による選挙管理内閣構想に関して「自民党の長老を(首班として)担ぐのがいいんじゃないか」と述べたという。

 これに対し、社民党側の出席者の一人が「中山太郎元外相のような人ですか」と水を向けると、小沢氏は「それもいいんじゃないか」と応じたという。【小山由宇】

(12日、毎日新聞)

11日夜、民主党の小沢一郎代表と社民党の福島瑞穂党首は、都内で両党幹部を交えて会談した。
麻生首相を退陣に追い込んだ後、与野党相交えての「選挙管理内閣」(選挙期間の一時期を乗り切るための内閣)構想について、話が広がった。
席上、小沢氏は「麻生政権は長くはもたない」との認識を示した上で、「選挙管理内閣」での首相として「自民党の長老を担ぐのがいいんじゃないか」と述べたという。
それに対して、社民党側の出席者の一人が、自民党の中山太郎元外相を首相候補に挙げたところ、小沢氏は「(こうした内閣の首相は)長老(格の議員)しかいない」と述べたとのことだ。

中山氏は、1924年8月生まれの84歳。生まれも育ちも大阪で、もともとは小児麻痺研究の医学博士だ。現在、大阪18区選出の衆院議員である。
1955年、大阪府議会議員に初当選し、1968年に参院議員に初当選。1980年に鈴木善幸内閣で総理府総務長官兼沖縄開発庁長官として初入閣を果たした。
参院議員を3期務めた後、1986年、衆議院議員へと転身し、以降連続7回当選。海部俊樹内閣では3期に渡って外相を務めた。

現在、日韓議員連盟顧問、日本・欧州評議会友好議員連盟会長、日本アメリカ友好議員連盟会長などの外交関連の議員連盟の会長を務めるなど、自民党きっての外交通として内外に知られている。
また、エドゥアルド・シェワルナゼ旧ソ連外相(グルジア元大統領)と親交があり、中山氏は、グルジアではソ連崩壊で苦境に陥ったシェワルナゼ元大統領を助けた「盟友」として知られている。
スウェーデン、デンマーク、フランス、ハンガリー、スペイン、オーストリア、インド、モンゴル、チリ、ペルー、オランダ、フィリピン、ロシア各国から、叙勲も受けている。

古くから憲法改正にも積極的で、2000年1月に衆院に設置された衆院「憲法調査会」の設置に貢献したことから、設置時より会長を務めてきた。
憲法調査会再編に伴い、2005年9月に設置された衆院「日本国憲法に関する調査特別委員会」でも、設置時より委員長を務めている。
国会の委員長や調査会長は、通常1〜2年で交代するものだが、同種の役職を7年間もの長期間務めた例は異例だ。
『実録 憲法改正国民投票への道』(中央公論新社)、『15歳からの憲法改正論 未来の日本を創るのは君だ!』(PHP研究所)といった著書もある。

派閥としては、参院初当選時から一貫して清和会(福田派→安倍派→三塚派、現在の町村派)に属した。
安倍晋太郎会長下で加藤六月元農水相、塩川正十郎元財務相、森喜朗元首相、三塚博元幹事長が「安倍派四天王」と称されると、これに続く「安倍派 第5の男」と呼ばれた。
1998年、三塚派内で森ラインと亀井静香(現国民新党代表代行)ラインの対立が激化すると、亀井氏、平沼赳夫元経産相らと清和会を脱退し、「中山 ・亀井グループ」を結成。しかし、翌年(1999年)の志帥会結成には参加せず、以来無派閥を貫いている。

大臣のポストこそ手に入れたものの、年齢と当選回数の割には表舞台を歩いて来なかったほうで、これまでも首相候補として目されたことはほとんどない。
しかし、全国各地の講演会でも年齢を感じさせない元気な姿を見せるほか、最近では衆院国会本会議場の最後列に座り、小泉純一郎元首相や森元首相と席が隣同士となった。
本会議場の席順は最前列が若手(当選1回)議員、最後列がいわゆる「重鎮」議員で構成されている。
自民党にあっては、首相経験者が最後列に座ることが多く、自民党席の最後列に首相経験者でないにもかかわらず座っているのは、自民党の“長老”である中山氏のみだと言っても過言ではない。

小沢氏が構想する選挙管理内閣が実現するためには、もちろん、麻生首相の退陣が不可欠だ。
かつての「自社さ連立政権」で自民党が社会党の村山富市委員長を首相に担いだ時のように、ほとんど実権力を持たない“お飾り総理”として中山氏を首相に担ぐ――、というのが、民主・社民両党幹部が描くシナリオらしい。
安倍晋三元首相―福田康夫前首相と、2代に渡って「辞任総理」を生み出した自民党としては、麻生首相退陣による、まさかの「中山太郎首相」誕生は避けたい事態だ。
これまで自民党を下支えした縁の下の力持ちであり、古い自民党も新しい自民党も知る“生き残り”となった中山氏。党執行部としては、「ミスター自民党」ともいえる中山氏の首相就任だけは避けたい。何とも皮肉な話だ。

リンク:中山太郎オフィシャルホームページ中山太郎ブログ

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2008年12月10日

福島社民党首の訴え受け入れ 麻生首相の「派遣・非正規救済」プラン

「倒閣運動」の前にやるべきことがあるのではないか。

<支持率急落>自民議員、一斉に動く 「反執行部勢力」倍増

 麻生内閣の支持率急落を受けて、自民党内では9日、所属議員が相次いで会合を開くなど「余震」が続いた。政権批判を強める中堅・若手が2回目の会合を開くと、メンバーは48人に倍増。一方、党内の路線対立を踏まえ、郵政民営化などの政策議連も相次いで旗揚げした。麻生太郎首相の人気低落で、党内では次期衆院選への危機感が充満しており、各議員は有権者の視線を意識しながら、一斉に走り出している。

 「我々の提言を党執行部にのませるのか。(執行部が)のまないなら(野党が衆院に提出する)内閣不信任案賛成までやるのか」

 9日、自民党本部7階。中堅・若手でつくる「速やかな政策実現を求める有志議員の会」(代表世話人=塩崎恭久元官房長官、茂木敏充前行政改革担当相)が開いた2回目の会合で、柴山昌彦衆院議員は大声で、出席者の「決意」を迫った。支持率急落を受け、メンバーは48人(出席者は25人)にまでふくれあがった。

 先月、08年度2次補正予算案の今国会提出を首相に求めた「速やか議連」は、森喜朗元首相や各派領袖から、厳しい批判を浴びた。しかし、支持率急落による焦りが、尻込みしていた議員の背中を押した形。政権批判を続ける渡辺喜美元行革担当相は会合後、「党内は閉塞(へいそく)感に満ちあふれており、若い議員に相当、危機認識がある」と語った。

 そんな中堅・若手の動きに対し、党執行部はいら立ちを隠さない。菅義偉選対副委員長は9日、党本部で記者団に対し「倒閣や新党で動くなど、政権運営を妨げる行動があった場合、同志として一緒にやっていけるか、判断せざるを得ない」と強調した。次期衆院選での公認停止などを念頭に、中堅・若手の動きをけん制したものとみられる。

 一方、小泉純一郎元首相、中川秀直元幹事長ら自民党の郵政民営化推進派は議員連盟「郵政民営化を堅持し推進する集い」を発足させた。

 「3年前の選挙を思い起こしてほしい。不可解な行動をしている方の多くは郵政民営化反対が間違いだったと誓約書まで書いて復党したことを忘れないでほしい」

 小泉氏はこうあいさつし、郵政復党組で、首相側近の山口俊一首相補佐官らが日本郵政グループの組織形態の見直しを検討していることなどを強くけん制した。「親麻生」のスタンスを崩さない安倍晋三元首相も民営化堅持の姿勢をアピールした。

 首相は9日夜、首相官邸で記者団に対し、中堅・若手の会合について「いろんな意見が出ることは正直いいことだ。頑張れという声も別にあり、いいことだと思っています」と述べるにとどめた。郵政議連の終了後、小泉氏は参加議員に対し「大変だなあ。次の選挙は。(政権は)すでに追い込まれているんだよ」と語ったという。

【犬飼直幸、山田夢留】

 ◆自民党の「速やかな政策実現を求める有志議員の会」の会員として登録しているメンバーは次の通り。

 <町村派=13人>谷畑孝(4)※、谷本龍哉(3)、柴山昌彦(2)※、西村明宏(2)、西村康稔(2)、萩生田光一(2)、関芳弘(1)、世耕弘成(3)参、礒崎陽輔(1)参※、岸信夫(1)参、古川俊治(1)参、丸川珠代(1)参、義家弘介(1)参

 <津島派=10人>伊藤達也(5)、茂木敏充(5)、大村秀章(4)、新藤義孝(3)、加藤勝信(2)、大塚高司(1)、原田憲治(1)※、福岡資麿(1)、田村耕太郎(2)参、島尻安伊子(1)参

 <古賀派=10人>遠藤利明(4)、塩崎恭久(4)、望月義夫(4)、小野寺五典(3)、上川陽子(3)、平井卓也(3)、井沢京子(1)、木原誠二(1)※、土井真樹(1)、萩原誠司(1)

 <山崎派=3人>山際大志郎(2)、上野賢一郎(1)※、平将明(1)※

 <伊吹派=1人>宇野治(2)

 <無派閥=11人>水野賢一(4)、渡辺喜美(4)、梶山弘志(3)、後藤茂之(3)、秋葉賢也(2)※、菅原一秀(2)、御法川信英(2)、赤沢亮正(1)、佐藤ゆかり(1)※、牧原秀樹(1)※、山内康一(1)

 (注)9日現在。敬称略。数字は当選回数。参=参院議員。※は今回初登録し会合にも初出席の議員。麻生派と二階派からの参加者はなし

(10日、毎日新聞)

9日、麻生太郎首相は内閣支持率の低下を受け、自民党内の首相経験者や各派閥領袖に「私へのアドバイスがあれば(河村建夫)官房長官に伝えてほしい」との電話を入れた。
政策提言のため、首相官邸を訪れた町村信孝前官房長官(町村派代表世話人)の話にも、麻生首相と河村長官がじっと耳を傾ける低姿勢ぶりを示した。
河村氏は同日、8日に引き続き首相経験者らを訪問しアドバイスを求めた。
福田康夫前首相は河村氏に「総選挙のことは考えないで、予算を通すことに全力を挙げた方がいい」と進言した。
私も福田氏と同意見だ。選挙のことは考えず、今は経済対策となる予算を通すことに総力を挙げるべきである。

同日夜、福田氏と同じ「首相経験者」である森喜朗元首相は、青木幹雄前参院議員会長、山崎拓前副総裁と東京都内の日本料理店で会談した。
景気・雇用情勢の悪化を受けて、2009年度予算案の成立を急ぐべきだとの意見が相次いだほか、次期衆院選後は「ねじれ国会」の解消に向け、政界再編が不可避との認識で一致した。
会談には、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄読会長兼主筆と日本テレビ放送網の氏家斉一郎取締役会議長が同席した。

米国発の金融危機をきっかけに、緊急事態を迎えた日本経済。
製造業を中心に派遣・非正規労働者との契約を更新しなかったり、中途解除したりする「派遣切り」が加速しており、事態は深刻だ。
また、今朝の各紙朝刊が報じた「ソニー、エレクトロニクス事業から1万6000人削減」のニュースは、関連部品メーカーや国内外の雇用情勢に影響を与えることも必至だろう。
そんな中、与野党問わず、麻生政権に対して緊急の経済対策を実施すべきだとの声が相次いでいる。

9日午前、社民党の福島瑞穂党首は、国会内で麻生首相に会い、「派遣切り」について、「政府として『派遣の中途解約は許さない』『違法だ』と宣言してください。大企業も派遣切りをしているが、やめさせてほしい」と申し入れた。
これに対し、麻生首相は「珍しく社民党と意見を共有しています」と述べ、雇用対策に全力を挙げる考えを強調した。

政府の追加対策の中で、中途解約を一定程度防ぐとみられるのが、雇用調整助成金の非正規社員への拡充だ。
従業員をリストラせず、出向や休業とした企業を助成する制度だが、適用は正社員だけ。非正規も対象となると、解約が減る可能性を連合も指摘している。
さらに非正規社員への雇用保険の適用基準を「1年以上の雇用見込み」から「半年」に緩和する方針も安全網となる。派遣社員らは3か月、6か月契約が多く、雇用保険から漏れる人が少なくない。

それでも一連の施策は、予算案が成立しないと財源を調達できない。
同日の会議では「迅速な対応」を確認したものの、年内実施に踏み切れそうなのは、失職し寮を出る必要がある非正規社員を雇用促進住宅の空き部屋(約1万3000戸)に緊急避難的に入居させることや、雇用情勢が厳しい地域での職業訓練強化、事業主への啓発などに限られる。

10日午前、公明党の太田昭宏代表はも、首相官邸で麻生首相に会い、来年度から2年間で10兆円以上の経済対策を実施するよう申し入れた。
これに対し、麻生首相は「景気対策、財政再建、経済成長戦略、その時々に何が一番大事かをしっかり踏まえてやりたい」と述べ、臨機応変に対応する考えを示した。 

塩崎恭久元官房長官、渡辺喜美元行革担当相ら若手・中堅議員を中心に、「倒閣運動」と捉えられかねない動きが加速している自民党内。
「郵政」をめぐり、今期限りでの引退を表明した小泉純一郎元首相も、中川秀直元幹事長らと共に「郵政民営化を堅持し推進する集い」を発足させ発言を行い、最後の最後に存在感を再び増してきている。
中川氏と小池百合子元防衛相が中心となり結成している、社会保障をめぐる議員連盟の動向も「倒閣運動」とどう関わってくるか、注目だ。

森氏や青木氏が言うように政界再編は不可避なのかもしれないが、今、本当に大事なことは選挙を実施することなのだろうか。政界再編を即時実現することなのだろうか。
麻生首相は公明党や社民党の党首らと会談するなどして、経済危機に対しての与野党問わぬ国会議員の「総力戦」を画策している。
今、本当に必要とされるのは、選挙により政治空白を生じさせることではなく、予算を通すことで経済対策を断行することだろう。

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2008年12月02日

渡辺元行革相が「離党」宣言? 不快感あらわにする派閥ベテラン

渡辺氏には、杉村太蔵議員の文章を読んで学んでほしい。

<自民党>ベテラン、若手を叱責 相次ぐ首相批判に警戒感

jimin_20081202.jpg(C)毎日新聞

 ◇「総裁を守る気なくて、何で政治家をやってるのか」

 麻生太郎首相の政権運営を巡り、自民党の中堅・若手から批判が相次いでいることに対し、森喜朗元首相らベテラン議員が警戒感を強めている。延長国会で野党が政権批判を強める中、首相批判を容認し続けると、有権者の自民党離れを助長しかねない。党内の結束を求める各派閥領袖クラスと、次期衆院選への危機感を強める若手との間で、世代間対立も強まっている。

 「自分たちが選んで2カ月の総裁を守るという気持ちなくして、何で政治家をやっているのか。マスコミに受けたいのなら、お笑いタレントでもやればいい」

 森氏は11月30日、兵庫県洲本市の講演でこう語り、中堅・若手の動きを厳しく批判した。とりわけ、渡辺喜美元行政改革担当相や塩崎恭久元官房長官に対しては「テレビがくると、我先に麻生さんの悪口をぽんぽん。それなら、(自民党を)やめていけばいい」と不快感をあらわにした。

 自民党内では総裁選で首相を支援した町村信孝前官房長官や伊吹文明元幹事長、津島雄二元厚相ら各派領袖が首相への批判を強める中堅・若手らに直接注意するなど「沈静化」に奔走。森氏も先月30日、首相批判を展開した町村派の若手議員を電話で叱責(しっせき)し、首相擁護で歩調を合わせる。

 森氏らが中堅・若手グループの動きに神経をとがらせるのは、麻生首相の足元が揺らぎ、首相自身に批判を受け止めるだけの「余裕」がないからだ。古賀誠選対委員長は1日夜、東京都内の会合であいさつし、「政局が混迷し、厳しい時こそ挙党一致でやるのが、自民党の良き伝統だ」と強調した。

 ただ、党内では、中堅・若手とは別の動きも広がる。森氏と同じ町村派の中川秀直元幹事長は、週内にも社会保障に関する議員連盟を結成する予定。中川氏の周辺は「政権の足りないところを補う『補麻生』の役割を果たしたい」と説明するが、「反麻生」での連携の可能性もくすぶる。

 渡辺氏は1日のBS11の「インサイドアウト」の収録で、森氏の批判について「平時モードの発想で頭の中が非常時モードになっていない。ちょっと古すぎる」と逆に森氏を批判。収録後、記者団に対し「いろいろな集団が大同団結することもあり得る」と述べ、中川氏らの動きに関心を示した。

 森氏は30日の講演で「自民党が野党になったとき、ぞろぞろ党から出ていった。その傾向が今また表れている」と述べ、あえて93年の衆院選での野党転落当時にふれた。若手議員が政権交代におびえる中で、党内には「各省庁はもう麻生政権を見放して、民主党シフトを取っているのではないか」(参院自民党幹部)との疑心暗鬼まで広がっている。【高山祐、近藤大介】

(2日、毎日新聞)

きょう(2日)、自民党の渡辺喜美元行革担当相はテレビ朝日の情報番組に出演し、将来の自民党離党・新党結成などの可能性について「(自身の麻生政権批判に対して)『自民党から出て行け』とかずいぶん言われ始めたが、もっと言われるとそういうことになる可能性もないわけではない」と含みを残した。
渡辺氏は、自らに同調する人数については「2か月前に(党総裁選で)新総裁をつくったので、そう簡単に20人も30人も(離党へ)かじを切れる状況にはない」と発言。
その上で、「タイミングもある。今は、地道に仲間を増やしていくしかない」と述べ、当面は突出した行動は控える考えを示した。 
これに対し、大島理森国対委員長は同日夕、「(渡辺氏は)政治家としての器が小さい。誰も信用しなくなる。テレビに出て自分の組織の批判をすれば、国民は面白いかもしれないが、面白いだけの政治家になってはいけない」と渡辺氏を批判した。

自民党内では今、一部の若手・中堅議員から麻生太郎首相を批判する声が相次いで出ている。
これに対し、若手・中堅に対して“逆批判”をしているのが森喜朗元首相(町村派最高顧問)ら派閥領袖のベテラン議員だ。
先月(11月)30日、森氏は兵庫県で講演し、「自分たちで選んだ(まだ在任期間)2か月の総裁を守るという気持ちなくして、何で政治家をやっているのか。マスコミに受けたいのなら、お笑いタレントでもやればいい」と語った。
森氏が発言の念頭においているのは、渡辺氏や塩崎恭久元官房長官、山本一太参院議員らだ。
森氏は、「テレビ(の出演依頼)が来ると、われ先に麻生さんの悪口をポンポン。それなら、(自民党を)やめていけばいい」とも発言、不快感をあらわにしている。

党内では、9月の総裁選で麻生首相を支持・支援した町村信孝前官房長官(町村派会長)や津島雄二党税調会長(津島派会長)、伊吹文明元幹事長(伊吹派会長)ら各派領袖が、麻生批判を展開する若手・中堅議員らに直接注意するなど奔走。
森氏自身も、先月30日、首相批判を行っている町村派の若手議員を電話で叱責している。

ただし、党内では、一部若手・中堅とは異なる議員らによる、ある“動き”も見受けられる。
森氏と同じ町村派の中川秀直元幹事長は、今週中にも社会保障に関する議員連盟を結成する予定だ。
中川氏周辺は「政権の足りない所を補う『補麻生』の役割を果たしたい」と説明しているが、渡辺氏ら「反麻生」グループとの連携の可能性も取り沙汰されている。
渡辺氏も、昨日(1日)行われたBS11の番組の収録後、記者団に対し「色々な集団が大同団結することもあり得る」と述べるなど、早くも中川氏らに“ラブコール”を送った。

ご存知の通り、自民党は安倍晋三元首相と福田康夫前首相の2年連続での辞任劇により、支持の受け皿が半崩壊している。
同党の杉村太蔵衆院議員も、福田政権発足時には、自身のブログで
「失った信頼、これを取り戻すことは容易なことではありません。
微力ですが決まった以上は全力でお支えします。
それが政党人としての務めであります。」
と語るなど、信頼回復と首相下支えの重要性を訴えていた。
「3人目の辞任総理」を生み出さないためにも、自民党内は一致団結して麻生首相を支えるのが本来あるべき姿のはずだ。しかし、渡辺氏らは目の前の「受け」を狙って、麻生批判を展開し続けている。
挙句の果てに、渡辺氏は、自民党を離党するなどという言葉もちらつかせているが、本当にそれができるのであればすればよい。森氏が先月30日の講演で指摘した通り、「自民党が野党になった時、(議員は)ゾロゾロ党から出て行った」。その再現をしたいというのであれば、どうぞご自由に、という感じだ。

自分たちが担ぎ出した総裁を、在任期間2か月程度で一転、批判姿勢に転じるなど、人間としても政治家としても不見識極まりない。
もちろん、麻生首相にも「定額給付金」をめぐる迷走や失言問題など、批判されるべくして批判されている点も少なくない。しかし、それらは「あの時麻生を総裁に選んだのに、裏切られた」という論理に結びつくものではないはずだ。
今国会での2次補正予算の提出をめぐる問題についても、党総裁が党において一度決めたことに対して、決まった後に異論を挙げるなど、勇気不足もはなはだしい。

渡辺氏らの動きからは、浅薄なポピュリズムしか見受けられない。
河野洋平衆院議長(元総裁)は、かつて当時の自民党に反発し、新党「新自由クラブ」を結成、自民党を離党した。口だけ動かすのはもうやめて、あの時の河野氏の気概を少しは見習って欲しいものだ。

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2008年12月01日

「握りの大島」 大島国対委員長が在任記録更新

哀愁漂う?「知将」が、もうしばらくは国会対策の指揮を執る。

大島国対委員長が記録更新=在任期間、中川氏抜く

t_oshima_20081201.jpg(C)産経新聞

 自民党の大島理森国対委員長は1日、通算在任日数が1128日となり、中川秀直元国対委員長が持っていた同党の最長記録を塗り替えた。衆参ねじれ国会で陣頭指揮に当たってきた大島氏。延長国会でも野党の攻勢に神経をすり減らす日々が続きそうだ。

 大島氏は2000年12月から02年9月まで、森、小泉両内閣の下で国対委員長を務めた。07年の参院選での自民党惨敗後、国会運営の手腕を買われて同年8月に再登板。今年9月の麻生内閣発足に際しては、盟友の麻生太郎首相から官房長官への就任を要請されたが、自ら国対委員長再任を求めた。

 大島氏は「振り返ってみれば長過ぎた、この場に居過ぎているのではという思いもある」としつつも、「まだ『辞めろ』と言われていないので、職にある限りは麻生内閣のために全力を尽くしたい」と話している。 

(1日、時事通信)

今日(1日)、自民党の大島理森国対委員長は、通算在任日数が1,128日となり、中川秀直元幹事長を抜き歴代最長の国対委員長となった。
激動のねじれ国会で心身ともにやつれ果て「早く後進に道を譲りたいの〜」と嘆くが、老獪(ろうかい)な手腕は余人をもって代え難く、麻生太郎首相は、来年の通常国会も「大島体制」で乗り切る構えだ。

安倍晋三政権末期の2006年夏、大島氏は森喜朗政権で国対委員長を務めた実績を買われて、国対委員長に再起用された。
衆参「ねじれ国会」の中、同年(2006年)秋の新テロ対策特措法をめぐる越年闘争や、揮発油税(ガソリン税)の暫定税率をめぐる闘争などで「知将」ぶりを発揮してきた。

初めは毒舌で相手を威嚇し、その後は「なだめ」「すかし」で翻弄、最後は人情でホロリとさせ、事を運んでいくのが大島流。
先の通常国会では、衆参「ねじれ」現象を抱えながらも、最後は例年並みの法案79本を成立させた。
こうした手法は故・竹下登首相直伝といわれ、相手の弱みを小出しにして譲歩を引き出す手口から「握りの大島」の異名を取る。

麻生首相とは昔から親しく、麻生政権発足時に官房長官への起用も取りざたされたが、首相は「悪代官が1日2回も記者会見したら国民に申し訳ないだろ」とあっさり却下、国対委員長職への留任を求めた。

時代劇好きの大島氏は、公明党の漆原良夫国対委員長との「悪代官ごっこ」が目下のマイブーム。
大島氏「越後屋、お主も相当のワルよのう…」
漆原氏「お代官様にはかないませぬわ…」
大島氏「思えば長い道のりじゃのう…」――
と、やり取りしているとか。
持病の糖尿病に加え、最近では口元にヘルペスが再発し、満身創痍(そうい)の大島氏にとって「戦友」の漆原氏との時代劇ごっこは、数少ない心の癒しとなっている。

党役員会で、麻生首相が「この前、ホッケの煮付けかなんかを食ったなあ」と話すと、大島氏は冷静な顔のまま「北海道に『ホッケの煮付け』はありません」と断言。麻生首相との距離の近さゆえ、こんな発言もできるのだろう。
「一度でいいから『水戸黄門』(TBSテレビ)に出たいもんじゃのう…」と遠い目をしてつぶやく姿からは、全身(全心)の疲れが感じられるが、まだまだ休めそうにはない。

参考:産経新聞記事

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2008年11月29日

麻生首相を「広報面」で支える島村氏と「政策面」で支える谷垣氏

首相の「失言問題」を誰がどうバックアップするか――。麻生首相本人が動き出した。

<総裁特別補佐>島村元農相起用へ…麻生首相

 麻生太郎首相は28日、自民党のスポークスマンとして報道機関に対応する総裁特別補佐職を新設し、島村宜伸元農相を起用する人事を内定した。首相の発言に与党からも「説明不足」などと批判が出ていることを踏まえ、政権の広報機能を強化する。島村氏は広報活動全般の企画にも携わる予定。07年と今年の総裁選では麻生氏を支持していた。

(29日、毎日新聞)

麻生太郎首相(自民党総裁)の「総裁特別補佐」という役職が新設され、それに島村宜伸元農水相が就任することが、昨日(28日)、内定した。
島村氏は1976年の衆院選で初当選。東京16区選出で、麻生首相と同じ学習院大学の出身である。現在は衆院懲罰委員長を務める。
2005年8月の「郵政解散」時には、当時の小泉純一郎内閣で農水省を務めていたが、衆院解散への閣議署名を拒否し、辞表を提出。手続き上、小泉首相(当時)に「罷免」された。ちなみに、後任の農水相には一時的に小泉首相が兼任し、同月11日には、当時農水副大臣だった岩永峯一衆院議員が任命された。

2006年12月、亀井派の後継問題でなかなか後継体制が決まらなかったが、「伊吹文明会長―島村名誉会長」という体制で決着し、伊吹派となった。
2007年3月、伊吹派を退会。派内における伊吹会長との主導権争いが原因とみられる。
2007年総裁選(福田康夫氏が当選)、2008年総裁選では、無派閥議員として麻生氏を支持。推薦人に名を連ねる。
現在は「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」会長、中川昭一財務・金融相が会長を務める「真・保守政策研究会」議長を務めるなど、保守派・タカ派議員として知られている。

テレビ討論番組などへの出演も多く、分かりやすく明瞭な発言姿勢には定評がある。
麻生首相が会長を務める「為公会(麻生派)」のメンバーの中にも、中馬弘毅元行革担当相、鴻池祥肇元防災担当相などメディアへの出演機会が多い、「情報発信型」の議員はいる。
しかし、鴻池氏は麻生首相同様、自身の「発言問題」が議論を呼ぶこともしばしばあり、麻生首相としては、自身の発言の“回収役”としては、島村氏が適任であると考えたようだ。
前回のエントリでは、河村建夫官房長官が麻生首相の発言を補正する役割を担うと宣言した、と記述したが、麻生首相としては、補佐役が河村氏だけでは心もとないと考えたのだろう。
党執行部は「総裁の考えをより広く知ってもらい、国民の誤解を解いてほしい」としており、求心力低下が指摘される麻生首相の政権運営を、メディア対策を中心とした広報面で支える狙いがありそうだ。 

さて、今月26日、自民党では麻生首相肝いりのプロジェクトチーム(PT)の会合が、相次いで開かれた。
「道路特定財源の一般財源化に関するPT」の会合では、座長・谷垣禎一元財務相が「確保するものは確保しなければいけない。暫定税率も当面維持すべきだ」と述べ、暫定税率を3年程度維持する方針を改めて表明した。

ippanzaigenka_pt_20081126.jpg(C)毎日新聞
26日の「一般財源化PT」会合の模様

同じく自民党の「無駄遣い撲滅PT」(座長・園田博之政調会長代理)の幹部会では、来年度予算編成で一般歳出から数千億円の削減を目指すことを確認した。
党幹部は「選挙を控え、多くの議員が目の色を変えて予算獲得に動いている」と省庁や議員らの抵抗に頭を抱えている。
昨日(28日)には、国家公務員のレクリエーション経費の原則撤廃や、公益法人への支出の3割削減、防衛装備品調達の効率化などが盛り込まれた、行政の無駄削減対策案をまとめた。
数値目標の設定は見送られたが、数千億円のスリム化が可能とみられる。
園田氏は「(平成)21年度予算の重点化枠3,300億円は予算削減により確保したい」と語り、社会保障などへの活用を目的に、概算要求基準で設定された重点化枠に、無駄撲滅で浮いた予算を充てる考えを示した。

一方、自民党の「郵政事業に関する検討・検証PT」(座長・中谷元元防衛庁長官)も26日、初会合を開いた。
郵政民営化関連法には来年(2009年)3月をめどに民営化の進め方を見直す規定があり、各事業会社の経営やサービス状況などを精査し、来年1月に結論を出す。

来年に予想される次期衆院選を控えて、自民党内では、広報面・政策面双方で、議員らの動きが加速している。
島村氏が今後どこまでメディア対策などで露出が増えるか、あるいは影響力を持つかは未知数だが、今回の総裁特別補佐職新設からは、麻生首相が「一枚看板」ではなく、“TEAM麻生”の演出姿勢に舵を切ったかのようにもみえる。

麻生首相の「発言問題」をめぐっては、首相本人も苦労している面があり、島村氏が広報面でそれを支える形だ。
政策面においては、谷垣氏、園田氏、中谷氏といった「宏池会(古賀派)」のメンバーを座長に据えた党PTが麻生首相(総裁)を支える。
これらのPT座長人事からは、基本的には麻生首相の谷垣氏への信頼感が垣間見れる。園田氏も中谷氏ももともと旧谷垣派議員で、谷垣氏に非常に近い。麻生首相は、「宏池会」といっても、古賀誠選対委員長系の議員ではなく、谷垣氏系の議員を信頼していると言えそうだ。

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2008年11月28日

浮き足立つ自民党内… “派閥幹部 VS 若手・中堅議員”の図式も

麻生首相流のリーダーシップと国民対話を実現することで、初めて小沢氏の格上になれる。

<自民党>各派閥から苦言・注文相次ぐ 首相の求心力に陰り

 27日の自民党の各派閥の会合で、幹部らから麻生太郎首相に対する苦言や注文が相次いだ。次期衆院選への影響を懸念する中堅・若手議員も首相を公然と批判。政府・与党は同日、今国会の延長を決めたものの、首相の求心力の陰りで先行きは不透明感を増しており、自民党内は浮足立った落ち着かない状況が続いている。【中田卓二】

 「国民目線とずれないこと、決められた法律を守りながらぶれないことが大事だ」

 中川秀直元幹事長は町村派の会合で強調した。首相が郵政株式売却凍結に言及し、党内で郵政民営化見直しの機運が高まったことへのけん制だった。

 伊吹文明元幹事長は伊吹派会合で「政策の良しあしより、二転三転しないことだ」と、定額給付金などをめぐる首相のぶれを批判。高村正彦前外相も高村派会合で「首相が先頭に立って国民に説明しないと、今の逆風は乗り切れない」と首相に奮起を促した。

 政策以上に党内の懸念材料になっているのが首相の発言。27日も相次ぐ医療関係の失言が問題視された。

 山崎拓前副総裁は山崎派の会合で「沈黙は金。放言でメッキのたぐいがはがれないように、いろんなことは言わずに頑張ってほしい」と皮肉をたっぷり交えながら指摘。町村信孝前官房長官も27日夜のBS11デジタルの報道番組「インサイドアウト」に出演し、「首相の一言は重い。関係省庁、閣僚、官邸スタッフで方向感覚をそろえたうえで、首相がモノを言った方がいい」と論評した。

 とはいえ、安倍晋三元首相と福田康夫前首相が相次いで1年で退陣しただけに、当面は首相を支えていくべきだというのが党内の共通認識。これが「首相に正しいことを言い、どんどん突き上げないと、自民党に未来はない」(山本一太参院議員)などと、中堅・若手議員を勢いづかせる要因にもなっている。

(28日、毎日新聞)

河村官房長官 首相の放言問題「釈明や説明は私が…」

t_kawamura_20081128.jpg(C)毎日新聞

 「本意を理解していただく努力は私がしないといけない」−−。河村建夫官房長官は27日の記者会見で、麻生太郎首相の放言が相次いでいることに関し、女房役の官房長官として「釈明」に努めていく姿勢を示した。

 首相が20日の経済財政諮問会議で、高齢者医療費の増大は患者に責任があると受け取れる発言をしたことに関する質問が続出。河村氏は「健康は自分で努力する部分もある。そういうことも大事と言った」などと説明に追われた。

 その一方で「できるだけ釈明や説明をしなくて済むにこしたことはないが、首相はああいう性格。いろんな発言はこれからもあるだろう」と語った。【坂口裕彦】

(28日、毎日新聞)

昨日(27日)、自民党の各派閥は会合を開き、派閥幹部らからは麻生太郎首相(自民党総裁)への意見・注文の声が相次いだ。
安倍晋三元首相―福田康夫前首相と、2代連続で任期途中で辞任する首相を送り出した党内としては、党内一丸となり麻生首相を支える姿勢で基本的に一致している。
しかし、来るべき総選挙への影響を懸念する中堅・若手議員が、首相を公然と批判。
それに対し、派閥幹部が“圧力”をかけるような発言をするなど、党内の様子は浮き足立ったものとなっている。

党内最大派閥・町村派の会合で、中川秀直元幹事長は「国民目線とずれないこと、決められた法律を守りながらぶれないことが大事だ」と語り、麻生首相が郵政株式売却凍結に言及し、郵政民営化見直し議論を加速させていることを暗に批判した。
伊吹派の会合で、伊吹文明元幹事長は「政策の良し悪しより、二転三転しないことだ」と、定額給付金などをめぐる麻生内閣の“迷走”を批判。
高村派の会合では、高村正彦前外相も「首相が先頭に立って国民に説明しないと、今の逆風は乗り切れない」と、麻生首相に奮起を促した。

政策以上に党内の懸念材料になっているのが「麻生首相の発言」。
この日も、相次ぐ医療関係の“失言”が問題視された。

山崎派会合で、山崎拓前副総裁は「沈黙は金。放言でメッキの類(たぐい)がはがれないように、色んなことは言わずに頑張ってほしい」と皮肉たっぷりに発言。
町村派会長である町村信孝前官房長官も、この日夜のBS11デジタルの報道番組『インサイドアウト』に出演し、「首相の一言は重い。関係省庁、閣僚、官邸スタッフで方向感覚を揃えた上で、首相がモノを言った方がいい」と論評した。

麻生首相の「2次補正予算案」への対応や、定額給付金の動きを批判しているのが、党内の若手・中堅議員だ。
渡辺喜美元行改担当相ら中堅・若手グループが政府・与党の方針に反対して、2008年度第2次補正予算案の今国会提出を求めている。
山本一太参院議員も「首相に正しいことを言い、どんどん突き上げないと、自民党に未来はない」と発言するなど、非常に勢い付いている模様だ。

こうした若手・中堅の動きに対して、自民党各派の総会では批判的な意見が相次いだ。
伊吹派の伊吹元幹事長は、民主党が「2次補正予算案」関連法案の審議を引き延ばせば、これが廃案に追い込まれる可能性があるとして、「民主党は(成立を)約束していないから危ない」と指摘。
会合の出席者からは「(渡辺喜美氏らは)そういうことも知らずにやっ
ているのか」
と非難の声が上がった。
また、山崎派の山崎前副総裁は「党で決定したことには従うべきだ」と自制を要求。
二階派の泉信也事務総長(参院議員、元国家公安委員長)は「余計なさざ波を立てないように…」と注意喚起した。

麻生首相の発言問題について、麻生内閣における首相の“女房役”からは「バックアップ宣言」が飛び出た。
河村建夫官房長官は、昨日(27日)の記者会見で「本意を理解していただく努力は私がしないといけない」と語り、麻生首相の放言が相次いでいることに関し、女房役の官房長官として「釈明」に努めていく姿勢を示した。

その一方で、「できるだけ釈明や説明をしなくて済むにこしたことはないが、(麻生)首相はああいう性格。色んな発言はこれからもあるだろう」と未来の困難を予測した。

町村派に所属する河村氏は、官房長官就任会見で自分でも語ったように、ある意味“超地味系議員”。
党・内閣における麻生首相の「一枚看板」ぶりを演出するための引き立て役として任命された格好だが、河村氏が官房長官に就任した背景には、森喜朗元首相(町村派名誉会長)による、麻生首相への働きかけがあった。

もともと河村氏は根っからの「文教族」。文科相時代には、俳優の柳楽優弥さんが映画『誰も知らない』で国際映画賞を受賞した際に、柳楽さんと会談し、柳楽さんから「優しそうな印象」だと言われたこともあった。
「文教族」のドンである森元首相と結び付きがある河村氏を、森元首相が、同じく「文教族」である麻生首相に官房長官候補として推薦した。

麻生首相の姿勢や発言をめぐり、揺れる政府・党内。
基本的に麻生首相を支持する姿勢で党内が一致していることに変わりはないが、若手・中堅議員からは麻生首相に反発する声が出ており、派閥幹部はそうした意見を抑えることができていないのが現状だ。
安倍元首相は派閥幹部にとって「遠い」人物で、福田前首相は若手・中堅議員にとって「遠い」人物であった傾向がある。
これと比較して麻生首相は、これまで「一匹狼」的に永田町を生きてきた。麻生派議員以外にとってはなじみの薄い存在だ。

小泉純一郎元首相も同じように「一匹狼」的に生きてきた政治家だったが、小泉元首相と麻生首相とを比較した際、ブレーンのメディアとの関係の違いなども挙げられるが、明らかに違うのは世論との密着度だ。
麻生首相は「リーダーシップ」を標榜する政治家でありながら、肝心のそれを発揮できていない。小沢民主党との対決姿勢の提示も今ひとつだ。
“異端のお坊ちゃま”として60年以上生きてきた麻生首相に、小泉的なリーダー像を求めるのには無理がある。かといって、安倍元首相が一時模索していた「調整型」の首相を演じるのも無理だろう。

麻生首相が個人のキャラクターを最大限に発揮するためには、「ねじれ国会」現象を上手く利用して、小沢民主党との対決姿勢を極めて明瞭に、鮮明にすることだ。
民主党・小沢一郎代表への“闘争心”をむき出しにし、「麻生か小沢か」という選択肢を国民世論に提示することだ。
しかし、小沢代表へのネガティブ・キャンペーンだけでは麻生首相に勝ち目はない。麻生首相が自身の発言により留意する必要もあるが、それ以上に、「この人になら日本を引っ張っていく力がある」という点を演出する必要性がある。

麻生首相の記者を小馬鹿にしたような態度(ふざけた質問をする記者も悪い)が一般的に受け入れられるものなのかどうかはよく分からないが、麻生首相のキャラクターを国民に認知してもらうためには、腹を割った麻生首相と国民の直接対話が必要だろう。
首相官邸ホームページ・メールマガジンの「太郎ちゃんねる」などもそのための有効な手段の一つだろうが、やはり限界がある。既存メディアに「パフォーマンスだ」と馬鹿にされてでも、一貫して、中長期的な国民との直接対話型の機会を設けるべきだ。
まずは、麻生首相が米大統領風にカメラ目線で語りかける「テレビ演説」を行ってはいかがだろうか。「私は、誰かさんとは違って逃げない」ということ(※)を国民に真摯に伝えてほしいのだ。

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2008年11月25日

「この人の話は危ないな、と思うんじゃない?」 麻生首相がストレートに小沢批判

代表自らが体現する「政策よりも政局」政党に、麻生首相が挑む。

<2次補正>自民中堅・若手議員の間で早くも温度差

 08年度第2次補正予算案の今国会提出を政府に求めた自民党中堅・若手議員のグループの間で早くも温度差が目立ち始めた。急先鋒(せんぽう)の渡辺喜美元行革担当相が麻生内閣の「倒閣運動」と見られることも辞さない姿勢なのに対し、「今、首相を代えることなんてできっこない」との現実論も広がっている。こうした足並みの乱れを見透かし、党執行部や派閥領袖は活動の沈静化に乗り出した。

 第2次補正提出を要求しているのは、塩崎恭久元官房長官や渡辺氏ら同党の衆参両院議員25人。渡辺氏は「首相が『政局よりも政策だ』と言っているのに、ここで何もしないわけにいかない」と麻生太郎首相への批判を強めているほか、山本一太参院議員は衆院の早期解散を提唱する。

 ただ、グループのメンバーは25日、首相の第2次補正提出先送りを受けて、あからさまな政権批判を控えた。「支持するわけにもいかないが、ここで批判したら(倒閣に)完全に振り切れてしまう。悩ましいところだ」(政務官経験者)と自重したためだ。

 一方、津島派の津島雄二会長は同日の党総務会で「若手ならまだいいが、中堅が動いている。敵(民主党)に塩を送るようなことをするなと私も注意したが、みなさんもよろしく頼みます」と党幹部らに要請。森喜朗元首相、安倍晋三元首相、町村信孝前官房長官ら町村派幹部も同日、東京都内で会談し、グループの動きが過激化しないよう注視することを確認した。

 ベテラン議員からは「選挙で苦戦しそうな議員の『売名行為』に過ぎない」という冷ややかな見方も出ている。【高山祐】

(25日、毎日新聞)

きょう(25日)、自民党の大島理森国対委員長と民主党の山岡賢次国対委員長は、国会内で会談し、麻生太郎首相(自民党総裁)と民主党・小沢一郎代表の党首討論を今月28日に開くことで大筋合意した。
党首討論の開催は麻生政権発足以来初めて。

党首討論は麻生首相が、就任以来再三開催を求めてきたが、小沢代表側が「テーマがはっきりしない」(山岡氏)などの理由で一貫して拒否。
小沢代表は、党首討論開催予定日に“地方行脚”を続ける一方で、党首討論の開催を拒否し続けてきた。
まさに「政策よりも政局・選挙」という民主党としての基本姿勢を、代表自ら体現してきた形だ。

今回、小沢代表が一転して応じることを決めた背景には、麻生首相の2008年度第2次補正予算案提出先送り決定を受け、「2次補正」をテーマに党首討論を行うことにより、麻生首相を追い込みたいとの思惑があるとみられる。
国対委員長会談では、山岡氏が「もう一度オープンの党首会談をやりたい」と提案。大島氏が「だったら党首討論をやればいい」と回答し、山岡氏が応じる姿勢を示した。

麻生首相は、22日朝(日本時間)、訪問先のリマ市内のホテルで同行記者団に対し、最大で来年(2009年)1月までの今国会の会期延長を示唆した。
また、先日のエントリでご紹介した、小沢代表の「クビをかける」発言に関して、以下のように小沢代表を批判している。

 ◆2次補正

 08年度第2次補正予算案は中小企業融資枠、税制改正が必要なもの、来年度本予算に関係するものなどいろんな要素が含まれる。きちんと整理し、判断しなきゃいけない。(党内から今国会見送りに批判が出ていることについて)意見が出ない方が問題。いろんな意見が出され決まるのがいい。

 (民主党の小沢一郎代表は党首会談で、2次補正の審議・採決に応じるとの約束をほごにした場合、辞めると)7人の前で言った。その話は言ってない、と言われたら、この人の話はあぶないなと思うんじゃない。とたんにみんな信用できなくなっちゃった。前も(大連立構想が頓挫し)辞めると言って辞めなかったりしている。

 ◆会期延長幅

 野党の対応がどうかで対応が違ってくる。金融機能強化法案にずっと最後まで(民主党が)反対なら、(新テロ対策特別措置法案の再可決のための延長より)もっと延びるのかもしれない。

 ◆解散時期の判断

 佐藤内閣で「黒い霧解散」(66年)なんてあった。絶対に自民党が負けると言われたのに勝った。郵政解散も勝てると思った新聞社はなかった。最終的に首相が判断する要素は、人によって違う。判断は今決めているわけではない。

 ◆地方への1兆円

 「地方が一番使いやすい方法を考える」とずっと同じことしか言っていない。使いやすい方法を党で考えてもらっている。【リマ古本陽荘】

(22日、毎日新聞)

今回、やっと開催が決まった党首討論。
その党首討論が実際に行われるかどうか、“国会サボり魔”で有名な小沢代表のことだから、未だに不確定要素は満載だ。
麻生首相と小沢代表の直接対決はこれが初めてだが、麻生首相は、相当、小沢代表という人物に「敵対心」「憎悪感」を持っている。
今秋の総裁選時には“ハマコー”こと浜田幸一元衆院議員も注目した(※)、麻生首相の「闘争本能」に期待したい。


<追記>

前回お伝えした、元厚生事務次官宅への連続襲撃事件。
さいたま市の無職、小泉毅容疑者(46)が霞が関の警視庁に出頭し、供述を始めて、警察もDNA鑑定など幅広い捜査を行っている。
捜査本部によると、小泉容疑者は元次官2人の住所について、「(旧厚生省の)職員録で調べた」と供述しているという。
「保健所にペットを殺されたから」という動機で、小泉容疑者は3人を死傷させたと報じられているが、実際に保健所を運営しているのは厚生省(現在の厚生労働省)ではなく、各自治体である。
といっても、小泉容疑者の「本当の動機」は別の所にあるだろう。「ペット云々」という供述は、あくまで容疑者自身による“陳腐な演出”に過ぎない。

昨日(24日)の毎日新聞紙上では、立正大学の小宮信夫教授が次のように述べていた。
 「動機のルーツはペットかもしれないが、自分が置かれた境遇への怒りをどこかにぶつけたいと考えたのだろう。通常は所属している集団や特定の人間に向かうが、人間関係が希薄なため、社会に向かったのではないか」
 「社会の象徴として、年金のニュースなどで騒がれていた厚生労働省の元次官が標的になった可能性がある」
私も小宮教授と同意見だ。他にも色々な識者がこの事件や容疑者の心象を分析しているが、私は、小宮教授のこの分析が一番的を射ていると思う。

私は毎週土曜日の夜、報道系の情報番組『情報7days ニュースキャスター』(TBSテレビ)という番組を見ている。
ビートたけしさんと安住紳一郎アナウンサーがMCを務める番組だが、小泉容疑者出頭のニュースは、NHK・民放キー局中、この番組が一番早く報道した。
この日、たけしさんはフジテレビの裏番組に生出演していて、安住アナウンサーが一人で番組を進行。レギュラーの渡辺えりさんも出演せず、代わりに元検事の住田裕子弁護士が出演した。
ゲストに佐々淳行氏が出演し、住田氏らと今回の事件について、犯人像を予測していた最中に飛び込んで来たのが、容疑者出頭のニュースだった。

佐々氏や住田氏の分析は的確だったが、お二人による「容疑者出頭のニュース」を受けての分析をまとめると、以下の通りだ。

・警察署ではなく、なぜ霞が関の警視庁に出頭? ⇒ 社会への自己顕示、「腐った政府を成敗してやる」という間違ったヒロイズム
・借りたレンタカーの返却予定日を前に出頭したのは、気が小さいから。
・事件5日後の出頭は、「殺人による高揚感」の後の恐怖と落ち込みによるもの。
・なぜ犯行声明がなかったのか? ⇒ 事件の犯し方は分かっても、犯行声明の出し方は分からなかった。


その後、小泉容疑者はTBSテレビやフジテレビに、出頭数時間前、これから出頭することや犯行の動機を書いたメールを送っていたことが判明した。
「やはり」、犯人は社会的関係性の薄い小心者であった、というのが私の現在の感想だが、警察は、本当に容疑者が単独であるのか、背後関係はどうなのかなどを慎重に捜査している。
出頭直前、小泉容疑者が父親宛てに出した「手紙」の内容も気になる。それが事件を解明する手がかりに直接結びつくかどうかは分からないが、いずれにせよ、今回の小泉容疑者の犯行は、小心者による“手探りの自暴自棄”な犯罪であった。

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2008年11月18日

「国籍法」改正反対派は、日本人差別主義者だ!

「私たちの民族は劣っているんです」。そんな反日的な意見を聞きたくなどない。

党首会談「やぶの中」、小沢氏が「辞職」発言?

 民主党の小沢代表が17日の麻生首相との党首会談で、2008年度第2次補正予算案の取り扱いをめぐり、「議員を辞めてもいい」と発言したかどうかを巡り、与党と小沢氏の説明が食い違った。

 与党幹部によると、小沢氏は首相に「2次補正を今国会に提出してほしい。我が党は採決に協力する。この約束に違反すれば、議員辞職する」と明言したという。

 別の幹部は「小沢氏は『首をかける』と言い、首相は思わず『本当ですか』と問い直した」と語った。

 しかし、小沢氏は会談後の記者会見で「そんなこと言ってない」と真っ向から否定。真相は「やぶの中」となっている。

(18日、読売新聞)

今日(18日)午前、麻生太郎首相と民主党・小沢一郎代表の党首会談から一夜が明けた。
国会は、衆院本会議では国籍法改正案などが予定通り可決されたものの、参院では民主党が外交防衛委員会や財政金融委員会など、すべてにおいて「審議拒否」した。

14日、新テロ対策特措法改正案を審議する参院外交防衛委員会は、理事懇談会にて、18日に委員会採決を行うことで合意していたが、民主党はこの約束を“ほご”にする構えだ。
今日午前の委員会は一旦開かれたが、民主党が採決に応じないため、すぐに休憩となった。同日中の開催はない見通しだ。

政府・与党からは民主党への批判の声が相次いでいる。
河村建夫官房長官は、きょう午前の記者会見で「新テロ特措法改正案、金融機能強化法改正案を人質にして政局にしている。予想外のことで非常に残念だ」と不快感を示した。
鳩山邦夫総務相も、閣議後の記者会見で「政局のためには何でもやってやるぞという姿勢に驚いた。私には理解できない」と非難した。

私はこれまでことあるごとに述べてきているが、国会に出ない国会議員とは、一体何なのだろう。
哺乳動物でない哺乳類がいないように、国会議員も国民の代表者として選出され、また国民の血税で飯を食っているからには、国会に出席するのが最低限の義務だろう。
病気ともなれば話は別だが(もちろん仮病は病気に含まない)、集団で「審議拒否」をすることが民主主義の醸成につながるとは絶対に考えられない。異論があるならとことん議論をすべきだ。議論で最大限の「抗戦」をすべきだ。戦いに出ないことは決して「抗戦」ではない。

昨日(17日)の党首会談をめぐっては、再び小沢代表の「辞める辞める詐欺」が炸裂した。
与党幹部によれば、昨日の党首会談で小沢代表は麻生首相に「2次補正予算案を今国会に提出してほしい。我が党(民主党)は採決に協力する。この約束に違反すれば、(私は)議員辞職する」と明言したという。
別の幹部は「小沢代表は『クビをかける』と言い、麻生首相は思わず『本当ですか』と問い直した」と語った。
しかし、小沢氏は会談後にこの発言内容がバレると、すぐに記者会見で「そんなこと言ってない」と真っ向から否定してみせた。小沢代表といえば“自分の気に入らない”記者には質問をさせないことで有名だが、いわば「御用記者」相手になら、嘘やデマもたやすく言えるということなのだろう。



さて、国会の衆院では今日、国籍法改正案が全会一致で可決されたが、この法案をめぐっては、一時、一部の議員が改正に反対する姿勢を示すなどの行動をとった。
そもそも、国籍法を改正すると何が変わるのだろう。

例えば、結婚していない「日本人の父親」と「外国人の母親」の間に生まれた子がいるとする。この子が日本国籍を取得する条件としては、両親の婚姻要件が必要だったのだが、この要件を外し、父親と母親が婚姻関係になくても、この子に日本国籍を与えるというものだ。
これは、今年(2008年)6月に、婚姻を必要とする国籍法の規定を「違憲」とした最高裁大法廷判決を受けた措置である。
国籍法改正により、父親の認知だけで国籍取得が可能になる。

ただし、認知の偽装が広がる恐れもあるため、法務省は偽装に対して「1年以下の懲役か20万円以下の罰金」を科す罰則規定も盛り込み改正案を形成している。
未婚の日本人父とフィリピン人母の間に生まれた子供が日本国籍の確認を求めた訴訟で、大法廷は「遅くとも原告が国籍取得を届け出た2003年には、合理的理由のない差別を生じさせた」との判断を示した。
このため、改正法は2003年以降の届出については、さかのぼって婚姻要件の除外を認めることになる。

改正反対派は、「認知偽装」の拡大を過度に恐れている。
「外国人女性」が「日本人男性」をダマして、女の子供を日本国籍にする事例が劇的に増加すると想定しているのだ。
外国から来た女が「ホームレスの日本人男性」に金を渡し、その見返りに、自分の子の父親代わりになってもらう――なんていうことも発生する、などとも主張している。

私は彼ら改正反対派の主張は、「日本人男性」を恐ろしく軽蔑し差別した、真の意味での「自虐観」だと思う。日本人差別を助長したい集団(そんなものあるか分からないが)が「改正反対!」などと主張しているのではないだろうか。
『ハリー・ポッター』シリーズの“スリザリン寮”の精神よろしく、「純血」な日本人こそが美しいというこの考え方は、同時に、日本人を馬鹿にし、差別し、愚弄している考え方でもあるのだ。
彼ら改正反対派は、「日本人男性」が、外国から来た詐欺女に利用されるだけ利用されるほどの、そして自分が利用されていることに気付かないほどの馬鹿であるということを主張している。
「日本人男性」にだって、どんなに金に苦しむ「ホームレスの日本人男性」にだって、知性と常識ぐらいある。日本人としての誇りもある。
ところが、改正反対派は、「日本人男性」はダマされ、利用されるだけの馬鹿であると言いたいようだ。

もちろん、中には「日本人男性」すべてが聖人君子じゃないから、外国人の女にダマされる人間もいるに違いない、という意見もある。
しかしこの論理は、明らかな自己矛盾だ。
改正反対派の主張を裏返せば、日本に来る外国人が全員聖人君子であれば何の問題も起きないはずだ。外国人に聖人君子ではない人間が混じっているから、日本にやって来て「認知偽装」を働こうとする。
しかし、改正反対派の主張によれば、馬鹿な外国人女に利用されてしまうような、さらに馬鹿な「日本人男性」が日本にはすでにいるのだという。
そうすると、外国から日本にやって来る人たちが、全員聖人君子である必要性の根拠がなくなってしまうではないか。
もっと簡潔に書けば、日本人がみな聖人でないならば、外国人が聖人でないことを非難する根拠がなくなるのである。

国籍法改正に反対する人たちは、結局、「日本人男性」が利用されるだけ利用されるだけの“知性のない人間”であると主張したがっている。
現金さえ目の前にちらつかせば、ホームレスの日本人男性が、外国からの詐欺女にノコノコくっ付いて来ると主張したがっている。
言うなれば、改正反対派は、日本人を差別しているのだ。日本人は愚かな民族だからダマされやすいと、差別しているのである。
改正反対派は「純血(純潔)な日本人」だけで満ち溢れた日本を仕立て上げたいようだが、皮肉にも改正反対は「愛国心」を表現する心とは正反対なものとなっている。

「日本人男性」を差別し、「日本人男性」は、自分が利用されているだけであることすら把握できない愚か者である――。
そういった可能性により発生し得る「妄想上の犯罪」を糾弾するよりも、我々がすべきことはなにか。それは、目の前の現実を見ることである。
日本人の父親と外国人の母親の間に生まれた子供が、日本国籍を持てないことにより社会保障や福祉、教育上の弊害を抱える現実を目の当たりにすれば、とてもでないが「妄想上の犯罪」を盾に、国籍の問題に苦しむ子供たちを叩き殺すようなことなどできない。
国際人権的観点から言っても、「純血な日本人さえいればいい」という考え方(「純潔な日本人」の定義がそもそも何であるかは別の課題として横に置いておくとして)は、非常に閉鎖的で国際協調性のない考え方だ。幕末の時代に「鎖国」を主張していた武士たちでも、ここまであからさまな外国人差別は行わなかったのだろう。

今回の国籍法改正は、日本人が「差別主義」「純血主義」から脱却するための大きなプロセスであり、チャンスでもある。
安倍晋三元首相が提唱していた「戦後レジームからの脱却」にもつながる考え方だろう(ここで改めて書くまでもないが、「戦後レジームからの脱却」というのは、日本の政治・社会体制が明治時代に戻るとか、さらには江戸時代に戻るとか、そういう閉鎖的な話ではない)。

海の向こうでは、黒人の「次期大統領」が誕生した。米国では、長い間、黒人は奴隷だったのである。日本でいうところの「えた・非人」。
生まれた家がそういう家系だから、肌の色が違うから、本当はただそれだけの違いなのに、差別され続けてきた。何年も、何十年も、何百年も。でも「私たちも人間なんだ!」と立ち上がったから、米国の黒人たちは奴隷ではなくなった。白人と変わらない、米国民になることができたのだ。
これは日本史的な議論を呼ぶところだが、日本の「えた・非人」には直接的な差別主義撤廃運動(米国における「公民権運動」)が存在しなかった。できなかったとも言える。いつまでも「御上」が恩恵を与えてあげるだけという図式が覆ることはなかった。「えた・非人」は、「御上」が恩恵を与えて下さったから、初めて奴隷ではなくなった。そこに米国における黒人たちのような「下からの差別撤廃のための行動」は存在せず、いつまでも閉鎖的、絶望的であった。

そこに現代日本につながる問題点がある。差別は(誰かに)解消してもらうものではなく、(自分たちが)解消するものである。平和は(そこにあるものを)守るものではなく、(ここにないものを)作るものである。いじめは、(誰かによって)なくなるのを待つものではなく、(自分たちによって)なくすものである――。
私は、京王井の頭線の渋谷駅を毎日利用しているのだが、そこの連絡通路に昨日から掲げられた、岡本太郎の『明日の神話』を眺めていると、そんなことを感じさせられた。

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2008年11月14日

古賀氏が「古賀派は主流派」宣言 狙うは“キングメーカー”の座?

人気低迷にあえぐ首相の方に朗報です。議員歴28年目の方が、あなたを必要としています。

古賀氏が「主流派宣言」 麻生派と合流に含み、関係修復へ秋波?

 定額給付金などをめぐり麻生太郎首相への逆風が続く中、首相と不仲がささやかれてきた自民党の古賀誠選対委員長が「主流派」を宣言し、首相の全面支持を打ち出した。古賀派(宏池会)から10年前に分裂した麻生派(為公会)との合流にも言及。麻生政権発足後、古賀氏の発言力は低下しており、首相との関係修復により巻き返しを図りたいとの思惑もチラつく。

 「よく考えると(麻生政権の政策の)難しいところは何もかも宏池会がやっている。いっそのこと為公会と一緒に大宏池会になっておけばよかったと思わなくもない。しっかりと支えて頑張っていきたい」

 13日昼、古賀派総会で古賀氏がこうあいさつすると出席議員から驚きの声が漏れた。

 古賀氏の指摘通り、定額給付金は園田博之政調会長代理が仕切り、国際金融危機対応プロジェクトチーム(PT)座長は柳沢伯夫元厚労相、道路特定財源の一般財源化PT座長は谷垣禎一元国交相が務めるなど主要な政策は古賀派議員が担っている。

 だが、古賀氏と首相は郵政民営化を機に関係が悪化した。首相は18年末に旧谷垣派との合併工作を進めるが、古賀氏の干渉により頓挫し、その後、古賀派が谷垣派と合流したためより険悪化。古賀派内の麻生派との合流「大宏池会構想」を求める声も古賀氏は「麻生氏とは理念・哲学が違う」と一蹴(いっしゅう)してきた。

 ところが先の総裁選で菅義偉選対副委員長ら若手・中堅の多くが「麻生擁立」に動き、古賀氏も従わざるを得なかった。麻生政権発足により菅氏らはますます台頭しており、古賀氏にとって首相との関係修復は急務となったようだ。

 古賀氏は先月9日にも埼玉県草加市の講演で「首相と溝があると書かれるがそんなことはない。宏池会で同じ釜のメシを食った仲で、今でもタロちゃん、マコちゃんと呼び合っている」と親密さをアピール。今回の発言も修復工作の一環とみられるが、もし大宏池会が実現すれば町村派に匹敵する大派閥となるだけに党内の勢力図が大きく塗り替えられることになる。

(14日、産経新聞)

13日、麻生太郎首相は、米ワシントンでの「金融サミット」(第1回緊急首脳会議)出席のために政府専用機で日本を出発した。
“麻生不在”の永田町で、13日、自民党の古賀誠選対委員長の口から「古賀派は主流派」宣言が飛び出した。
13日午後、自民党古賀派の総会で、古賀氏は「よく考えると(麻生政権の政策の)難しいところは何もかも宏池会(古賀派)がやっている」と語った上で、麻生政権について「しっかりと支えて頑張っていきたい」と述べ、麻生首相にエールを送った。

2006年末、当時安倍晋三内閣の外相だった麻生首相は、自身が会長を務める為公会(麻生派)と、谷垣禎一元財務相が会長を務める谷垣派の合併を画策したが、古賀氏の“干渉”があり、実現が阻まれた。
さらに、2008年には、谷垣派と古賀氏が会長を務める古賀派と谷垣派が合流(「中宏池会」構想の実現)。古賀氏が会長に就任し、谷垣氏は会長代行に収まった(※「中宏池会」構想実現までの経緯は、過去にこのブログで詳しくお伝えしてきた。興味のある方は、検索ボックスから過去のエントリをお読み頂きたい)。
それ以来、麻生・古賀両氏の関係は劇的に悪化。一時は浮上した「大宏池会構想」(かつて一つだった麻生・古賀・谷垣の3派が合流する構想)についても、古賀氏はその現実化に否定的な見解を述べてきた。

そんな中、今年(2008年)9月に「麻生首相」が誕生したわけだが、安倍・福田前政権と比較しても速いペースで麻生政権は難局を迎えている。
迷走を続ける「定額給付金」騒動をめぐっては麻生首相のリーダーシップすら疑われている現状だが、昨日(13日)、古賀氏からは麻生氏にエールを送る発言があった。
古賀氏は、麻生政権の内部について「難しいところは何もかも宏池会(古賀派)がやっている」と語ったが、実際、「定額給付金」は古賀派の園田博之政調会長代理が仕切っている。
また、「自民党国際金融危機対応プロジェクトチーム(PT)」では同じく古賀派の柳沢伯夫元厚労相が座長に就任。今月7日に発足が決定された「道路特定財源の一般財源化PT」の座長にも、谷垣氏が選出された。

先月(10月)9日にも、古賀氏は埼玉県草加市での講演で「首相と溝があると書かれるがそんなことはない。宏池会で同じ釜のメシを食った仲で、今でも『タロちゃん』『マコちゃん』と呼び合っている」と、麻生首相との関係回復をほのめかす発言を展開している。
麻生首相と古賀氏の2人が、お互いを「タロちゃん」「マコちゃん」と呼び合っている光景はあまり想像しにくいが、古賀氏の一連の発言には、どんな思惑があるのか。

安倍元首相、福田康夫前首相と、町村派から2人の“任期投げ出し総理”が誕生したことで、小泉純一郎政権時代から党内の“キングメーカー”と目されてきた森喜朗元首相の影響力は低下を余儀なくされた。
そんな中で、古賀派と谷垣派の合併により、町村派、津島派に続き今や党内No.3の議員数を誇る派閥となった古賀派。福田政権では念願の主要ポストも獲得し、小泉―安倍政権で続いてきた“冷や飯”食い生活から脱出した。
安倍・福田・麻生と、多様なカードを切ってもその効果が現れず、下野するとの見方までされる自民党内では、「欲求不満」現象が生じている。

このような党内を占める半絶望感の中で、かつての自民党の栄光を取り戻そうと躍起なのが、実質上の“キングメーカー”になることを狙う古賀氏だ。
人気低迷にあえぐ麻生首相は、きっと「頼みの綱」を求めているに違いない。だったら、その「綱」に自分がなってみせようじゃないか。それは自民党、ひいては宏池会を再び栄光の座に復権させる意味合いを持つ――。古賀氏としては、そのような心境なのではないだろうか。

自身の内閣の官房長官に河村建夫氏、党幹事長に細田博之氏という“超地味系”議員を登用したことからみると、麻生首相は“リーダーシップ”に溢れた首相をやり遂げる覚悟だろう。
そこに古賀氏の登場する幕はないように思えるが、一寸先は何が起こるか分からないのが永田町。もしかしたら、国民の大半の興味から離れるところで「サプライズ」があるかもしれない。



<追記>

今回のエントリは古賀派に関するエントリだったので、谷垣禎一前政調会長の名前も何回か出てきた。
さて、その谷垣氏とある週刊誌の間(あいだ)のお話。

谷垣元財務相の名誉棄損訴訟、文春の敗訴確定…最高裁

 週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、谷垣禎一・元財務相が発行元の文芸春秋などに2200万円の賠償などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は11日、文芸春秋社側の上告を退ける決定をした。

 同社に220万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決が確定した。2審判決によると、2005年12月1日発売の同誌は、1988年に谷垣元財務相が買春疑惑で中国当局の事情聴取を受けたなどと報じた。

(12日、読売新聞)

2006年党総裁選時、週刊文春は当時の総裁候補(安倍氏、麻生氏、谷垣氏)の3人に誌上インタビューを行ったが(インタビュアーは阿川佐和子さん)、谷垣氏は「貴誌とは係争中なので」とインタビュー依頼を断った。
明らかに事実としか思えない“無難”な記事だけを掲載していては、売り上げ低下がさらに加速するだけだろうが、しかし、メディアの片隅にでも位置する者としては、それなりの裏付けぐらいしてもらいたいものだ。
谷垣氏が「ハニートラップ」に引っ掛かった!…などというトンでもない話題を、久々に思い出させられたニュースだった。



<追記 その2>

一部スポーツ紙の報道によれば、来年(2009年)3月に『NEWS23』(TBSテレビ)が終了するという。
たしかに、今秋の番組改編で放送時間の縮小(22時54分からの番組スタートが、23時00分からになった)、月曜第2部の打ち切りなど“予兆”はあった。
今月7日には、番組初代「キャスター編集長」の筑紫哲也氏が逝去したが、そのこととは直接の関係なく、今秋の改変の時点で『NEWS23』の打ち切りは既定事項だったのだろう。

来年春からは、23時台は30分間のストレートニュースを、膳場貴子キャスターが一人で放送。
その代わりと言っては何だが、18時台から2時間の報道・情報番組を放送し、21世紀に「報道のTBS」を甦らせるとのことだ。この報道が本当かどうかはよく分からない。

最近の『NEWS23』は、実に中身のある超優良報道番組だと感じていたので、打ち切りが本当ならば純粋に残念だ。
私が前回のエントリで持ち上げた『イブニング・ファイブ』も終了してしまうことになるのだろうか?
TBSはこの30年以上、TBS元アナウンサーであり『イブニング・ファイブ』メインキャスターである三雲孝江キャスターに“依存”し切ってきた(関連エントリ)
番組改編はテレビ局にあっては世の常だが、三雲キャスターの処遇を一歩間違えると、TBSは大火傷を負いかねない。要注意である。

――それにしても、先日(11日)の追悼特番『ガンとの闘い500日…筑紫さんの遺したもの』はよい出来だった。
友達があんまりいないことで知られる福田前首相が、筑紫氏について「最初会った時は『この人とは立場が逆だから』と身構えたけど、実際会ったらそんなことはなかった。筑紫氏は心置きなく何でも話せる友人」と語っていた。
対する筑紫氏のほうは「福田さんとの関係(筑紫氏が政権批判をすること)はしょうがない。私は権力のwatchdog(監視役)だから」といったことを日記に書き残していた。
番組EDでの井上陽水さんによる『最後のニュース』演奏も感動した。そこに昔の筑紫氏の映像をかぶせるという手法は、超ベタではあるものの、滅茶苦茶ホロリとしてしまった。


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2008年11月12日

「定額給付金」で迷走… 景気を悪くしたあなた、最低です

金持ちも貧乏人も「給付金」受給を辞退しろ! さもなくば…

<定額給付金>「所得制限」めぐり衝突

 総額2兆円規模の定額給付金(仮称)の支給対象を巡る政府・与党内の混乱の背景には、景気対策と迅速性を重視する「全世帯給付派」と、「ばらまき批判」をできるだけ抑えようとする「所得制限派」の衝突があった。さらに、首相がいったん「全世帯」と打ち上げながら、所得制限を容認するよう発言を転換したことが混乱に拍車をかけたため、与党からは官邸の調整能力と首相のリーダーシップを疑問視する声が噴出。年内衆院選を見送り、実績づくりで政権浮揚を図るようかじをきった首相だが、スタートからつまずいた形だ。【犬飼直幸、西田進一郎】

 首相が定額給付金を「全世帯対象」と発表した翌日の10月31日。首相官邸で開かれた経済財政諮問会議は、高額所得者を除外するか、全世帯配布かで意見が衝突した。

 民間議員「豊かな家計ではあまり消費喚起の効果がない」

 鳩山邦夫総務相「単純に手間暇を考えた場合、地方自治体の窓口で配ることになると、どこまでできるかという問題との闘いだ」

 民間議員「やはり上限をどこかに置いた方がいい。自主的申告という考え方もあろうかと思う」

 結局、進行役の与謝野馨経済財政担当相が「所得制限を設けないとも設けるとも、実はどちらにも決めていない」と議論を引き取り、首相の「全世帯配布」の方針をあっさり撤回した。財政再建に重点を置く与謝野氏は、そもそも財政支出を極力抑えたいとの立場。給付金の景気対策としての実効性にも疑問を抱いており、翌11月1日にはテレビで「高い所得の世帯にお金を渡すのは常識から言って変だ」と語った。

 これに対して、巻き返しに出たのが景気対策重視派だ。中川昭一財務・金融担当相は4日、「事務手続きをやっていくとかなり時間がかかる。年度内で迅速にという観点からは一律にやらざるを得ない」と与謝野氏の意向に猛反発した。

 しかし、この時点では、首相は与謝野氏に傾いた。首相は中川氏発言の4日、「貧しいとか生活に困っているところに出す。豊かなところに出す必要はない」と与謝野氏に同調した。ただ迷走する首相に対しては、与党内から「首相の指導力不足」などの声が噴出した。

 10日には、事務作業の膨大化を懸念する自治体を代表し、全国市長会長の佐竹敬久秋田市長が「所得制限なしが望ましい」と会見で表明。現場レベルからの「反対」に、首相もようやく、高額所得者に自発的な辞退を促すことを明確に示した。当初、優勢だった与謝野氏も11日には渋々追認するしかなかった。

 こうした中、民主党の小沢一郎代表は11日神戸市内で記者団に対し、首相が高額所得者の自発的な辞退を促す方針を示したことについて「与謝野さんが言っているように『自発的に辞退』というのは制度じゃない」と、首相を批判したうえで与謝野氏にエールを送った。

 与謝野氏が首相の「全世帯配布」方針に強く異を唱えたことについて、自民党幹部は「これまで黒衣の調整役だった与謝野氏が首相の意向を平然と無視したのは、次期首相を目指すという政治的野心が生まれているからだ」と指摘。小沢氏の発言も、次期衆院選後の政界再編を視野に置き、与謝野氏に秋波を送っているとの見方も自民党内で出ている。

 ◇うんざりムードも

 定額給付金を巡る政府方針が二転三転したため、自民党内ではうんざりした雰囲気が漂った。党内では元々、定額給付金の導入に慎重論が根強かっただけに、調整にかかわった党幹部が「やるべきではなかった。財源は税金ということを忘れてはいけないし、胸が痛む」ともらすなど、正式決定前に制度そのものの是非論まで再燃している。

 自民、公明両党は11日、政調幹部が電話などで最終調整を行った。12日の幹事長、政調会長などの会合で決定する方針だが、検討対象は「給付金」という名称の変更まで拡大。笹川尭総務会長は11日の記者会見で、「支給でも給付でも一緒だが、(名称で)迷うなら、鉛筆を転がして、神に委ねるしかない」とあきれ気味に語った。

 定額給付金制度は政府・与党の掲げた追加の経済対策の目玉。迷走の原因が首相自身の発言のぶれにあり、与党内には「普通は発言する前に調整しておくものだ」と、首相の政策決定手法への不満がくすぶる。自民党内では「こんなことで、次期衆院選のタイミングを判断できるのか」(幹部)として、政権運営への懸念も出始めている。

(12日、毎日新聞)

麻生太郎首相が先月(10月)発表した「追加経済対策」の目玉である“定額給付金”制度(仮称)。
総額2兆円規模で実施されるもので、簡単にいえば「全世帯」に金券・クーポン券を支給するという制度である。
国民一人につき1万2000円。18歳以下と65歳以上の国民には、8000円が加算されて、一人につき2万円が支給される。
これについての財源は、特別会計の余り金、いわゆる“埋蔵金”を充て、赤字国債の発行を新たに行うようなことはしない。

麻生首相は会見で、支給対象を「全世帯」と発表したが、この考え方について、与謝野馨経財担当相は「高額取得者が給付金を受給するというのはおかしな話だ」と噛み付いた。
これに対し、中川昭一財務・金融相は「事務手続きをやっていくとかなり時間がかかる。年度内で迅速にという観点からは一律にやらざるを得ない」と、現実的には受給する人・しない人の“線引き”を行うことは難しいという考えを示した。
閣内で「与謝野VS中川」という構図が生まれたのだが、さて、内閣トップの麻生首相の判断はどうか。

そもそも麻生首相は、先月の記者会見で「全世帯」を対象に定額給付金を支給すると提言した。
しかし、与謝野氏が所得制限を設けるよう主張しだすと、麻生首相は与謝野氏の考え方に同調。一転、所得制限を設けることを容認する発言を行った。
首相による、このいきなりの“方向転換”に、政府・与党内は混乱。現在も“迷走”が続いている。

給付金を全世帯に支給し、それを景気対策につなげたいという麻生首相。
年収が5000万円も1億円もあるような高額取得者は、支給対象から外すべきだという与謝野氏。
いや、現実的にはそんなことは難しい。決めた以上は、全世帯に給付すべきだという中川氏。
――3人とも、主張したいことは分かる。また、理解できる。
しかし、与謝野氏と中川氏の意見が衝突し、麻生首相が未だに“どっちつかず”の状態を続けているから、この問題は迷走している。
ここはトップリーダー、すなわち麻生首相の“決断”が必要な時だろう。麻生首相には、ぶれない姿勢で決断をしてもらいたい。
各自治体・市町村による支給裁量が実施される枠組みは決定したが、それならそれでいい。大事なのは、麻生首相が「こうします」としっかりメッセージを打ち出すことだ。

私自身が今回の件をどういう風に考えるかというと、これは人間の“品格”の問題だと思う。
たしかに、無条件で1万2000円が貰えるのは嬉しい。これで何か買おうとも思う。11日に政府・与党が固めた方針によれば、年収1800万円以上の人は「辞退すべきだ」とのことだ。
では、「江戸っ子」ならどうするだろう。
お金に困る江戸っ子なら「こんなもの要らねえや。孤児にでもくれてやれ」とやせ我慢して受け取りを拒否するだろうし、高額所得者の江戸っ子なら「倍にして返してやらあ」とやはり受け取りを拒否し、さらにはその倍の額を政府に寄付するなり、募金するなりするだろう。

対して、金がないから貰える金は最大限貰おうとし、「お前は高額所得者だから辞退しろ」と言われてもそれを拒否して、自分の懐に金を入れる。
そんな“セコい”人間の行き着く先は、堀江貴文か小室哲哉である。守銭奴のような人間は、最後には堕落し腐敗する。シェークスピアを観てもそれは明らかだ。
某野党第一党の党首は、国民の税金で私的不動産を購入し、セコセコと財産を増やしている(※)が、こんな人間は必ず逮捕される。
どんなに落ちぶれても、無様な“セコさ”を世間に見せるような人間にはなりたくない。「お前、貧乏だよね」と言われても「うるせえ!おれは貧乏じゃない」と、家具を売り払ってスッカラカンの家の中で叫ぶような人間に私はなりたい。

定額所得者も、高額所得者も、定額給付金の受け取りを拒否しよう。
あるいは、受給した金で国債を購入してもいいし、どこかの慈善団体に寄付してもいい。
「金が欲しい。金くれ!」などと公言するような“セコい”人間になって金集めに必死になるぐらいなら、生活費も貯金も一切なくなって、餓死する。それも一つの美徳だろう。

――ちょっと話が大袈裟になってしまった感があるが、受給した1万2000円で何か商品を購入することも、立派な“景気回復対策”の一環だ。とりあえず、その商品を販売したり製造したりしている企業は助かる。
だから、貰った1万2000円を単純貯蓄するのだけはやめよう。それで何かを買おう。
不景気な時こそ金を使う。国民みんなが商品の代替機能として、紙幣や硬貨を使用すれば、不景気なんてすぐになくなる。景気回復なんてすぐに実現する。

景気を悪くしたのは、他ならぬあなた、国民である。もちろん、そんな意識はないかもしれない。赤字国債を発行したのは政治家の一部であって、自分には関係ないと思うかもしれないが、その政治家を選んだのはあなた自身である。同時に私自身でもある。
自分で悪くした景気を、自分で回復させてみようじゃないか。そのために、一番簡単な方法。
それは、お金を使う。商品を買う。企業に対してお金を消費する。

使いませんか? お金。




<追記>

色々事情があって、私はこの2年以上、夕方ニュースは『速ホゥ!』(テレビ東京)という番組だけを見てきた。
もちろん、私はニュース番組マニアだから、他の番組もチェックしていたが、内容にまでしっかり踏み込んだのは『速ホゥ!』だけだった。
この秋、『速ホゥ!』は終わった。もうテレビ東京の夕方ニュースを見る義理はないので、私の大好きな三雲孝江キャスターが出演する『イブニング・ファイブ』(TBSテレビ)を見てみた。

一昨日(10日)には、我が国自衛隊の少年自衛官(16歳前後)の訓練や寮生活などについての特集が放送されていた。批判的な報道ではなく、むしろ防衛省のイメージビデオを見ているかのようで、私としては大変見やすかった。『イブニング・ファイブ』はなんて素晴らしい特集を放送するんだろうと思った。
昨日(11日)は「麻生首相の『ホッケの煮付け』は都内料理店に実在した!」というニュースがトップニュースで放送されていたし、今日(12日)の放送では、不法移民の家庭に生まれ、自分を日本人だと思いながら13年間過ごしてきた女子中学生のドキュメンタリー特集が放送されていた。

本当にもう、『イブニング・ファイブ』は素晴らしい番組なのである。私は寝返った。私は今週から『イブニング・ファイブ』派である。改めて、テレビ東京とはキッパリ縁を切る。

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2008年11月01日

「田母神論文」をきっかけに、日本政府は過去の戦争を捉え直せ

「思考停止」しか能のない人間が総理になるぐらいなら――。

自著にまだ売れてるの?=麻生首相、書店で買い物

 麻生太郎首相は1日午後、東京・八重洲の「八重洲ブックセンター」を訪れ、読書の秋に備えて御厨貴著「表象の戦後人物誌」など政治、経済関係の書籍4冊を購入した。

 首相は店内で、買い物客に「こんにちは」と声を掛けたり、握手に応じたりしてすっかりリラックスした様子。お気に入りの漫画コーナーには立ち寄らなかったものの、自著の「とてつもない日本」や「自由と繁栄の弧」が陳列された棚を見つけると、「まだこんなものが売れていることが不思議だ」と照れ笑いしていた。
 
(1日、時事通信)

きょう(1日)午後、麻生太郎首相は、JR東京駅近くの大型書店を訪れ、政治・経済関係の書籍4冊を購入した。
麻生首相は文芸書、国際情勢、経済など各コーナーをひと回り。
途中で客から「本を買いに来たんですか?」と声を掛けられると「そうです」と答え、握手にも気軽に応じた。
レジでは自分で財布を取り出し、現金で支払いを済ませた。

麻生首相が購入した書籍は、こんな本だ。
村井哲也著『戦後政治体制の起源―吉田茂の「官邸主導」』(藤原書店)
御厨貴著『表象の戦後人物誌』(千倉書房)

『戦後政治体制の――』は、若手の政治学者が祖父・吉田茂元首相の政治運営などについて考察した本。
『表象の――』は、東京大学大学院教授が、昭和天皇の伴走者・徳川義や、保守本流に位置した危機の宰相・池田勇人など、戦後日本を代表する人物の行動などを描いた本である。

――さて、解散・総選挙について、自民党幹部の発言である。

<自民・大島氏>「年内の衆院解散難しい」

 自民党の大島理森国対委員長は1日、青森県八戸市で記者団に「現実的に『クリスマス解散』をやって経済対策がすべて実現できるとは思わない」と述べ、年内の衆院解散は難しいとの見方を示した。

 大島氏は「選挙より経済対策と決定した。どんなことをしても実現しなければならない。今年度の補正予算案に盛り込まれたものは何が何でも実現しないとならない」と指摘し、第2次補正予算成立を最重視すべきだとの考えを示した。

 また麻生太郎首相が年内の衆院選を先送りした理由について「10月のアジア欧州会議で各国首脳が(大統領選が行われる)米国と経済ナンバー2の日本が、時同じくして政治の安定感がなくなることを心配した。首相の決断の中で大きい一つだったと思う」と語った。【喜浦遊】

(1日、毎日新聞)

――今日の新聞各紙朝刊のトップ記事は、浜田靖一防衛相が、航空自衛隊トップの田母神(たもがみ)俊雄・航空幕僚長が更迭されたという記事だ。
これは、田母神氏が自身の実名で『日本は侵略国家であったのか』と題する論文を発表したことを受けての対応だ。

麻生内閣は、1995年発表の「村山談話」と2005年発表の「小泉談話」を踏襲し、大東亜戦争など過去の日本の戦争において、日本が植民地支配と侵略によりアジア諸国の人々に多大な迷惑を与えたとする姿勢を示している。
これに対し、田母神氏の論文は、日中戦争について「我が国は蒋介石により戦争に引きずり込まれた被害者」と指摘し、旧満州や朝鮮半島が「日本政府と日本軍の努力によって、圧制から解放され、生活水準も格段に向上した」と植民地支配を正当化している。

憲法にある「思想・良心の自由」の記述から言って、田母神氏個人がいかなる政治思想を持っていたとしても、たとえ田母神氏が政府(防衛省)の幹部であったとしても、なんら問題はない。それは“私的見解”の範疇だからだ。
しかし、政府(麻生内閣)の“公式見解”と政府(防衛省)の幹部の“公式見解”がちぐはぐになってしまっていることは問題だ。“公式見解”については、厳正に統一化する必要がある。
大東亜戦争に関する思い入れがどんなに強いとしても、政府(防衛省)幹部である人間が、政府(内閣)の“公的見解”と異なる“私的見解”を実名で公表したことには問題があると言うしかない。

特筆すべきは、田母神氏が「確信犯」である点であろう。
防衛省幹部である身分を利用して、政府と異なる“私的見解”を公表した、との批判を受けても致し方ない。
私自身は、田母神氏の言っていることは否定できない面があると思うし、また一理ある思考だとも思うが、この種の発言は、政府(防衛省)の要職にあっては厳に慎むべき発言だ。
その点、田母神氏の論文がインターネット上に掲載された当日(先月31日)に、浜田防衛相が田母神氏を更迭したことは、実に迅速な対応であったと言える。

先日、大阪府の橋下徹知事が「日教組」批判を行ったが、「日教組」について、大阪府の“公式見解”というものはない。だから、橋下知事が「日教組」批判をしたとしても、それが府内(地方自治体内)の“公式見解”を逸脱することはありえない。
また、明らかに府知事の“私的見解”と思われる発言が存在したからといって、それが府(地方自治体)としての“公式見解”だと解釈することには、常識的に言って無理があるだろう。

ただし、「本当に日本の過去の戦争は侵略戦争であったのか」という点について、もう少し真剣に、「村山談話」の存在が現代日本で正当性があると解釈することが妥当であるかということを、政府・国民は真剣に検討する必要があるだろう。
過去に発表されたものは覆せない、過去に発表されたものはすべて正しい、ということでは、政治経済学者の小室直樹氏の指摘する通り、日本は「伝統主義」という呪縛から抜け出すことができない。
安倍晋三元首相が「村山談話」や「河野談話」を踏襲したというのは、今考えてもおかしな話であるし、政権が交代するごとに、日本国政府は、過去の日本のあり方について、真剣にその立ち位置を検討する必要性があるのではないか。
――ちなみに、小室氏の著書の愛読者は、田母神氏の“私的見解”と同じような意見を持っていると思う。

最後に重ねて申し上げるが、私は、田母神氏の意見が正しいと言っているのではない。しかし、そういう見方があり得るのも事実だ。
新しい政権が、必ずしも過去の首相談話を踏襲しなければならないという規則など存在しない。
政権ごとに、過去の戦争について、真剣に捉え直す――。“慣行的”に、過去の日本の歴史を真剣に考察することなくやり過ごすようなことは、今後、決してあってはならない。
私は、思考停止で「『過去の戦争悪かった』って、昔の総理が言ったんで、私もそれでいいです」と発言するような首相よりは、 「やはり、私は必ずしも『過去の戦争を侵略戦争』と決め付けることは出来ません」と発言するような首相のほうがいいと思う。
たとえ新しい総理大臣が間違った知識を持っていたとしても、思考停止の人間が総理大臣になるよりはマシだ。

――こういった「理想論」を現実のものにするためには、やはり政界再編が必要かもしれない。

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posted by Author at 21:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・政局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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